2017/11/24
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展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

土曜ワイド劇場

        

「美しい人妻の危険な旅」 (1990年)  高原弘吉  『あるスカウトの死』

category - 土曜ワイド劇場
2017/ 11/ 24
                 
●「美しい人妻の危険な旅・エメラルドの指輪は不倫の証!?
プロ野球スカウト殺人事件」  1990年11月24日
原作: 高原弘吉  『あるスカウトの死』 
脚本: 岡本克己
音楽: 津島利章
監督: 貞永方久
制作: 松竹
出演: 梶芽衣子、かたせ梨乃、小林稔侍、
勝野洋、池波志乃、加納竜ほか



美しい人妻の危険な旅


プロ野球イーグルズのスカウト浜田浩(小林稔侍)が伊豆へ出張に行くことになった。
妻の静子(梶芽衣子)は浜田から大切なことに遣うためということで
預金から300万円引き出したことを知らされた。


浜田は以前は野球のコーチをしていたが、
監督が辞めたときにコーチとしての職も失った。
浜田はまたコーチの仕事に戻るかもしれないと静子にいう。


だが、静子はスカウトの仕事の方が安定しているために
このままでいいのだというと、浜田は突然
「お前もオレを飼い殺しにするつもりか」と怒り出し伊豆へ向かった。


その浜田が、翌日伊豆の崖に転落して死亡した。
突然の知らせに驚いた驚いた静子は急いで伊豆へ行った。




刑事(笠井一彦)は崖に滑った跡があり浜田が
自殺したと見ていたが、静子は信じられなかった。


菊川という新人投手を巡って浜田がかつての後輩で
現在はライバル球団ジャガースのスカウト
柏木(勝野洋)に菊川を奪われ、
争奪戦に敗れていたことを静子に説明した。



美しい人妻の危険な旅



静子は浜田が宿泊したホテルに泊まり、担当の仲居香川芳江(池波志乃)から
浜田の様子について尋ねた。
芳江は夜九時頃に、浜田宛に菊川から電話があり、その後ウイスキーを
ボトルで頼んで飲み、部屋には「菊川」「直球」などと書かれた紙が破り捨てられていたという。


しかし、静子は浜田が酒もたばこも飲まないことから嘘だと思った。
そこへ柏木が静子に会いに来たと連絡が入り、静子は部屋を出て会いに行った。


静子が着くと、新聞記者の芦沢(三澤慎吾)がやってきて、浜田は柏木に殺されたようなもんだという。
浜田が狙っていた新人投手を、横から奪い取ったのが柏木だというのだ。


柏木が来て二人の中に割って入ってきた。
芦沢も菊川のことをスクープしたことで、菊川が争奪戦となり
契約金が跳ね上がったのだという。
柏木と芦沢は菊川の件でいがみあっていて
静子は夫がいた世界の裏舞台を見せられてしまった。


芦沢が帰ると、柏木は浜田との中は今聞いた通りで
結果として浜田を裏切るような形になってしまったことを静子に詫びた。




葬儀を済ませた静子は帰宅すると、遺品の中に300万円もする
エメラルドの指輪の領収証を見つけた。



美しい人妻の危険な旅

仕事が絡む品かと思い、静子は球団へ確かめに行くが
球団側では心当たりがないのだという。



静子は領収証の店へ直接確かめに行った。
従業員は浜田が一人で買いに来たことを認めると
指輪のサイズは8.5だったといい、静子のために購入したものではないことがわかった。





これ以上、調べる材料がなくなった静子は柏木に相談することにした。
静子は浜田がどこかのコーチになるつもりだったが、
それはイーグルスでないような気がしたこと
最後の別れの言葉が「お前もオレを飼い殺しにするつもりか」という
「お前が」ではなく、「お前も」という部分が気になっていることを話した。




そして、エメラルドの指輪についても調べたことも話すと
柏木はそれがもし菊川の周辺へ贈るつもりであったのなら
自分の問題でもありマズイことになるといい指輪を借りると
慌ててどこかへ行ってしまった。



その後、柏木は静子に菊川の高校時代の監督羽田野(加納竜)に
心当たりがあるか聞いたが収穫がなかったことを伝えた。
浜田が菊川に目をつけたことを柏木に教えてくれたのが羽田野だったのだ。



静子は伊東へ行き、自宅から見つけたレントゲン写真を柏木に見せた。



美しい人妻の危険な旅

柏木はそれが骨折した左手だといい、自分も同じ個所をやり引退したので
間違いがないといい、写真をもって部屋を出て行った。


もしあのレントゲン写真が菊川のものであれば
浜田はそのことを知っていたはずで、
たとえ菊川を柏木のところへ取られたとしても
ヤケ酒を飲むようなことはしないはずだと静子は考えた。




羽田野から話を聞くために静子は会いに行った。
野球の練習をしているそばでバスケットボールの選手が
利き腕の左腕を骨折し、右手で練習をしていた。


美しい人妻の危険な旅

羽田野は浜田の女関係に心当たりがないという。


その後、柏木はレントゲン写真が菊川のものではなく
菊川は骨折をしていなかったことを静子に報告する。
それを聞いた静子は明日帰って新しい人生をスタートさせる決心をした。



翌朝、新聞を見た静子は、銀馬車のホステスから
300万円のエメラルドを盗んだ犯人が逮捕された記事を読み
浜田の領収書と合致することから、警察に事情を聴くことにした。


その夜、銀馬車へ行き竹村伸子(かたせ梨乃)と会い
自分が浜田の妻であることを明かし浜田との関係を聞こうとした。



美しい人妻の危険な旅

伸子は浜田は妻が亡くなって独り身であり、
エメラルドの指輪を渡されプロポーズされたのだという。
静子は嘘だと反論するが、勤務中であることから
翌日の1時、向かいの喫茶店で話すと言われ一旦引き返した。



約束の時間、銀馬車で伸子を待つがとうとう現れず
店へ行ってみると、マスター(石倉三郎)は伸子は
突然店を辞めていたことがわかった。


美しい人妻の危険な旅

伸子の住所を強引に聞き出した静子は伸子の家を訪ねた。




あいにく伸子は出かけていて部屋で待たせてもらうと
伸子の弟が帰ってきた。
それは羽田野の学校にいた左手を怪我したバスケの選手
健太郎(伊藤彰)だった。



美しい人妻の危険な旅

静子は部屋に健太郎の賞状があったことから話を聞くと
バスケ選手の健太郎が野球の投手としても才能があることを見抜いた
浜田が彼に野球への転向を熱心に進めていることがわかった。


