2017/02/06
2017/01/23
2017/01/09
2017/01/06
2017/01/05
2016/12/26
2016/12/18
2016/11/21
2016/11/20
2016/11/07

展覧会レポート

        

来場者数30万人突破!平日午前でも混雑のマリー・アントワネット展は乙女心をくすぐる展覧会

category - ライフスタイル
2017/ 02/ 06
                 
金曜日は森アーツセンターギャラリーにて行われている
「マリー・アントワネット展」を見に行ってきました。

20170203_0.jpg

ヴェルサイユ宮殿にある王妃のプライベート空間
「プチ・アパルトマン」を再現したコーナーもありました。


20170203_1.jpg

こちらは去年の10月25日からやっているもので
会期前からチケットを用意していたにもかかわらず
ようやっといく事が出来た。
5,6か月チケットをあたため続けていました。



20170203_2.jpg

森アーツセンターギャラリーは六本木ヒルズの52階にあり
3階からエレベーターで昇る。
ひとつ上の53階には森美術館があり「N・S・ハルシャ展」が行われている。


20170203_3.jpg

先日「マリー・アントワネット展」の来場者数が
30万人を突破したということで混雑緩和のため
オープンや閉館の時間がのばされているようだ。

私が行ったのは金曜日で着いたのは10:30頃。
すでに5分から10分待ちの列が出来ており
中に入ったのは11時頃だったと思う。

平日午後一でも20分待ちなので
混雑をさけていくなら開館と同時か
平日の夕方以降をおすすめします。

客層は9割以上が女性であり
男性の姿は圧倒的に少なかった。
女性は親子(母娘)連れも多く年齢層は幅広い。


森アーツセンターギャラリーは行く機会が少ないのだが
私の好みにドンピシャとハマる展覧会をやってくれることがあり
好きな美術館のひとつである。

中でも3、4年前に私の大好きな「ラファエル前派展」が開催されて
テート美術館から見たかった絵画を沢山みせてくれたことが
一番印象に残っています。


今回も女性の憧れ『ヴェルサイユ宮殿』が企画監修した
王妃「マリー・アントワネット展」という
まさに女心を揺さぶる展覧会を開催してくれた。


絵画をはじめ、王妃が身に着けた衣服や靴、
使用していた食器類の他に
宮殿内にある居室や浴室を原寸大で再現し
そのプライベート空間を体験できるという
見て楽しむだけでなく体感できる楽しさもある。


そして、マリー・アントワネットの愛人と言われた
スウェーデンのフェルセン伯爵へのラブレターも
公開されていました。


暗号をつかったりして綴った愛する人への思い。
フェルセンへの燃え上がる愛は抑えきれなかっただろうし
その胸中が文面から読み取れ胸がズキズキさせられた。


マリー・アントワネットというとおてんばで華やかな印象と
悲しい最期をとげた悲劇のヒロインという
全く異なるふたつの印象を持ち合わせた女性だ。

その短い一生の中でまさに激動の人生を歩んだ女性で
ドラマ性に富んだ生涯は実在の人物でありながら
架空の物語上のヒロインのようで不思議な感じがする。


そんな「マリー・アントワネット展」はなんと”13章”に渡って構成されていた。

37歳で絞首刑台の露と消えたのだが
彼女の生涯はいろんな切り口で語ることが出来
美術展としては記憶にないくらい
多くの章で区切られて作品が展示されていました。


第6章、第8章の調度品や装飾品の章に挟まれて
第7章では王妃のプライベート空間である
「プチ・アパルトマン」の浴室や居室が再現されていた。


ヴェルサイユ宮殿プチ・アパルトマン居室

ヴェルサイユ宮殿にあるプチ・アパルトマンの居室。
展示スペースにはこちらの居室の他に
浴室も再現してありました。



20170203_4.jpg

正面に鎮座したキャノピー付きのスツール。
グリーンのダマスク織のファブリックが
とてもロマンティックだ。


20170203_5.jpg

左手にあるのは整理箪笥。
金の縁取りがある大きな鏡の両脇には
ブラケット照明がシンメトリーに配置されている。


マリー・アントワネットの整理箪笥

マホガニーの化粧板の上には絹糸を紡ぐための
糸車台が置かれている。



マリー・アントワネットのプチ・アパルトマンのシャンデリア

15本の枝付きシャンデリア。
こちらは現代的に再現されていてわかりやすい豪華さだ。

マリー・アントワネットの椅子

スツールの脇にはマホガニーのナイトテーブルと
足置きがついた肘掛け椅子。
椅子の布はスツールと同じく緑のダマスク織の張地。



マリー・アントワネットの化粧用テーブル

化粧用のテーブルと椅子は向かって右側にあった。

テーブル類はジャン=アンリ・リズネールが
椅子類はジョルジュ・ジャコブが製作したようだ。



マリー・アントワネットの暖炉

右側には暖炉があった。


マリー・アントワネットのアモルのついた置時計

その上にはアモルのついたブロンズの置時計。
これがまた素敵でした。


王妃の図書室

この他に面白かったのは王妃の図書室を
バーチャルリアリティーで再現していたこと。


第9章までは華やかなものでしたが
第10章の首飾り事件から不穏な流れへとなっていきます。

革命の混乱の時期を経て逃亡、逮捕。
幽閉されいよいよ処刑台へ。


マリー・アントワネットのシュミーズ

マリー・アントワネットのシュミーズ。

マリー・アントワネットの靴

王妃の靴。
処刑時あるいは埋葬の時に拾われたと言われています。
最期まで気丈にふるまっていた王妃ですが
処刑台にあがる時に脱ぎ落してしまったのではないかと
思われているようです。



彼女の胸中はどんなものだったのでしょう。
人生の最後、一緒になることは出来なかった愛する人への思い、
屈辱的な出来事の数々、死への恐怖心。



これらを考えると母となった女は強いとはいえ
いいようのない圧力に耐え続けた彼女を思うと
とても辛くて悲しいものがあります。


この靴は非常に小さなサイズでした。
そこから考えると降りかかる出来事の大きさと
小さな靴の持ち主の女性がどこまでそれらを
自分の中で受け止められたのか考えさせられます。





予定外に再現コーナーに費やしてしまったので
それ以外を簡単にすこしばかり。

マリー・アントワネットはマリア=テレジアの娘ですが、
彼女は子だくさん。
子どもが生まれる度に一家の絵を描かせています。

最初に展示されていた一家の肖像画では
マリア=テレジアが右手を胸に添えていて
よく彼女がするポーズで描かれていました。

こういう絵は権力を示し外交面で使われたりした。


「フローラに扮したデュ・バリー伯爵夫人」の肖像画は
沢山あった女性の肖像画でもひときわ可憐で美しく
印象に残りました。

モデル自体が若くて非常に愛らしい面持ということもあり
白いドレスを身にまとい、髪に添えられた花や、
同じものが胸からも飾られていて淡いタッチで
描かれていたのがとても女性らしかったのです。


絵画はカンヴァスに油彩のものが多かったですが
エッチングに水彩によるハイライトを付けていたものもあり
中でも「マリー・アントワネットのヴェルサイユ到着」と
「フランス王大使ルイ・オーギュストと
オーストリア皇女マリー・アントワネットの結婚式」の
2点の色彩が素晴らしくこちらも深く印象に残りました。

パリ市庁舎のために描かれた「王太子ルイ・ジョセフ・グザヴィエ・
フランソワの誕生の寓意」では”正義””豊穣””平和”が
寓意として現されていました。


またマリー・アントワネットが結婚した時に
マリア=テレジアから贈られた日本の漆の箱など
美術品を通しての日本とのかかわりも紹介されていました。

展示品は約200点ほどで、見ごたえがあります。


それなりに混雑はしていましたが
平日の比較的早い時間に訪れたので
ひとつひとつを見れある程度の時間で
美術館を後にすることが出来ました。


グッズは購入しませんでしたが
女性の好みそうなものが多く
目を楽しませてもらいました。



マリー・アントワネット展コラボレーションメニュー

展覧会を見終わったのは12:30頃だった。
同じフロアにはレストランもありマリー・アントワネット展と
ヒルズのレストランとのコラボレーションメニューもありました。

この他ヒルズレストランでは美術展の半券で
サービスが受けられるお店があります。

私はそれらのお店ではなく、美術館近くの
WESTWALKでのお昼ご飯となりました。


六本木ヒルズ眺望

美術鑑賞後、六本木ヒルズの52階からの眺めを撮影してみた。



大エルミタージュ美術館展

去年の10月から長い間続いたマリー・アントワネット展も2月26日で終了します。

その後はロシアの「大エルミタージュ美術館展」と
これまた足を運びたくなる展覧会が始まる予定です。

            
スポンサーサイト
            
                                  
        

ピンクを基調とした優しさと女性らしさを感じさせる「ティツィアーノとヴェネツィア派展」@東京都美術館

category - ライフスタイル
2017/ 01/ 23
                 
土曜日は東京都美術館で行われている
「ティツィアーノとヴェネツィア派展」へ行ってきました。

ティツィアーノのフローラ

この美術展は1月21日から4月2日まで行われています。
私が行った日は初日でした。

チラシの両面にはティツィアーノの「フローラ」と「ダナエ」が使われている。
記念撮影のコーナーは1/21~2/28までが「フローラ」
3/1~4/2は「ダナエ」になるそうです。

