A D M I N
topimage

2017-08

最新記事一覧  

「名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件」 (1980年) 中村雅楽シリーズ第3弾 - 2017.08.17 Thu

歌舞伎界のシャーロック・ホームズ・中村雅楽が活躍するミステリー最終作。



今年の5月9日に土曜ワイドの「名探偵雅楽シリーズ」が見たいという記事を公開してから
約三か月・・・結局全三話を見ることが出来ました。




「名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件




●「名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件」  1980年5月3日
原作: 戸板康二  『加納屋実説』  團十郎切腹事件(1) 中村雅楽探偵全集 創元推理文庫 収録、
グリーン車の子供
脚本: 吉田剛
音楽: 木下忠司
監督: 斎藤武市
制作: 松竹
出演: 中村勘三郎、近藤正臣、山城新伍、林与一、
高橋洋子、有島一郎、早乙女愛、有川博ほか




「名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件

千秋楽を終えた中村雅楽(中村勘三郎)の楽屋に東京から
公演を見に来ていた東都新聞の竹野伸夫(近藤正臣)と
行きつけの料理屋の娘美津(早乙女愛)が来た。



そこへ舞台を終えた人気役者嵐沢之丞(林与一)と
筆頭弟子の嵐京十郎(北村総一郎)も入ってきて
沢之丞の後援会で温泉のゴルフコンペがあり、
そのお礼に”忠臣蔵”の五段目と六段目をやることになったので
雅楽に与市兵衛を演じて欲しいという依頼に来た。
雅楽も与市兵衛だけはやったことがなかったので快く了承した。
竹野は仕事が忙しくいけないが、美津は見に行くという。





後援会長の栗田(伊沢一郎)が岐阜の瑞浪でゴルフ場をやっていてそこに古い劇場を移設したのだという。
竹野が名古屋の中村遊郭にあったものだというと、雅楽は”相生座”じゃないかと言った。
すると、沢之丞と京十郎と京十郎の顔が曇り、その小屋がかつてよく出ていた
”相生座”であることを初めて知り不安げな表情だった。
相生座には最近女と少年の幽霊が出るという噂が出ていた。



名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件

当日、雅楽たちはゴルフを楽しみそれが終わり各賞の発表があった。
そこへ染谷栄子(白石奈緒美)と娘の華子が突然やって来た。



栄子は沢之丞の前の後援会長で、京十郎のパトロンで肉体関係もあった。
華子は沢之丞と婚約する予定もあったが、
栄子が経営していた大きな料亭が潰れたことにより
京十郎が沢之丞と華子の仲を引き裂いていた。
二人が名古屋のホテルに住んでいるのに招待状を送ってこなかったことをなじった。




沢之丞は栗田の娘(西田珠美)と婚約の噂があり
栗田の息子ノボル(有川博)は相生座の従業員
林琴江(高橋洋子)と恋仲で結婚を考えていたが
琴江には同じく劇場で働いている父の梅吉(有島一郎)と
松次郎という少年がいて二人の事を持ち出し結婚を渋っている。
ノボルはそれも承知の上だが、琴江は自分は愛してもらう資格がないと言いだしていた。



栄子は店が潰れたのは京十郎たちのせいだとおもっていて
沢之丞と華子の婚約をないことにしたことにも腹を立てていて罵るが
京十郎は栄子が栗田の融資を受けたいことを引き合いに出し
これ以上出しゃばらせないようにする。
栄子は二人に松江の幽霊にとりつかれろと言うと
京十郎は幽霊が松江ならばお前たちにも取り付いてくると吐き捨てた。


栄子が経営していた店には島崎松江という若い未亡人の仲居がいた。
店に客として通っていた沢之丞と恋に落ちて二人は結婚まで考えていた。
松江には梅太郎という息子がいて、千松役で沢之丞と一緒に舞台にも上がっていた。



身分の違いから京十郎と栄子は二人の結婚に大反対していて
京十郎が睡眠薬で松江を眠らせて体の自由を奪うと
さも自分と肉体関係があるように沢之丞に誤解をさせて
二人の仲を引き裂くと松江は入水自殺をして
これに気づいた梅太郎も後を追って死んでしまった。
栄子もこれにかかわっていて、松江に対して後ろめたい過去があった。



公演を明日に控えた夜、沢之丞と京十郎は小屋を見に行った。
奈落へ行ってみると声が聞こえてきて
千松の衣装を身に着けた少年と松江が死んだ時の格好をした女の幽霊を見た。




翌日、沢之丞は京十郎に松江を死なせた責任は自分たちにあるというと
京十郎は幽霊よりも生きている誰かのたくらみが怖いと話した。
そこへ雅楽と美津がやってきて、これから劇場に幽霊の事を調べに行くと言い去っていった。



名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件

雅楽たちは小屋の中へ入り床下の蓋を開けて中に水槽があることを確認した。
そばにはキャラメルと思われる包み紙が残されていた。
それを見た美津が怖いというと、雅楽は生きている人間の恨みの方が怖いと言った。




いよいよ芝居が始まることとなり開場となった。
今回は2階が使えなくて1階だけにしか客を入れない。

名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件

座布団が足りなくなりノボルが二階へ取りに行くと銃器戸棚の前に琴江がいた。



そして歌舞伎「忠臣蔵」の公演が始まり、五段目”山崎街道”の場で、
勘平役の沢之丞が、定九郎役の京十郎をいのししと間違えて銃を放つ場面で
小道具の鉄砲に、いつの間にか実弾が込められていて、京十郎を射殺してしまった。
使用した銃は栗田から渡されたもので弾は込められてなかった。


雅楽は、弾が二発射たれたのではないかといい
刑事(井上昭文)が探すと弾が一つ見つかった。
栗田が銃は全部で五丁あるといい保管場所の隣の二階を調べると
京十郎を殺した弾がそこにある同じ型の一丁から発射されたことを解明する。


名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件

だがノボルは上演中はそこには誰もおらず無人だったと証言した。
そこにはかんざしが落ちていて沢之丞は自分も京十郎も報いを受けているんだと頭を抱えた。



名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件

沢之丞は最近おしが強くてがめつい京太郎とはうまくいってなかった。
嵐一門を取り仕切る京十郎は沢之丞を自分の意のままに操ろうとしていた。


雅楽は幽霊は実在すると言い、今晩幽霊の正体を見せましょうといった。
月がきれいな夜だった、小屋には雅楽をはじめ関係者たちが揃っていた。
雅楽は梅吉に照明を落とさせて暗くすると、琴江をある場所に立たせて
美津にドアを開かせた。



名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件

すると、月明かりが差し込み、蓋を外してあった水槽の底に置いてあった鏡に
それが反射をして別の場所に立っていた琴江が鏡に映し出された。
この光を利用した鏡の反射と反射、さらに隠してあった幻燈機も使い幽霊が出たように見えたのだ。
雅楽は幽霊の正体を沢之丞が知っているというと、沢之丞は自分の口からそれは言えないといった。



翌朝、江川が雅楽の部屋に来て幽霊になりそうな女と子どもは
この辺りはほとんどが小屋の素人役者や関係者ばかりで
対象者が多くてつかめないという。
雅楽は美津に竹野にある調査をしてくれという依頼をしに東京へ行かせた。



名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件

沢之丞は琴江に島崎松江の妹ではないかと尋ねた。
初めて会ったときから似ていて気になっていたが、このことは警察には言わないと言った。
沢之丞は京十郎の策略にだまされて、松江が京十郎と肉体関係があったと誤解してしまい
松江を死に追いやった責任を感じていて殺されても仕方がないくらい済まないと思っていると詫びた。


松江の父は梅吉で、妹が琴江だった。
松江は沢之丞と別れる前に沢之丞の子どもを身ごもっていて早産で男子を生んでいた。
その後に死んだのだったが、事件が起こるまで沢之丞は松次郎が自分の子どもであることを知らなかった。
松江がひどい仕打ちを受けて自殺したことで、7年ぶりに沢之丞に再会し復讐を企てたのだ。