健太郎は両親を早く無くし姉の伸子と住んでいた。
伸子は弟がプロを目指すことに一旦は賛成したものの、
その後態度を翻しなぜか猛反対していた。


静子と健太郎が話していると帰宅途中の伸子と会った。



静子は伸子と二人きりになると浜田との関係を聞き出した。
浜田は健太郎を自分が面倒見ることに反対している伸子の許しを得ようと
酒が飲めないながらも何度も銀馬車へ通っていた。


浜田の熱意に負けた伸子は、最後は折れてその時に関係が出来てしまった。
その直後に、健太郎が左腕を骨折してしまったのだ。


静子はエメラルドの指輪が手切れ金なのだと気が付いた。
だが、伸子は愛の証だと言い張ると、その場から走り去っていった。
羽田野が来て、伸子に言い寄っていて、
その様子を陰からこっそりとみていた。




美しい人妻の危険な旅

静子はこれまでに分かったことを柏木に報告すると
健太郎を別の医者に見せるように言われた。
言われたとおりに、健太郎を別の病院へ連れていくと
健太郎も左腕は骨折ではないことが明らかになった。


静子がわざと佐藤が誤診したことを伝えると
柏木は浜田はイーグルスではない球団に
健太郎を売り込んでいてそこでコーチ復帰を目指して
浜田の本命が健太郎であり、それを隠すために
菊川を狙っているようにカモフラージュしたのだろうと言った。



美しい人妻の危険な旅

これで浜田と柏木の間に確執がなかったことがわかり
ふたりはホッと胸をなでおろした。


誤診した佐藤接骨院がなぜそんなことをしたのか探るために
柏木は佐藤(松山照夫)に会いに行った。


美しい人妻の危険な旅

なぜ偽のレントゲン写真を使って
誤診したのかを聞こうとするがのらりくらりと逃げられた。




その夜、道で芦沢がいるのを見つけた柏木は
健太郎の件にも芦沢が絡んでいると思い
怒りにまかせ力づくで芦沢の口を割らせようとした。


芦沢は柏木が一体何を興奮しているのかわからず
二人は一杯飲みながら冷静に話すことになった。



美しい人妻の危険な旅

芦沢は菊川の件は、浜田と柏木の間で争奪戦が行われていると思い
スクープしたが、ただそれだけで菊川側に頼まれたわけでもなかった。
健太郎や佐藤接骨院の件については、何も知らなく初耳だった。


芦沢は佐藤が羽田野の遠縁にあたり、野球監督をしている羽田野が
銀馬車へ何度も通っている姿を目撃されていることを柏木に話した。


銀馬車へ羽田野が行ったのは、そこに恋人の伸子が勤めていたからで、
羽田野の姉が宿泊したホテルで仲居をしていることがわかった。
その仲居が芳江だったのだ。



その頃、ホテルで大浴場から出てきた静子に仲居(高橋恵子)が話しかけていた。
彼女の話では自分が浜田の担当だったのだが、
芳江から言われて浜田の担当を代わっていたことを知った。


美しい人妻の危険な旅

仲居の話では、浜田はホテルに着くと、3時頃車で出かけて行った。
その時、芳江へ9時に帰るが、その間に菊川から電話がはいったら
そのように伝えてくれといい、夜の9時に戻ってきたということだった。
二人の会話をこっそりと芳江が盗み聞きしていた。



静子が部屋に戻ると、夕食の支度をしに芳江が入ってきた。
そこへ柏木から電話が入る。





柏木は羽田野の恋人が伸子で、姉が芳江であり姉弟の遠縁に佐藤がいて
人間関係が絡み合っていることから、芳江が勤めるホテルにいる
静子の身が危ないと思い、ホテルを今すぐ出て伊東で落ち合おうと伝えた。




しかし、静子は出発を確かめにきた芳江に
浜田はあの日3時から9時までの間誰かと会っていて
その間に菊川から電話があったらそう伝えてくれと言われていた。



もし、浜田が菊川との交渉のためにここに来たならば
自分から電話を掛けるはずだし、9時過ぎに電話があったのが
菊川というのも嘘ならば、菊川を獲得できないショックから
酒を飲んだのも芳江が嘘をついたのだと言った。



もともと浜田の部屋の担当ではなかったのをかわってもらったし、
今も自分の担当となって行動を監視していると詰め寄る。




芳江は興奮して自分を犯人のように扱いひどいというと
冷静になった静子は、浜田が会っていたのは佐藤で
他にも分かったことがあるので明日警察へ行くと話した。

美しい人妻の危険な旅


その前に、今から浜田が亡くなった場所へもう一度行ってみたいといい
部屋を出て行った。


夜の海を静子が眺めていると、芳江から知らせを受けた羽田野が来た。


羽田野は浜田が死んだときに会っていた相手だった。



浜田は、伊東へついた日に、レントゲン写真が別人のもので
羽田野がそれを使って自分を健太郎から手を引かせようとしていることを知った。


夜、羽田野と会うとそれを話し二人はもみ合っているうちに
浜田は崖から足を滑らせて転落死してしまったのだ。




羽田野は殺すつもりはなかったというが、自首をすすめても拒否してきた。
殺されるかもしれないと覚悟を決めてきた静子は
羽田野に一緒に死んでくれと海へ身を投げようとするが
柏木や刑事たちが来てこれを阻止し、羽田野は逮捕された。



翌朝、浜田が死んだ場所には静子と伸子がいた。
エメラルドの指輪を伸子が返し、静子に浜田との本当の関係を打ち明けた。




美しい人妻の危険な旅

伸子は羽田野と結婚するつもりだった。
浜田が健太郎をスカウトした時に、羽田野に相談すると反対された。
それまで伸子は賛成していたが、羽田野の意見を聞き態度を変えて反対していたのだ。



両親を失っていた伸子たちに親身に接してくれていた羽田野だったが
ある日、羽田野が健太郎を浜田に渡したくなかったのは、
自分が健太郎を使い契約金を吊り上げ大金をせしめようとしていることが分かった。


そこから、伸子の羽田野への気持ちは冷めていき
これまで熱心に通ってくれていた浜田へと向いていった。
だが、浜田は最後まで伸子には手を出さなかった。




そんな時に健太郎が事故にあい左腕を怪我してしまった。
はじめは浜田も骨折をしたと思っていて、自分が健太郎に目を付けたことで
伸子と羽田野の関係が壊れてしまったことに責任を感じていた。




美しい人妻の危険な旅

浜田はお詫びのしるしとして、伸子に指輪を贈り
妻がいないと気を持たせるようなことをしたことを謝ると
もう二度と伸子たちの前に姿を見せないといったと
静子に本当のことを話した。




