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展覧会レポート

        

ボストン美術館「パリジェンヌ展」時代を映す女性たち@世田谷美術館

category - 美術・展覧会レポート
2018/ 03/ 11
                 
用賀にある世田谷美術館へパリジェンヌ展を見に行ってきました。
会期は1月13日~4月1日までで、スケジュール的に行けそうにないと
見送っていたのですが、急きょ3月4日(日)の午後に行くことになりました。



ボストン美術館「パリジェンヌ展」時代を映す女性たち




ここは用賀駅からも20分近く歩くとあり到着したのは15時半頃。
作品数は120点程ですが、1,2階に渡って展示されていて
混雑もなかったことからストレスフリーで鑑賞が出来ました。




”パリジェンヌ”という言葉の持つ響きに憧れを感じる方は多いかと思います。
私もそのひとりで決して多くはないワードローブや質素に見える色使いでも
絶妙な色の組み合わせや、小物のあしらい方ひとつで
着る人の個性をひきだす粋で魅力的なファッション力は以前から注目してました。




今回はそんな18世紀から20世紀までの、ファッションやヘアスタイル、
女性たちの生き方の変化などがわかります。



なかでも女性たちのユニークな髪形には度肝を抜かれました。
頭のてっぺん、高く結い上げた髪の上にオブジェを乗せたりして
まるで黒柳徹子の世界。


頭を少しでも揺らしたらバランスが崩れて倒れてしまいそう。
見てるだけなら面白くて楽しめるのですがね。



また籐などでドレスのスカート部分を膨らませたエレガントなドレスは
優雅さと華やかさがあり憧れます。(実用的ではないですが)


そんな長いドレスからのぞくわずかに見える足元にも
こだわるセンスの高さ。


これらのドレスやそのスタイルを描いた色彩がきれいなイラストは
見ているだけで楽しめます。



また良き妻良き母を強いられていた女性たちが
その道を外れたときの風刺画や、絵画など
当時の女性を取り巻く環境がどのようなものだったかを
うかがい知ることが出来ます。




チャールズ・E・インチズ夫人(ルイーズ・ポメロイ) サージェント


≪チャールズ・E・インチズ夫人(ルイーズ・ポメロイ)≫  
ジョン・シンガー・サージェント  1887年頃


アメリカのボストン社交界の美しい女性が
パリジェンヌ風に描かれたサージェントの絵。

アクセサリーも抑え気味で、ドレスの色も上品で、
この女性の気品の高さが表現されています。





展覧会の見どころのひとつとして約70年ぶりに修復作業を終えた
エドゥアール・マネの『街の歌い手』があります。



エドゥアール・マネ 街の歌い手

≪街の歌い手≫  エドゥアール・マネ  1862年頃


マネの以外で目立ったところは、ルノワール、ドガ、カサットでした。




またジュール・シェレ、ロートレック、黒猫のキャバレーのポスターでおなじみの
スタンランのオシャレでムードがある作品も展示されていました。



今回の撮影コーナーは5つのパーツからなるドレス。



ボストン美術館「パリジェンヌ展」時代を映す女性たち


こちらは当時はやった紫の色が艶やかなウォルト社のドレス。






駅から遠いのが時間がないときには難点な世田谷美術館ですが、
駅を出ると美術館まで小刻みに案内の看板が出ているので
道に迷うことがなく着くことが出来ます。


それに道も覚えやすいので一度くれば駅から美術館までの距離も
案外短く感じられるものです。

ボストン美術館「パリジェンヌ展」時代を映す女性たち



砧公園につくと木々でおおわれていてすぐには美術館がわかりにくいですが、
ここも案内が出ているのでわかりやすいかと思います。



まぁ良い散歩コースと思えば、いい運動をしながら美術も楽しめますし、
駅周辺には外観の素敵なお宅も多く目の保養にもなりますね。








            
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「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」@国立西洋美術館はベラスケスの名画7点が一挙に来日!

category - 美術・展覧会レポート
2018/ 03/ 10
                 
国立西洋美術館で「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」を見てきました。
2002年に日本で初めてプラド美術館展が開催されてから五回目となります。
今回はベラスケスの絵画が7点も来るというのが大きなみどころです。