琴江と沢之丞がふたりでいるところへ、上から大きな岩がいくつも降ってきた。
これに気づいた琴江がとっさに沢之丞を助けた。



雅楽は遊んでいた子供たちに話しかけた。
彼らは皆小屋の子役だった。
雅楽は幽霊の少年を探すためにセリフの掛け合いをして
彼らじゃないとわかると他の子役の家を聞いて松次郎の家へ行く。


名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件

そこには梅吉が居て雅楽は松次郎と話すことが出来ずやんわりと自首を勧めて帰った。



沢之丞を助けた琴江を梅吉は叱った。
だが琴江は沢之丞を許して、自分たちはここを去ろうというが
沢之丞も雅楽も自分たちのことを探り始め梅吉は後へは引けない。
梅吉は琴江に小屋から幽霊の道具を引き上げて来いと言った。


琴江がいいつけどおり幽霊の細工をした時の仕掛けを引き上げていると
ノボルがやってきてそれを手伝ってくれた。
ノボルは京十郎が殺された日に、銃器戸棚の前に琴江がいて
戸が閉まっていなかったことから琴江たちのことに気が付いていた。
幽霊の道具はノボルが洞穴へ始末しに行ったが、この様子を華子に見られていた。



小屋では警察が関係者を呼び集め事件当日の位置に全員を配置し
写真の撮影を行おうとしていた。



名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件

華子からノボルが琴江に協力していたことを聞かされた栄子は
栗田に融資の事を持ち出し、ノボルと華子をつき合わせてほしいというが
うまくはぐらかされてしまう。
栄子は洞穴からノボルが隠したものを持ち出してきて
それを種に栗田に自分たちの要求を呑ませようとする。




この動きを察知した梅吉は急いで洞穴へ行くと
ガソリンをまいて仕掛けをした。
帰ってきた梅吉の元へ刑事が来て事件当日の芝居の場面ごとの時間を聞かれ
そんなに知りたいならあの時と同じにやってみればいいと言った。



梅吉から雅楽を見張るように言われた琴江は
雅楽が恵那へ行きたがっていると知ると案内役を買って出た。
一緒に「恵那郷土館」を見学すると、雅楽は銃の台と人形のかんざしをみて
京十郎殺しのトリックを見破った。



名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件

落ちていてたかんざしの水晶に太陽が当たりレンズ代わりとなったのだった。



ケーブルカーに乗った琴江に雅楽は自首を勧めるが
梅吉を説得し最初は自首するつもりだった琴江はもう遅いという。


洞穴へ行った栄子と華子は暗がりでライターをつけようとしたところ
爆発が起こり死亡していた。
知らせを受けた刑事たちが現場へ行くと着物の燃えカスを見つけた。
そばにいたノボルにはそれに心当たりがあった。



小屋の二階では梅吉が銃に仕掛けをしていた。
梅吉の提案で刑事はあの時と同じように公演を行おうとしていたのだ。


琴江の様子から沢之丞の安否が気になった雅楽は江川に電話をする。
江川は沢之丞は無事だと伝えると、これから当日と同じように実地検証を行うことを伝えた。
すると、雅楽はそれはあの時の二の舞いになるから危険だといい
隣の二階からあの日と同じように銃が発射される可能性を聞き
江川は急いで小屋へ駆けつけ、舞台で演技をしていた沢之丞を銃弾から救い
命だけはとりとめた。


雅楽の調査を頼まれていた竹野が東京からやって来た。
竹野は昔の相生座の番付などを見せて
梅吉と琴江が松江の家族であることと、松江と沢之丞の関係などを説明した。
琴江が死亡した時の服装をして松江に、千松の衣装を着た松次郎が
梅太郎になりふたりの幽霊が現れて幽霊が自分を陥れた者たちを
裁こうとしているように見せかけていたことを確認しあった。
沢之丞が持っていた銃に細工をしたのは銃の扱いに慣れている栄子だろう。



舞台の事故で、沢之丞は入院することになってしまった。


名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件

竹野から説得され、いよいよ雅楽たちに何もかも話すことになっていたが
彼らが到着する前に病室に花束にメッセージを持った少女が見舞いに訪れた。


雅楽たちが病室に入るともぬけの空で、花束とメッセージがそのまま残されていた。
紙には「鼓の子にお会わせします」とかいてあり端に小さなインクの移りがあった。




名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件

雅楽は親狐の顔の皮を張った鼓でそれを慕う鼓の子が松次郎であることを解明した。
雅楽は松次郎が沢之丞の子どもであるとわかった。
そしてそこから義経ゆかりの地がこの辺では吉水院だけであることから
行先は吉野にある吉水院だと推理した。
小さなインクも「ナゴヤ ヨシ 10:30」と読め、雅楽は10時半の特急に乗ると思い
急いで同じ列車に竹野と乗ることにした。



雅楽たちは沢之丞が乗っている車両を見つけた。
そばには花束を持ってきた少女がいて、飛行機や8mmフィルムなどに興味を示していた。
そこから雅楽は少女が女の子ではなく、男の子で松次郎であると見破った。
松次郎は名子役で血筋だと雅楽は言う。




名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件

吉野駅についた沢之丞に雅楽は話しかけた。
沢之丞は吉水院の北の林で琴江たちに会うことになっているという。
自首する前に会いたいといわれ、松次郎を自分に託すのではないかと思っていた。



名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件

沢之丞が松次郎とふたりだけで行くと、梅吉と琴江が待っていた。
梅吉は子どもに身の上話を聞かせたくないといい琴江と松次郎を離れさせ
沢之丞に自分のところへ来るようにいった。


そこへ江川の到着を待っていた雅楽たち三人がやってきて
沢之丞に梅吉のところへ近づいてはいけないと叫んだ。

だが、沢之丞を捕まえた梅吉はこれから心中するつもりだという。
たいまつを持っていて首にはガスがいっぱい巻き付いていて
うっかり近づいてはいけなくなってしまった。


だが、琴江がやめさせようと梅吉のところへ飛び込んでいくと
梅吉は重心を失って崖から転落して死んでしまった。



名探偵雅楽三度登場・幽霊劇場殺人事件

残された琴江はその夜、雅楽に遺書を書いて一人で死んでいた。
琴江から松次郎のことを託された雅楽はそれを引き受けた。




/////////////////////////////////////////////////////////////


今回はスケジュール上の問題なのか、前の二作でワトソン役を務めていた
近藤正臣が最初と最後だけで、早乙女愛の美津が
雅楽をサポートする感じで作られてます。
スケジュールの関係だったのか、最初に楽屋に顔を出して
忠臣蔵を見に来ないかと誘われるんですが仕事の関係でいけないと断っています。


楽屋での忠臣蔵のやり取りもよかったですね。

雅楽が「忠臣蔵でいろんな役をやったけど与市兵衛だけはやったことがなくて。
一度やってみたいと思ってたんだ。やってみようか。」というと
竹野が「いやぁ、高松屋の与市兵衛、これは楽しみですね~。」と
顔をほころばせるシーンがなんともいえない。



また音楽担当が木下忠司なんですが、同じテレビ朝日で放送されていた
人気刑事ドラマ「特捜最前線」も同じ木下忠司であり
今回特捜のBGMも使われていました。
一瞬特捜か?と勘違いしそうになった。


特捜最前線で玉井巡査をやっていた西田珠美も後援会長の娘役で出演しています。
特捜には日夏紗斗子という芸名で出ていましたね。






さて、原作は『加納屋実説』と『グリーン車の子供』です。


このうち『加納屋実説』は「團十郎切腹事件」という短編集の中にあり読んだことがあります。






この時閉まっている小屋に幽霊が出るというプロットから
もしかしたらドラマの最終作「幽霊劇場殺人事件」の原作かしら?と思ったんですが
小屋に幽霊が出るという部分だけしか同じでなくイマイチ合っているかどうか自信がありませんでした。


でもやはり『加納屋実説』を取り入れてドラマ化したんですね。
小屋に幽霊が出るって雰囲気があって面白いとは思ったので
それで印象には残っていました。






もうひとつの原作が『グリーン車の子供』だったんですね。
こちらは読んだことがありませんが、おそらく最後林与一が
子役と列車に乗ったこの部分がそうなのかなと思っています。


原作は短編なので、大幅に脚色されてドラマ化されています。
まぁ、時代も古いものなので1980年当時映像化するなら
いろんなものを現代風にアレンジしないとしっくりこないですからね。



土曜ワイドでの「中村雅楽シリーズ」は三回で終わりを迎えましたが
原作自体が短編が多いし、日常のちょっとした出来事の謎解きなんかもあるので
ここらで潔く幕を閉じたのは良かったと思います。


無理にオリジナル要素を突っ込んで、引っ張るよりもちょっと名残惜しいくらいの方がいい。



サスペンスドラマとしては、トリック解明がわかりづらかったりしましたが
最初に面白くてもつまらなくても見たいと思っていたので満足です。
このシリーズ出演者の顔ぶれと雰囲気が良かった。






***********************************************


中村勘三郎の名探偵雅楽シリーズ 記事一覧

◆ 名探偵雅楽登場! 