美しい人妻の危険な旅

静子は返された指輪を伸子に持っていてほしいと渡し
自分が浜田に裏切られていなかったことがわかり
今度こそ自宅へと帰ることとなった。



柏木は健太郎に浜田がスカウトしたくらいの逸材なのだから
伸子と相談して決心がついたら自分のところへ来いと言った。




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80年代後半以降は作品の出来にばらつきがありますが
これはなかなか面白かったですね。



新聞記者役の三澤慎吾が印象に残りました。







            
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「囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子」 (1979年) シリーズ第3弾

category - 土曜ワイド劇場
2017/ 11/ 22
                 
十朱幸代の女弁護士朝吹里矢子シリーズの第3弾。


元恋人の弁護に女として動揺しながらも、
事件の真相に迫る里矢子の活躍を描く。



●「囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子」  1979年4月28日
原作: 夏樹静子 『手首が囁く』  誤認逮捕  収録
脚本: 播磨幸児
音楽: 大野雄二
監督: 渡辺祐介
制作: 東映
出演: 十朱幸代、鶴田浩二、田村亮、丹阿弥谷津子、
大坂志郎、榊原るみ、小倉一郎、坂本スミ子、
泉じゅん、山本由香利、野平ゆき、森次晃嗣ほか






囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子




永福町のポリバケツに、女子大生晴子(泉じゅん)の切断された手首が
入っているのがごみ処理員によって発見された。
警察は晴子が殺されたものと断定して捜査を開始した。



やがて捜査線上に晴子の父親が勤める大都物産と取引がある
貿易商の石津(田村亮)が浮かび上がる。



囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子

警察は出国しようとする石津を別件逮捕で強引に取り調べる。



藪原勇之進(鶴田浩二)の事務所に薮原の友人を介して
石津の妻・頼子(榊原るみ)が相談に訪れていた。
薮原は朝吹里矢子(十朱幸代)を同席させると
自分は外せない公判があるからと里矢子に石津の弁護を命じた。




囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子


里矢子は頼子から石津の名前を聞き驚く。
彼は里矢子の学生時代の恋人だったからだ。


薮原は石津が逮捕された経緯から
どうも傷害容疑は身柄を拘束するためで
晴子殺しの容疑者だと考えているようだと里矢子に話した。



里矢子はさっそく、下高井戸警察署の杉谷刑事(大坂志郎)を訪ね
別件逮捕ではないか聞き出そうとするが
杉谷はあくまでも傷害容疑だと譲らない。



だが里矢子が被害者のホステス・トキコ(ひろみどり)に事情を聴きに行き
傷害事件がでっち上げだと知ると、弁護士が介入したことを知った警察は
すぐに石津を釈放していた。



囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子


その後、里矢子は八年ぶりに石津と再会を果たす。




二人が交際しているとき、石津は判事になることをやめて
ブラジルの農園で働こうと海を渡ろうとしていた。


石津を愛していた里矢子は石津について一緒にいく予定だったが
里矢子の母・敏江(丹阿弥谷津子)の輸血のために
里矢子は石津が乗る船に間に合わなかった。


里矢子はその後、ブラジルの石津に手紙を書き続けたが
返事がこないまま別れていたのだった。


石津は里矢子が直前になって心変わりをしたと思っていて
里矢子も誤解を解かないまま別れた。




囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子


どうしても石津との八年前の別れが頭から離れない里矢子。





その後、里矢子の自宅に頼子から電話が入った。
石津が家を出た後に、警察が来て家宅捜索をしていたのだ。
そして、庭の物置から晴子の血液が発見された。
しかし、まだ晴子の死体は見つからないままだった。



石津には犯行が行われた18時から22時までのアリバイがないうえに、
当日の午後五時頃、石津の車に晴子が乗ったという
晴子の友人・小島さゆり(野平ゆき)の証言があり
車内からは晴子の毛髪が発見され容疑は決定的となった。



その頃、石津は晴子の父に会おうと大都物産へ行き面会を求める。




囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子

だが、加藤勇(森次晃嗣)から門前払いを喰らい
会えないまま引き上げようとしたところ
刑事がやってきて晴子殺しの容疑で逮捕されてしまう。


石津は晴子を車に乗せたことは認めたが
神保町で降ろし殺害はしていないと容疑を否認した。



しかし、警察は犯行の当日、頼子が母親の体調が悪いと
渋谷の実家に息子を連れて帰っており、
その隙に晴子を連れ込んだ石津が
暴行しようとして抵抗され殺されたものと考えていた。




薮原からもこの状況では情状酌量の余地もなさそうだと言われ
里矢子は石津が殺人を犯すはずはないと信じながらもつらい状況に追い込まれていた。



囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子


里矢子は晴子が石津の車に乗ったのを見たと証言したさゆりに会いに行き
さゆりの部屋へ置いていった晴子の荷物の中から日記を発見した。
そこには晴子の男性遍歴が赤裸々に綴られていた。


同世代の男たちと安易に関係を結ぶ様子が克明に書かれていたが
後半になると”I"というイニシャルの男性に恋をしたようで
これまで遊びと割り切っていたものとは明らかに違うものだった。



囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子

そして、殺される数日前にはIに裏切られてショックを受けたことが書かれていた。
石津のイニシャルも”I”だった、里矢子はこの事実に頭を悩まさせた。


里矢子は杉谷に日記を渡し石津との接見を強く求めた。
許されたわずかな時間に石津は晴子を殺したことを否認すると
刑事(池田鴻)が入ってきて、晴子の死体が見つかったのだと言った。



囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子

里矢子も刑事たちとそこへ向かった。
土の中にはネクタイで首を絞められて殺された晴子の死体が横たわっていた。



里矢子は八年前ブラジルへ一緒に行くといいながらも
結果裏切ってしまったことへの自責の念に苦しめられていた。
同級生たちと飲んだ帰り、事務所へ寄ると帰宅しようとする薮原がいた。



里矢子は思わず、自分は人を裏切ったことがあると泣き崩れてしまった。
薮原は里矢子と石津の大学が同じで二人の過去に何かがあることは察知していた。



囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子


薮原は無実の人間の弁護をするのは楽だ。
だが犯罪を犯した人間をそれでも人間なのだと弁護する
そういう冷静な態度で臨めないならかえって結果を悪くするというが
里矢子は石津に関しては無実と思えない限り弁護する自信がないと泣くばかりだ。


薮原はそれなら弁護をやめるんだなと里矢子に言った。





薮原の甥・風見志郎(小倉一郎)はさゆりから
晴子が加藤をいい人だと話していたことを聞き里矢子に告げた。



囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子


里矢子は加藤の下の名前が勇であることから
日記のイニシャル”I”の男は加藤じゃないかというが
志郎は晴子が男のイニシャルはすべて名字で書かれていて
やはりイニシャル”I”の男は石津だと決めつけていた。