現存するベラスケスの作品のうち4割がプラド美術館に所蔵されています。


プラド美術館展



会期は2月24日~5月27日までで、会期前半の土日に行こうと思ったのですが、
3月7日(水)のオープンに行ってきました。


前日の暖かさとは打って変わり、曇り空で肌寒さが戻ってきた日でした。
予報では翌日から雨という事で、まだまだ冷え込む日が続きそうです。




まだ始まって約10日程の平日とありさしたる混雑もなく鑑賞出来ました。
でも、10時を過ぎると思ったよりはお客さんが来ていたといったところです。
おそらく週末でも時間帯によりますが、
まだそんなに混まず余裕で見れるのではないのではないでしょうか。



まず、地下の入口を入るとすぐにある映像コーナーで、みどころなどの解説がされています。




プラド美術館展


プラド美術館内のベラスケスの部屋が映り、
ここでどのように彼の作品が飾られているか見ることができます。
そこから7点が貸し出しされたというのが、本当にスゴイ事なのだなと
映像を見ることで改めて実感することが出来ました。




狩猟服姿のフェリペ4世 ベラスケス


≪狩猟服姿のフェリペ4世≫  ディエゴ・ベラスケス 1632~34年



こちらはベラスケスが寵愛を受けていたフェリペ4世の肖像画。
左足はもっと右側に、猟銃の先はもう少し長かったものが
修正された形跡が残されていました。



ベラスケスは国王の肖像画を描いたところ大変気に入られて
以後、フェリペ4世付きの宮廷画家として生涯を終えます。



国王の信認が篤かったことは、ベラスケスが画家としてだけでなく、
宮廷で重職についていたことからもわかりますね。



ハプスブルク家の特徴である突き出た顎、国王とはいえどヘンに美化することなく
ありのままの姿を描き出しており、彼が人間性そのものを表現しようとしていたのが
人物の表情などから自然と読み取ることが出来ます。






王太子バルタサール・カルロス騎馬像 ベラスケス


≪王太子バルタサール・カルロス騎馬像≫  ディエゴ・ベラスケス 1635年頃


展覧会は8章で構成されており、こちらの絵は第5章の風景のコーナーにありました。

ベラスケスは宮廷画家であり、室内でのスペインハプスブルク家の人々を描いた
肖像画の印象が強いのですが、こちらはフェリペ4世とイサベルの息子の乗馬姿で、
背景が屋外となっています。


可愛らしい少年ですが、その瞳に強い意志が感じられ
子供ながらも凛々しさが伝わってきます。
残念ながら16歳で早世してしまうのですが。



宮廷には彼らの「慰み者」として、小人症などの身体に障害があるものや、
道化などがいましたが、ベラスケスは彼らを単体でも描いています。


今回も王太子バルタサール・カルロスの遊び相手として宮廷にいた
矮人をモデルとした「バリェーカスの少年」が展示されています。




ベラスケスに影響を及ぼしたティツィアーノの作品もありました。



音楽にくつろぐヴィーナス ティツィアーノ


≪音楽にくつろぐヴィーナス≫  ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 1550年頃





その他、ベラスケスと交流があったルーベンスをはじめ、
ムリーリョらの作品も。




ルーベンス 聖アンナのいる聖家族

≪聖アンナのいる聖家族≫ ペーテル・パウル・ルーベンス  1630年頃




その中でも私の目をひいたのは、ヤン・ブリューゲル(父)らの
「視覚と嗅覚」という大作です。
ヤン1世は、花のブリューゲルといわれるだけあって
花がメインの主題ではないものの、色彩豊かな花の美しさに、
作者の特徴が良く出ていて印象に残りました。




今回は70点が展示されていて、その中には資料もあるので
絵画は61点で見やすい作品数だと思います。




一つ一つが大きいものが多いので、見応えは充分ありました。
ですので多少混雑しても割とラクに鑑賞できることでしょう。


ベラスケスの傑作が7つも一度に見られるということで、
ひとりでも多くの方に見ていただきたいなと思っています。




                         
                                  
        

「アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝」@東京国立博物館表慶館

category - 美術・展覧会レポート
2018/ 03/ 06
                 
「仁和寺と御室派のみほとけ」を見た後に、表慶館で行われている
「アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝」にも行ってきました。
久しぶりの表慶館訪問となりました。


アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝





昔、趣味が高じてアロマテラピー検定を受けたときに
アロマの歴史を勉強した際にヘレニズム文化を軽く学んだので
香料にまつわるものも展示されていそうで興味を持ったのです。
ちなみにアロマテラピー検定は男性も多く受験してました。


アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝


数は少ないですが、アロマ関係の展示物もありました。


この展覧会は全ての展示物が撮影可能となっています。



アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝


まぐさに掘られたものがアラビア風で(当たり前だけど!
こちらが結構印象に残った。


なんせ展示されている作品は400点あまりで
見ているうちにどれがどれやら。


アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝


19世紀のライフル。


アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝


サウジアラビアといえばコーラン。
そのコーランとコーランを入れる箱。


アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝
アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝


アラビア文字が書かれた墓碑なんかも沢山ありました。


アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝


この日は、まだ午後ブリューゲル展に行く予定だったので
全体的にさっくりと見て出てきました。


展示室を出たホールから天井を見上げて撮影したもの。



東京国立博物館 表慶館


この後は、お昼ごはんを食べてから、ブリューゲル展と見て回り
展覧会鑑賞しまくりの一日となりました。





                         
                                  
        

「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」@国立新美術館は混雑なくモネの絵が撮影可能

category - 美術・展覧会レポート
2018/ 03/ 02
                 
六本木にある国立新美術館で行われている
「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」に行ってきました。



至上の印象派展 ビュールレ・コレクション



会期は2月14日~5月7日まで、印象派の作品が多いという事もあり、
混雑回避のために平日の開館30分後位に行ったのですが
美術館前はひとはまばらでちょっと拍子抜け。



上の印象派展 ビュールレ・コレクション




しかし、館内はそこから予想した以上に人は入ってましたが
混雑というほどではなく、また作品数も64点程なので
スペースもありストレスなく鑑賞することが出来ました。



平日でこれくらいなら、会期前半なら土日でも
おそらくさほど混まないのではないかと思われます。






実業家エミール・ゲオルク・ビュールレは40代半ば頃より
本格的に美術品の収集を始め、途中戦争によりその手を緩めながらも
沢山の絵画が集められました。



これらの美術品は自宅の別棟に飾られ、彼の死後はここが改修工事をされたのちに、
美術館となり作品の公開が行われてきました。


2008年に発生した絵画の盗難事件から防犯上の問題などから閉鎖され
2020年にチューリヒ美術館に全コレクションが移管されることになりました。
ビュールレ・コレクションの多くの作品が一度に見られるのは
最後と言われている貴重な展覧会となっています。




可愛いイレーヌ ルノワール



≪イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)≫  
ピエール=オーギュスト・ルノワール 1880年



看板やチラシにも使用されていたものとあって
ここはさすがに人だかりがしていました。
裕福な銀行家の令嬢・イレーヌが八歳の時にルノワールが描いたもので
モデル本人から直接購入したそうです。



少女の持つ白い肌の透明感、それでありながらどことなく漂う
気品としっかりとしたまなざしに惹かれました。
まつ毛や髪の毛の一本一本が本当に繊細に描かれていて
そのち密な描写をじっくりと堪能してきました。







ビュールレ・コレクションでは2008年に盗難事件があり
その時に盗まれ、2012年に無事に回収されたセザンヌの絵もありました。



赤いチョッキの少年 ポール・セザンヌ


≪赤いチョッキの少年≫  ポール・セザンヌ 1888~90年




モノトーンな色遣いの中にあって、チョッキの抑えめの赤が効いています。
不自然に長い腕が印象的。
こうなったのはこの絵にある様々な斜線との調和を取るためだそうです。






構成は細かく区切られ10章に及んでいて、ゴッホとセザンヌは
単独で章が設けられています。
また、ラストに展示されているモネの絵のみ撮影が可能となっています。





睡蓮の池、緑の反映 クロード・モネ


≪睡蓮の池、緑の反映≫  クロード・モネ 1920~26年


こちらは大きめの絵なので近寄ると全体が写らず、引いて撮影すると
混雑時には鑑賞客の頭が入ってしまうことがあるかもしれません。



最近フランスのルーブル美術館で行方がわからなくなっていた
モネの「睡蓮―柳の反映」が発見されたとのことで
現在は修復作業中というニュースが入ってきました。


この絵は非情に珍しい制作年入りのもの。


常設展で松方コレクションを展示している国立西洋美術館で
来年の六月から公開されるようで楽しみです。




しかし、たった一人のコレクターがこれだけ集めた作品が
一度に見られるのは面白い試みだなと思いました。
ビュールレが収集家としての美術品を見る目に長けていたことは
途中にある映像コーナーでもその目の付け所が解説されています。





ビュールレ・コレクション展は約1年前に開催を知り
2018年に行きたい展覧会
まだまだ先の話と思っていたのですが時が過ぎるのは早いものですね。





                         
                                  
        

「画家一族150年の系譜 ブリューゲル展」@東京都美術館は混雑もなく前期は一部の作品が撮影可能

category - 美術・展覧会レポート
2018/ 02/ 20
                 
国立博物館で「仁和寺と御室派のみほとけ」を見に行った日に
東京都美術館で行われている「画家一族150年の系譜 ブリューゲル展」も見てきました。



ブリューゲル展




ということで、私が行ったのは金曜日の午後1時頃。
午前中の仁和寺展とうって変わり空いていたので、
落ち着いて鑑賞することが出来ました。




ヒエロニムス・ボスの影響が強いピーテル・ブリューゲル1世にはじまり、
その息子、ピーテル・ブリューゲル2世、ヤン・ブリューゲル1世、
孫のヤン・ブリューゲル2世とひ孫たちの作品が展示されています。



こちら会期の前半は、なんと一部の作品が撮影可能となっていました。


・・・ということで、撮影した作品の一部をご紹介。




ブリューゲル展 野外での婚礼の踊り

≪野外での婚礼の踊り≫ ピーテル・ブリューゲル2世   1610年頃


父ピーテル1世の数多く模写していたピーテル2世の作品。
ピーテル1世は農民の婚礼の場面を何点か描いており、
彼の死後、これらの作品は人気を博した。





ブリューゲル展 バグパイプ奏者と旅人のいる村


≪バグパイプ奏者と旅人のいる村≫ ピーテル・ブリューゲル2世 1580~1590年頃





ブリューゲル展 ガラスの花瓶に入った花束


≪ガラスの花瓶に入った花束≫ ヤン・ブリューゲル2世   1637~1640年頃

ピーテル・ブリューゲル1世の孫、ヤン・ブリューゲル2世。
彼は父ヤン1世と同じ作風を描いていた。





籠と陶器の花瓶に入った花束


≪籠と陶器の花瓶に入った花束≫ ヤン・ブリューゲル2世   1640~1645年頃







ブリューゲル展 彫刻と鍍金の施された花瓶に入った花束


≪彫刻と鍍金の施された花瓶に入った花束≫ ヤン・ブリューゲル2世、フランス・フランケン2世 
1625~1630年頃


ブリューゲル一族と同じく、画家一家のフランケン家の中でも最も著名な画家
フランス・フランケン2世との共作。
ヤンが花を描き、フランケン2世が彫刻の施された花瓶を担当している。





ブリューゲル展 果物と東洋風の鳥

≪果物と東洋風の鳥≫ アブラハム・ブリューゲル 1670年

ピーテル1世のひ孫、アブラハムはイタリアへ渡りローマとナポリで活躍しました。
こちらもローマで描かれた作品である。











ブリューゲル展 習作

≪蝶、カブトムシ、コウモリの習作≫ ヤン・ファン・ケッセル1世 1659年







全て見終わったところにある記念写真を撮影するスペース。


ブリューゲル展


こちらはチラシにもなっていた、ピーテル2世の「野外での婚礼の踊り」




ということで、一部の作品が撮影可能な前期でも平日の午後の入りは落ち着いていたので
おそらく土日でも混雑なしでゆっくり鑑賞できるのではないでしょうか。






近くの西洋美術館では、2月24日より「プラド美術館展が始まります。

プラド美術館展


以前の記事に書きましたが、チケットは購入済なので
なるべく早めに見に行きたいなと考えています。