◆ 名探偵雅楽再び登場!

◆ 名探偵雅楽三度登場








スポンサーサイト

「京都妖怪地図・河原町に棲む四百歳の不倫女医」(1986年) 三ツ矢歌子版  - 2017.08.16 Wed

京都妖怪地図シリーズ第4弾!



1、2作目は宇津宮雅代主演で、長年生き続ける主人公が妖怪で
相手の男性とは結ばれず悲しい生涯を終えるのですが
3作目は三ツ矢歌子主演でしたが、主人公が妖怪ではなくて
パートナーが妖怪で、しかも男女の恋愛ではなくて
レズビアンという異色の設定で放送されました。



今回は前作に続いて、三ツ矢歌子主演で
主人公が妖怪かつ愛する相手も異性という
原点に戻った設定になっています。



●「京都妖怪地図・河原町に棲む四百歳の不倫女医」  1986年8月16日
脚本: 保利吉紀
音楽: 渡辺兵夫
監督: 田中徳三
制作協力: 京都映画
制作: 松竹
出演: 三ツ矢歌子、中山仁、高田瞳、遠藤太津朗、
桂朝丸、斉藤林子、近江照子、筧晃司ほか


京都妖怪地図・河原町に棲む四百歳の不倫女医

折笠涼子(三ツ矢歌子)は一人の男性を思い続けて
四百年もの間生き続けている。


涼子は鳴滝医科大学の付属病院でで外科医長を務めている。
怪我をしたときに担当した縁で
同じ大学の学生田村徹(筧晃司)から愛を告白されていた。


誕生日の日、徹が涼子の部屋にケーキを持ってやってきて祝ってくれた。
涼子と徹はその晩、愛を交わした。
その後、徹はホルモンの異常分泌という奇妙な死に方をした。



京都府警の早川六助(遠藤太津朗)は去年も得体のしれない事件が起きていて
今度こそは尻尾を捕まえてやると意気込んだ。


水品邦夫教授(西山辰夫)の娘婿の草野洋平(中山仁)が
涼子たちのチームに配属された。
当面草野は妻の芳枝(高田瞳)、息子一郎と共に、
水品の家で同居することになった。
涼子は草野を一目見て驚いた。
それは涼子が長年思い続けてきた男性とウリ二つだったからだ。



京都妖怪地図・河原町に棲む四百歳の不倫女医

早川は徹の検視を涼子に依頼した。
執刀は草野が行ったが、解剖結果が真っ二つにわれた。
死因は同じだが、涼子は病死と判定し、草野は他殺だと反論する。
結局医長の涼子を立て、病死ということで報告することになった。

だが、納得のいかない草野は深夜徹の遺体を調べ
顔に口紅が付着していたことから、当日女と関係を持ったことを知った。



京都妖怪地図・河原町に棲む四百歳の不倫女医

草野は口紅の分析をすすめ、早川にも徹の女関係を調べて欲しいと依頼する。




この暑いさ中に、涼子の部屋には加湿器が置かれ
湿度が高く保たれていて、窓にも常時水滴が垂れていて
涼子にただならぬものを感じていた。



京都妖怪地図・河原町に棲む四百歳の不倫女医

涼子は昔、阿国歌舞伎の一座の踊り子で
若武者と恋に落ちたがこの世で結ばれないと心中をしたが
ひとり生き残ってしまい、その後は亡くなった恋人の面影を求めて
若い男たちの舌尖からホルモンや酵素を補給しながら
四百年も生きながらえてきたのだ。
ホルモンの異常分泌を起こした男たちはその犠牲になり死亡していた。
湿度が下がり、乾燥すると妖怪になってしまう。



京都妖怪地図・河原町に棲む四百歳の不倫女医

草野は解剖結果の相違をめぐり涼子と接しているうちに
涼子が自分に好意を持っていることを打ち明けられる。




芳枝は自宅に現れた化け物となった涼子の姿を見て気味悪がる。



早川は徹の女性関係を洗ううちに
その相手が涼子であることがわかり、彼女の身辺を洗い始めた。

京都妖怪地図・河原町に棲む四百歳の不倫女医

草野は涼子から愛を告白されたことを利用して
彼女の正体を暴くために涼子と関係を持った。
鏡台に例の口紅があるのを見つけた。
その頃草野は、だんだん死んだ徹と同じように
ホルモンの異常による体の不調を感じ始めていた。

水品に診てもらうと内分泌の機能低下であることがわかり
今度こそ涼子の正体を暴いてやろうと心に誓う。



京都妖怪地図・河原町に棲む四百歳の不倫女医

芳枝は草野の女性関係を疑っていた。
ある日、一郎が交通事故にあい涼子が手当てをした。
そこへ芳枝が訪れ草野のことでむしゃくしゃしていて
一郎を迎えに行くのが遅れたといい草野をなじった。

涼子は命をつなぐためにディスコで若い男を見つけ
男はその後死んでしまう。


目の下にクマが出来た草野は涼子の部屋へ行き
今度こそ真実を掴もうとする。
このまま自分と付き合うと草野の命を奪うとわかっていた涼子は
草野にこれまで犠牲になった男達のアルバム写真をみせて
ついに正体を明かした。



京都妖怪地図・河原町に棲む四百歳の不倫女医

涼子が加湿器の電源を落とすと、湿度はみるみる下がっていき
涼子は美しい女医から400歳の老婆へと姿が変わっていった。

涼子は草野が独身のときに会いたかったといい
このまま一緒に死のうと思ったがそれはできず
あなたの手であの世に送ってくださいという。

一旦はナイフを手にした草野だが、それは出来ずに
最後は涼子が自分の手でナイフを刺した。


すべてが終わり、草野がマンションから出て行くと
つけていた早川が入れ替わりに涼子の部屋に入った。

暗がりの部屋で早野が見たものは、ベッドに眠るガイコツで
早川は悲鳴をあげて部屋を飛び出してしまった。



京都妖怪地図・河原町に棲む四百歳の不倫女医

草野は涼子と訪れた川に行き、彼女が大切にしていた
黒と赤の折鶴を一緒に川に流してやった。


妖怪を見てしまうタクシーの
運転手で桂朝丸が出演してました。
タクシー運転手ってイメージだと、幽霊を見てしまう確立が高そうですよね。





さて今回四百年行き続ける妖怪を演じた三ツ矢歌子は
妖怪に扮するために顔全体にオブラートを張り
上からドーランを塗るといった念の入ったメークをしました。

既に記事にした3作目で三ツ矢歌子が
夫に出演するのを反対されながらも
女優魂からどうしてもやりたくて
引き受けたというエピソードを書きましたが
今回もメークの出来上がりを見て
一人の男性を400年も思い続けた
女の哀れさに思わず涙がこぼれたというから
女優が役に入り込むすごさを感じました。



京都妖怪地図はこのあと90年代に入ってから
叶和貴子、万田久子で2作品が作られます。

刑事が芦屋雁之助というのはいいんだけど
惚れられる男が石原良純になったりして
イマイチです。

放送も夏ではなくて、春とか秋にやったんですよね。


やっぱり4作品目までが良かったです。




京都妖怪地図シリーズ 記事一覧


◆ 「京都妖怪地図・嵯峨野に生きる900歳の新妻」

◆ 「京都妖怪地図・きらら坂に住む400歳の氷女」

◆ 「京都妖怪地図・鳥辺山に住む八百歳の女子大生」

◆ 「京都妖怪地図・河原町に棲む四百歳の不倫女医」



「京都妖怪地図・きらら坂に住む400歳の氷女」 (1981年) 宇津宮雅代版  - 2017.08.15 Tue

京都妖怪地図シリーズ第2弾!