しかし、加藤の存在が気になった里矢子は部屋を訪ねていく。
すると、杉谷が部屋から出てくるところだった。




里矢子は加藤から事件のことで話すことはないといわれ引き上げると
公園にいた杉谷から呼び止められた。


囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子

警察は石津が本ボシとみていたが杉谷は一応形式的に
加藤からも事情を聴いたという事だった。



その後、晴子の首に巻き付いていたネクタイは日本に5本しかなく
友人から石津に贈られたものだと判明した。
ついに石津は犯行を自供した。



囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子

夫の無実を信じていた頼子も魔が差したのだと思うと
里矢子に石津の弁護を頼み里矢子もやれるところまで
とことんやってみることにした。



新聞を読んだ敏江は里矢子と石津の仲が壊れたのは
自分のせいだと責任を感じていた。
敏江は薮原に里矢子と石津の過去の出来事を話した。


囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子

里矢子が出した手紙は、石津がいた農園の近くで暴動がおこり
届いていなかったのではないかと敏江は言う。



里矢子は石津に面会に行くが、ほっといてくれとつっぱねられ
頼子にも会いに来るなと伝えてくれという。



里矢子が石津の家へ行くと、あれほど献身的だった頼子が
息子にパパは犯罪者だと話していてこれまでとは様子が違って見えた。



里矢子は杉谷を喫茶店に呼び出すと、
頼子は確かに実家に帰っていてアリバイが確実であることを聞き出した。
一方、加藤のアリバイはないが手首がポリバケツに捨てられた時間がはっきりしていて
加藤はその頃同僚と飲んでいてそちらのアリバイは証明されていた。




そして、薮原が石津が初めに主張していた出鱈目のアリバイを
調べていることを杉谷は里矢子に伝えた。
これまで石津が犯人という前提でしか見ていなかった薮原が
石津の無実を証明しようとしていることに里矢子は胸が熱くなった。



囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子


薮原は石津が自分のアリバイは昭栄金融というサラ金会社の社長
ゴンドウ(今井健二)に聞いてくれと話していたことを知り
訪ねていくが口説き落とせないまま帰ってきた。


里矢子は薮原から石津に関する調査の報告を受けた。
石津は人が良すぎて商売がうまくいってなく
サラ金に金を借りていた。
だが、期日を過ぎても業者から返済を迫られている形跡がなかった。


石津は自分のアリバイはゴンドウが証明してくれるが
どこにいたかは自分の口からは言うことが出来ないと話していたという。


里矢子は藪原の口から石津が女子大生を犯して
殺害する人物には思えないと聞き、
里矢子は思わず表情が緩んでしまった。



囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子



里矢子は晴子がIにどう裏切られたのかが気になっていた。




晴子が真剣にIを愛していたら、Iから求められたときに拒絶するわけはなかった。
とすると、Iを許せないと思ったのは
Iから肉体を求められたからではなかった。



雨の夜、車を走らせていると帰宅する杉谷を見かけた。
里矢子は家まで送っていくと、あがっていくように言われた。



妻は留守で高校生の娘・アキヨ(山本由香利)がテレビを見ていた。
アキヨはドラマで人妻が夫の目を盗んで愛人と愛し合っているのを見て不潔だと言った。
これを聞いた里矢子はあることに気が付く。



囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子




アキヨにもし自分の好きな人が人妻と不倫していたら許せないか聞くと
彼女はもちろん絶対に許せないと言った。



薮原は石津の面会へ行っていた。



囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子


その後、里矢子に石津は晴子が殺された日のアリバイがあるらしいが
それは覚せい剤の密輸の取引現場にいたというものだったことを知らせた。





薮原は石津がなぜ殺人の罪まで着ようとしているのかわからないといい
誰かをかばっているようだという。
里矢子は石津が子供は母親のそばにいてこそ幸せだと口癖のように
言っていたことを思い出した。




囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子


石津が極刑覚悟でかばう相手は妻の頼子しかいない。



里矢子は夜、石津家の前を張った。
すると、頼子が車で加藤のマンションへ出かけていった。


晴子が許せないと言ったイニシャル”I”の男は
石津の妻・頼子と不倫関係にあり自分が慕っていた加藤だった。


囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子



晴子は加藤に恋をして、二人は肉体関係まで結んでいた。
だが晴子は加藤と頼子の関係を知り父に告げ口すると脅した。
家へ帰ろうと身支度する晴子を背後からネクタイを首にかけ
加藤が殺害したのだった。



そして加藤は晴子殺害を頼子に打ち明けた。
石津の会社が破産寸前であると告げ、自分に協力してくれれば
三年後に頼子に結婚しようと持ち掛けた。



囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子


こうして加藤は自分のアリバイを作るために晴子の手首を切断し
頼子を共犯者にして石津に濡れ衣をきせたのだ。



里矢子は頼子を説得し、石津の公判の証言台に立たせた。
石津の無実は証明され、真犯人として加藤が逮捕された。


石津は頼子が自分と晴子の仲を誤解して殺してしまったと思い
自分が身代わりになろうとしていたのだった。




囁く手首の謎・女弁護士朝吹里矢子

石津は釈放され、八年前のしこりから里矢子の弁護を嫌がっていたのに
今では里矢子が弁護してくれてよかったと言ってくれた。








”切断された若い女の手首が囁く謎”という怪奇チックで
ミステリアスなタイトルに惹かれ長年見たかった作品。


ようやっと見ることが出来ました。


やはり初期のレギュラー陣はいいですね。
もっとこのメンバーで見たかったところですが
次回は事務員が坂本スミ子でなくなり
藪原の甥の小倉一郎もいなくなり
藪原もシリーズ前半で姿を消してしまうんですよね。


あとは5作目の「華やかな狙撃者」が見たいところだが・・・。








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「十和田湖に消えた女・連続レイプ殺人事件」 (1982年)  笹沢左保 『異常者』

category - 土曜ワイド劇場
2017/ 11/ 20
                 
●「十和田湖に消えた女・連続レイプ殺人事件・
死体の胸に深紅の花」  1982年11月20日
原作: 笹沢左保 異常者 (1981年) (徳間文庫)
脚本: 長野洋
音楽: 小川よしあき
監督: 井上芳夫
制作: 大映テレビ
出演: 片岡孝夫、佳那晃子、藤岡琢也、沢井孝子、
小林昭二、清水紘治、にしきのあきらほか


