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展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

美術・展覧会レポート

        

「もうひとつの歌川派?!」@弥生美術館と「はいからモダン袴スタイル展」@竹久夢二美術館

category - 美術・展覧会レポート
2020/ 02/ 23
                 
昨日は弥生美術館で「もうひとつの歌川派?!国芳 芳年 年英 英朋 朋世
浮世絵から挿絵へ……歌川派を継承した誇り高き絵師たち」という
展覧会を見て来ました。
 


「もうひとつの歌川派?!」@弥生美術館


まずは、チケット売り場でこの日(2020年2月22日土曜日)に行われる予定だった
ギャラリートークが新型コロナウィルスの影響により中止になったと知らされる。
私はこの後に美術館をはしごする予定でギャラリートークはもともと見るつもりがなかったのですが
こんなところにも影響が出るんですね。



さて、今回の美術展ですが歌川豊春からはじまった「歌川派」は
豊春から豊国へ、国芳から芳年へと枝分かれ。
その後は年方、清方、深水へと続きますが、展覧会ではよく知られている年方~ではなく
年英、英朋、朋世の方の系譜が紹介されています。


なんでもそちらは前者に比べてあまりスポットがあたることがないもので
このまま忘れ去られるには惜しいということで企画されたようです。


タイトル通りまずは「武者絵の国芳」からスタートし「血みどろ絵」の芳年へ。

その中に、戦争の絵があったのですが敵の首を切り落とし
刀を口の中に突っ込んで持ち上げているんですがなんともおぞましい。


切り落とした首を証拠に、確かに敵を仕留めたぞというアピールですね。



そして、今回のお目当てである年英 英朋 朋世をじっくり拝見させてもらう。


右田年英ですが、写真見ると今でも普通に居そうな爽やかな好青年で
なかなか端正な顔立ち。


朝日新聞に掲載されている小説の挿絵などを担当。
確かお孫さんを描いた絵も展示されていて温厚で家庭人としても良い人だったというのもうなづける。
多くの弟子を抱えて賑やかしく生活していたというのも写真での印象とピッタリマッチする。


鰭崎英朋はその生い立ちが複雑で興味津々でした。
英朋が生まれたとき母の鰭崎ラクは16歳で父の方は不明。
つまりは「未婚の母」ということで、英朋はラクの父母(つまり英朋の祖父母)に託され
ラクはそののちに嫁いだということだ。


鰭崎という名は珍しく、英朋は自分が有名になって世に出れば
いつか父が名乗りを上げてくるのではないかと晩年まで期待してたようですが
それは叶わないままこの世を去った。

なんだか切ない話ですね。



そういう環境の下で育ったからでしょうか、
英朋は「丸顔だったら目が大きく唇が厚く、面長だったら目は鋭く…」というように
確固たる女性観があり、それらの特徴が絵にも表現されています。



そして、英朋の弟子の神保朋世。
こちらは「銭形平次捕物控」の挿絵が紹介されていましたが
中でも「大きい女」やあごに特徴のある八五郎の絵が目を引かれます。

英朋も八五郎は楽しんで書いているというコメントもありました。


ここまでは弥生美術館の1~2階で、3階は高畠華宵のコーナー。
今回はファッションスタイルがテーマで「断髪」のところが面白かった。


断髪は和服には合わないとされながらも、いつの時代もそれを逆手に取る人はいるわけで
和服に断髪で正統派ではないスタイルも紹介されていました。


続いては通路で繋がっている竹久夢二美術館へ。


こちらはその名の通り、竹久夢二の作品を展示している美術館。

はいからモダン袴スタイル展 「女袴」の近代、そして現代と題し
袴がテーマとなっています。


夢二が書く袴の絵だけでなく、袴姿が日常だった時代の
女性たちの袴スタイルも写真で展示されていた。


雑誌(?)などに掲載されていた袴の広告もまたレトロ感満載でいい。

一口に袴といってもイロイロあるもんで、時代が進んでいくと
袴には見えない袴も登場する。
程よいボリューム感があるスカートといった感じでなかなかオシャレだ。


竹久夢二といえば他万喜と結婚している間に彦乃と恋愛関係になるが
彼女は若くして死んでしまい夢二の最愛の人となった。
その彦乃の催し物(のようなもの)が行われるようですね。

これまで彦乃の写真を見て美人と思ったことはないけれど
そこにあった彦乃の写真はすごく美しかった!