●「京都妖怪地図・きらら坂に住む400歳の氷女」  1981年8月15日
脚本: 保利吉紀
音楽: 渡辺兵夫
監督: 田中徳三
制作協力: 京都映画
制作: 松竹
出演: 宇津宮雅代、名高達郎、村田みゆき、
芦屋小鴈、遠藤太津朗、小林芳宏ほか


京都妖怪地図

洛北きらら坂近くで若い修行僧日信(小林芳宏)が百日行を行っていた。
あと1日残したところで、着物デザーナー九条沙織(宇津宮雅代)と会い
彼女の家で一晩過ごしたあと、目が白く濁った凍死体となって発見された。



被害者には外傷がなく、京都府警の早川刑事(遠藤太津朗)も
異常気象で暑さ続きなのに凍死したことに不可解なものを感じていた。
調べてみると戦後から5件ほど、このようにけったいな凍死事件が起こっていた。
早川が友人の呉服屋の山村孝吉(芦屋小鴈)の息子で
低温科学研究所に勤めている三郎(名高達郎)にこのことを相談した。
三郎は現場のきらら坂付近に天然の冷蔵庫氷室があるんじゃないかと言うが
結局は何もわからなかった。


京都妖怪地図・きらら坂に住む400歳の氷女

沙織は仕事で縁がある孝吉(芦屋小鴈)の店へ行った。
沙織がつくるデザインは好評で、謎めいた美しさを持つ沙織に好意をもっていた。
店に飾ってある面を見た沙織は気に入った様子だったので
孝吉はそれを譲ってやることにした。


後日、孝吉は沙織と二人きりで芝居を見に行った。
沙織は舞台演出のかがり火を暑がる。
彼女の正体は400年生き続ける氷女だったからだ。


京都妖怪地図・きらら坂に住む400歳の氷女

小屋を後にしたふたりを、偶然車で通りがかった三郎と
妻の民子(村田みゆき)が見つけた。
二人の様子から父が浮気をしている気配を感じた。



沙織への思いが抑えきれなくなった孝吉は
思い切って自分の気持ちを打ち明けた。
彼女は男に裏切られた過去があり
体目当ての男を信じていないというが
孝吉の愛はそんなものではないといい
ついに沙織の家で関係を持つ。


父の不倫の恋を心配した三郎は、早川にそのことを相談する。
早川は早速孝吉を呼び出して問いただすが
孝吉は自分が若返ったような気がすると言って
恋愛関係をやめる気はない。


京都妖怪地図・きらら坂に住む400歳の氷女


孝吉は夏なのに寒いと言い出した。
病院へ連れていくと胸には大きなアザがあった。
医者が言うにはしもやけだという。
早川は孝吉の恋愛に嫌な予感を感じていた。


京都妖怪地図・きらら坂に住む400歳の氷女

沙織は孝吉を自宅に呼び出した、氷女に戻った沙織は
氷室に孝吉を招き入れた。


京都妖怪地図・きらら坂に住む400歳の氷女

体を凍らせながらも手招きされるまま
沙織のもとへ向かっていくが。



早川の予感は的中し、孝吉が死体で発見された。
日信の時と同じく、彼の目は白濁していて
死因も同じく凍死で遺留品の中に椎の実があった。




京都妖怪地図・きらら坂に住む400歳の氷女

孝吉の通夜へ行った沙織は、そこでかつて愛した男そっくりな
三郎を見つけて驚いた。
三郎の方も、孝吉の不倫相手が沙織だとしっていて
この異様な死の原因は沙織にあるとみてた。
三郎は直接沙織と会って確かめることにした。


京都妖怪地図・きらら坂に住む400歳の氷女

沙織とは今回初めてあったのに、以前から自分を知っているという。
三郎が結婚していることを知っていても諦めないという。
そして、また会ってくれと言い残すと帰っていった。


京都妖怪地図・きらら坂に住む400歳の氷女

三郎が沙織と別れた後、早川が現れて、沙織の家を見てみたが
人間を凍死させるような機械はなかったと報告した。
研究所の同僚もあの椎の実は400~450年前のもので
低温貯蔵されていたもので、やはりどこかに氷室があるのではないか。


三郎は過去の凍死事件の記事を読んでいたが、
どれも7,8月の異常気象の時に発生していた。
雪女という言葉がある位だから、氷女でもいるんじゃないかという。



三郎が夜帰宅すると、民子が水場で化け物をみたというが
バカげた話で三郎は取り合わなかった。
民子は三郎と沙織の仲を疑い、民子の家へ問いただしにいった。
そこで氷女に戻った沙織の姿を見てショックで入院してしまう。
口もきけず、目も見えなくなり当分は安静にしなくてはならない。


三郎は沙織の正体を突き止めようと、彼女が自分を愛していることを利用して
気がある風を装い近づくことにした。


三郎はとうとう沙織の家で一晩を過ごした。
翌朝、部屋にいない沙織を探し外へ出てみると
沙織が滝に打たれていた。

その後、体調が悪い三郎が病院へ行くと
胸に孝吉と同じしもやけによるアザが出来ていた。
三郎は沙織の家へ行ってみることにした。


京都妖怪地図・きらら坂に住む400歳の氷女

彼女が席を外した時に、部屋に椎の実が落ちていて
家の中を歩き回るうちに氷室を見つけた。




彼女の正体がわかった三郎は、
どこか二人きりになれるところへ行きたいとドライブに誘い出した。
そして車が故障ふりをして、クーラーが効かないようにし
車を降りると修理を始めた。
それを車の中で待っている沙織は噴出す汗に動揺が隠せない
するとフロントガラスに日信の霊が現れて沙織に罰だといった。



沙織はやめてと叫ぶと車を飛び出して走り出していく。
三郎は正体を見せろと車で追いかけていく。
真夏の夜、道の途中で倒れた沙織は、とうとう氷女の正体を見せてしまった。
三郎は化け物を退治しようとナイフで刺すと、沙織は自分の人生を語り始めた。



沙織は400年前からきらら坂の氷室で生きながらえてきた。
彼女は公家の寵愛を受けたしらびょうしだった。
しかし、公家は出世のために他所の男に回されたあげくに捨てられた。
傷ついた沙織は面打師の孫四郎に出会い、愛の文を受け取った。
だが、男に裏切られた沙織は孫四郎に誠意を見せるために
百夜通いをしてほしいといい、あと一晩というところで孫四郎の姿は消えた。



400年間の間孫四郎を待ち続けたが、それが三郎だった。
だが沙織の妹が生まれ変わって三郎と結婚していた。
三郎が妹を裏切らないことで沙織は妹を末永く愛してくれと言うと意識が無くなった。


京都妖怪地図・きらら坂に住む400歳の氷女


三郎は沙織を抱きかけて海へ浸してやると、意識が戻りありがとうと言い残して死んだ。
同じ頃、入院していた民子の目が見えるようになった。




/////////////////////////////////////////////////////////////


『京都妖怪地図シリーズ』の二作目で、前回同様宇津宮雅代が妖怪に扮しています。
この次は少し間が空いて、主演が三ツ矢歌子に代わり二作品放送される。


相手役と設定が少し違っているだけで、前作とほぼ同じかんじ。
続けてみると飽きが来てしまいますが、1年に1回なら季節にもあっていて充分楽しめます。





京都妖怪地図シリーズ 記事一覧


◆ 「京都妖怪地図・嵯峨野に生きる900歳の新妻」

◆ 「京都妖怪地図・きらら坂に住む400歳の氷女」

◆ 「京都妖怪地図・鳥辺山に住む八百歳の女子大生」

◆ 「京都妖怪地図・河原町に棲む四百歳の不倫女医」



「透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻」(1982年) 江戸川乱歩賞 梶龍雄の青春ミステリー - 2017.08.14 Mon