十和田湖に消えた女・連続レイプ殺人事件

警視庁の山城部補(藤岡琢也)は、連発する婦女暴行殺人事件に
頭を悩ませていた。

被害者は主婦、OL、ホステスとさまざまだが
異様な事に死体にはいずれも赤いスプレーが浴びせられていた。

山城は推理マニアの画家波多野(片岡孝夫)に相談する。









弁護士の波多野丈二は歌舞伎町のクラブ数利夢で飲んでいた。
波多野は2年前の今日、妻を自殺で失っていた。
原因はその前に妻が自宅でレイプされた疑いがあったことだった。
妻は未遂を主張したが、波多野は妻のあられもない姿を見たときに
未遂には終わらなかったことを確信していて妻を問い詰めていた。






クラブ数利夢のママは砂川春奈といい
28歳で旦那も恋人もいない色白でもち肌をもつ女だった。
ママも妻が亡くなったことも、今日が命日であることも知っていた。




この日、波多野の席には新人のサトミがついていた。
サトミは波多野をマンションまで送ってくれた。
初対面のサトミに波多野は亡くなった妻のことを話すと
彼女は妻の命日に他の女が抱けるかどうか試してみましょうと挑んできた。

波多野もこのところ世間を騒がしている
「残虐魔」に襲われたらいけないとサトミを泊めることにした。





サトミは本名を川本多美子だと教えてくれた。
ふたりがそれぞれ風呂に入り終わるともう朝になっていた。
ベッドに入りこれからというとき、突然電話がなった。



それは、波多野の妹初江が残虐魔の第五の被害者になったという知らせだった。
波多野の両親は亡くなっていて、二人だけの兄妹だった。

初江は26歳で大坪という会社員と2年前に結婚して子供はなく
練馬区南大泉の一軒家に住んでいた。
飼っている犬を散歩している時に被害にあったのだということだった。





ブラウスを引きちぎられスカートをまくり上げられて
膣には異物が挿入され、
胸から腹にかけて赤いスプレーが吹き付けられていた。

これまでの4件とは違い、今回は体液を残していて
犯人の血液型がAB型だと判明した。
こうして、波多野は妻の命日に妹を亡くした。




マンションに警部補の山城士郎がやって来た。
山城とはこの事件前からの知り合いで
妻が亡くなった経緯も知っていた。




妹の通夜の晩、近所に住んでいる浪人生
倉沢友和という男が線香をあげに訪れた。

倉沢は両親が離婚していて、映画関係の仕事をしている
父親とふたり暮らしだった。
倉沢は両手が震えて遺影を見る目つきに
とても暗さがあり波多野は不審なものを感じた。





初日から二人の仲はママ公認だったこともあって
多美子はしばらく波多野の身の回りの世話をするということで
クラブを休み荷物を持ってマンションへやって来た。

多美子とは体の関係が出来たが、責任をとれという要求は一切しないと言ってきた。
心が軽くなった波多野だったが、多美子の本心がわかりかねる気がした。





被害者は住んでる場所も、年齢もバラバラで
警察では通り魔事件として捜査していた。
しかし、その後も残虐魔は手を緩めず
被害者は増えていくばかりだった。




波多野は妻と妹が光琳女子短大出身で
寮にいたことを思い出した。
そこで山城にもこのことを話し見た。




被害者は八人まで増えてしまった。
そのうち妹を含めた三人までが
光琳女子短大の卒業生や在学中だった。
うち二人の体内にAB型の体液が残されている。




波多野と多美子は白山にある短大の女子寮へ行くことにした。
多美子には被害者の学生林田千枝子の友人
朝日奈レイをうまく呼び出して会ってもらい
波多野は事務長の筑波朗と会うことにした
波多野の収穫はなかったが、朝日奈レイは
以前寮に初江が倉沢を連れてきたことがあると話してくれて
ここでこれまで見えなかった接点が見え始めてきた。




すると、波多野は妻と初江が色が白く肌が美しいという
共通点があることに気が付いて
被害者の林田千枝子、柏木良子ともに
同じ特徴があることがわかった。




波多野と多美子は倉沢友和を訪ねたが
倉沢は初江のことは知らないというだけだった。





その後捜査本部と新聞社へ怪文書が届いた。
残虐魔からと思われるもので、最後には
残虐魔なる呼び名を解消せよとあり
”歪んだ真珠”という署名があった。





波多野が数利夢へ飲みに行った帰り
波多野と多美子はママのマンションへ行った。
この頃には、波多野は多美子を結婚相手として考えるようになっていた。

それをママにも話すと喜んでくれて
母一人娘ひとりだからお母さんの面倒も見て欲しいと言った。
多美子の父は小学校の教師だったが、父も姉も死んでいて
長崎に病気の母がいるだけだった。





すると電話のベルが鳴って、ダイニングにいた多美子が
ママの代わりに電話に出た。
このところ正体不明の男から何度か電話がかかってきていたのだ。
二人は遅い時間なのでマンションから帰ることにした。
だが、二人が帰ったあと、ママが虐殺魔によって殺されていた。




その頃横浜の港区で黒崎太郎という男が自殺した。
黒崎は虐殺魔事件の被害者の名前を書いた紙を持っていた。
そこには光琳女子短大の関係者三名の名前はなかった。

人付き合いも良くなくて、女性に奥手な様子だった。
手帳にはママ砂川春奈の住所と電話番号が書かれていた。
黒崎とは仮の名で、君原新太郎といい会社の金
一千四百万を横領した手配犯だったのだ。






波多野は結婚している時に住んでいた下目黒を車で通る時に
妻のレイプ疑惑についていさかいがあった時のことを思い出した。
その時ふと「筑波」の表札がかかる邸宅を発見した。
交番で訪ねると、それは寮で会った筑波の自宅だった。




この時波多野はひらめいた。
筑波はもち肌でむっちり型の女を異常に好んでいるのではないか。
そして、どこかで見たことがあるような気がして気にかかっていた
「歪んだ真珠」の正体がわかった。


それは芸術様式をあらわす言葉で、フランス語で”バロック”といい
”バロック”から並びをかえると”ツクバロ”となり筑波朗を指す。





警察は倉沢と筑波を取り調べていた。
知らぬ存ぜぬだった倉沢だが、初江と一緒に光琳女子短大の
寮へ遊びに行ったことを認めその時に筑波も見ていた。
そして、公園で筑波が初江を犯している現場を
たまたま見てしまったことを告白した。

倉沢は初江を性的興味の対象として見ていたので
犯されている姿に興奮してその後に殺されるところまで目撃していた。




この証言から犯行を否認していた筑波もついに自供を始めた。



筑波は若い時から変質的要素があった。
真っ白なもち肌の女性に異様な性欲を感じていて
22歳の時に家で預かっていた従妹を強姦している。

その後は必死で自制した筑波だが
30歳の時に光代という近所の美容師を暴行してしまい
その女を妻として迎え入れた。
しかし、光代は病死してしまう。





筑波は卒業生の波多野の妻マチ子が
結婚して近所に住んでいることを知った。
マチ子を訪ねていった日、たまたま彼女一人だったことから
欲望を抑えきれずマチ子を犯してしまった。