どちらも女性の美を強調した作品なので、この美術展のテーマ色である”ピンク”が
優雅さとロマンティックさを演出してこれらの絵との相性がバッチリ。




ティツィアーノとヴェネツィア派展

この日の東京は朝から強風が吹き荒れていましたが
日差しはあり気持ちの良い一日。


ティツィアーノとヴェネツィア派展 東京都美術館

1月から会期が始まった展覧会はこれが初めてだったので
2017年になったんだなぁという実感が湧いてきました。



*******************************************
イタリアルネサンスとヴェネツィア
*******************************************

ルネサンス発祥の地は花の都フィレンツェ。

フィレンツェというとボッティチェリが有名ですが
彼の作品に代表されるように鮮やかで明るさが特徴の
テンペラ画がフィレンツェのルネサンス期の絵画という印象があります。


一方、水の都ヴェネツィアでは豊かな色彩表現が出来る油彩画が
用いられ、テンペラ画のシャープな美しさとは違う
柔らかな美しさを感じることが出来ます。




*******************************************
ヴェネツィアルネサンスを代表する画家ティツィアーノ
*******************************************

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(1488/90~1576年)は盛期ルネサンス
ヴェネツィア派で最も重要な画家である。

兄弟のフランチェスコと共にヴェネツィアルネサンス第一世代の
ジョヴァンニ・ベッリーニのもとで修業をしたと言われている。

宗教画、神話画、肖像画などあらゆる分野で秀でており
色彩感覚と筆使いが素晴らしく豊かでダイナミックな表現力を
持っている画家であり、同世代はもちろんのこと
ルーベンスやベラスケス、ルノワールなど後世の画家たちにも
多大なる影響を与えている。

また、ローマ皇帝カール五世の寵愛を受け宮廷画家としても知られている。




フローラ ティツィアーノ

≪フローラ≫  ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 1515年頃


右手に花を持ったローマ神話の花の女神フローラ。

艶やかで滑らかな肌の質感が見る者をうっとりとさせてくれる。
ふっくらとした顔と、あらわにした胸元がより
女性の柔らかさ優しさを表現しておりまさに「女神」そのもの。

髪の毛先なども非常に繊細に描かれており
丹念かつ緻密なティツィアーノの仕事っぷりが伺われる。



ダナエ ティツィアーノ

≪ダナエ≫  ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 1544~46年頃



塔に閉じ込められたアルゴス王アクリシオスの娘ダナエは
黄金の雨に姿を変えたオリュンポスの主神ユピテルが訪れて
二人は交わったという。

大胆に裸体を晒したダナエが金貨が混ざった
黄金の雨を誘うようなまなざしで見つめている。

ティツィアーノが書いているダナエ作品群の中でも
一番好きなカポディモンテ美術館所蔵の「ダナエ」。



マグダラのマリア ティツィアーノ

≪マグダラのマリア≫  ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 1567年


ティツィアーノのマグダラのマリアの作品群の内
もっとも後期に位置付けられていると言われている作品だ。

本作は裸体のマリアではなく着衣のマリアでありながらも
あらわになった右肩にエロティシズムを感じられる。

天を見上げるマリアの目から零れ落ちた泪とわずかに見える
透明な布が繊細に描かれている。



教皇パウルス3世の肖像 ティツィアーノ

≪教皇パウルス3世の肖像≫  ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 1543年


カール5世に会うためにボローニャを訪れたパウルス3世が実際に
ティツィアーノのモデルとなって描かれた。


先ほどの若い女性たちの肌とは違い、潤いが無くなった乾いた肌の質感や
手指、額の皺、白くなったあごひげ、額上部の老いを感じさせる表現や
衣服の自然なハイライト加減と言いまるで教皇の写真のようだ。


老いてはいながらも指にはめられた大きめの指輪と
生気を失っていない目からもこの人の威厳が感じられる。



本展はティツィアーノをメインとしながらも
ヴェネツィア派と題されており
ティツィアーノ以外のヴェネツィア派の作品も
展示されていました。



聖母子 ジョヴァンニ・ベッリーニ

≪聖母子(フリッツォーニの聖母)≫  ジョヴァンニ・ベッリーニ 1470年頃


ティツィアーノの師、ヴェネツィアルネサンスの第一世代
ジョヴァンニ・ベッリーニの聖母子。

今回は視線を落とすマリアではなくどこか遠くを見つめている。
しかしながら、今後のイエスの身を案じてか不安な表情は
他のベッリーニの聖母子の作品と同じものを感じた。


背景の青が鮮やかな事も余計にそういうことを際立たせて
いるように見えた。





レダと白鳥 ティントレット

≪レダと白鳥≫  ヤコポ・ティントレット 1551~55年頃


ヴェネツィアルネサンス第三世代のティントレット。

布の色遣いがとても華やかで、モデルを斜めにしている分
ダイナミックな印象を与える。

裸体にまとわれた薄い透明な布は、実物をよーく見ると
股間から噴水のように一筋の水が噴射しているようにも見えた。

ファブリックの色遣いが大胆なことにより白鳥の白さと
裸体の美しさがより表現されている作品だった。



ヴェロネーゼ

≪聖家族と聖バルバラ、幼い洗礼者聖ヨハネ≫
パオロ・ヴェロネーゼ 1562~65年頃


ティントレットと同じく第三世代のヴェロネーゼ。

ヴェネツィアの貴族たちをパトロンにしたと言われており
ティツィアーノやティントレットよりも緻密な印象がある。

ヴェロネーゼの代表作「カナの婚礼」(ルーブル美術館所蔵)だが
今回はダル・フリーゾという人の「カナの婚礼」が展示されていた。

こちらはヴェロネーゼ作品に基づいたものだ。

壮重な建物から見えるすがすがしい青空
中央に配されたイエスの周りにいる沢山の人々。


ヴェロネーゼの作品ではないがじっくり見ることが出来ました。


ユディト

≪ユディト≫  パルマ・イル・ヴェッキオ 1525年頃

ふくよかな肉体を持つヴェッキオのユディト。

若くて美しい寡婦というより、母を感じさせる
豊満さが印象的だ。

斬られたホロフェルネスもどことなく年寄りに見える。

この他にはティツィアーノの兄弟のフランチェスコが書いた
「聖家族とマグダラのマリア」もありました。


版画も含めて今回は70作品ほどが展示されていた。



この日は美術館に着くとナント長蛇の列が。。。

混み具合はこれくらいという直感だけでなんの根拠もない
混雑予想を立てており、それによると混んではない予定だったのだが。


と、思ったら14時から行われるこの美術展の監修者である
ジョヴァンニ・C.F.ヴィッラ氏の無料講演会があり
それに並んでいるお客さんだということだった。

ということで、そのまんま待ち時間なく入場。
中も混んではいなかったです。


私も時間に余裕があれば無料講演会行きたかったなぁ。


東京都美術館

今年はこういう資料室を訪れる時間も設けてみたい。
たまに一休みする際に過去の展覧会の図録なんかは
座って読むことはあるのだが。



上野の森美術館

東京都美術館へ向かう途中にある「上野の森美術館」では
この日までゴッホの自画像が看板の「デトロイト美術館展」が行われていた。

デトロイト美術館では全作品の撮影が可能ということで
この「デトロイト美術館展」でも特定の日は作品の撮影がOKだったそうだ。

興味はあったけど結局行きませんでした。




シャセリオー展

国立西洋美術館では「クラーナハ展」が1/15で終了し
次回の「シャセリオー展」の看板に代えられていた。


2017年もこの間始まったばかりだったのだが
気がつけばもうすぐひと月が経ってしまう。


今年はどんな美術展へ足を運ぶことになるのだろうか。

                         
                                  
        

日本人でありながらも深くは知らない「日本の伝統芸能展」をレポート

category - ライフスタイル
2017/ 01/ 09
                 
本日は成人の日ということですが
東京では昨日から冷たい雨が降り続け
寒さが一段と増しています。


さて、土曜日は三越前にある三井記念美術館で
「日本の伝統芸能展」を見てきました。

日本の伝統芸能展


2日の「戦国時代展」同様日本らしさ満載の展覧会。
本来は3日に行きたかったのですが別の予定が入り断念。

20170107_1.jpg


3が日を過ぎると平日になり街もビジネスモードになりそうなので
7日の土曜日まで待つことにしました。


三井記念美術館

三井本館にある「三井記念美術館」は建物自体が
国の重要文化財に指定されています。

今回はランチ前に行ったので美術館までのアクセスが良い
三越前駅で降りました。

三越前のA7番出口を出てすぐそこにあるのが三井本館です。


20170107_3.jpg

落ち着いた清潔感のある建物にある美術館。

隣にはレストランもあり、入り口付近を見上げると
2Fで飲食しているお客さんが見えます。



20170107_5.jpg

この廊下の突き当りを左に行くとエレベーターが2機あり
本館の7階が美術館となっています。

20170107_6.jpg


エレベーターの扉も装飾が施されステキ。

重厚感あふれる洋風な造りの美術館。
展覧会自体は日本の物なのですが
モダンな感じと和の展示品が静かにマッチしていて
違和感が感じられません。


20170107_7.jpg

7階に着くと「峯」と題されたブロンズ像の
夫婦の鹿が出迎えてくれます。



*******************************************
「日本の伝統芸能展」 概要
*******************************************


昭和41(1966)年に日本の伝統芸能が公演される「国立劇場」が開場し、
その50周年を記念して行われる。
(会期は2016年11月26日~2017年1月28日)