「戻り川心中」に続き、土曜ワイド劇場の五周年記念作品
第2弾として終戦記念日前日に放送された作品。




●「透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻
”バンザイ!あのポケゴリが死んだ”」  1982年8月14日
原作: 梶龍雄  『透明な季節
脚本: 柴英三郎
音楽: 一柳慧
監督: 藤田敏八
制作: 東映
出演: 中野良子、泉谷しげる、田村高広、
中村嘉葎雄、芦川誠、高瀬春奈ほか



太平洋戦争も敗色が濃くなったころ、東京にある中学校に新任の配属将校がやって来た。

終戦直前の暗い時代を背景に描く青春ミステリー。


透明な季節


昭和二十年初夏の東京、根津神社の境内で顕文館中学の
配属将校諸田少尉(泉谷しげる)の射殺死体が発見された。
所轄署の時川刑事(田村高広)たちは殺人事件として捜査を始めた。



残忍なほどの猛訓練をする諸田の死を、生徒たちは内心喜んだ。

英語教師の北上(中村嘉葎雄)に連れられ
通夜に行った中学四年生の高志(芦川誠)は
そこで美しい未亡人の薫(中野良子)に会い驚いた。

透明な季節


薫はその年の春に高志が根津神社で偶然出会い
ほのかな恋心を覚えた女性だったのだ。


諸田が撃たれた銃は三八式歩兵銃で
憲兵の疑いは軍国主義に批判的だった
北上に向けられた。


高志も事件直後に現場付近で北上を見かけ
疑ったが、薫から神社の境内で北上と会っていたと告げられた。












太平洋戦争も末期の昭和十九年三月、東京北部にある根津神社境内の池の畔で
『ポケゴリ』というあだ名で呼ばれていた顕文館中学校の配属将校
諸田利平少尉が銃殺死体となって発見された。


諸田は150cmあるかないかくらいの小男だったが
横幅はおそろしくあり短足でガニ股だった。
日に焼けた顔にある眉は太く、鼻が肥えていて斜視であり
その様子は滑稽なようでいて、不気味でもあった。


ポケットモンキー略してポケモンというあだ名は
当時の中学でよく使われていたようだ。
生徒たちは諸田をそれをもじったポケットゴリラ・・
ポケゴリと呼ぶようになった。


ポケゴリの猛訓練は暴力と人並み外れた
陰湿さに満ちていた。

少しでも気に入らないと罵声やビンタが飛んでくるし
号令に従って歩くと、次の号令をかけず
生徒たちは壁にぶつかったり、
罰で居残りを命じたまま学校から帰ってしまったりと
権力を利用してやりたい放題だった。


母子家庭の芦川高志は成績優秀で級長をやっていて
そんな時は生徒から職員室に行って
ポケゴリにもう帰っていいか聞きに行ってくれと言われたり、
ポケゴリの目を盗んでサボろうとするのに
協力せざるを得なかったたりと
やっかいなことも多かった。


ポケゴリは人を監視し、陥し入れ、制裁を加えるということが天才的に優秀だった。
生徒たちが秘かに交わす会話も
ポケゴリは不思議とキャッチしていた。


この頃の江戸川乱歩の小説はワイ本並の扱いで
それをカバンに入れていた生徒も見事に摘発された。

高志がポケゴリは変質者だと言うと
神経科の開業医の息子田中はキチガイだと言った。
彼の父のところにもてんかんらしい患者が来たが
見た目は普通だったと話していた。


ポケゴリの死因は右額に打ち込まれた銃弾の一発だった。
三八式歩兵銃の空薬莢も一つ発見されていて
死亡推定時間は午後の六時から七時までの間とみられた。

高志はその頃同級生の堀の家へ行こうとして
犯行現場付近を通り自動車の逆ピストンのような音を聞き
アオセビと呼ばれている英語教師の北上のような姿を見かけた。
高志は学校でうっかりそのことを話してしまった。


凶器は職員室にある銃器庫にあった堀という生徒のもので
銃器庫には鍵がかけられていて持ち出せる人間は限られている。


学校の小使い室には古見という爺さんがいて
ポケゴリを崇拝していて、生前この学校にはスパイがいると言っていて
そいつに殺されたのではないかといってきた。
高志はこのスパイが北上である可能性があると感じた。
そう考えるとあの日見た男も北上で、逆ピストンと思ったのも銃声だったのかもしれない。


ポケゴリの死は朝礼で簡単な説明で生徒に発表され
黙とうをして終わった。


クラスで不良の古屋はポケゴリの死体を見ていて、警察からも身元の確認をさせられていた。
その古屋がポケゴリの家を教えてやるといい、高志がポケゴリの妻と会ったことがあると教えた。

以前、古屋の家に遊びに行ったとき、古屋の姉範子と一緒にいた女性がそうだというのだ。
その女性は高志が夏目漱石の「三四郎」の中の登場人物
”美禰子”を理想の女性像としていたことから、秘かに美禰子と呼んでいた憧れの人だった。
ポケゴリと夫婦と知り不快感が沸き上がったが、二人の男女関係をどこかで否定していた。


古屋はポケゴリがB(=Brother同性愛者)だといい、
二人は夫婦関係を一度も持ったことがない処女妻らしいといった。


古屋とはともに小説が好きで、隠れて本を交換しあった。
古屋が貸してくれる本は、自分のそれと趣が異なり
男女の恋愛や外国映画を扱った雑誌で興味をそそられたのだ。




こうして高志は憧れの美禰子がポケゴリの妻薫であることを知り
古屋の家へ行くことで範子の友人である薫と話すきっかけが出来た。


高志が年上の女性と何を話したらいいか困っていると
薫が高志に小説が好きなんですってねと話すきっかけを作ってくれた。

範子は年下の高志に威圧的だった。
しばらく本の話をした後に、高志がポケゴリが殺された頃
現場付近を通りかかったことを聞いてきた。
当惑した高志が口ごもっていると、
範子は薫もそのことを知りたがっているので教えてと言ってきた。
この勢いに押され、逆ピストンのような音を聞いたことと
北上らしい姿を見かけたことを話してしまう。
他に気が付いたことがあったら教えてねと言われ
本を貸すというのがこのことを聞き出す口実だったことに気が付いた。



事件を担当している時川刑事が高志のもとへ
事件が発生したころ現場近くを通っていて
何か気づいたことはないかと聞いてきた。
最初のうちは何もしらないとはぐらかしていたが
何度もしつこく高志のもとを訪れ
少しずつ高志が知っていることを聞き出していく。
高志は小使い室で余計なおしゃべりをしたことを後悔した。


時川の息子も同じ学校に通っているのだが
親が刑事だというのに息子は問題児だった。


その一方、高志と薫の仲はどんどん深まっていった。
はじめは古屋の家で会うだけだったが
その後は薫の家にも遊びに行くようになっていた。
未亡人の薫が年下で薫に憧れている高志と二人きりで
会うことを範子はそれとなく牽制してきた。


そしてあの日、犯行現場近くで見かけた男は
北上であることがわかった。
時川が薫や北上にも話を聞きに行き
北上は事件が起きた頃、根津神社で薫と会っていたということが
薫の口から高志に知らされた。
北上の方も、あの時高志の姿を認めていたらしい。


北上は自分が宿直を抜け出したことは言わないでほしいと
小使い室の古見に頼んでいてはじめは口外しなかったが
その後北上がスパイで諸田がそれを知ったので
口封じに殺したのだろうと思いそれを話したことで
北上の行動がばれてしまった。


薫は諸田との結婚がうまくいかなくて、その寂しさから
三か月ほど前からお友達のような形で
諸田の帰宅が遅くなる水曜日に
根津神社で五、六回ほど会っていた。
薫に北上を紹介したのも範子だ。


あの日も、ふたりでいると銃声のような音がして嫌な感じがするから
すぐに帰ろうとその場で分かれたということだった。
警察は北上のことを疑っているようだった。

だが、北上はその後に徴用になりマレーの捕虜収容所の通訳となり
学校を去っていった。


薫から聞かれ高志は範子から二人きりで会うなと言われたことを話し
薫を美禰子と呼んでいたことも告白した。
未亡人となった薫は実家に帰ることになり高志は落胆するが
引っ越しの手伝いに来ていた範子の目を盗み
高志に実家の住所を書いた紙をズボンのポケットに入れてくれた。
実家は井の頭公園の近くで、場所がわからず苦心したが
ついに探し出すことが出来、範子の目を気にすることなく会えるようになった。