ことが済んだ筑波は平謝りに謝った。
マチ子は学生時代筑波に憧れていて
夫にも知られたくないことから筑波を許した。

その後、マチ子が飛び降り自殺をしたことを知って
自殺の原因は自分だと思った筑波は
自責の念で眠ることも出来ず、
二度と愚行を起こすまいと誓った。





だが、快感を忘れることが出来ず
マチ子の時の経験から自分の正体をわからない形で
暴行を続けたのだ。
万が一を考えて示談に持ち込みやすい光琳女子短大の
在校生か卒業生に的を絞った。

ちょうど虐殺魔事件が騒がれていて
同じように赤いスプレーを吹きかけて
この事件に便乗することにしたのだ。




これで光琳女子短大の関係者3名の暴行事件は解決した。
だが、残る六人の被害者については依然として犯人がわからなかった。



この六人は犯行現場が1件が自宅の屋上という以外は
屋内の犯行という共通点があるだけだった。
被害者に接点もなく捜査は難航した。



歪んだ真珠の一件で犯人逮捕の重要な手がかりをみつけた
波多野は山城と一緒に残る被害者の身辺を洗い出す。
関係者に警察が聞かないような質問をしているうちに
「女性ウイークリー」という婦人向けの雑誌の存在が浮かび上ってきた。





被害者はママの春奈以外は主婦などが多くて平凡な女たちだった。
しかし、こういう人種もハメを外すことがあるのではないだろうか。

それは日常生活の範囲ではなく、旅行先ではと思いついたことから
六人が同じころ旅行に出ていたことがわかり
更に女性ウイークリーの優待旅行でギリシャへ行っていて
同じグループだったことがわかる。



しかも、旅行会社に勤めていた黒崎こと君原が彼女たちの受け持ちだった。
案の定、旅行先では盗難事件のトラブルがあった。


だが、疑わしいと思われていたのは虐殺魔事件の被害者ではなく
宮崎に住む学校教師向井八重子という女で、
彼女は虐殺魔事件前に自殺をしていた。
残された母と妹は引っ越しをしていて、母の旧姓に戻していた。





女性に奥手だった君原は彼女に恋をしていたようで
失恋していた形跡があった---。






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ドラマ「十和田湖に消えた女」は、詳細までは覚えていないが
とても記憶に残るものでした。


暴行を受けた女性たちが絞殺され、死体には赤いスプレーが
吹き付けられて異物が挿入されるという異常さ。
原作の「異常者」というタイトルも印象深かったし
佳那晃子の美しさと、哀しさの入り混じった演技が
深く記憶に刻まれています。


「十和田湖に消えた女」と翌月放送された
「山口線貴婦人号SL殺人トリック」に出た
佳那晃子はとてもきれいで忘れられません。

「山口線貴婦人号SL殺人トリック」は
その後土ワイでリメイクされたんですが
もう前回の良さが破壊された感じでつまんなかったです。


「異常者」のドラマ化「十和田湖に消えた女」では
主人公の波多野は弁護士ではなくて画家となっています。





                         
                                  
        

「昭和7年の血縁殺人鬼・呪われた流水」 (1981年) 藤枝真太郎シリーズ第2弾

category - 土曜ワイド劇場
2017/ 10/ 24
                 
片岡孝夫演じる、藤枝真太郎探偵シリーズの2作目。






●「昭和7年の血縁殺人鬼・呪われた流水」  1981年10月24日
原作: 浜尾四郎  『鉄鎖殺人事件
脚本: 山浦弘靖
音楽: 小川よしあき
監督: 国原俊明
制作: 大映テレビ
出演: 片岡孝夫、松尾嘉代、岡本信人、片平なぎさ、内藤武敏、
西崎みどり、佐藤佑介、近藤宏、河原崎長一郎、大鹿次代ほか




昭和7年、探偵の藤枝真太郎(片岡孝夫)と、助手の小川(岡本信人)は、
小樽一の海運会社、若宮海運の社長若宮貞代(松尾嘉代)の
娘・玲子(西崎みどり)の依頼で小樽にやって来た。




貞代は音楽の分野でも歌手を招聘し公演をしていて
玲子も東京の音楽学校へ通わせ歌手にしようとしていた。
本業の若宮海運も20年前に父が死ぬと、一人娘の貞代が継ぎ、
見事な経営手腕を振り発展させてきた。




その2か月前、網走刑務所から足に鉄鎖をつけたまま囚人ゼンジが脱獄した。
ゼンジが向かった先は妻ミツエ(黒田福美)がいる飲み屋だった。
ゼンジが脱走した目的はただひとつ、若宮貞代を殺すことだったが
店から出た二人を警察が追ってきてゼンジは目的を遂げることができないまま
ミツヨと抱き合い足の鉄鎖で二人の体を巻き付けると冷たい流水に身を投げて心中していた。



藤枝たちが小樽に到着する三日前、貞代あてに鎖で縛られ、
剃刀を腹にさした気味の悪い人形が送られてきたというのだ。
玲子の案内で貞代に会うが、ただの商売上の嫌がらせだといい
北海道ではベテランの岡林弁護士(内藤武敏)に任せてあるといい
藤枝は若宮邸から引き返してきた。




貞代の失礼を謝ろうと藤枝たちのあとを追いかけてきた伶子は
貞代が前夫日野勘平衛と会っているところに遭遇し、
貞代が勘平衛から金をせびられており
マリ子という女の事で勘平衛に弱みを握られていることを知った。



貞代のことが心配になった伶子は夜、勘平衛の店へ行くと
帽子をかぶった洋装の女が出てきた。
店の中へ入ると勘平衛が死んでいるのを発見し
藤枝たちが宿泊しているホテルへ伝えに行った。



藤枝と小川が勘平衛の店へ行くと、鉄鎖で体を縛られ剃刀を腹に刺された
勘平衛が死んでいて、机の上のアルバムから写真が一枚亡くなっていた。



岡林は犯罪者の更生にも力を入れていて事務所には沢山の表彰状が飾られていた。




藤枝たちは、貞代が勘平衛と15年前に離婚していて、
愛人だった静雄(河原崎長一郎)と再婚したが
夫婦の仲はうまくいっておらず
玲子が15年前に養女として迎えられていることを知った。



静雄は結婚後覇気がなくなり、若宮海運は貞代が手腕をふるっていた。
そんな状況が耐えられず、静雄は貞代に絡んでくる。
夫婦げんかの仲裁で玲子が割り込んでくると
静雄の口からもマリ子という名前が発せられ
貞代に何か暗い過去があることを感じた。