こちらは出口を出たところに撮影コーナーが設けられている。 


「はいからモダン袴スタイル展」@竹久夢二美術館


出口の扉を出てすぐのかなり狭い場所なので圧迫感があるが
ちょっとした庭が眺められることで窮屈感が少し和らげられていた。


弥生美術館、竹久夢二美術館は一枚のチケットで両方見ることが出来ます。


ここはレストランもあり、カレーがすごくおいしそう。


もし、今度来ることがあったらお昼ご飯はここで食べてみようかなと思っています。





            
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「ハマスホイとデンマーク絵画」@東京都美術館 週末の混雑状況など

category - 美術・展覧会レポート
2020/ 02/ 16
                 
日曜日の午前中に平成館で出雲と大和展を見終わった後は
近くにある東京都美術館でハマスホイとデンマーク絵画展を見て来ました。



「ハマスホイとデンマーク絵画」@東京都美術館




この展覧会を配布されているチラシで知ったのがおととし。
その時は、まだまだ先だなんて思っていたのがもう行くことになるとは…。


私がヴィルヘルム・ハンマースホイというデンマーク画家の存在を知ったのが
2008年に国立西洋美術館で行われた「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」という
ハンマースホイの回顧展でした。


この時、初めてハンマースホイの絵を見た私は衝撃を受けました。
といっても、絵を見てもらえばわかると思いますが
それは、ドラスティックなものではなくなんかすごく落ち着いた静かなもの。


今回驚いたのは簡易バージョンの初回のチラシではなく、その次に作られたチラシの右上に
「静かなる衝撃、再び-。」と書かれていたこと。
(上の看板画像にも書かれています)


あの時、私が感じた驚き衝撃を現した言葉がまさにコレ!

『静かなる衝撃』だったんですね。



さて、ハンマースホイは静まり返った室内画が有名で
「北欧のフェルメール」とも呼ばれています。


主に妻をモデルとしたモノトーンで描かれた風俗画は
落ち着きとやすらぎと心地よさが感じられる世界へと鑑賞者を誘ってくれます。



展覧会の方は4つの章で構成されていて、デンマーク絵画からはじまり
最後にハンマースホイの作品が集結しています。


今回の展覧会では”ハマスホイ”と表記されていますが、
これまでブログでは”ハンマースホイ”と書いていたので
ハマスホイではなく、ハンマースホイで表記させていただきます。



1~3章のデンマーク絵画で良かったものをいくつか。




第1章「日常礼賛-デンマーク絵画の黄金期」ではモノトーンな作品が並ぶ中、
色彩の鮮やかさで目を引いたのは
マティーヌス・ラアビューの「外科医クレスチャン・フェンガとその家族」。


次にコンスタンティーン・ハンスンの「果物籠を持つ少女」はハンマースホイが所有しており
彼の妻・イーダが写っている写真ではこの絵が壁に飾られているのが確認出来る。
「果物籠を持つ少女」の絵と、自宅でのイーダの写真が合わせて展示されています。



第2章は「スケーイン派と北欧の光」


デンマーク最北端の町スケーエンで活動した画家たちを「スケーエン派」と呼ぶのだが
こちらも”スケーエン”ではなく”スケーイン”と表記されていました。



こちらで良かったのはスケーインの海にボートを漕ぎ出す男たちの様子を描いたもの。
冷たそうな海にボートを押していく男たちの力強さと水しぶきのリアルな感じから
自然が持つ厳しさと、それに立ち向かっていく男たちの姿から生命力が伝わってきて
とても魅力的な作品でした。