時代は敗戦の色が濃くなってきて、環境にも大きな変化が出てきていた。

その頃、諸田が殺された日、高志が遊びに行った友人堀が結核で死んだ。
ポケゴリ殺しも未解決のままだったが、堀にその容疑がかかった。
故意にではなく誤って殺害したという可能性が出てきたのだ---。









//////////////////////////////////////////////////////////////////


梶龍雄の江戸川乱歩賞受賞作品「透明な季節」のドラマ化です。
ブログではちょうど1か月前の7月14日にも乱歩賞の
「蝶たちは今・・・」を書いたばかりですが
土ワイは乱歩賞の作品を結構ドラマ化していますね。


こちらは推理小説というよりも、芦川高志の青春日記といった趣でした。

確かに冒頭はポケゴリが殺されたところからスタートで
その犯人探しに見えるんですが、全体的な印象は
戦時下、中学生の高志が年上の薫に抱く愛情を
心情豊に書き綴っている青春小説だと思いました。




透明な季節

諸田少尉役の泉谷しげるは過酷な訓練を強いる鬼将校。
生徒たちからは「ポケゴリ」と恐れられている存在で
その異常な暴力性が表現されている。

少尉の命令で連日猛特訓が行われるのだが
交換ビンタの場面では藤田敏八監督から
「本気で殴れ!」と気合を入れられていた。

だが、殴り慣れない若い俳優はもうひとつ迫力不足。
そこで泉谷しげるが本気でパチンと殴る。
生徒役の俳優はひたすらがまんして殴られ続けるという
ふるえる若手俳優のエピソードがあります。


泉谷しげるは土曜ワイド劇場で1979年6月30日に放送された
「吉展ちゃん事件」で初主演をし、見てはいないのだが
いつか記事を書こうと思いながらも月日がたち
「透明な季節」の方を先に書いちゃうことになりました。

「吉展ちゃん事件」は映画の撮影と同じようなくらいに
ガッツリと作り上げられたようで以前からすごく気になっていました。



さて、「透明な季節」の方は、神社で薫と会っていて
記事では書いてませんがその後不審な行動もあり
北上に容疑がかかりますが、北上が学校から消え
堀が病死すると事件当日の堀の行動から容疑がかかる。


高志が聞いた逆ピストンの音は、他に聞いたという証言があり
その中の教師のひとりも絡んできたりと広がりすぎてしまうので
字幅の関係でいくつか割愛しています。


薫も実家に帰ったあとは軍人の妻という後ろ盾が無くなり
父も頼りにならないことから一家の暮らしは困窮していきます。
平和な時代ではないし、ましてや敗色が濃くなっています。
空襲で高志の友人一家も死亡したりと
はじめこそこっそり食物を薫の家に分けてやっていた高志も
薫だけに構える状況ではありません。
無力な少年、ましてや時代背景を考えれば悲しい結末が待っているのは当然ですね。
どういう終わり方だったのかは書きませんが。




その後高志は友部という友人が出来ます。
ポケゴリは高志には暴力を振るわずそのことは他の生徒たちも気づいてましたが
Bであるポケゴリがもうひとり特別扱いしていたのが友部です。


しかし友部が優遇されていたのは、高志と同じ理由ではありませんでした。
友部の兄にポケゴリは世話になっていたため、へんな扱いはできなかったんですね。

その友部の兄からポケゴリの死の真相を知ることになります。
意外な結末だが、それも・・・。

というかんじです。


暗い時代背景の中でも、最後の締めくくりが清涼感のあるものであり
美しい終わり方の中にも、力強さを感じさせてくれました。




私はドラマを見た後に、小説を読んだのですが
単発作品の映像化では長編小説そのままを忠実に
ストーリーにのせるのは時間的に無理がありますが
本では高志少年の日常や恋愛感情をじっくりと綴っています。

中学生の男子が、年上の人妻に憧れをもち
心の中で思い続けるだけではなく
その女性と実際に会い話すことが出来た。
未亡人となっていた女は、年下の自分に
本当に頼れるのはあなたなのかもしれないといい
私たち恋人よねとまで言う。


そんな二人を同じ年頃の弟をもつ範子は
危ういものを感じ介入してこようとする。
一見、ウザイ姉さん気取りの女だが
優等生とはいえ、難しい年頃の高志を
傷つくことがないように助言してやっている。


薫は高志に私たちあまり年がかわらないじゃない
というがこの年代はひとつの年の差が大きいもの。


だから高志がしっかりした子だなと思いました。
書いてないけど小説の最後の方で。




また、ポケゴリの訓練の様子や、人物像なども
細かく表現されています。

戦中の話しだけど、高志がイキイキと描かれているのがいい。


あとは、ポケゴリ事件の意外な結末。
ここもポケゴリという人物を妥協なく作り上げていったのも良かった。


最後の片仮名手紙は読むのに辟易してしまったが。



「名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件」 (1979年)  中村雅楽シリーズ第1弾 - 2017.08.13 Sun

中村勘三郎の「名探偵雅楽シリーズ」の第一作目です。





名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件




●「名探偵雅楽登場!車引殺人事件
つづいて鷲娘殺人事件」  1979年5月5日
原作: 戸板康二  『車引殺人事件』  團十郎切腹事件―中村雅楽探偵全集〈1〉 (創元推理文庫) 収録、
松風の記憶
脚本: 吉田剛
音楽: 木下忠司
監督: 斎藤武市
制作: 歌舞伎座テレビ
出演: 中村勘三郎、近藤正臣、波乃久里子、
山城新伍、高瀬春奈、早乙女愛、大出俊、
伊藤雄之助、村井国夫、日高澄子ほか




名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件




東都新聞記者学芸部の竹野(近藤正臣)は、
歌舞伎などの演劇を担当している。
今日も歌舞伎の名優で推理小説好きな
中村雅楽(中村勘三郎)の楽屋を訪れていた。


舞台では出し物の『車引』が演じられていた。
時平(しへい)役の浅尾当次(伊藤雄之助)がおおみえを切ろうとしたところ
様子がおかしくなり突然血を吐いて倒れた。

劇場は騒然となり当次は担架で運ばれていった。
青酸中毒による変死で死体を解剖にまわされることになる。
桜丸を演じていた当次の息子の浅尾当太郎(大出俊)が魔法瓶を持って
その後に続こうとしたところを、梅王を演じていた尾上多見之丞(村井国夫)が呼び止め
当次は変死だから魔法瓶を警察に渡すように指示をしお前がやったのではないかと言った。




名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件

そこへ当次の娘で踊りの師匠をしている安川田鶴子(波乃久里子)が来て
多見之丞が当太郎の足を引っ張ろうとしているだけだと言った。



当次には波子との間に息子当太郎がいて
他に芸者の安川政代(日高澄子)との間に娘の田鶴子がいる。
政代は別の男との間に田鶴子の妹ふみ子(高瀬春奈)がいた。

当次と当太郎の仲はうまくいっていなくて、当次は遠縁の
多見之丞を養子に迎えて後を継がせようとしており
複雑な家庭環境にあった。


竹野は以前会ったことがある江川刑事(山城新伍)が
電話をかけているところに遭遇した。


当次は喘息持ちのため、舞台前にはいつも魔法瓶に入れた白湯を飲んでいた。
それは黒子の衣装を着た弟子たちが準備している。
この日も弟子の当平が魔法瓶を用意して舞台裏で待機をしていた。
もう一人の弟子当吾は大の巨人ファンだった。
今の試合の状況を背後にいた黒子から耳打ちされ
気になってしょうがなくなったは当吾散髪屋にテレビの中継を見に行ってしまった。
その後当平にも入院している父のことでと呼び出しの電話がはいり
戻ってきた当吾に魔法瓶を渡し出ていった。
だが、魔法瓶を渡した黒子は当吾ではなかった。