そこへまたしても同じ状態の気味の悪い人形が送られてきた。



酔った上に夫婦喧嘩をした静雄は屋敷を出て夜の街へ繰り出した。
その静雄がカフェのトイレで、鉄鎖で縛られ腹に剃刀をさされて
殺されているのが発見され、勘兵衛の時と同じ洋装姿の女が
店を出ていく姿が目撃されていた。




貞代はマリ子の行方を岡林に捜索させていて、
玲子はその話を立ち聞きしてしまう。
勘兵衛が殺された日に見た洋装の女とマリ子をだぶらせていた。




藤枝は玲子に貞代は勘兵衛と静雄しか知らない弱みを握られていて
ふたつの殺人は貞代の容疑が濃くなることを話した。
実際、事件を担当した警部(近藤宏)は貞代を疑いアリバイを聞こうとしていた。
玲子は藤枝に”マリ子”の存在を知らせる。




藤枝は勘兵衛のアルバムから写真が消えていたことを思い出し
小川に写真館へいき聞き込みを行うように命じた。




若宮家の写真は、色内写真館がとり続けていて
一枚だけあった原板を焼いてみるとマリ子の七五三の写真だった。




藤枝はそのことを聞きに貞代のところへ行き
20年前、まだ赤ん坊のマリ子を養子縁組していたが
勘兵衛と離婚したと同時に解消しており理由を尋ねた。
貞代はマリ子のことは乳母の奥田とめに託しているといい
藤枝に小切手を渡し東京へ帰そうとするが藤枝はそれを拒んだ。
時期を改めようとする藤枝に、貞代は数日後には東京へ行くことを告げた。



藤枝はとめを探し出そうとするが、とめは15年前に貞代から暇を言い渡され
その後は行方がわからなくなっていた。
藤枝は新聞広告を使ってとめの行方をつきとめようとする。




東京の音楽学校へ通っている玲子は、学校へ戻る時期が来て
恋人で美術学校の学生北田(佐藤佑介)に別れを告げようとする。
ワンマンの貞代のいいなりになっている玲子に、北田は苛立ちを感じていたが、
玲子も本当は東京へは行きたくはなかった。



玲子は東京へは行かないと言い、初めて貞代に歯向かった。
自分の意のままに玲子を操ろうとする貞代は岡林に言って
北田の所在をつかもうとしていた。


玲子は北田のところへ行き、一緒に逃げて欲しいと懇願するが
北田はやりかけている大きな仕事があるといい玲子の要求をはねのけた。



藤枝が宿泊しているホテルでは、峰澄子(片平なぎさ)は見知らぬ男が
部屋に入ってきたといい言い争いになっていた。
その男は新聞広告をみて謝礼金目当てに藤枝を尋ねてきた大西という人物で
最近まで奥田とめと内縁関係にあったのだ。
藤枝は大西からとめが積丹で宿を経営していることを聞き会いに行った。



だが、とめの口は重く、マリ子が捨て子だったこと
貞代は人形をかわいがるような扱いでしかマリ子に接してなく
世話はとめがすべてやっていたことくらいしかわからなかった。


するととめが誰かの気配を感じたようなしぐさをしたので
気になった藤枝が不審な人物がいないか探しに行くと
そのすきにとめは逃げ去っていってしまった。


後を追いかけた藤枝だが、とめの姿を見つけた時には
何者かに頭部を殴られた後で、「おい」にやられたという言葉を残して死んでしまった。
直後とめを殺しに来たものがいると駐在所に通報があり
警察がやってきて現場にいた藤枝を逮捕した。


その後、藤枝は釈放され小川にとめの周辺を洗うように命じた。
小川はとめに年の離れたミツエという芸者の妹がいて、
ミツエが出産するととめは嫌がるミツエから赤ん坊を奪ってしまった。
おそらくその赤ん坊がマリ子であろうことを藤枝に報告した。


だがその5年後、マリ子が誘拐されるという事件が起こった。
犯人はアサイゼンジという男で、ミツエと愛し合った仲で
二人の間に生まれたのがマリ子だったのだ。
そして、今年になって網走刑務所を脱獄したゼンジとミツエは心中していた。


藤枝は無駄を承知で網走へ行こうとしたところ、ホテル代を払わずに出ていこうとした
澄子が入ってきて藤枝は彼女の宿泊代を払ってやった。
小川に岡林弁護士は犯罪者の更生に尽力しているので
小川に澄子を岡林の事務所へ連れていくように命じた。



藤枝はミツエが勤めていた店で一緒に働いていた
キクエを訪ねていくが、二人はピストルで襲撃され殺されそうになった。


それを機に、ミツエのことで若宮家に恨みを抱いていて
藤枝を受け付けなかったキクエは藤枝に心を開いてくれ
ミツエたちのことを話してくれた。


貞代が人形のような女の子を欲しがっているのに目をつけた
とめが金目当てにミツエから奪ったマリ子を貞代に売った。
ゼンジはその時兵隊にとられていて、戻ってきてすぐに自分の子どもを取り返そうとした。


裁判ではゼンジに不利な証言がつくりだされ、弁護士も岡林だったことから
ゼンジは刑務所に送られることになった。
だが、その後、なぜかマリ子は若宮家から追い出されてしまい
ミツエは貞代の事をあの女は鬼だと言って激しく憎んでいた。


マリ子は絵の勉強をしに行くと網走を出てしまい行方がわからない。



網走での用が済んだ藤枝は、小樽のホテルにいる小川に
帰ると電話をし、犯人は藤枝が死んだと思って貞代を狙うかもしれないと話した。
小川が早速若宮邸へ行くと、そこには何故か澄子の姿があった。


だが、貞代は屋敷には岡林の忠告を受けて岡林が別荘代わりに使っている
家へ身を隠していた。
岡林のところにも、貞代に送られてきたものと同じ人形が二体送られていて
二人は二年前から愛人関係にあったのだ。


岡林が案内してくれた家で貞代が一人で寝ていると
帽子をかぶった洋装の女が鉄鎖を手にして現れた。



翌日、鉄鎖で体を縛られ腹に剃刀を刺された貞代の遺体が発見された。
藤枝は岡林の事務所で玲子立ち合いの元に貞代の遺言書を見せてもらうことになった。
そこには全財産を玲子に譲ること、その管理を岡林に一任することが書かれてあった。



帰り際、藤枝は玲子に北田の事を聞いた。
玲子と北田が知り合ったのは、今年の春休みで
北田の出身地も知らなかった。
何か暗い過去があるようで、描く絵は流氷テーマにしたものが多かった。