日本が誇る伝統芸能である「雅楽」「能楽」「歌舞伎」「文楽」「演芸」
そして「琉球芸能・民族芸能」の6つを柱として
それらにかかわる芸能具(楽器・衣装・面・人形など)や
美術工芸品が展示されるというもの。

国立劇場、三井記念美術館収蔵作品をはじめ
国内の博物館や三越伊勢丹から作品が集められ
約100点程の芸能具や絵画などが楽しめる。

(会期中は展示物の入れ替えがあるため全てが見れるわけではありません)




20170107_4.jpg

今回は残念ながら国宝「雪松図屏風」の展示がされていませんでした。


美術館の7つの展示室を使って展開されていました。




*******************************************
展示室1「仮面と楽器」
*******************************************


重要文化財になっている舞楽面や能面と雅楽器を展示。



陵王

≪陵王≫  江戸時代


熱田神宮にある舞楽面「陵王」です。
神々しい金の面は17世紀のものです。

吊り顎になっていて、飛び出た目玉も金なら
歯も顎から生えた長い髭まで金である。


面に関しては怖さや威嚇を感じさせるものから
細くてへの字の柔和な表情が印象的なものもあり
顔のパーツのほんの少しの違いが印象を決定づけるのだなと
感心しながら見ていました。

ボウボウ眉の爺さんの面があったのだが
中には眉というより接着剤にフェルトがくっついただけのような
丸くて広い面積をもった眉もあることも初めて知りました。



楽器蒔絵小鼓胴

≪楽器蒔絵小鼓胴≫  江戸時代

こちらは三井記念美術館が持っているもの。
このコーナーでは三井記念美術館にある作品が多かった。


中でも「雛道具の楽器」がかわいらしくて気に入ってしまった。
お琴など雛段を飾る道具の数々が本当にかわいい。



*******************************************
展示室2「能面 孫次郎」と展示室3「文楽人形三人使い」
*******************************************


展示室2と3はそれぞれ1点ずつ。


重要文化財である室町時代の能面「孫次郎(オモカゲ)」と
文楽の人形三人使い。


文楽の人形を3人による人形遣いが演じている様を
等身大のマネキンによって再現していた。


人形を操る黒子の3人。

下っ端は足を操る「足遣い」
両手で人形の足を操ります。


次に「左遣い」
右手で人形の左手を操ります。


そして、一番ランクの高い「主遣い」
右手で人形の右手を、左手を背中から入れ
人形の首を操ります。


「足遣い」→「左遣い」→「主遣い」と成長していくわけですが
足遣い、左遣いだけでもそれぞれ10年の修行が必要だとか。

「主遣い」に行くまでには20年の時を要するのか・・・

三位一体となって人形を操ることで
人形の写実的な動きが表現できるようになるのです。



*******************************************
展示室4 「絵画と芸能」
*******************************************

ここでは主として図屏風を使い日本の芸能を表現していた。

江戸時代に描かれた能や舞楽、歌舞伎の図屏風。

歌舞伎を演じている様子やその舞台裏なども描かれていて
江戸時代にこれらの芸能が日常で楽しまれていた様子が伺われる。


歌舞伎も売春も含めた遊女歌舞伎からそれが規制されると
14,15歳くらいまでの若い男子による歌舞伎へ。
それも規制されると成人男子が演じる野郎歌舞伎へ。

そんな移り変わりについて知ることが出来ました。


*******************************************
展示室5 「歌舞伎・文楽」
*******************************************


錦絵と文楽の人形首を多数展示していて
一番ボリュームがあったコーナーである。


絵画では幕府に公認されていた小屋だった
中村座の絵がいくつかありました。

先日行った江戸東京博物館の5階でも
中村座が再現されていました。

中村座の他にも2座あり、これらが集まっていた
東都2丁目の様子もありました。

また歌川国貞の描いた「中村座三階之図」や
歌川豊国の「中村座内外の図」では6枚続で
中村座の様子を細かく知ることが出来ます。


エドハクにあったマネキン7代目市川團十郎の絵もあり
團十郎や他の歌舞伎役者松本幸四郎、岩井半四郎などについても
説明書きがされており役者同士のかかわりなど
当時の歌舞伎界の様子が伺われ勉強になりました。

「東海道四谷怪談」の仕掛け絵もあり
戸板返しが描かれていました。

改めて歌舞伎で「四谷怪談」を見たいと強く思いましたね。



文七

≪文七≫  現代


また人形首の展示もされていて、男と女両方の
年代に合わせた顔の違いからその特徴を知ることも出来ました。

しかし、50代でもう老婆扱いされる女性の首を見て
ちょっと複雑な気持ちがした。

画像にある文七は主役級の首。

他にも悪人や三枚目の悪人など
女性も娘の顔から三枚目の女子の顔など
説明書きと照らし合わせて納得でした。

昔も今もそれぞれの顔から得る印象に違いはないんだなぁと思った。


首は女性物は少なく、男性の方が多いんだとか。
男性に比重をおいた分野だということを改めて感じました。



*******************************************
展示室6 「演芸」
*******************************************


錦絵をもちいて演芸を表現。


ちなみに今回「雅楽」「能楽」「歌舞伎」「文楽」「演芸」
「琉球芸能・民族芸能」についての解説がされており
これまでまぜこぜで考えがちだった
日本の伝統芸能についてその違いがわかったのも
非常に良かったです。


説明文を読むと「ああ確かに」と思うのだが
このジャンルに疎いとなかなか細かい違いがわからない。

それをこの機会に改めてきちんと知ることが出来
伝統芸能により興味がもてるようになりました。



*******************************************
展示室7 「歌舞伎・文楽・琉球芸能・民俗芸能」
*******************************************


いよいよ最後のコーナーです。

ここでは江戸時代でも19世紀から明治・大正・昭和と
馴染みが深いものになってきました。


主に歌舞伎の舞台衣装などが展示されていました。

所蔵は三越伊勢丹の物もありました。
三越は昔貸衣装の部署を設けたとのことで
その時の貸衣装が何点か展示されていた。

中には着こまれたのだろうか?
端にボロが目立つものもありました。


また衣装を身に着けた男と女の人形も1体ずつ
裸人形も1体ありました。



寄席などは若い人にも人気がありそうだが
歌舞伎や能というとなかなか意識して
触れる機会を設けないと接することがないものだ。


今回以前から興味がありつつも積極的に近づくことがなく
深く知ることがなかった日本の伝統芸能に
歩み寄っていく良いキッカケになり
これを機会にもっと日本人として
伝統芸能を知っていきたいと強く思いました。


エドハクの常設展記事でも少し触れましたが
私の祖父は歌舞伎好きでした。

今回の展覧会では歌舞伎の楽屋が知れるのは貴重と書かれていましたが
祖父は歌舞伎の楽屋にも出入りしていたようです。


そのようなことからも以前から伝統芸能は興味があったのですが
このような機会ができたのもなんかのご縁だと思います。


引き続き伝統芸能にどんどん触れていきたいです。





                         
                                  
        

大人も子供も楽しめる エドハクの常設展がすごく面白くてオススメ!

category - ライフスタイル
2017/ 01/ 06
                 
江戸東京博物館で「戦国時代展」を見た後は
常設展へ足を運びました。

江戸東京博物館常設展

私は特別展と常設展が見れるチケットを持っていたのですが
1月2日と3日は常設展が無料入場できました。

もちろん常設展も見れるチケットの方が入場料が高い。

最初「チッ!」と思ったのですが
常設展の充実ぶりに感動してこんなことはどうでもよくなってしまった。

常設展は5階と6階にあり、入り口は6階で
5階が出口となっています。
エレベーターで6階の入り口に向かいます。

常設展に足を踏み入れすぐにある、江戸時代に架けられた
「日本橋」を復元した橋を渡りながら5階を見おろすと。

エドハク正月イベント

お正月ということで獅子舞を見ることが出来ました。


20170102_8.jpg

おかめとひょっとこのお面をつけた人も踊っています。


江戸東京博物館常設展中村座

5階には歌舞伎小屋を再現した中村座もあります。
寄席がある日にはここで楽しむことが出来ます。


20170102_39.jpg

この日はお人形を使った劇をやっていました。


20170102_10.jpg

この日は2017年の初日、無料とあってどこを見ても人、人、人。
ただすんごく広いので思ったよりも混雑が気になりません。


20170102_11.jpg

寛永の大名屋敷。
江戸城の前に建てられた松平伊予丸忠昌の上屋敷。
桃山風の屋敷は明暦の大火により焼失してしまい
以後はこのような豪華な大名屋敷は姿を消してしまった。