第3章は「19世紀末のデンマーク絵画-国際化と室内画の隆盛」ということで
いよいよハンマースホイが活躍した時期に迫ってきました。


「きよしこの夜」ヴィゴ・ヨハンスン

≪きよしこの夜≫  ヴィゴ・ヨハンスン  1891年


タイトル通り、デンマークでのクリスマスを自宅で祝う風景が描かれている。

中央に大きなツリーを配置し部屋の照明はおとされ
ツリーに飾られているローソクの光だけが神々しく室内を照らしている。

子供たちとツリーの周りを輪になって祝う様子が神秘的で幻想的。
華やかさはないが、穏やかなローソクの光と家庭の温かさが
ぬくもりを伝えてくれます。




「ピアノに向かう少女」ピーダ・イルステズ

≪ピアノに向かう少女≫  ピーダ・イルステズ  1897年


ハンマースホイは画家仲間のピーダ・イルステズの妹のイーダと結婚しましたが、
そのイルステズの作品。


白い壁の背景に明るい日の光が差し込んでいる。
ピアノに向かう後ろ姿の少女が来ているブルーのワンピースが映える。


ハンマースホイが描く人物と同じく後ろ姿だがとっても愛らしいですね。





第4章「ヴィルヘルム・ハマスホイ-首都の静寂の中で」



「背を向けた若い女性のいる室内」ヴィルヘルム・ハンマースホイ

≪背を向けた若い女性のいる室内≫  ヴィルヘルム・ハンマースホイ  1903‐04年


看板やチラシで使用されているお馴染みの絵。

左側にはパンチボウルがありますがこれの実物も展示されていました。
ロイヤルコペンハーゲン製のパンチボウルは蓋が割れていて
大きなホチキス針のようなものでくっつけられて修復されています。


絵にあるパンチボウルも壊れてつなぎ合わされた後のもので
一部蓋のところに隙間が生じているのが確認できます。




「室内」ヴィルヘルム・ハンマースホイ

≪室内≫  ヴィルヘルム・ハンマースホイ  1898年


まるで、時の流れが止まったような静寂さが感じられる。
これは人物が背を向けていて顔が見えないというところも大きく影響しているんじゃないかと個人的に思った。
手前に配置されたテーブルクロスの白が妙に強調されて見えるのがおもしろい。




「室内-開いた扉、ストランゲーゼ30番地」ヴィルヘルム・ハンマースホイ

≪室内-開いた扉、ストランゲーゼ30番地≫  ヴィルヘルム・ハンマースホイ  1905年


家具、調度品が一切排除されていてガランとした室内に開いた扉がアクセントをつけている。
床のシミが建物の歴史と、確実に誰かが生活をしていた痕跡を教えてくれているようだ。


扉枠のゆがみは作者の意図とは別に生じたもの。



「室内-ラーベクス・アリ」ヴィルヘルム・ハンマースホイ

≪室内-ラーベクス・アリ≫  ヴィルヘルム・ハンマースホイ  1894年


暗めのトーンの絵ばかりが並ぶ中で、きれいなピンクが使用されていたのがラービクス・アリの部屋。
強弱をつけたピンクの壁で囲われた室内に、わずかばかりの茶系の家具と鏡、絵がかけられている。


しかし、華やかな色彩でも数少ない家具は壁にピッタリと配置されており
中央に視界を遮るものがなく「無音」が伝わってくる。


2008年にハンマースホイ展が行われた国立西洋美術館からは
「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」が貸し出されていた。

ピアノを弾く妻イーダのいる室内 ハンマースホイ

≪ピアノを弾く妻イーダのいる室内≫  ヴィルヘルム・ハンマースホイ  1910年


作品を所蔵している西洋美術館では常設展でよく展示されていて撮影が可能だが
東京都美術館では撮影が禁止でした。


また「ハマスホイとデンマーク絵画」は東京都美術館での会期が終了した後は
山口美術館でも行われますが「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」は
山口では公開されず東京のみとなっています。





「ハマスホイとデンマーク絵画」@東京都美術館


撮影可能なのはいつものエスカレーター脇にある撮影コーナーのみ。



冒頭に書きました通り、日曜日の午前中に平成館で「出雲と大和」を見て、
お昼ご飯を食べてから午後2時過ぎ位(?)からハマスホイ展を見ました。



日曜日の午後で混雑が懸念されるところでしたが、意外にも混雑はなくラクに見ることが出来ました。


私の勝手なイメージですが、東京都美術館は3フロアに渡って展示されているので
一つのフロアがそんなに広くない。
よって、ゴッホ展とか人気があるもののときにはメチャ混雑して見るのが大変な印象がある。