藤枝に言われて北田の家を張っていた小川は夜、北田が家を出ていくところを見て
つけていこうとしたが何者かに後ろから殴られて気絶した。
その直後、澄子が来て小川を叩き起こすと待たせてあった車に乗せて
若宮邸の前で降ろした。


わけがわからない小川が門の前でうろついていると、藤枝がやってきて
今夜玲子が殺されるのだと言い門を潜り抜けて中へ連れていった。


玲子の部屋に帽子をかぶった洋装の女が鉄鎖を持って現れた。
だがベッドで寝ていたのは藤枝で、洋装の女は女装した北田だった。
マリ子の正体は北田だった。


奥田とめがミツエから奪った赤ん坊は男の子だった。
女の子を欲しがっていた貞代は、子供の世話をとめに任せっきりで
はじめは男の子と気が付かなかった。


だがある日、貞代は自分が欲しくて手に入れた女の子が
本当は男の子であったことに気が付くと、彼女は激しい怒りをあらわにし、
それに恐れを抱いて泣き叫ぶ幼女の北田を追いかけた。


貞代は女の子の格好をした北田の着物の前をはだけると
局部を剃刀で切りつけ、北田は心と体に消えない傷を追ってしまった。


北田は絵を描くことでそれを紛らわそうとしたが、両親が心中して
復讐心に火がついてしまった。
鉄の鎖には両親の恨みが、剃刀には北田の恨みが込められていた。


北田は復讐の機会を得るために玲子に近づいたが
いつの間にか愛するようになってしまった。
藤枝は北田を利用している男がいることを知った。
北田は自分が利用されていることを知りその男に会いに行くため
屋敷を飛び出していった。



その頃、岡林の悪事を知っていた澄子が岡林を強請って金をせしめていた。
岡林は若宮家の全財産をせしめようと、北田が若宮家に恨みを持っていることを
利用して貞代たちを殺させたのだ。
だが、岡林が秘密を知ってしまった澄子を生かしておくわけがない。



澄子を殺そうと岡林が首を絞めていると、北田が部屋へ踏み込んできた。
そこへ藤枝と刑事たちも入ってきて、事件は解決した。



澄子は岡林を調べるために、藤枝が事務所に送り込んでいたのだ。


藤枝と小川は若宮貞代とはいったい何だったのだろうかと思いめぐらす。


ワンマンな性格で、人形のように扱える女の子を欲しがり裏切られたとわかると
ナイフで一生消えない傷を負わせ家から追い払う。
だが、今度こそ自分のいいなりになると思った玲子は好きな男が出来て
自分にそむくようになってしまった。


たとえ夫でも不要になればあっさりと切り捨てる女の強さを見せつけながらも
女として弱い部分も持ち合わせていて、岡林という男と関係を持ち殺されてしまう。


強さと弱さ、この振れ幅が大きい貞代の本当の姿とはいったいなんだったのだろうか。













藤枝探偵役の片岡孝夫がカッコイイ!
昔見たらこうは思わなかっただろうが、今の年齢で見てみると
片岡孝夫の色気がわかりそのあたりも楽しめた。





原作ではワトソン役の小川の語りで文章がつづられていて
藤枝と小川は学生時代からの友人ということもあり
サポート役でありながらも、どこか対等な関係でもあった。


しかし、ドラマでは藤枝を片岡孝夫、小川を岡本信人が演じていて
このふたりが対等な関係にあり、小川が「藤枝--。」と
呼び捨てにするイメージに違和感があった。



やはりその通りで、ドラマでは岡本信人は片岡孝夫を「先生」と呼んでいて
上下関係があきらかな演出がされている。


ちょっと間が抜けていて、ドジな小川が藤枝の引き立て役にもなっていて
藤枝探偵がよりスマートで知的に見える。




また若宮貞代を演じた松尾嘉代も良かった。
強い部分と、男なしではいられない女の弱さも見せ
ストイックな探偵藤枝と対峙するシーンも見せどころのひとつとなっていた。



ナレーターは奈良岡朋子と土曜ワイド劇場のイメージがなかったので新鮮でした。





************ 関連記事 ************


◆ 「昭和7年の姦通殺人鬼」、「昭和7年の血縁殺人鬼」 浜尾四郎の藤枝探偵シリーズがみたい

◆ 「昭和7年の姦通殺人鬼」 (1980年) 浜尾四郎 『殺人鬼』

◆ 「昭和7年の血縁殺人鬼」 (1981年) 浜尾四郎 『鉄鎖殺人事件』 

◆ 「昭和7年の血縁殺人鬼・呪われた流水」 (1981年) ドラマ版

◆ 「十和田湖に消えた女」「狙われた婚約者」千草検事シリーズ2作品




                         
                                  
        

「無人霊柩車」 (1998年)

category - 土曜ワイド劇場
2017/ 10/ 17
                 
●「無人霊柩車・美人女将の死体を乗せて函館の夜を走る!
エリート検事の妻の万引きが連続殺人を呼んだ・・・・」 1998年10月17日
原作: 小林久三 『走る無人霊柩車 (双葉文庫)
脚本: 安本莞二
監督: 山本迪夫
出演: 神田正輝、高橋恵子、篠田三郎、
柳川慶子、景山仁美ほか






函館の外人墓地や倉庫街を無人の霊柩車が走るという
怪談騒ぎが発生した。



所轄の松田刑事(神田正輝)は不信感を抱きつつも捜査をしていた。



無人霊柩車


そんな折、彼の先輩にあたる倉森検事(篠田三郎)が
函館に次席検事として帰ってきた。


倉森は札幌高検の検事長だった父・哲造の屋敷の敷地内に
邸宅を構え、妻・律子(高橋恵子)と由香と住むことになった。



無人霊柩車


ところが、姑正子(柳川慶子)は何かと律子に厳しく接し、
律子はストレスから出来心を起こし万引きをしてしまう。
その現場を料亭の女将珠江(景山仁美)に目撃されてしまった。



倉森は律子の話しに驚き、不祥事発覚を恐れて珠江と会うことにした。
だが、珠江が口止め料として五千万円を要求したために
口論となり、その末に珠江を殺害してしまう--。














こちらは1980年9月6日同枠で放送された「無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女」のリメイクです。


1998年の作品なので、初期の土ワイのフォーマットは完全に崩れてますし
本放送で見た可能性も高く正直あまり興味はないのですが、
キャスティングが高橋恵子と篠田三郎でやる機会があるのならば
見てみたいと思っています。



1980年の坂上二郎主演の作品では、どんでん返しの連続と
カーアクションや、爆発がみどころとなっていたので
そのあたりも変化があるのか見比べてみたいですね。