今から考えれば当次に魔法瓶を渡した黒子はどこかへんな格好の黒子だった。
野球の情報も、当平の父親の入院の電話もどちらもニセだった。
犯人は関係者しか知らないことをよく知っていることから内部のものとみられた。

当次に魔法瓶を渡した黒子の姿はふみ子も見ていて、
どこがどうとはいえないが奇妙な格好の黒子だったと話す。



名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件

行きつけの和風料理「助六」で、竹野は江川に歌舞伎にも詳しく
いつも見事な推理に驚かされると雅楽を紹介した。
雅楽はアガサ・クリスティか誰かが、殺人の動機は三つで
金、女、恨みだと書いてあったと話した。
通夜や弔いにはそれらがモロに現れるというと、江川はもちろん通夜へは行くと言った。


当次は高利の金貸しでもあり、多くの弟子たちに金を貸し付けていることがわかった。
当太郎は当次の襲名や、財産の事には欲がなく、当次が亡くなったことで
貸し付けていた金を棒引きしようとしていた。


名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件

だが、浅尾当次の名を受け継ぐことも、財産も欲しくて
当次から養子にすることを言われていた多見之丞は
勝手に財産を減らされては困り、裁判をしてでもこれを主張すると言ってきた。
その争いの様子を目撃してしまった雅楽は、自分がどちらが継ぐのか決めると言い
二人の間に割って入ってきた。

多見之丞は誰かに電話をかけて、雅楽が出しゃばっていることを告げ
当太郎が犯人ではなく金を借りているものかもしれないと報告した。



雅楽は舞台が終わり楽屋でスピーカーから流れる舞台の様子を聞いていた。
弟子のカツジにスピーカーを止めるように指示するがどこかへ行っていていなく
仕方なくスピーカーのスイッチを自分で切りに行った。


名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件

その時に押し入れの中に、カセットデッキがあるのを見つけた。
直後、カツジは魔法瓶を持って楽屋に帰ってきた。



当次が金を貸している中に雅楽の弟子のカツジの名前があり
カツジのところへ江川がやって来た。
犯行時刻のアリバイを聞くと、その時は楽屋で雅楽と一緒に舞台の進行を
スピーカーで聞いていたと言った。
だが、雅楽はそれがあらかじめカセットテープに仕組んでおいたものを
15分早く流していて、その間に黒子に扮して当平から魔法瓶を受け取り
青酸カリを入れようとしたのではないかと見破った。
普段カセットテープを楽屋に持ち込まない雅楽はこれを見つけ変だと思っていたのだ。


カツジは友人のサラ金の保証人になり当次から金を借りていた。
その件でもめて当次を殺そうとしたが寸前のところで毒物を入れられなかった。
雅楽はカツジが人を殺せるような人間でないというが、江川はカツジを連行した。


雅楽がカツジにもう一人の黒子を見たときに何か感じたことはないかと尋ねると
やはり黒子の格好がどこか奇妙に感じたのと匂いがしたと言った。
あの匂いはと言いかけたとき、舞台の上からライトが落ちてきて
命はとりとめたものの安静が必要な状態になってしまった。


幕内の事件で、真犯人が自分の身近にいると感じていたことから
雅楽は事件に首を突っ込むつもりはなかったが
弟子の命まで狙われたとあってついに重い腰を上げて事件の真相解明に乗り出す。


名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件

竹野は雅楽の手伝いをするといい、記者が特ダネを握り潰すことになるかもしれなく
心配をしながらも竹野の応援を得ることにした。
その様子を秘かに多見之丞が見ていて、事故を起こした犯人に心当たりがあった
多見之丞は今日みたいな強引なことをしては困ると釘をさし、雅楽が乗り出したことを伝えた。



当太郎が死んだはずの当次の幽霊を見て、驚いたときに床下へ転落してしまった。




名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件

うまく落ちたので軽傷で済んだが、田鶴子はこれが多見之丞の策略であると思った。
当太郎に当次のあとを継がせたい田鶴子はこんなことに心を乱さないようにいうが
多見之丞は自分が襲名すると断言した。




当次は死ぬ間際に籠の中に「わが罪」というダイイングメッセージを残していた。
雅楽は竹野にあれは当次の幽霊ではなく実在する人物だという。
すると急に暗くなり当次の幽霊が現れると悲鳴が聞こえた。
明るくなると雅楽はあれが幽霊の正体だと言い
そばにあった小道具を使い幽霊を撃退していた。


名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件

雅楽は当次に兄弟がいるかもしれないし、それが双子だったらと言った。
襲名争いで一家の内紛に秘密があるはずだと話すと
杖をついた男がふたりの様子をそっとうかがっていた。



竹野は田鶴子の家へ行き、政代から二人きりで話を聞くことが出来た。
当次には高田茂三郎(伊藤二役)という双子の弟がいた。
双子は演技が悪く嫌われていて、茂三郎は大阪の電気屋へ里子に出されていた。
だが茂三郎は素行が悪く遊び人で、そこの財産も食いつぶし当次にたかっていた。
それだけでなく茂三郎は自分の足のケガも当次のせいにして、
当次を愛していた政代も口説いたりして当次を困らせていた。



名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件

雅楽たちの動きを掴んでいた茂三郎から、政代に話し合いたいという電話が入った。
茂三郎と多見之丞のところへは、政代でなく田鶴子が行った。



茂三郎は田鶴子は当次そっくりな自分を見て驚かないことで
全てを知っているのかと聞いてきた。
田鶴子は当次の子どもではなく、本当は自分と政代の子どもだと言った。
田鶴子は信じないというが、茂三郎は当次のふりをして一度だけ
政代と関係を結びその時に身ごもった子供が田鶴子なのだという。


田鶴子は踊りの師匠としては名があるので浅尾当次を襲名するであろう多見之丞と結婚しろと言った。
多見之丞も前から田鶴子が好きだったと言い寄ってきたが
田鶴子は私は嫌いだったと撥ね退けた。
田鶴子は当太郎を好きで、一緒になれなくても尽くすと言った。


多見之丞は役者として当次の名が欲しいし、自分には役者としての才能があるし
執念もあるという。
そして、当太郎が新劇やテレビに進出しようとしていると言った。



名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件

それを聞いた田鶴子は当太郎とふみ子が二人で会っているところへ行った。
多見之丞から聞いたことを問いただすと、ふみ子はつまらない名跡争いにはこだわりたくないと言った。
当太郎は歌舞伎以外でも充分やっていけるというふみ子を
田鶴子は思わずその頬を叩いてしまった。




当次は当太郎から嫌われていて、当次の名を受け継ぐのがつらいんだという。
田鶴子は、それは違う当太郎を嫌っていないという。
ふみ子は、もうこれ以上自分たちのことに干渉しないでほしいと田鶴子に行った。
田鶴子は思わず当太郎を愛していると言ったが、
何も知らないふみ子は実の兄妹でそんなことをいうおかしいと笑った。




竹野が雅楽に多見之丞と茂三郎が共犯であると話していた。
茂三郎の里親は劇場の電気工事をやっていたといい
ダイイングメッセージについても推理をするが
雅楽は当次殺しは二人の仕業ではないという。
黒子の格好の奇妙さと匂い、そこに真犯人に繋がる何かがある。
雅楽は竹野にあの時の関係者全員の服装を調べて欲しいと頼んだ。




名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件

安川家では田鶴子と政代が話をしていた。
政代は当次が生涯で一番好きだった相手だと話した。
その当次とのたった一度きりの交わりで田鶴子を身ごもったと信じていて
田鶴子は複雑な心境だった。
田鶴子に茂三郎から電話がかかってきた。




助六には竹野がいた。
そこへ田鶴子が雅楽がいるかと尋ねてきた。


名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件

今日は千秋楽なので雅楽はもう家へ帰っているはずだと言い
店員の美津(早乙女愛)が田鶴子が来たことを雅楽に電話しに行った。
田鶴子は雅楽に何か話があるようだったが、美津が電話している最中に
店を出ていきハンカチを忘れていってしまった。