そんな東京都美術館でも混みやすい週末の午後にかなりスムーズに鑑賞出来たので
混雑具合はあまり気にしなくてもいいんじゃないかと思う。


ただし、テレビなどで取り上げられるとまた違ってくるかも。


主催、後援、協賛、協力を見ると、テレビ局の名前はなく、J-WAVE位だったら大丈夫そうだが
読売新聞社の名前があるので日テレ系で放送されれば影響を受けることは考えられる。


客層は結構若い人も多く、公開されている絵のテーマからしても
一般層にも親しみやすいと思われるのでメディアを通じて告知されれば
それ以降混むことは予想される。



なので、行かれる予定がある方は、落ち着いている今の時期に来館することをおすすめします。



混雑といえば、西洋美術館では3月からナショナル・ギャラリー展がはじまります。

ロンドンナショナルギャラリー展 国立西洋美術館


私も行く予定ですでにチケット購入済ですが、こっちの混雑状況の方が気になる。


このブログでも何度か「ロンドンのナショナル・ギャラリー展やらないかな~。」なんて
ほぼ実現不可能と思いながら呟いていましたがそれが現実化する。


世界初のナショナル・ギャラリー展とありかなり注目されているはずなので
結構混むんじゃないかと今からヒヤヒヤしております。





                         
                                  
        

「出雲と大和」@東京国立博物館平成館

category - 美術・展覧会レポート
2020/ 02/ 15
                 
この間の日曜日は上野にある平成館へ出雲と大和展を見に行ってきました。


「出雲と大和」@国立博物館平成館


陽が出ていて大変良いお天気であるものの強い風が吹いてかなり寒い。


美術館は上野公園の先にあります。
そのため、いつも公園を抜けて行くのですが噴水のあたりがとても気に入っている。

上野公園


やはり水のある風景は見ていて気持ちがいい。
風が収まると日差しも心地よくて腰かけて休みたくなるくらい。


上野公園

カモメも水浴びに来ていました。


さて、今年は「日本書紀」が養老4年(720年)に完成してから1300年後という記念すべき年。
冒頭にある国譲りの神話にちなんで”幽”の出雲と”顕”の大和の名宝を集結させた展覧会です。


まず会場に入るとひときわ目を引くのは出雲大社の境内から発見されたという
3本1組の「宇豆柱」と「心御柱」。


3本合わせて直径3メートルの「宇豆柱」の一部から平面図と併せて想像すると
本殿がどれだけ巨大なものだったか驚くばかり。
近くには本殿の模型も展示されているのだが、壮大な敷地にそびえる本殿が頭の中に自然と描かれてくる。



今回の撮影コーナーは二か所。


まず、「出雲」から加茂岩倉遺跡から銅鐸が埋納された時の再現。


「出雲と大和」@国立博物館平成館


これは工事中に偶然、39個もの銅鐸が見つかり
一か所の出土としては日本最多だそうだ。
出土した時の土や錆の状態から埋納時を再現したもの。


これに限らず見つかるときはこんなに一気に見つかるんだとビックリさせられた。
中には一気に350個くらい発見されたものもありましたからね。
銅剣、銅鐸、銅矛がこれでもかというくらい大量に公開されています。



もう一つは「大和」から法隆寺金堂壁画の複製陶板。


「出雲と大和」@国立博物館平成館


昭和24年1月26日の火災によって大きく焼損した金堂壁画の複製陶板。
釈迦浄土図を現した仏教絵画のひとつです。



展示品はいろんな遺跡から発見されたものが出土されたときの資料と合わせて紹介されており
わかりやすくて見やすい構成になっていました。





埴輪や仏像なども展示されていましたが、中でも印象に残ったのは
「見返りの鹿」という埴輪。
文字通り、何かの音に反応したのか耳をピンと立てて
後ろを振り返る鹿が実に可愛らしくつくられている。



日曜日の昼前から昼過ぎ位まで見た「出雲と大和」でしたが
そんなに混雑もしていませんでした。
もちろん入場規制はなし。



近くの東洋館では「人、神、自然-ザ・アール・サー二・コレクションの名品が語る古代世界-」が最終日でした。
これも気にはなっていたんですが、この日は時間的にも厳しく見送りとなってしまった。



人、神、自然-ザ・アール・サー二・コレクションの名品が語る古代世界-



風が強くて寒かったこともあり、この日は博物館近くでお昼を取ることに。
博物館を出るときも待ち列等はなかったので今後も土日でも混雑は気にしなくて良さそうな感じでした。





                         
                                  
        

「国宝 雪松図と明治天皇への献茶」@三井記念美術館

category - 美術・展覧会レポート
2020/ 01/ 14
                 
先日、三井記念美術館へ「国宝 雪松図と明治天皇への献茶」という
展覧会を見に行ってきました。


三井記念美術館 国宝 雪松図と明治天皇への献茶



ここは1月4日から営業を始めていたのでその頃に行こうと思ったのですが
忙しく1週後にずらすことになりました。


三井記念美術館 国宝 雪松図と明治天皇への献茶


三井記念美術館で年末年始の恒例の展覧会で円山応挙の
「国宝 雪松図屏風」の公開に加えて今回は元号が改められたということで
収蔵品の中から”天皇”や”皇室”にかかわる作品が選ばれたとのこと。


その中心となっているのが明治20年に開催された京都博覧会における
三井家が明治天皇への献茶を行った際の茶道具です。


私が興味をそそられたのは最後の方にあった三井家の各当主の方々の作品。

中には亡くなった年に描かれたであろう大作もあります。
老齢とは思えない筆致の力強さから芸術に向ける熱意、情熱が感じられました。
また鳥好きで鳥の羽さえも芸術品にしてしまう遊び心にも驚かされる。


展示室4にある「明治天皇御東幸」では、東京遷都の経緯が解説されていて
東京府を描いた作品もいくつか展示。


明治5年には日本で鉄道開業(新橋~横浜)しました。
歌川広重(三代目)の「東京汐留鉄道館蒸気車往返之図」と
当時の運賃などの資料も興味深い。


ここは混むこともなくゆったりと自分のペースで鑑賞出来るのが気に入っています。
三越前、日本橋という落ち着いた環境の中にあるのも魅力のひとつ。



12月14日から始まった「国宝 雪松図と明治天皇への献茶」も1月30日で終了。
2月8日からはこれまたこの時期恒例の「三井家のおひなさま」が開催されます。





                         
                                  
        

江戸東京博物館で「大浮世絵展」と常設展を見て来ました

category - 美術・展覧会レポート
2020/ 01/ 04
                 
今年初めての展覧会は墨田区にある江戸東京博物館(エドハク)というところで
「大浮世絵展 歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演」という企画展を見て来ました。



江戸東京博物館


とてもユニークな外観を持つこの博物館はJRの両国駅からすぐという
アクセスの良い場所にあります。



江戸東京博物館



私が行ったのは1月2日で博物館もこの日から営業スタート。
正月モード全開です。


1階にある企画展へ入ると中は人、人、人で溢れかえっています。


喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳の五人の作品を
人物ごとに区切り展開されている。


そのためそれぞれの絵師たちの得意分野が解説され
それに従った作品が多いので特徴がわかりやすく
浮世絵に詳しくない人にも馴染みやすい内容となっていました。


東洲斎写楽 三代目大谷鬼次の江戸兵衛

東洲斎写楽 ≪三代目大谷鬼次の江戸兵衛≫  (1794年)



・大首絵を打ち出し美人画の絵師としての地位を確立した喜多川歌麿

・役者の顔の特徴をデフォルメして描いたことで有名な東洲斎写楽

・富嶽三十六景シリーズや北斎漫画が有名な葛飾北斎

・名所江戸百景シリーズが人気の歌川広重

・ダイナミックな構図が特徴的な歌川国芳



歌川広重 東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪

歌川広重  ≪東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪≫  (1834~36年)



自館所蔵のものだけではなくメトロポリタン美術館、ボストン美術館、シカゴ美術館、
大英博物館など海外からも選りすぐりの作品を展示。


江戸東京博物館 大浮世絵展

タイトル通り喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳の順になっています。


はじめの歌麿のところからかなりの混雑だったのですが
私が行った日はなぜか第2章の写楽のところは空いていて「?」でした。
ところが第3章の北斎からはまた混雑している。

外は寒かったですが、中は人の熱気で結構あつい。


作品は期間中何度かに渡って入れ替えがあるものの
馴染みのものも多く良かったです。


歌麿の美人画、国芳の独創的な構図は何度見ても楽しめますね。
すくわれるはずの金魚が金魚すくいの網を持っているところなんか
その皮肉さに思わず笑ってしまう。



さて、「大浮世絵展」を見終わりお昼ご飯を取ることにしました。
博物館内のレストランからはイタリアンレストランが消えていて
新しく出来たお店(?)には行列が出来ていました。


そこで、博物館を出て外で食べることにした。
両国駅でも博物館側のレストランは正月休みで開いていなかったため
線路を挟んで向こう側の通りで軽く済ませる。


今度は5、6階にある常設展を見るために6階の入り口へ。

1月2日と3日は常設展が無料で見られます。
(「大浮世絵展」は有料)


江戸東京博物館

お馴染み謹賀新年のセットがお出迎え。


リニューアルしてから初めて足を踏み入れる常設展。
常設展は「江戸ゾーン」と「東京ゾーン」に分かれていて時系列に見ていきます。

江戸東京博物館


展示物や催し物は以前とほぼ変わらずといったところでした。



多数の写真を撮ったのですが、前回ブログに書いたものとかなり被るために
違う写真をピックアップしてご紹介。



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前回の常設展レポートはこちら↓

http://loveantlers.blog31.fc2.com/blog-entry-1415.html

江戸ゾーンが面白くこちらを中心に書いています。

やはり見どころが多すぎるために1回のレポートではカバーしきれませんが
一番書きたかった部分はこちらに集約されているような。


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2020年のオープン当日ということで今回も正月らしい出し物がたくさん!


江戸東京博物館


5階では獅子舞やからくり人形、他にも四谷怪談のコーナーでは
「仏壇返し」などが定期的に行われていました。



江戸東京博物館


「江戸ゾーン」「東京ゾーン」と至る所でこのようなイベントがあるので
見逃さないようにまわるのが大変。



まずは江戸ゾーンからスタート。


ここは様々な模型や再現した実物大の建物がありみどころ盛りだくさんなのだが
前回記事にしてしまったためにバッサリとカット。


「江戸」というと錦絵。
常設展の前に浮世絵展を見たこともありこちらから。



江戸の町火消は1718(享保3)年に町人の消防組織として設けられる。

町火消の華々しい活躍は江戸庶民のあこがれの的となったことから
多くの錦絵が制作・販売された。


江戸東京博物館

歌舞伎役者・河原崎権十郎が火消を演じた姿が描かれている。
見栄を切るような凛々しい姿が、当時の憧れの的の火消の魅力を充分に伝えていた。


江戸東京博物館

「江戸町火消”す”組の纏」の複製


博物館内では作品を鑑賞して楽しむだけでなく至る所に体験できる場所がある。

火消は”い””ろ””は”などの文字を当てて組み分けされました。
”す”組は現在の中央区築地などを担当。

こちらを持ってみましたがずっしりと重い。




江戸東京博物館

「名所江戸百景 亀戸梅屋敷」の複製。

「大浮世絵展」では歌川広重のコーナーで江戸東京博物館所蔵の
「名所江戸百景 亀戸梅屋敷」が展示されていました。


江戸東京博物館

それと並ぶようにして亀戸梅屋敷の版画と
それが作られていく様子がわかるものが展示されていた。




江戸東京博物館

「有卦絵 福禄寿に驚く福助」


江戸時代は幸運な時期と不運な時期が5年ごとに交互に繰り返すと信じられていた。
幸運な時期(有卦)に入るのを知らせたり祝ったりする絵を「有卦絵」と呼ぶそうだ。

福に通じることから福禄寿、福助など頭文字が「ふ」の絵を贈ることが江戸末期に流行した。


奇妙だけど愛らしい福助の絵はこのほかにもいくつか並んでありました。




江戸東京博物館


新版  「宿下り楽双六」


絵双六は振出から描かれたマスを進んで上がりまでたどり着くゲーム。
「宿下り楽双六」は芝居や名所・名物が描かれており
江戸時代の人々の娯楽がよく分かる内容となっています。




「寿司屋の屋台」

江戸東京博物館 寿司屋の屋台

屋台というとおでんとラーメンの印象が強いのですが寿司ですかぁ。
これ、シャリが赤みがかっていて一握りが大きくなっているのがわかるでしょか。




歌舞伎の舞台、奈落の部分も面白かった。

奈落 江戸東京博物館

画像ではわかりにくいですが、奈落のところにちゃんと人がいるんですよね。
劇場自体が360度見て廻ることが出来ます。
精巧な造りで劇場内部が細かく見れるのがいいですね。





葛飾北斎の画室の模型


江戸東京博物館 葛飾北斎の画室


北斎の画室を弟子の露木為一が描いた「北斎仮宅之図」をもとに再現したもの。
北斎は生涯で90回あまり引っ越ししたと伝えられていますが
こちらは83歳ころに現在の墨田区両国の借家に住んでいた時のもの。


横にいる首を傾けた女性は、北斎の娘で絵師でもある阿栄(葛飾応為)です。



江戸東京博物館


常設展内には5階に企画展示室というところがあり
企画展 「天下泰平 将軍と新しい文化の創造」が行われていた。
(こちらは常設展内なので企画展といっても無料で見れます)


江戸東京博物館 天下泰平

徳川将軍家に伝来する書画や絵画など約80点ほどが展示されています。
ここは撮影が可能なものと不可のものがあるので注意。



「東京ゾーン」へ足を踏み入れるとこんなものが。

江戸東京博物館

ミニチュアの上を歩くのですが、落っこちやしないかとヒヤヒヤ。


東京ゾーンでもいくつかの模型で様々なミニイベントが行われていました。





そして、神田駿河台の丘の上に建築されたニコライ堂へ。

江戸東京博物館


正式名称は「東京ハリストス復活大聖堂」といい
明治に日本・ロシアの交流に尽くした宣教師ニコライにちなんで
ニコライ堂の愛称で親しまれていた建物です。


竣工は1891(明治24)年で
かつては東京のいたるところから望めたという。



続いて銀座煉瓦街へ。

江戸東京博物館

銀座の煉瓦街を再現したもの。
街並みが広々と展開されておりとても1枚では収めきれない長さ。


銀座煉瓦街とは銀座から築地一帯を焼けつくした大火のあと、
明治新政府が近代国家にふさわしい街づくりとして建設した。

不燃家屋を建設し、道路を拡張。

設計を担当したのは英国人のトーマス=J=ウォートルス。
煉瓦街の家屋は買取だったものの、のちに賃貸となるが
高価な家賃のため空き家が目立ったということだ。



銀座の次は下町浅草へ。

江戸東京博物館 凌雲閣 浅草十二階

凌雲閣は「浅草十二階」の名で親しまれた日本で初めてのエレベーターが設置された建物。
こちらも設計は英国人のウィリアム=K=バルトンで1890(明治23)年に落成した。

浅草のシンボルとして親しまれたものの関東大震災により倒壊。


10階までは煉瓦、その上は木造で11,12階には眺望のための望遠鏡が備えられていた。
8階まではエレベーターがあったが、危険性が高いことからのちに運転が停止されている。



明治になると和洋折衷の住宅が建設された。

江戸東京博物館 和洋折衷の住宅 明治時代


レトロだけどモダンな雰囲気はすごく伝わってくる。


欧米の生活様式を取り入れた洋館は社交の目的でつかわれることが多く
日常の生活ではあまり用いられなかったそう。



時代は進み昭和へ。
洋館とは一転して庶民的な団地が現れた。

江戸東京博物館 ひばりが丘団地

1959(昭和34)年に北多摩郡田無町、保谷町、久留米町の三町にまたがる場所に
建設されたひばりが丘団地の再現。




また、眺めて楽しむだけではなく実際に家の中に入ることが出来る
「体験住宅」もあります。


間取りは2Kで二間が続いた和室は一部屋が六畳とは思えない広さを感じた。
家具が少ないこととひとつには床の間などがあることも影響しているとは思うが
縁側があったりゆったりとした造りは心の余裕を生むような気がします。



江戸東京博物館 体験住宅

昭和のドラマでよく見るガラスの扉が設置された玄関。


江戸東京博物館 体験住宅

柱時計も懐かしい。

今にも音が鳴りだしそう。


江戸東京博物館 体験住宅

床の間には掛け軸が掛けられ、鏡餅が飾られていました。



円タクを再現した自動車

江戸東京博物館



東京のタクシーは1912(大正1)年に営業を開始。
昭和の初期には市内を1円均一で走る”円タク”が登場。


このフォードA型の自動車は当時走っていたタクシー度同じ形式の右型ハンドル。
昭和10年の統計ではタクシーの車種の約44%がフォード車のものだったそうです。



東京ゾーンでは各年代ごとの流行りものや給食が展示されています。
前回はそれらに加え魔法瓶やパンダ、インベーダーゲームなどを紹介したので
今回はすっ飛ばそうと思ったのですが面白いものを発見!


江戸東京博物館 シャープ ソロカル

シャープから出た「ソロカル」なるものが。
見た通り、ソロバンと電卓を組み合わせた商品。

ちょうど電卓が出始めてソロバンから卒業といった時期だったのでしょうか。
どれくらい需要があったのか知りたいところです。


「江戸ゾーン」、「東京ゾーン」ともその時代の背景や流行、
人々の生活などが多くの資料やデータをもとに紹介されています。

歴史や文化、風俗の移り変わりが手に取るようにわかり
楽しみながら吸収していけるところがいい。


もちろんエンターテインメントについても取り上げている。

江戸東京博物館 舞台資料


舞台の資料や雑誌の創刊号が。
他にも昔の本などがありレトロ好きな私は胸がワクワク。



江戸開府400年記念グッズの中にこんなものが。

江戸東京博物館 東京弁当

私が大好きな駅弁「東京弁当」
まさかこんなところで出会うとは。



都営大江戸線全線開通記念グッズ

2000年には都営大江戸線が全線開通した。
それを記念して配布されたグッズ類も展示。



江戸から始まり、明治、大正、昭和に続いて平成までもが網羅された常設展ですが、
この後には令和のコーナーも出来るんでしょうね。



江戸東京博物館 永井荷風と江戸東京の風景

特別展示として「永井荷風と江戸東京の風景」のコーナーも。



2019年は文豪・永井荷風の生誕140年、没後60年という節目の年でした。

荷風の「江戸藝術論」で書かれていた狂歌絵本の名所や
江戸文化を愛した荷風好みの風景版画などが紹介されている。




前回は時間が足りなくなり東京ゾーンの最後がササっと見て終わったので
今回はきちんと時間配分を考えしっかりと東京ゾーンも見て来ました。


終わって一息ついていたら蛍の光が流れ始めた。
17:30で終了だったので閉館時間ギリギリまでいてしまった。


今回は書くものが少ないかなと思いましたが気が付けば書ききれなかったところもまだまだある。
それに加えて常設展内で、廻っていない場所もあることに気が付いた。
図書室なんかは足を踏み入れたこともないし。


ということで、次回以降はこれまで書ききれなかったところや
新たに見たところなどを中心に紹介しようと考えています。


やはりここは混雑しますがお正月に行くのがいいですね。


獅子舞、お琴に尺八の演奏、からくり人形などまさに「にっぽんの正月」が味わえる。
改めて日本のお正月っていいなぁと実感しました!