20170102_12.jpg

ライトアップされてすごく神々しく見えます。

20170102_111.jpg

いかに広大な土地に建てられたかが
この模型を通じて知ることが出来ますね。


20170102_13.jpg

酒井家の女性の乗り物だと言われており
内部には花鳥画が描かれているそうです。


20170102_14.jpg

個人的には西洋の美術装飾品が好きなのですが
和の物もとてもいいですね。


私の生家は祖父が旅行をはじめ多趣味な人で
伝統芸能や美術・民芸品も大好きで
沢山の日本の美術品の数々に囲まれながら育ってきました。

私の美術好きもそうした環境があったからだと思います。


20170102_15.jpg

江戸初期の日本橋北詰付近の町の様子が再現されたジオラマ模型。
小さいながらも秩序よく配置された家屋や
広い通りを行きかうたくさんの人々が緻密に作られており
その壮大さに圧倒されます。

20170102_16.jpg

江戸の庶民の日常風景が伝わってきますね。

20170102_17.jpg

まさに江戸の賑わいといった言葉がぴったりの風景。


20170102_18.jpg

まるで子どもの頃に帰ったような気分になりました。

20170102_19.jpg

橋の上にもたくさんの人が。
精巧に出来ておりまさに芸術品!


20170102_20.jpg

反対側から見るとこんな感じ。


このジオラマに大感動したのだが
これは常設展の入り口付近であり
まだまだ始まったばかりなのです。


20170102_22.jpg

江戸城本丸御殿の大広間、松の廊下、白書院の復元模型。

縮小版の小さな模型とはいえ非常に大きいので
当然ながらそのすべては画像には写っておりません。



20170102_21.jpg

大名が将軍を拝謁するための大広間と、それに続く松の廊下。
勅使たちと対面する際に使われた白書院。
能舞台も復元されていました。


20170102_23.jpg

徳川家康の坐像(複製)
家康の等身大と思われる木像である。

20170102_24.jpg

1844年に作られた偕楽園と呼ばれた庭園図。


20170102_43.jpg

「一石橋迷子標」といい町人たちが資金を出し合って
迷子救済のため建てられた。

迷子や捨て子は親が見つかるまで町が養育することを
義務付けられていたために子供の特徴などを書いて
張り出されていたのだ。


20170102_44.jpg

江戸時代は版本も多く出版されたため
その出来上がるまでの工程の紹介とともに
道具も展示されていました。


20170102_25.jpg

江戸城内の大奥での女性たちの様子を描いたもの。
江戸時代には知ることのなかった大奥の生活だが
明治時代に入り当時の女中たちの話をもとに
女性たちの様子が表現されるようになった。


20170102_26.jpg

二枚胴具足は徳川家11代将軍の徳川家斉のものとみられている。


20170102_45.jpg

今回行くのは絶対お正月でしょ!ということで
エドハクに行きましたがイベントを含め本当に
この日を選んでよかったと思いました。


20170102_27.jpg

手柄山正繁が作刀したもの。


20170102_28.jpg

棟割長屋の再現。
入ると土間があり、狭い空間に生活用品が置かれている。
当時の質素な生活の様子が伺われる部屋だ。

20170102_29.jpg

気を抜いて歩いていると中で仕事をしている人物にハッとさせられた。
一瞬本当の人かと思ってドキッとしました。

20170102_30.jpg

決して大げさに言っているわけではなく
結構リアリティがあるんですよ、この人。



20170102_31.jpg

その他の部屋の様子も。
左奥のほうきとはたき。
60,70年代位のドラマや映画などでは
アパート住まいなんかではこのように
ほうきが掛けてあったりするけど
今はこのような光景は見なくなりましたねぇ。

20170102_32.jpg

寺子屋も再現されていました。
まるで教科書を見ているかのようで
常設展だけでもすっごく楽しめます。



20170102_33.jpg

庶民の食生活もご紹介。

主食の目刺鰯と八杯豆腐、たくあん少々とごはんという
質素な食事。

江戸時代は1日3食という現代の食生活の基礎が作られたのですが
今の我々の食事を考えるとよくまあこれだけでエネルギーが出たもんだと。

さすがに単身男性が多かった江戸の町では
そば、すし、てんぷらなどの屋台が賑わったそうです。


江戸の人々が旬の食生活を大切にした
江戸の(食物の)初物暦の情報もあり
今よりもうんと旬の食材を大切に過ごしただろう
江戸の食生活について私自身も参考にさせてもらおうと思いました。



20170102_34.jpg

三井越後屋江戸本店。
江戸時代の代表的な呉服店で駿河町にありました。

20170102_35.jpg

この画像ではわかりにくいのですが
鴨居には手代の名を記した紙が吊り下げられ
その下に反物を出している。


20170102_70.jpg


客は反物を手に取ることが出来るので
実際に物を見ながら購入できる対面売りの様子
「店前売(たなさきうり)」が再現されています。


それまでは、商人が客の元へ出向き
商品を渡し後で利息と代金を受け取る後払いだったのが
対面売りをすることで客は利息不要の現金払いで
商品を購入できるようになったのだ。




20170102_71.jpg

店先では子供たちが湯茶をふるまっています。


20170102_38.jpg

日本橋周辺の人々の賑わい程大きくはないのですが
神輿を中心に大勢の男たちがいる様子が
地味に迫力があるのです。

20170102_37.jpg

本当に小さいながらも緻密に一人一人が作られており
完成するまでにどれくらいの時間がかかったのでしょうか。

20170102_46.jpg

すごくデカい。
私も乗ってみたくなりました。

会場内では実際に籠車に入れるなど
参加型のコーナーもあります。



20170102_40.jpg

江戸の絵草紙屋の店先を再現。
もとになったのは「東海道名所図会」に描かれた
地本問屋であり書物問屋であった
泉屋市兵衛の「甘泉堂」である。


芝明神前三島町(現在の港区芝大門1丁目付近)は
東海道の脇にあたり問屋が集中する区域だった。




20170102_41.jpg


絵草紙、錦絵をはじめ地図や往来物も扱っていた
店内が見事に作られている。


20170102_47.jpg

獅子舞の他にお人形を使った講演など催しが至る所にある。


20170102_51.jpg

こちらはからくり人形のミニ公演。


画像はありませんが、「四谷怪談」の歌舞伎舞台を
再現したミニチュアコーナーもあり
小さなお人形が舞台セットで仏壇返しなど
いくつかの仕掛けを実際に演じて見せてくれました。


その仕掛けについて解説が入るので
より楽しむことが出来る仕組みとなっています。


2分程の公演で結構こまめに行われていました。


20170102_48.jpg



20170102_50.jpg


江戸歌舞伎の代表的な演目「助六」の舞台。
7代目市川團十郎が自身の十八番としてまとめ
今日まで受け継がれている。


20170102_49.jpg

こちらは現在の歌舞伎の舞台で使われている衣装や道具をもとに作られたもの。



20170102_52.jpg

歌川国直の大黒屋の遊女である豊花の絵。

遊郭と言えば吉原だが、当時の遊女たちの生活と
実態像がわかるデータもあり江戸風俗を知ることができます。

1660年頃から1850年頃までに遊女の数は増えていきます。

家康が江戸に入国し、江戸城下に武士や商人が集まり
新しい都市づくりが始まります。

同時に遊郭も京都などから移転して現在の中央区日本橋人形町に
店が集められ幕府が統制したのが吉原遊郭です。


吉原では1日に昼見世と夜見世の2回の営業があり
客の相手をしたり見送ったり、風呂や化粧などの身支度をすると
ほとんど食事と睡眠の時間が取れませんでした。

過酷な状況に身を置かざるを得なかった女性たちの
日常がわかります。



エドハクの常設展では「江戸ゾーン」の他に
「東京ゾーン」があり東京の移り変わりも楽しむことが出来る。


20170102_60.jpg

江戸から東京へ。

関東大震災から戦争と終戦、復興を遂げた東京は
高度成長期へと移行する。


20170102_54.jpg

懐かしい家具調テレビや炊飯ジャー、
魔法瓶などなど見ているだけでも面白い。

20170102_53.jpg

現在の沸かすポットではなく熱いお湯を入れて
持って注ぐ魔法瓶。

ペコちゃんなどのキャラクターグッズ。



20170102_55パンダブーム


パンダブームや、インベーダーゲーム。

20170102_56.jpg

学校給食の移り変わりも興味深い。
1960年代の給食。

20170102_57.jpg

1970年代の給食の後ろにはウォークマンが。
懐かしいラジカセも置いてありました。

20170102_58.jpg

1980年代の給食の横には「ボディコン」についての
説明書きがあった。

他に竹の子族など過ぎ去っていった昭和を
振り返ることが出来ます。



20170102_59.jpg

2000年代の給食の後ろにはコスプレの説明書きがあり
横にコスプレ衣装も展示されていました。


今回「戦国時代展」で見たいものが1月ということで
1月2日行こうと早くから決めていました。

常設展も見る予定ではあったのですが
まさかこんなに面白いとは!