その後、茂三郎が死んでいるのが見つかった。




雅楽と美津は田鶴子は何の用事だったのだろうかと気になっていた。
田鶴子が忘れていったハンカチからいい香りがした。
雅楽は当次のパリ公演の土産だろうというと、美津は外国の香水は
”夜間飛行”なんていう面白い名前があることを告げた。



名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件



そこへ茂三郎の存在を隠してたと江川から大目玉を食らった竹野がやって来た。
雅楽から頼まれていた関係者の服装を伝える。
雅楽は明日二つの事件を犯人を明かすことを明言した。





雅楽はその後ハムレットの舞台稽古をしていたふみ子のところを尋ねた。
ふみ子も当次殺しの時に犯人と思われる黒子を見ていて
妙だと感じたのだがどこがどうなのか覚えていないという。


雅楽は覚えていないのではなく、思い出したくないのではといい
そばにあった衣装を身に着けてハムレットに見えるかと聞いた。
ふみ子の目にはその恰好はどこか奇妙に思えた。
足元にズボンのすそが見え、やっぱりタイツでなくちゃと言ったときにハッとなった。




雅楽はあの時の黒子も同じで、黒子という常識が目を曇らせていたのだというと
ふみ子は黒子が黒いストッキングを履いていたことを思い出した。
ふみ子はまさか姉がと思うが、田鶴子が持っていたハンカチについていた
香水の名前の日本語は「私の罪」つまりは”わが罪”という
当次のダイイングメッセージと一致した。



翌日、この日は田鶴子の踊りの舞台があった。


支度している田鶴子の楽屋には舞台を手伝う当太郎がいた。


名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件

ふみ子がやってきて、昨夜劇団の稽古場に雅楽が来て
香水と黒子のことを聞きにきたことを伝えた。




そこへ雅楽も楽屋に入ってきた。
田鶴子は雅楽が何もかもわかったと悟り、ご面倒をおかけしましたと言った。
雅楽が一体なぜそんなことをしたのだと聞くと
田鶴子は自分の鷺娘の最後の舞台だから見てくださいとだけいい
雅楽も拝見するよと答え楽屋から出ていった。




名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件

ふみ子に、田鶴子は自分の口から
当次の本当の娘でなかったことを告白していた。



名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件

観客席に雅楽の他に竹野と江川、ふみ子と政代がいた。
舞台では鷺娘が演じられていた。



雅楽は竹野と江川に田鶴子が犯人であることを伝えた。
雅楽は田鶴子は逃げないというが
江川は参考人として田鶴子の身柄を拘束しようと電話をしに出ていった。
竹野はその時に劇場プログラムを見つけ
中には田鶴子から雅楽宛ての手紙が挟まれていた。


田鶴子は当太郎になんとしても継がせたかったが
当次は多見之丞を養子にしようと弁護士まで手配していた。

田鶴子は当次の楽屋へ話し合いに言った。
当次は当太郎の芸のことをもちだしたが田鶴子はそれは稽古しだいで
いくらでもなんとかなると言った。

当次はこの時に田鶴子が自分の子どもではなく
弟の茂三郎と政代の間に生まれた子供だと明かした。
茂三郎は自分になりすまして一度だけ政代と情事をもったが
自分は一度も政代とは肌を合わせてないと言った。

だがそれでも当次は田鶴子を自分の娘として、
田鶴子、政代二人の面倒を見てきたという。

茂三郎は多見之丞を襲名させろと言ってきた。



名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件

これまで多見之丞には困らせられてきて
田鶴子がその娘であることを明かした当三郎は
政代、田鶴子二人と縁を切るので出て行けと冷たい目で言い放った。


それまで秘かに当太郎を好きだった田鶴子だが
腹違いの兄妹でなかったことを知り
自分がひとりの男として当太郎を愛しているのだと思った。


楽屋を出た田鶴子が小道具がある場所に入ると
カツジが入ってきて、いなくなったあとそこをみると
青酸カリがあった。
最初は自殺するつもりだった田鶴子はそれをとり帰ろうとしたときに
カツジの怪しい振る舞いを見て当次を殺そうとしていることを知った。


それを見たときに突然、当次が死ねばいいと思った。
それなら当太郎と兄弟のままでいられるからだ。


田鶴子は弟子に渡す黒子の衣装を着て
魔法瓶に青酸カリを入れた。


田鶴子は茂三郎から多見之丞と結婚して三人で浅尾家を乗っ取ろうと言われていた。
田鶴子は愛する当太郎から離れたくない。
でもそれを止めるには全てを話さなければなず、それも出来ないとあって悩んでいた。



茂三郎と二人きりであったとき、口論となり茂三郎は持っていた
ステッキを振り回そうとして足を踏み外して転落してしまった。








舞台はいよいよ大詰めになってきた。
田鶴子が舞台から消えようとしたとき、隠し持っていた毒を飲んだ。
そばにいた当太郎に抱かれながら田鶴子は息を引き取った。

名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件


多見之丞の姿を見かけた雅楽は、大阪へ帰れと言った。


雅楽は竹野に遺書はなかったことにしてくれと言った。
政代たちの秘密を知られたくなかった。



学芸部のデスクにいた竹野の元へ江川がやって来た。
田鶴子が自殺であるのに遺書がないことが納得いかないようだった。
竹野に雅楽が何か知っているんじゃないか、隠したりすると法に触れるというと
後ろにいた雅楽が姿を現し江川は動揺する。


名探偵雅楽登場!車引殺人事件つづいて鷲娘殺人事件


最初に江川に会った時に雅楽が推理していた臨月の妻の存在だが
妻は無事に男の子を生んだことを雅楽たちに報告した。








今回は雅楽を演じた中村勘三郎の娘で、波乃久里子が出演している。
弟の勘九郎(当時)はこの後の作品で出演していますね。



原作は短編集の中の「車引殺人事件」と「松風の記憶」で
このふたつをひとつにまとめてドラマ化しました。



このうち「車引殺人事件」だけ原作を読みました。
最後にデビュー作「車引殺人事件」について
なぜ「車引」が選ばれたのかが書かれていた。
舞台で行われる殺人ということで、すさまじい形相をさせたいと
殺害される役者を青い隈どりの藤原時平という悪人を演じさせることにした。
そのため「車引」になったということでした。


今回浅尾当次を演じた伊藤雄之助が早々に姿を消し
もったいないなぁと思っていたのですが
あとで当次の双子の弟として二役で出ていたと知り
伊藤雄之助が長く見れて良かった。





***********************************************


中村勘三郎の名探偵雅楽シリーズ 記事一覧

◆ 名探偵雅楽登場! 

◆ 名探偵雅楽再び登場!

◆ 名探偵雅楽三度登場








NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

お気に入り

カテゴリ

鹿島アントラーズ (314)
日本代表・サッカー (42)
雑記 (72)
ライフスタイル (637)
土曜ワイド劇場 (97)
昭和のテレビドラマ (20)
昭和の日本映画 (18)
映画(洋画) (20)
美術・展覧会レポート (61)
音楽・ライブレポート (17)
格闘技・プロレス (529)
ご案内 (2)

映画館で見た映画

ライブレポート

タグクラウド


最新記事

管理人用リンク

他はリンク欄にまとめました

公式サイト

DREAM/ 新日本プロレス/ 鹿島アントラーズ/

国内WEBサイト

スポナビ/ GBR/ デイリー/ J’s GOAL/

海外WEBサイト

SHERDOG/ MMA NEWS/ MMA WEEKLY/ MMA-Core.com/

ランキングからブログを探す

人気blogランキング
鹿島アントラーズ

サイトマップ

カテゴリー別サイトマップへ

当ブログの人気ページ

ブログパーツ

最近のコメント

スポンサードリンク

月別アーカイブ

08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  01  12  09  08  12  02  01  12  11  10  01  01  10  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06 

リンク


Powered by SEO Stats

RSSフィード

QRコード

QRコード

LINKS

このブログをリンクに追加する

  • 総合格闘技ニュースブログ NHBnews PRO
  • 日刊H.T
  • 『誇り』を継ぐもの
  • Jリーグ(J1&J2)サッカーリンク集
  • スポトラ<スポーツトラックバックセンター>
  • PLAYERS.TV
  • My Sweet Hearts(旧ブログ)
  • 管理者ページ
  • ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる