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2018/06/15
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

映画館で映画

        

映画「盗まれたカラヴァッジョ」@恵比寿ガーデンシネマ

category - 海外の映画・ドラマ
2020/ 02/ 02
                 
久しぶりにYEBISU GARDEN CINEMAで「盗まれたカラヴァッジョ」という映画を見て来ました。



盗まれたカラヴァッジョ



これは1969年にイタリアでカラヴァッジョの名画「キリスト降誕」が盗まれたという
本当にあった事件が題材となっています。
いまだに未解決の事件にイタリアンマフィアが関わっていたという設定。


実在の未解決事件の真相に迫る内容か、はたまたエンターテイメント性が高いフィクションなのか…
軽い気持ちで見に行きました。
前者を強く期待して見に行くと肩透かしな内容。
大味なイタリア映画と割り切ってみるとそれなりに楽しめる。




映画プロデューサーの秘書をしているヴァレリアは、40歳を過ぎて母親と二人暮らしの地味な女性。
そんな彼女にはこれまで誰にも明かしていない秘密があった。
それは人気脚本家・アレッサンドロのゴーストライターを務めているということだ。
ヴァレリアは容姿通りに影の存在で、表に出るのはアレッサンドロの役目。


ある時、ヴァレリアにラックと名乗る老年の男が接触してきた。
ラックは50年も前に発生し未解決となっているカラヴァッジョの名画「キリスト降誕」盗難事件が
実はマフィアの仕業だったと教えてくれる。


ヴァレリアはラックが教えてくれた事件の裏側をプロットにまとめると
プロデューサーから次期作を仕上げるように催促されていたアレッサンドロに発表させる。
プロデューサーは傑作だと絶賛し早々と映画化が決定した。


それは、事件の真実をついておりマフィア側は大いに焦った。
この映画の製作会社にはマフィアの一味の男が資金を提供することで接触しており
事件の真相を公表されるとマズいマフィアはアレッサンドロを誘拐。


ヴァレリアが書いたシナリオは未完成で、自分で書いていないアレッサンドロは当然
ストーリーの終末まで知る由もない。
アレッサンドロはこの先のストーリーはまだ考えていないと言うしかなかったが
マフィアたちはアレッサンドロを殴りつけて口を割らせようとする。


結局、アレッサンドロは昏睡状態で発見され意識不明のまま入院生活を送る。


その間、ヴァレリアはラックからもらう情報をもとに「ミスター X」の名前で
アレッサンドロのアドレスからシナリオを送り続ける。
マフィアは「ミスター X」が誰かを突き止めようと調査を開始。


ヴァレリアはラックが単なる映画のシナリオとしてではなく
「キリスト降誕」盗難事件を解決しようとしていることに気づく。


やがて、マフィアは「ミスターX」がヴァレリアの母だと割り出す。
ヴァレリアが母のパソコンからシナリオを送ってしまったことから足がついてしまった。
動揺したヴァレリアは色仕掛けでその場を切り抜けると早速ラックに相談。


そんな中でヴァレリアとラックは盗まれた絵画がマフィア側から
高値で政府の手に渡ろうとしている動きを察知する。


ラックは若々しくて美しくて要人の信頼を得ている切れ者ヴァレリアの母の協力が必要と
ヴァレリアを説得。
母を引っ張りだすためにヴァレリアはついに、アレッサンドロのゴーストライターをしていたと告白し
彼女の興味を引いていよいよ大詰めへ-。


最後が曖昧に終わってしまった感じが否めないが、こういう展開で締めくくったのかと
面白くはあった。


ラックの正体もヴァレリアの家庭環境やラックがなぜヴァレリアにこの役目を与えようと
接近してきたのかを考えればすぐにわかってしまう。
やっぱりなぁという感じでした。


また、ラストシーン。


もともと虚実が入り混じった(実在する未解決事件をフィクションという形で映画化したという意味ではない)
ストーリー展開なのであれはあれで不自然さはなく納得がいくものではあった。
あまり詳しく書くとネタバレになるので避けるが、「虚実が入り混じった」という部分が
自分は一番面白かったかな。


意外だったのは脚本家としてはその役目を果たせなくなったアレッサンドロが
ゴーストライターのヴァレリアと組んで難事件に挑む探偵役を務めるのかと思いきや
アレッサンドロははじめの方でマフィアに暴行され意識不明となってしまうこと。


結局ヴァレリアがラックに操られるような形で単身活躍する。


映画「盗まれたカラヴァッジョ」


映画のチラシからは、勝手に脚本家と秘書の男女二人が中心になるイメージを抱いていた。



ラックとヴァレリアの母はいい存在感を出していましたね~。
ヴァレリアも地味な秘書からヘアスタイルとメークを変え
眼鏡からコンタクトにし華麗に変身しますが
ヴァレリアの母の方が娘よりキレイでかっこいい。




さて、映画を見終わった後はホットの抹茶ラテを買い休憩スペースへ。
こちらはカフェのようになっているが、別に売店で飲食物を購入しなくても利用できます。


恵比寿ガーデンシネマ


壁には名画の写真が飾られている。



YEBISU GARDEN CINEMA


入口がちょっとわかりづらいと思うことも。
三越の建物の一部と勘違いされる方も多いかもしれない。


恵比寿ガーデンプレイス


帰るころにはライトアップされていてとても素敵でした。


さて、映画の予告編では3~4年前にここで見た「男と女」のその後を描いたものが紹介されていた。
なんと「男と女」の53年後を同じ俳優、設定で制作されたというものらしい。

タイトルもズバリ「男と女 人生最良の日々」ですって。


面白そうだから見に行ってみようかななんて考えています。



それ以外にも、3月スタートでいくつか興味を引かれる映画があった。
スケジュール的に行けるといいなぁ。




            
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「黒の切り札」 (1964年) ラピュタ阿佐ヶ谷 大映の”黒シリーズ”第10作

category - 昭和の日本映画
2018/ 07/ 03
                 
先日、ラピュタ阿佐ヶ谷で1960年初期に大映で制作された
『黒シリーズ』 の10作品目 「黒の切り札」 を見てきました。

6月も最終日の午前、とても暑い日だった。




ラピュタ阿佐ヶ谷



ラピュタではこの日まで、映画監督・岡本喜八の特集も行われていました。
最終日の12時50分の回は、「殺人狂時代」(1967年)の上映後に
主演の仲代達矢を迎えてのトークショーが行われるとあって
「殺人狂時代」のみ早々と完売になっていました。



ラピュタ阿佐ヶ谷


どうやら遠くから「殺人狂時代」を見に映画館を訪れたお客さんもいたようですが、
9:30位の時点ですでに完売とあってチケット購入できず無念そうでした・・・。
ちょっと気の毒だが、仲代達矢が来場するとあっては早い段階でチケットが完売するというのは
ある程度予想ができるところなので仕方がないですね。





さて、『黒シリーズ』ですが、私はラピュタのチラシを見て初めてその存在を知りました。


11作品作られたようで、ラインナップを見ると
主演は田宮二郎と宇津井健の二人がほとんどを占めています。


今回見た「黒の切り札」は、その田宮と宇津井二人が競演しています。



黒の切り札


根来(田宮二郎)は将来弁護士か検事になろうと大学で法律を学んでいた。
大学では大崎稔(宇津井健)という友人がいて、
根来はサックス、大崎はピアノでバンドを組んでいた。
二人は、知子(藤由紀子)という一人の女性をめぐってライバル同士でもあった。


知子は根来に心が傾いていて、音楽と学業でも根来は大崎を上回っていた。
長身でハンサムな根来は順調に人生を歩んでいたかに見えたが、
深沢義則(内田朝雄)という男が根来一家のもとに現れてから歯車が狂いだす。



根来の母は深沢と不倫関係に陥ったのちに自殺、
父は深沢に財産を奪われた上に廃人同様になり脳病院に入院中となってしまう。


法を学んでいた根来は、それをもって深沢に戦いを挑んでいくが、
力のある弁護士を雇った深沢に対し太刀打ちできないまま敗れ去る。
この時、法律が完全でないことを痛いほど知った根来は、
大学を辞め愛する知子の前から姿を消すと個人で深沢に復讐をしようと誓う。


根来は深沢の息がかかった難波多組に親分を殺されたやくざ者の多田(待田京介)、
多額の借金を背負い父が焼身自殺してしまった林(山下洵一郎)という
深沢の周辺にいるものに強い恨みをもつ二人を仲間に迎えた。


根来自身は難波多組がやっているナイトクラブ「シルクロード」にサックス奏者として潜入し、
多田と林に難波多(北城寿太郎)を襲わせ自分がそれを助けるという茶番劇を演じて、
難波多の信頼を勝ち取っていく。


根来たちは極東信用金庫を襲い不正の証拠となる隠し帳簿を盗みだし、
それを大崎に送り付けるが理事長の宇部(村上不二夫)は、
難波多の機転により早々に香港に脱出してしまう。


ところが宇部は入院している息子の容態が危ないという知らせを受け秘密裏に帰国する。
だがそれはバレてしまい宇部は空港で捕らえられるのだが、
取り調べ中に息子の命があとわずかというニセ電話により、
大崎が帯同し宇部を病院に送り届けたところで難波多たちに射殺されてしまった。



この間、大崎は内偵もかねてシルクロードを知子と訪れていた。
根来が知子らの前から姿を消してから、知子は大崎と婚約していたのだ。
久しぶりに知子と再会した根来だが、今の自分は父の復讐を果たすことが最大の使命。
あの頃の関係には戻れない。
大崎はこの時の根来との会話から、根来が事件にかかわっていることを察知した。



大学時代、根来は大崎にも知子にも何も告げずに去って行った。
しかし、今回の事件を調べていくと、根来がなぜ学校を辞めざるを得なかったのか、
その辛い事情を知ることになった。



根来たちは、深沢に電話をかけると葬送行進曲を流し続けて
身に危険が迫っているという脅迫を繰り返した。



難波多たちは小山(小山内淳)という小役人にダンサーのミミイ(十和田翠)を抱かせ
賄賂を使っていた。
店内でその様子を見ていた根来はミミイとベッドを共にし詳細を聞き出す。
そして、多田と林の三人で小山を拉致すると、これまでの全てを告白させて
テープに録音した。


難波多は身柄を釈放された小山からこの報告を受け、犯人は三人組だったと聞き出した。
三人のうち多田、林は見当がつくが、残る主犯格がわからず深沢は
見えない大物の存在に怯える。
難波多は小山から事の次第を聞き出すと、自分たちに危機が迫る前に小山を殺害し口封じをしてしまった。



またしてもあと一歩のところで、父の仇・深沢を破滅させることが出来ない。



根来はこうなったら最後の手段、直接ぶつかるしかないと思い深沢に電話をかけると、
殺された小山の告白テープを聞かせ、自分が根来夫婦の息子であると正体を明かした。
ついに深沢はあの時の息子が両親の復讐のために仕組んだことだと知った。



根来は多田と林に深沢を張らしていたが深沢の行方がわからなくなってしまった。
多田の連絡で根来は深沢が別荘にいるしかないとあたりをつけて、
三人でそこへ乗り込むことにした。



出発前、根来は知子を連れて、精神を侵された父が入院している脳病院へ連れていった。
廃人となった根来の父の姿を見た知子は、根来のいいよいうのない憎しみを理解しつつも、
法律で悪人を裁くべきだと根来にいうが、法の網を潜り抜ける深沢には自分が直接手を下すしかない。
心配する知子の気持ちを感じながらも、根来は方針を変えるつもりはなかった。





シルクロードではミミイの他に別の女(万理昌代)ともデキていた根来は、
難波多たちの姿が消えたという知らせを受け、深沢の別荘に集まっていると予測を立てた。



根来たちが別荘へ到着すると、案の定深沢と難波多の姿があった。
部屋に乗り込んだ三人は、いよいよ復讐を完成させようとするが、
それは根来たちの動きを察知した難波多たちの罠だった。



根来たちはロープで縛られ身動きが取れないようにされ、ダイナマイトを仕掛けた部屋に置き去りにされる。
だが、間一髪三人は部屋から脱出しロープウェイに乗り難波多たちを追いかける。
その途中、深沢を乗せた車を発見、根来たちは持っていたダイナマイトに火をつけて
車めがけて上から落としまくる。


とうとう深沢を乗せた車は炎上し、谷底へ転落。
ついに深沢の息の根を止めることに成功した。



すると、向かいからこちらにロープウェイがやってくる。
それは三人を始末しようと難波多が沢山のダイナマイト積んだ凶器だった。
何も知らない根来たちが深沢を始末したことを喜んでいるとふいにロープウェイの動きが止まった。
近くにはダイナマイト入りのロープウェイが停車している。



根来たちが異変を感じたときには時すでに遅し。
難波多は、向かいのロープウェイにダイナマイトが積んであるというと、
導火線に火をつけてしまう。



空の上で身動きが取れなくなった根来たちは必死にそれから逃れようと試みるがなすすべがない。



その頃、大崎は深沢の別荘へ向かう前に根来が送っていた小山のテープなど
深沢たちの悪事を暴く証拠の品を郵送で受け取っていた。
そして、深沢の別荘へ向かおうと大崎はヘリに乗り込んで空中での捜査をしていた。


大崎は上空から、下にあるロープウェイで必死に助けを求める根来、多田、林の存在を確認。
すぐにロープを下ろすと、三人はロープをよじ登ってヘリに到着。
爆発まであと少しのところで、無事に保護された。



こうして逮捕された根来は、かつて学んだ法律によって裁かれて罪を償うことになる。



JALのスチュワーデスをしている知子は現在香港に行っており、
気持ちの整理を完全につけ大崎と結婚する運びになるようだ。






映画 黒の切り札



『黒シリーズ』で主役をはっていた二大スタア、田宮二郎と宇津井健のシリーズ初共演作品だが、
”ダブル主演”というよりは田宮主演作という印象が強い。


また、二人が劇中争うスチュワーデス・知子を演じているのは、
後に田宮二郎と結婚することになる藤由紀子。
やはり善人役の宇津井健よりも過去に暗い影があり復讐に燃える
田宮二郎とのツーショットの方がサマになっていました。



今回は刑事役で中条静夫も出演していて、宇津井&中条の組み合わせが
「ザ・ガードマン」っぽい。



監督は石原裕次郎主演「嵐を呼ぶ男」の井上梅次。
私にとっては土曜ワイド劇場の”美女シリーズ”の印象が強い監督さん。


最後のロープウェイでの脱出劇なんか、美女シリーズの
「黄金仮面」を思い出してしまった。


美女シリーズと言えば、「魅せられた美女」くらいでしか見たことがなかった
待田京介が角刈りやくざで、やたら二重が強調されていて
美女シリーズで見た時の容姿と全然違っていたのにビックリ。
若い時は結構武闘派っぽい見た目をしていたんですね。



また内田朝雄が田宮二郎一家を破滅に追い込む大悪人という
らしい役柄で出演している。
法を網をかいくぐり悪事を働きながらものうのうと生き続けるというふてぶてしさ。


何より若かりし田宮二郎のハンサムさがたまらない。
ナイトクラブでサックスを吹く姿もしびれるし、
親の敵に復讐するために女を利用する冷酷さもまた良い。


それでいながら、学生時代の意中の人、知子に対しては
複雑な心境ながら検事という立派な職業をもった友人と
幸せになってくれることを願う純粋さは安易に女に体を使って
情報を得る男とは相反するピュアさを感じさせてくれる。



                         
                                  
        

「赤頭巾ちゃん気をつけて」 (1970年) @神保町シアター 庄司薫のベストセラーの映画化

category - 昭和の日本映画
2018/ 06/ 15
                 
神保町シアターで「赤頭巾ちゃん気をつけて」(1970年/東宝)という映画を見てきました。



神保町シアター


6月9日(土)から7月6日(金)までの27日間
「七〇年代の憂鬱-退廃と情熱の映画史」というテーマで
70年代の作品が17作品上映予定となっています。



赤頭巾ちゃん気をつけて

私が見に行ったのは初日の6月9日、この日の2回目の上映作品でした。
本来は見に行く予定ではなかったのですが、
主演が岡田裕介ということで見てみることに。




赤頭巾ちゃん気をつけて



この人の存在を初めて知ったのが、1970年に東京12チャンネルでやっていた
「江戸川乱歩シリーズ明智小五郎」での小林芳雄役でした。


これが何年か前に東映チャンネルで放送されたんですね。


岡田裕介



”明智小五郎”というと土曜ワイドの天知茂のイメージが強くて、
初めは拒否反応があったんですが、見てみるとまた美女シリーズとは違った面白さがあり
すっかりハマってしまいました。


「江戸川乱歩シリーズ明智小五郎」は「美女シリーズ」が始まる前に放送されていたんですね。




東映チャンネルで江戸川乱歩シリーズを見た時は、
岡田裕介はこの時代に役者をやっていた脇役の人で、
あまり芽が出ずに役者を引退したんだろうなと思っていました。


ところが、元東映社長の岡田茂氏の息子で、わりとすぐにプロデューサーになり、
その後は東映の社長を経て、現在は東映グループの会長になっていることを知って
すごく興味を持ちました。




細身の体に、ものすごい濃い顔と独特の声が印象的。
石坂浩二に顔が似ている。



役者デビュー後、すぐにこの「赤頭巾ちゃん気をつけて」で主演をつとめました。

今回初めて知ったのですが、庄司薫という人のベストセラー
「赤頭巾ちゃん気をつけて」の映画化だそうです。





赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)


岡田裕介演じる主人公・庄司薫は原作者と同姓同名。
日比谷高校の三年生で、彼の語りで物語は進行していきます。


1969年2月9日、大学紛争で東大入試が中止となった薫くんは、
怪我で足の親指を負傷したり、愛犬ドンが死んでしまったり、
かねてから思いを寄せている同級生のガールフレンド由美(森和代)から
電話で「舌噛んで死んじゃいたい」と言われ、しばらくは絶交状態が予想され、
さんざんな一日になりそうだった。


病院では足の爪を剥されてしまい、しばらくの間は足を引きずる生活になりそうだ。
街に出れば知り合いのおばさん(山岡久乃)から、大学へは行かないと決意したのに
大学へ行くことを前提におしゃべりをされる始末。


だが、薫くんは、それを否定することもしなかった。
いつもそうだ。
由美の家に電話をかけるとだいたい彼女の母(文野朋子)の
他愛もないおしゃべりに付き合ってしまう。



足の爪を治療に行った病院で、女医がかがんで患部を見たときに、
ちらりと乳房が見えた。
薫くんは、全裸の彼女と抱き合う妄想に駆られるが、
治療室で彼女を襲うこともなく帰ってきた。



一日に二度は女を強姦したい欲求に襲われるが、
未だに童貞の薫くんは女を抱くチャンスがあってもそれをモノに出来ない。


同世代の男女が裸で抱き合うパーティーに参加しても、
その様子を部屋の隅で眺めるだけだ。
そして、そばにあったピアノを演奏して、同じようにその輪に加われない、
女の子たちと歌を歌うことしかできない。


幼馴染の由美とも、子どもの頃キスをしたり膨らんできた胸を見ただけで、
その後は手を握ることもない恋人とも友人とも言えない関係を続けている。


傷んだ足をかばいながら引きずるように街を歩いていた薫くんは、
幼い少女とぶつかってその場にうずくまってしまう。
少女は近くの喫茶店で母親が友人と話し込んでいて、
その合間に本を買いに来たのだと話す。


薫くんは彼女の手を引いてさっき出てきたばかりの書店へ行くと、
その子のために一番いいと思う「赤ずきんちゃん」の本を選んでやった。


ひとりになった薫くんは、由美とデートする。


薫くんは大学へ行くのを辞めたと言うと、
並んで歩く由美の手をそっととり、と二人は手をつないで歩いていった。






赤頭巾ちゃん気をつけて [DVD]



大学へ行くことを辞めた薫くんの二日間ほどを描いた映画。



主人公・岡田裕介さんの相手役・由美を演じたのは森和代。
ショートカットにほぼノーメイクのような透明感のあるみずみずしい容貌を持っている。

なんと、森本レオの奥さんになった方だとか。
若くして結婚引退したようで、今回初めてその存在を知った女優さんでした。




足を怪我した薫くんの家へ遊びに来る友人・小林には富川澈夫(すみお)。
この人は「太陽にほえろ!」にゲスト出演しているので初めて知った。
無理に思える長髪っぽい横分けが印象に残り気になっていた俳優さんだ。
「俺たちの旅」でも見かけたが、屈折した青年を演じているイメージがある。


今回も優等生の薫くんとは違い、小難しい哲学をお手伝いが薫くんの部屋に持ってきた、
和菓子をパクつきながら延々と述べるシーンが面白かった。


薫くんのベッドに寝っ転がると、和菓子が乗った盆を腹に置き、
最後は涙を流しながら熱い思いを切々と語る。



私が富川さんを最後に見たのは、90年代に放送された
土曜ワイド劇場の牟田刑事官シリーズでの刑事役だったが、
もうすでにお亡くなりになっていたんですね。


薫くんの母親は風見章子、すぐ上の兄に中尾彬。
中尾彬が若くて清潔感があった。





「赤頭巾ちゃん気をつけて」は音楽もとても良かった。
歌っているのは佐良直美で、映画にとてもマッチしている。


音楽と言うと、ピンキーとキラーズの「恋の季節」が演奏されていたり、
薫くんが立ち寄った飲食店のテレビで
いしだあゆみが「ブルー・ライト・ヨコハマ」を熱唱しているシーンが流れていた。


薫くんが電車に乗ったときに、なにかワケがあって涙を流していた乗客を
結城美栄子が演じていた。



今回の神保町シアターのテーマ「退廃」が感じられましたが、
それでいてどこかその中に甘い雰囲気もある。
音楽も耳に残る心地が良い映画でした。




岡田裕介さんも、薫くんのイメージにピッタリです。
彼の無機質な語りだが、それでいて時折見える感情の起伏のようなものがあり
独特のリズムを持っていた。








映画館内の壁に貼られていたブロマイド。


神保町シアター


ちゃんと岡田裕介さんのものもありました。



さて、神保町シアターでは7月7日から料金体系が変更になるようです。


赤頭巾ちゃん気をつけて


これまで一般は1200円でしたが、これが1300円となり、
平日3回目の上映のマチネ割引、水曜日のレディースデーが廃止。
代わりに水曜日はファン感謝デーとなり男性でも1000円で見れるようです。


毎月1日の映画サービスデー1000円と、ポイントカードは継続するとか。


男性にとっては水曜日が感謝デーになったことで
いつでも1000円で見れるようになるのは嬉しいのではないでしょうか。



料金改定といえばシネマヴェーラ渋谷でも7/21から変更があるようです。


これまで1500円の二本立てでしたが、一本立て入れ替え制で一般が1200円となります。