1月2日に行ったことでお正月モード全開で
とても楽しいイベントが盛りだくさん。

人が多いけど混雑ぶりがあまり気にならず
いい意味で人の熱気を会場内で感じることが出来た。


本当にこの日に行って良かった!

常設展では企画展「徳川将軍家の婚礼」もあり
こちらも無料で入場することが出来ます。

とても1日ではじっくりとは見切れない広さでしたので
また機会を設けて再訪したいと思っています。



                         
                                  
        

「戦国時代展」@江戸東京博物館

category - ライフスタイル
2017/ 01/ 05
                 
1月2日(月)は両国にある江戸東京博物館(エドハク)で
「戦国時代展」を見てきました。

20170102_0.jpg

江戸東京博物館は1月1日までお休みで
2日から営業を始めたばかり。
今年の営業初日に訪れることが出来ました。
お正月ということで飾り付けも豪華で
博物館の名前ともマッチしていてとても良かったです。


20170102_3.jpg

半年以上ぶりくらいに訪れた両国駅。
両国というとよく両国国技館にプロレスの試合を見に行ってました。


20170102_2.jpg

「戦国時代展」は2016年11月23日~2017年1月29日まで。
11、12月が西国の将軍と大名、1月が東国の大名ということで
東国が目当てだったので1月になるまで待っていました。



20170102_4.jpg

両国駅から国技館へ行くまでの間にある
駅近の「江戸東京博物館」
変わった外観に特徴があります。

20170102_5.jpg

「戦国時代展」がある特別展示室は1階に
常設展は5、6階で6階が入り口となっています。

この日は正月ということで親子連れや
外国人客で館内は賑わっていました。

日本の戦国時代ということで戦を連想させる
兜や鎧、刀をはじめ当時の生活が伺われる
作品も数多く展示されていました。


戦国時代展

人気は刀剣のコーナーでこちらは行列が出来ていた。

唐草透彫烏帽子形兜は皮で出来ているとのことだが
黄金の兜は説明されていないと革製だということが
わからなかったくらい重みを感じました。

上杉謙信とともに戦った伝説の毘沙門天といわれる
泥足毘沙門天立像や勇ましさが感じられる
黒塗紺糸縅具足もこの期間に見ることが出来ます。

国宝「雪中帰牧図」も東京会場では1月でのみの
とても貴重なもの。
(東京会場が終わると京都、山形へ場所を移して
戦国時代展は開催されます。)


上杉謙信軍と武田信玄軍が北信濃の支配権を巡り対決した
「川中島合戦図屏風」では川中の一騎打ちの様子が描かれています。


日本史に興味がある方は100年にも及ぶ
日本の戦国時代を感じられる良い機会ですので
足を運んでみてはいかがでしょうか。


江戸東京博物館には2016.9.13~2016.12.11まで
東京国立博物館で行われた「平安の秘仏」の
チラシが置いてありました。

もう終了しているはずなのにと不思議に思っていたら
大好評だったからか会期終了が2017.1.9まで延期されたとのことでした。

私も去年行きましたが見逃してしまった方も
9日(月)までですのでまだ間に合いますよ。

さて、今回は「戦国時代展」と合わせてエドハクの常設展も
合わせて楽しむ予定でした。

あらかじめ常設展も見られるチケットを入手。

「戦国時代展」のおまけ程度に考えていたのですが
この常設展がハンパなく面白く
どっちが主役だかわからない状態になってしまいました。


この常設展記事が異様にボリュームがあり
記事を書くのにやたら労力を要するため
今回の「戦国時代展」はかなり薄めの記事となりました。


日本史が好きな方は多いと思いますので
興味のある方は是非行ってみて下さい。



予定ではこの記事にちょこっと常設展の事も書こうと思っていましたが
とてもとても、それでは収まりきらない位の素晴らしさだったので
この次のエントリーで常設展についてじっくり書いてみたいと思っています。


江戸東京博物館は名前からわかる通りニッポンらしさが
漂うわかりやすい博物館。

外国人客も多く、ということは中国人客も多いんでしょうね。

トイレに入ると・・・
たまに見かけるこんな案内が。

20170102_100.jpg


1. 便座に土足で座ってするかよ!
まるで和式トイレのような使い方。


2. トイレットペーパーの芯ならともかく
拭いたペーパーをゴミ箱にすてるのかよ!
全く我々の常識では浮かぶこともない発想。


うーん、女子は念のため便座を入念に拭いてから
座って用を足した方がいいかもしれませんね。。。


江戸東京博物館は展示室などはキレイなのですが
トイレはちょっと古めかしかったです。



                         
                                  
        

斬首に見る女のエロティシズム 玄人好みの美術展 クラーナハ展@国立西洋美術館

category - ライフスタイル
2016/ 12/ 26
                 
土曜日のクリスマスイブは上野にある国立西洋美術館へ
「クラーナハ展 500年後の誘惑」を見に行ってきました。

クラーナハ展

日本で初めてのクラーナハの大回顧展です。


20161224_2.jpg

私がクラーナハ展をやると知ったのは夏頃だったでしょうか。
「うわぁ、クラナッハ展やるんだ!」と、
通好みの思ってもみなかった回顧展の情報に
絶対行く!と心が躍ったものでした。

本当は開催初日に行きたかったところですが
恵比寿ガーデンシネマでの「男と女」も同日スタートで
予定がズレにズレてクリスマスイヴにようやっといく事が出来ました!

20161224_3.jpg

クリスマスイヴとあって上野も人が多かった。

12月半ばまで行われていた「ダリ展」や「ゴッホとゴーギャン展」は
教科書にも載ってしまうレベルの知名度から
ライトなファンや、一般層も巻き込んだおかげで大混雑でしたが
クラナッハとくると「誰?」状態なんでしょうね
混雑もなくゆっくりと見て回ることが出来てとても見やすかったです。

クラーナハ=誰?であっても、展覧会の広告はいろんなところで
されていましたので、女性と生首という組み合わせに
クラーナハをご存知ない方でも
この絵は印象に残っている方もおおいのではないでしょうか。



*******************************************
ドイツの巨匠 ルカス・クラナッハ
*******************************************

クラーナハはクラナッハと表記されることも多いので
クラナッハの方が馴染みがある方も多いかと思いますが
以後はクラーナハで統一します。

ルカス・クラーナハ(父)は1472年にクローナハで生まれと言われている
ドイツ・ルネサンスを代表する画家です。

クラーナハには同名の画家の息子がおり区別をつけるために
ルカス・クラーナハ(父)、ルカス・クラーナハ(子)と表記されています。


ザクセン選定侯フリードリッヒⅢ世の宮廷画家でもあり
ヴィッテンベルクに工房を構えています。


クラーナハは描くのが早いだけではなく
大規模な工房を持っていたため作品を大量生産しています。
また一つの作品でもいろんな表現方法を用いていたので
そういう才能も多くの作品を残すことに成功した要因のひとつだったのでしょう。


さらに素晴らしいのは画家としての成功だけではなく
事業家であり、市長としての政治家での活躍も見逃せません。

芸術家としての才能だけではなくビジネスセンスにも長けていた人物なのです。

日本では一般的な知名度は低いように思えますが
年代は失念しましたがかなり昔に書物でも紹介されており
今回そちらも展示されていました。

クラーナハというと裸体やユディトやサロメ、ヴィーナスなどの
女性たちを独特のエロティシズムをもって描いている印象があります。

今回告知で使われた「ユディト」の絵からも
クラーナハらしいエロティシズムが感じられますね。



ホロフェルネスの首を持つユディト

≪ホロフェルネスの首を持つユディト≫  ルカス・クラーナハ(父)  1530年頃


今回ウィーン美術史美術館より貸し出された「ホロフェルネスの首を持つユディト」ですが
3年にも及ぶ修復を経て日本にやってきました。

修復の様子は入場してすぐの約8分ほどの映像コーナーにて見ることができます。

5つのパーツからなるこの絵は裏の補強、色の修復を得て
生き生きとした表情に生まれ変わっています。


ルカス・クラナッハ

陶器のようななめらかで美しい肌と、冷たい表情でありながらも
大きく開いた胸元、柔らかな頬の紅さを持ちどこかエロティシズムを
感じさせるクラーナハのユディト。

眉の薄さや紅をさしながらも真一文字に閉じられた唇が
ユディトの醒めた表情と意志の強さを際立たせています。


剣にはホロフェルネスの血がうっすらとついている。

生首が置かれた白い台もきれいに修復されていて
女のエロティシズムと男の生首というアンマッチさを
表現していました。

ユディトの冷めた視線がこの絵を忘れられないものにしています。




*******************************************
旧約聖書外典 「ユディト記」
*******************************************

メラリの娘ユディトはマナセと結婚したが、夫を日射病で失って寡婦となった。
彼女は美しく魅力的な女性で多くの財産をもっていたが、
唯一の神に対して強い信仰をもっていたため、人々から尊敬されていた。


アッシリアの王ネブカドネツァルはメディア王との戦いにおいて
自分に協力しなかった諸民族を攻撃するため、
司令官ホロフェルネスを派遣する。

ホロフェルネスは軍勢をひきいてユダヤへやってくると
ベトリアという町を囲んだ。

水源をたたれたため町の指導者オジアは降伏を決意するが、
ベトリアにすんでいたユディトはオジアと民を励まし、神への信頼を訴える。


ユディトはそこである作戦をたてる。


それはユディト自身が着飾ってホロフェルネスのもとに赴くというものだった。

ユディトは神に祈って、ホロフェルネスのもとへ向かう。


エルサレム進軍の道案内を申し出た美しいユディトをホロフェルネスは喜んで迎えた。

ユディトは陣中で出される異邦人の食べ物を決して口にせず、四日待った。

四日目にホロフェルネスは酒宴にユディトを呼び出した。


ホロフェルネスは泥酔し、やがて天幕のうちにユディトは眠るホロフェルネスと二人だけで残された。

ユディトは眠っていたホロフェルネスの短剣をとって彼の首を切り落とした。

ユディトは侍女と共に、首を携えてベトリアの町へ戻り、事の次第を報告した。

やがて、司令官殺害は包囲軍の知るところになり、激しい動揺を引き起こす。

ユダヤ人はこの機会を逃さず、出撃し、敗走するアッシリア軍を打ち破った。


ユディトは105歳でなくなるまで、静かにベトリアの町で一人暮らした。


(Wikipediaより引用)


『ユディト記』は以前読んでとても長い物語だった記憶があるので
大筋がわかるウィキペディアより紹介させていただきました。



クラーナハのユディトは着衣をし、アクセサリーだけでなく
帽子までも着て身なりを整えた状態で生首を持っている。

冷静に敵将ホロフェルネスの首を斬りおとし
仕留めた様子のユディトがこの絵から感じられます。

「ユディト」というとこれらの絵も非常に有名ですね。


ホロフェルネスの首を斬るユディットカラヴァッジョ

≪ホロフェルネスの首を斬るユディト≫ ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ 1598~99年

カラヴァッジョの描いたユディトは、今まさにこの瞬間
ユディトがホロフェルネスの首を斬りおとそうとしているところ。

および腰で自らの意思というよりは
何者かに「斬ってみなさいよ」と言われ
色香に酔ってしまった哀れな男の首を
男の恐怖や痛み、斬りおとすことによって
直前まで生きていたものが死んでしまう
そんなことにも意識が行ってないユディトが描かれている。

そして、斬られる男のたまったものではないという
苦痛の表情と体の動きが何とも言えない。


ユディトクリムト

≪ユディト≫ グスタフ・クリムト 1901年

こちらは打って変わってエロ満載のクリムトのユディト。

ヌードになったユディトが官能的に表現されている。
ホロフェルネスの首は右下に描かれているだけ。

なんか一戦交えたあとに
エクスタシーの余韻を残したまま
さっきまで交わっていた男の首をかっきり
その陶酔から覚めてなくそんな自分に酔い切った
恍惚の表情のユディトが表現されているようだ。


斬首というと「サロメ」も有名だが
今回「ホロフェルネスの首を持つユディト」の隣には
クラーナハの「洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ」も
展示されていました。

こちらは以前「ハプスブルク展」でも見たもの。
再び見れるとは、行った甲斐がありました。


さて、話をクラーナハ展に戻して
クラーナハの描くエロという視点で作品をご紹介。



正義の寓意

≪正義の寓意≫  ルカス・クラーナハ(父)  1537年


20161224_14.jpg

≪ヴィーナス≫  ルカス・クラーナハ(父)  1532年


泉のニンフ


≪泉のニンフ≫  ルカス・クラーナハ(父)  1537年以降


「ヴィーナス」でははっきりと見えますが
「正義の寓意」や「泉のニンフ」では
画像ではわかりにくいのですが
みな裸体に陰部のところを隠すように
透明な布をまとっています。

そのスケスケの布の存在が
かえって女性の陰部に視線を活かせている
というような表現を度々本展の作品紹介で用いてました。

私はそれより「正義の寓意」で陰部を
串刺しにしているところが秘部を強調していて
印象に残ってしまいましたね。

ヴィーナスのヴィーナスらしからぬ表情や
S字のややくねった曲線的な表現、
それぞれの裸体の小ぶりな乳房や
滑らかに出ているお腹など共通部分がありながらも
各々人物の視線は違っているのも興味深い。

クラーナハの裸体表現はピカソにも影響を与えたようで
クラーナハの「ヴィーナスとキューピッド」を模倣した
ピカソの作品もいくつか展示がされていました。



また「正義の寓意」については絵画コンペティションの映像が見られ
そこで描かれていた多数の画家の「正義の寓意」をコピーした作品の実物が
後ろの広々とした壁にズラリと並べられていて迫力がありました。

どうみても男に見える「正義の寓意」のモデルもあり
こちらも面白かったです。

絵画とは全く関係ないのですが潜在意識のワークで
活用できるヒントも得ることができました。

こんなところでお金を得るということの大きなヒントになる
事象に出会うとは思っても見ませんでした。



ルクレティア

≪ルクレティア≫  ルカス・クラーナハ(父)  1529年

こちらはクラーナハのルクレティアの作品群の一つ。

ルクレティアの歪んだ表情がなんともいえない。

「エロティシズム」というと男が女に感じる魅力のひとつ
また女が男を惹きつけるための戦略のひとつでもある。

次に紹介する男女の物語(恋愛)ですが
惚れるほれられるということは
決して甘くて人からの羨望を集めるだけではなく
時として愚かさだったり、嘲笑の対象になる場合もあります。


不釣り合いなカップル

≪不釣り合いなカップル≫  ルカス・クラーナハ(父)  1530~40年頃

老人が若い女に指輪をプレゼントする。
明らかに歳の差があるカップル。
男は女の若さと美しさに惚れているものの
女は計算ずくだったりする。


ヘラクレスとオンファレ

≪ヘラクレスとオンファレ≫  ルカス・クラーナハ(父)  1537年

オンファレの魅力に落ちてしまったヘラクレス。
女たちに囲まれて羊毛を紡ぐはめになってしまう。


さて、その他のクラーナハの展示作品をサクッと。

子どもたちを祝福するキリスト

≪子どもたちを祝福するキリスト≫  ルカス・クラーナハ(父または子?)  1540年頃

こちらは珍しい台北、奇美博物館からの貸し出し作品。



マルティン・ルターの肖像


≪マルティン・ルターの肖像≫  ルカス・クラーナハ(父)  1525年

展覧会ではクラーナハの生きた時代の背景なども綴られていました。
当時の宗教についても触れられており、クラーナハはルターなどの
宗教改革でも大きなかかわりを持っていたと書かれていました。


その他版画家としてのクラーナハ作品もあり
国立西洋美術館がクラーナハの版画作品を
結構持っていることを初めて知りました。

版画でもその色彩表現に版画の枠を超えたものもあり
興味深く見させてもらいました。

20161224_5.jpg

こちらは入り口前にある撮影コーナー。
ユディトとホロフェルネスの顔の部分が扉になっていて
自分たちの顔を出して撮影することが出来ます。


カップルでユディトとホロフェルネスになって
撮影してみるのも面白いかも!?


師走ということで本来はもっと気持ち的に準備が整ってから
いいタイミングで落ち着いていきたかった「クラーナハ展」ですが
慌ただしいスケジュールの中でも混雑もなく
かなりじっくりと味わうことが出来たのでとても良かった。

この手の画家の展覧会はとても好きなので
来年以降もぜひぜひやってほしいものだ。


                         
                                  
        

本日終了!『ゴッホとゴーギャン展』は大混雑@東京都美術館

category - ライフスタイル
2016/ 12/ 18
                 
昨日は東京都美術館へ
「ゴッホとゴーギャン展」を見に行ってきました。

当初もっともっと早く見に行くつもりが・・・
なんと会期終了前日となってしまいました。
おかげで激混みでした。

ゴッホとゴーギャン展

私が行った時は入場するのに10分待ちだったのですが
帰る頃には30分待ちに変更となっていました。

いざ展示スペース内に足を踏み入れると、やはり人だかりがすごく
大混雑にマッチした鑑賞方法で見ていくことにしました。

無駄に列には乗らず、サクサクと自分のペースで見ていくのですが
それでも1作品を間近で楽しめじっくりと見ることが出来ます。
約70点程の展示数を1時間半もかからず
しっかりと一つひとつを見ることが出来ます。


帰り際に年配のご婦人お二人が
「(大混雑で)ゆっくり見てたら3時間位かかちゃうわよねぇ。」って
おっしゃっていましたが、この鑑賞方法なら
遠目からでもなく作品を飛ばすこともなく
ちゃんと全てを最前列で見ることができますよ。

東京都美術館

19世紀の2大巨匠オランダのフィンセント・ファン・ゴッホと
フランスのポール・ゴーギャンが共演する企画展は
日本では初の試みだそうです。

単に親交があるというだけではなく
一時期は南仏のアルルで同居までしていた仲である二人。


お互いに良い刺激を与えながらも
性格の違いや絵画に対するスタンスの違いなどから
やがては緊迫した関係に陥ってしまい
その後は有名なゴッホが自分の耳の一部を切り落とした事件などもあり
美術や絵画に興味がない方でもご存知の方も多いのではないでしょうか。


20161217_14.jpg

≪自画像≫  フィンセント・ファン・ゴッホ  1887年

ゴッホは沢山の自画像を描いていますが
これまでの位作風とは打って変わり
フランスで印象派に触れてからは
明るい色彩になりこの自画像からは
そうした印象派の影響が伺われる。


そして数年後に描かれた自画像では、もっとシンプルになり
落書きチックな作品も展示されていました。


20161217_15.jpg

≪収穫≫  フィンセント・ファン・ゴッホ  1888年

ゴッホは当時は遠い国であった
日本への強い憧れがあり
浮世絵の影響がみられる絵も展示されていました。

この絵からも遠くに見える風景の線で描くテクニックや
平坦さがそれを感じさせてくれます。

こうした日本の浮世絵の影響はゴッホだけではなく
マネやモネの作品でも現されていますね。




20161217_16.jpg

≪ポール・ゴーギャン≫  フィンセント・ファン・ゴッホ  1885年

南フランスのアルルにある”黄色い家”でともに
仕事をすることになるゴーギャン。

1885年の作品とあって暗いトーンで描かれていますが
優しさをもってゴーギャンを表現している。

そこが穏やかさを感じさせてくれます。


20161217_21.jpg

≪ゴーギャンの椅子≫  フィンセント・ファン・ゴッホ  1888年

主がいなくてろうそくと読書好きなゴーギャンを表わす
書籍がふたつおかれただけの椅子。

ゴーギャンの肖像画ではないのだが
これらのことからもゴーギャンの肖像画のような1枚。



20161217_17.jpg

≪肘掛け椅子のひまわり≫  ポール・ゴーギャン  1901年

同居を解消したあともゴッホとゴーギャンは交流を続けていた。

精神を病んでいたゴッホはついに1890年7月
自らをピストルで撃ち死んでしまう。


ゴッホと言えば「ひまわり」というだけあって
ゴッホは沢山のひまわりの絵を描いています。


こちらはゴッホの死後ゴーギャンが描いた”ひまわり”の絵。
ゴーギャンはこの絵をどういう思いを持って描いたのだろうか。



20161217_18.jpg

≪タヒチの3人≫  ポール・ゴーギャン  1899年


ゴーギャンと言えばタヒチ。

ゴーギャンというと私もこの印象です。


ゴッホの暗い色調から明るい色彩への移行は
心の中に深い闇を抱えながらも
幸せに生きたいという人間としての自然な欲求が感じられ
明るく穏やかに生きたいのに、なかなかそうはなれず
陰へ引きずり込まれてしまうどうにもしようがない抗えない
彼の性質によるもがきが感じられ深く考えさせられてしまった。


同居に当たりゴッホがひまわりの絵をいくつも飾って
ゴーギャンを迎え入れたところからも
孤独からの脱出、仲間を得た悦び、束の間の幸せ
しかし、その後に訪れる衝突など
見たこともないのに頭の中にそれらの情景や心情が浮かび
思い出に残る展覧会のひとつとなりました。



20161217_6.jpg

さて、今回行ったのは上野にある「東京都美術館」です。
エスカレーターで地下の入り口まで行きます。

20161217_7.jpg

上野公園を抜けて奥にある煉瓦の建物です。
国立西洋美術館よりはちょっと歩くという印象。

20161217_8.jpg

東京都美術館の館内。

20161217_9.jpg

上野公園ではまだ紅葉も見られました。
ここのところ寒かったり風が強かったりしたのですが
この日は比較的暖かく穏やかな一日だった。

20161217_10.jpg

今回はちょっと気分を変えていつも行く経路ではなく
違う経路で行きました。

階段を登り切り公園内を歩くとすぐに
上野の森美術館に出ました。


20161217_11.jpg

上野の森美術館では「デトロイト美術館展」をやっており
ゴッホの自画像が看板になっていました。

東京都美術館というと私の中ではずんずん歩いていき
どんずまりにある美術館という印象で
少しでも近道できるかなと久しぶりのルートで行ってみたのですが
あまり近道とは感じられず。。。



20161217_12.jpg

「ゴッホとゴーギャン展」鑑賞後ふと鮮やかな色彩の絵を目にして
無料で行われているイベントスペースを訪れました。

20161217_13.jpg

昨日は3つほどこうして無料で見れるイベントがありました。

帰りに来年東京都美術館で行われる予定の
「ティツィアーノとヴェネツィア派展」と「バベルの塔展」の
前売りを買おうと思ったのですが長蛇の列に尻込みしてしまい
昨日の購入は断念しました。


それでもこの二つは来年絶対に見に行きますけどね。


ゴッホとゴーギャン展は終了ギリギリの慌てて鑑賞になりましたが
混雑の割には思いのほかペースを乱されず楽しめたのが良かったです。

予想した以上に良かった展覧会でした。


                         
                                  
        

ダリ展でグッズを購入

category - ライフスタイル
2016/ 11/ 21
                 
美術館へ行くたびに図録やグッズを買っていては
ものが貯まってしまうので基本的にグッズは買わないことが多いです。

しかし、今回は久しぶりにちょこっとグッズを購入してみました。

ダリ展グッズ

700円のミニノート。
何が表紙かを迷いましたがデザインの美しさから
「奇妙なものたち」にしました。

こちらには経済的活動の記録をしていくことにし
早速記録をつけ始めています。

富と豊かさについての日々の記録を書き綴る予定。


そして、ポストカードを三種類。
ひとつが150円。


dali_22.jpg
「素早く動いている静物」

dali_3.jpg
「ポルト・リガトの聖母」

dali_4.jpg
「奇妙なものたち」

そして、A4サイズのクリアファイル600円。

dali_5.jpg

開くと外側はこんな感じ。

dali_6.jpg

内側はこのようになっています。

全部で1,750円でした。


他にもいろいろと面白いグッズがありましたが
私は購入していないので画像はないんですが

dali_8.jpg

こちらのダリの肖像画のフィギュアなんかもありましたね。


他にもユニークなグッズが沢山ありましたので
見るだけでも楽しめると思います。


                         
                                  
        

日本で最大規模のスペインの奇才ダリの回顧展『ダリ展』は大混雑

category - ライフスタイル
2016/ 11/ 20
                 
昨日は「ダリ展」へ行ってきました。

ダリ展



20世紀を代表する画家のひとり、サルバドール・ダリの
約10年ぶりの回顧展は7月から9月に京都市美術館での開催後
9月から12月まで東京の新美術館へと巡回されています。


ガラ=サルバドール・ダリ財団、サルバドール・ダリ美術館、
国立ソフィア王妃芸術センターのコレクションをはじめ
国内からも主要作品が集められた大規模な展覧会です。

9月に行く予定だったのですが、あれこれ予定が入ったりで
結局11月の後半になっていく事になってしまいました。



*******************************************
「森の中の美術館」六本木の国立新美術館
*******************************************

国立新美術館

東京六本木にある国立新美術館。

2007年1月に開館したばかりでまだ歴史が浅い美術館である。
六本木という立地でありながらもとても広いスペースが確保されており
このような大きな美術展もふたつ開催できる余裕がある。

今回のダリ展は1階にある企画展示室1Eで行われていた。

各階にはカフェもありお茶や食事、スイーツを楽しむことができます。

20160827cafe_6.jpg

そして「森の中の美術館」というコンセプト通り
緑がたくさんあり開放感を感じられる建物なのだ。

設計は黒川紀章が担当している。

アクセスは千代田線の乃木坂駅から直結しており
日比谷線・大江戸線の六本木駅からも徒歩4~5分位。

近隣には六本木ヒルズにある森アーツセンターギャラリー、
ミッドタウンにあるサントリー美術館があるので
地方からくる場合これらを周遊してみるのもいいのではないでしょうか。


*******************************************
スペインが生んだ奇才 サルバドール・ダリ
*******************************************

サルバドール・ダリ(1904年5月11日 - 1989年1月23日)は
スペインのシュルレアリスム(超現実主義)を代表する画家。

活躍の場は絵画だけにとどまらず映像の世界など幅広く
自らのパフォーマンスでマスメディアにアピールしていく過程が
アーティストとしてだけでなくそのプロデュース力にもとても興味が湧く芸術家です。

裕福な家庭の出身で容姿端麗にも関わらず女性恐怖症だったことや
その後当時人妻だった10歳年上のガラとの出会いや結婚。
ガラとのエピソードも含めユニークなエピソードの数々が
作品以上に私の興味を駆り立てるのです。

またダリと同じ位気になるのが妻のガラ。
結婚していても公認の愛人が複数いたりと
非常に男性関係が豊富な女性。

女性恐怖症だったダリもガラを一目見て恋に落ちてしまいます。
ガラも若いダリの才能に惚れダリを世界的なアーティストにするため
二人が一体となって活動していく事となるのです。

ガラはダリの作品にも多く登場しています。

ポルト・リガトの聖母

≪ポルト・リガトの聖母≫  サルバドール・ダリ  1950年


聖母が妻のガラになっているこの作品は大作。
作品の緻密さと遠近法で迫力満点でした。


大回顧展ということでダリの初期作品から晩年まで
ダリの作品の変化を楽しむことが出来ます。

特に初期は若いころに描いた寒色の印象派風の絵もありました。
個人的には「父の肖像画」も見たかったなぁ。
「父の肖像画」からもダリが当時印象派の影響を受けていたことが伺える作品なので
じっくりと生で見てみたかった。


後はダリの性的コンプレックスが随所にみられる時期の作品も見たかったですね。
そういう意味ではお目当ての作品がいくつかなくやや不満要素はありました。
まぁ辛口で贅沢な感想ですが・・・


ルイス・ブニュエルの肖像

≪ルイス・ブニュエルの肖像≫  サルバドール・ダリ  1924年

スペイン出身の映画監督ルイス・ブニュエルとダリが製作した
映画「アンダルシアの犬」も見れるコーナーがありました。

約16分程のショートフィルムは冒頭で女性が剃刀で眼球を切り裂かれ
男女のもつれや、意味不明の手のひらに群がる蟻など
脈略のない場面が展開されるだけの不思議なサイレント映画。

映像コーナーは他にディズニーとダリの「デスティーの」もあり
こちらはすごく面白かったです。


では、ダリ展で展示されていた作品を簡単にご紹介。


奇妙なものたち

≪奇妙なものたち≫  サルバドール・ダリ  1935年頃

ダークで幻想的な背景に鮮やかな赤が印象的。

謎めいた要素のある風景

≪謎めいた要素のある風景≫  サルバドール・ダリ  1934年

中央にいる画家はフェルメールをモデルにしていると言われています。



ラファエロの聖母の最高速度

≪ラファエロの聖母の最高速度≫  サルバドール・ダリ  1954年


素早く動いている静物

≪素早く動いている静物≫  サルバドール・ダリ  1956年頃

一見、無秩序にいろんなものが飛び回っているように見えて
緻密に計算されてそれぞれが配置されているのが印象的。

  
狂えるトリスタン

≪狂えるトリスタン≫  サルバドール・ダリ  1938年

子ども、女への壮大な記念碑

≪子ども、女への壮大な記念碑≫  サルバドール・ダリ  1929年


ウラニウムと原資による憂鬱な牧歌

≪ウラニウムと原資による憂鬱な牧歌≫  サルバドール・ダリ  1945年

日本に原爆が落とされたことに衝撃を受け描かれた作品。



引き出しのあるミロのヴィーナス

≪引き出しのあるミロのヴィーナス≫  サルバドール・ダリ  1936(1964年に再鋳造)


*******************************************
ダリ展の混雑状況
*******************************************

幅広い世代に人気があるダリ。

とくに週末や祝日は大混雑が予想されます。

20161119dali_1.jpg

当日は予定が押してしまい、美術館到着は13時40分頃。
入場規制はなく、すぐに展示室へ入ることが出来ました。

しかし、大盛況の本展はすでに館内は人で溢れており、
美術館へ来慣れてないない人は見るだけでぐったりだったと思われます。

多分14時位から鑑賞を始めたと思うが、今回は見終わるまでに
2時間費やし16時頃出口へ向かいました。
混雑の割には思ったほど時間を取らなかったです。

メイ・ウエストの唇
20161119dali_3.jpg

ただし撮影可能なメイ・ウエストの唇のコーナーでは
約25分待ちとなっていて私は並ぶのがいやだったので
正面からの撮影は断念しました。

それ以外は、美術館賞に慣れている人であればこの時間帯は
そんなにストレスなく見れるはずです。

見るべきポイントや見方をわかっている方には
週末や休日でも余裕をもって作品を楽しむことが出来ます。

私は映像コーナーもかなり余裕をもって鑑賞したので
2時間程度で見終えたことはちょっと驚きでした。

しかし、展示室を出た16時頃には長蛇の列が出来ており
入場まで約40分という入場規制がかかっている状態でした。


土曜日だったら午前中に来ていれば
結構余裕で見れると思います。


ダリ展は12月12日の月曜まで。
通常、終わり近くになってくると寄り混雑が予想されるため
少しでも早めに見ておくのが良いでしょう。


                         
                                  
        

「カリエール展」とゴッホの「ひまわり」@損保ジャパン日本興亜美術館

category - ライフスタイル
2016/ 11/ 07
                 
土曜日は新宿にある東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館で
「カリエール展」を見てきました。

カリエール展

新宿駅から近い損保ジャパン日本興亜本社ビルの42階にある美術館。
アクセスの良さが本当に嬉しい!


展示されている作品は90点弱。
その作品の全てはカリエールのものだけで構成されていた。
(油彩、水彩の他にカリエールや家族の写真も展示)

今回は1906年に亡くなったカリエールの没後110年ということで
カリエールのひ孫でカリエールの全作品集の編集者であり
美術史家のヴェロニク・ノラ=ミランの全面的協力により
個人蔵とカリエールの作品を多く収蔵している
新潟市美術館からの作品が集められていました。


ウジェーヌ・カリエールは19世紀のフランスの画家です。
19世紀のフランスというと”印象派”というイメージがありますが
カリエールは”象徴主義”の画家です。


本展はカリエールの油彩画が中心でしたが
カリエールは絵画だけでなく彫刻もてがけている。
そのため同時代に活躍した彫刻家ロダンとの親交も深かったのです。

国立西洋美術館では彫刻家ロダンとの「ロダンとカリエール」が開催されたこともあり
これはフランスのオルセー美術館にも巡回されいる。
知られざる巨匠なのである。



セピア色の背景に人物が浮かび上がる作風は
非常に穏やかで優しく親しみやすい感じがしました。

カリエールは6歳下のソフィー・デムーソーとパリで結婚し
7人の子どもに恵まれます。

男子は2人で長男のレオンは幼い時に亡くなってしまいますが
女の子が5人ということもあり妻や子供たちの作品も多く
そのあたりの家族愛や母性の表現ということも
作品からぬくもりを感じることが出来る要因かと思われます。


宴会の自画像

≪宴会の自画像≫  1898年頃  個人蔵

カリエールのための宴会の献立表にこの絵があったことから
「宴会の自画像」と呼ばれています。
49歳頃のカリエールだそうです。


羊飼いと羊の群れ

≪羊飼いと羊の群れ≫  1877~80年頃  新潟市美術館

初期はベラスケスなどに影響を受けたようですが
その後ターナーからの影響もあったのでしょうか。

カリエールは結婚後半年ほどイギリスに滞在しており
イギリスの風景画家ターナーに感心を持っていたと言われています。

この「羊飼いと羊の群れ」はターナーの世界観を感じることもできますし
どことなくミレー(ジャン=フランソワ・ミレー)を思い出させる絵でした。


20161105_9.jpg

≪ポール・ガリマール夫人の肖像≫  1889年  個人蔵

セピア色に輪郭もぼんやりした作品が多かったのですが
こちらはその中でも色彩が豊かで華やかな印象でした。

限られた色で描かれた作品がほとんど中
輪郭もくっきりしていて生き生きとした肌や
明るくはっきりとした色が使われたこの絵は
大きさもありひと際目立っていました。


その他「ピエタ」ではゴーギャンへのオマージュで
キリストの顔のモデルはゴーギャンらしい。

またベルギーやオランダ、スペインを一緒に旅した
彫刻家アンリ・ドゥヴィエの娘マドレーヌの肖像画もありました。


損保ジャパン日本興亜美術館

さて、損保ジャパン日本興亜美術館ではゴッホの『ひまわり』を収蔵しており
こちらの作品もあわせてみることができます。

今回は東京都美術館で開催されている「ゴッホとゴーギャン展」に
ゴーギャンの「アリスカンの並木路、アルル」を貸し出しており
収蔵品コーナーから姿を消していました。

「ゴッホとゴーギャン展」は観に行くので
その時にお目にかかれるでしょう。

他にルノワール、セザンヌや美術館の名前にもなっている
東郷青児の絵も見ることができます。

東郷青児は晩年の作品群がすごく良かったです。

彼の若い時の絵はピンとこなかったのですが
60代も終わりに書かれた作品は構図が洗練されていて
色彩も力強くとても鮮やかで描かれている女性も魅力的。

すごくモード系でオシャレなのです。
一目で気に入ってしまいました。

来年の秋にこちらで展覧会があるようなので
早速行く候補に追加しました。




20161105_3.jpg

晴れの日の土曜日。
高層ビルの中に暖かい秋の日差しが入り込んできます。


20161105_4.jpg

42階からの眺望も素晴らしい。
近くにあるコクーンタワーのてっぺんもすぐそばにあります。

20161105_5.jpg

新宿西口を見下ろしたところ。

20161105_6.jpg

小田急百貨店、京王百貨店のあたりを撮影。


私が一番好きな街、新宿。

軽い気持ちで行った美術展でしたが
良い意味で予想を裏切り満足度が高い週末となりました。