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展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

昭和のテレビドラマ

        

傑作推理劇場 「専属殺人事件」 和久峻三、「消えた男」 土屋隆夫 『加えて、消した』 (1980年)

category - 昭和のテレビドラマ
2019/ 11/ 04
                 
傑作推理劇場の「専属殺人事件」と「消えた男」が放送されました。




●傑作推理劇場 「専属殺人事件」  
放送日: 1980年7月24日
原作: 和久峻三  『専属殺人事件』  日本傑作推理12選 (2) (光文社文庫) 収録
脚本: 本田英郎
音楽: 桑原研郎
監督: 千野皓司
制作: テレビ朝日、東映
出演: 辰巳柳太郎、浅茅陽子、横内正、片桐夕子、
浜村純、菅井きん、風見章子、伊沢一郎ほか



若い女弁護士(浅茅陽子)は舅を殺したサトミ(片桐夕子)の弁護を
老齢の弁護士・菅井良介(辰巳柳太郎)と引き受けることになった。



傑作推理劇場 「専属殺人事件」




京都に住むサトミは夫のマサオが金沢へ単身赴任中で
生まれたばかりの娘と舅のヨシタロウ(浜村純)、
姑(菅井きん)の四人で留守宅を守っていた。


毎月マサオから十万円の仕送りがあるが
ギャンブル好きのヨシタロウが独り占めしていた。
姑もパチンコ通いしていてアテにはならず
サトミが飲み屋で働いて一家の生計を立てていた。


公判が始まると検事(横内正)は身内を殺したとして
単純殺人よりも刑が重い専属殺人で事件を扱おうとする。
家計を支えるために働きに出ているサトミに対して
姑はなぜか敵意をむき出しにして激しく憎んでいた。




傑作推理劇場 「専属殺人事件」




菅井らはサトミが職場にも金の無心をしにくるヨシタロウを
殺さざるを得なかったという事件の背景を明るみにするために
証拠集めに奔走していた。




そんなある日、ヨシタロウと同年代の菅原は殺人の原因は
金ではなく性的なものではないかと疑いはじめる。



サトミの家は二間続きの粗末なもので、部屋を仕切る襖には
覗き穴が開いていた。
菅原は姑からヨシタロウが未だに勢力旺盛なことを聞き出し
ヨシタロウがサトミを犯したと確信する。


サトミは暴行されたという恥を世間に知られるのを恐れて
それを否定し続けた。
サトミと同じ年頃の女弁護士は彼女の胸の内を思うと
暴くことへのためらいが生じるが罪を軽くするためには
心を鬼にしなくてはいけないと覚悟する。


傑作推理劇場 「専属殺人事件」



菅原から子供のためにもと説得されて
サトミはヨシタロウが赤ん坊にナイフを突きつけて脅してきたため
体を提供したことを告白した。


この関係はこれまでも度々あったもので孫を人質にして
肉体関係を迫るヨシタロウの異常性が明らかとなる。



こうして菅原たちはサトミの執行猶予を勝ち取ることが出来た。






日本傑作推理12選 (2) (光文社文庫)



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●傑作推理劇場 「消えた男」  
放送日: 1980年7月29日
原作: 土屋隆夫  『加えて、消した』  「日本傑作推理12選」 エラリー・クイーン編」収録
脚本: 服部桂
音楽: 東京BGM
監督: 堀川弘通
制作: テレビ朝日、東映
出演: 緒形拳、秋吉久美子、中条静夫、高林由紀子、
北村総一朗、沢かをり、ほか



傑作推理劇場 「消えた男」


東京の大学に勤めている秋津俊輔(緒形拳)が
出張先の京都から帰宅してみると妻の美佐江(高林由紀子)が
見知らぬ男と心中していた。
美佐江は死んでいるが、まだ男は息があった…。


しばらくして、秋津から通報を受け刑事(中条静夫)と
美佐江の妹・佳代(秋吉久美子)が駆けつけた。


秋津は帰宅した時まだ美佐江の体は温かかったと言い
自殺したとすぐには信じられず30分程してから中野医院に電話をしたと証言。
「結局こうするよりほかに方法はありませんでした…」という
美佐江が残した遺書も発見される。



傑作推理劇場 「消えた男」


刑事は中野医院に連絡があった時間と秋津の証言に時間差があるのを
尋ねると秋津はしどろもどろになりながらも辻褄をあわせようとする。


美佐江は十年目にやっと出来た子供を流産してしまい秋津から責められていたこと
病院から睡眠薬を貰っていたことが決め手となり刑事も自殺とみて手を引いた。
しかし、佳代は美佐江の遺書を見て不信感を持ちはじめる。


その後、佳代は秋津の身の回りの世話をするようになるが
死ぬ前の日に美佐江に電話をしたときに誰かが風呂場を使っている気配を感じ
美佐江の恋人だった的場仁一(北村総一朗)が来ていたと直感。
それとなく秋津に探りを入れ始めてきた。


その頃、美佐江の男関係を洗っていた刑事も的場の存在を知り
行方不明になっていることから美佐江の死と繋がりがあるのではないかと捜査をしていた。


傑作推理劇場 「消えた男」




刑事から的場のことを尋ねられた秋津は帰宅すると佳代に
自分に近づいてきた本当の狙いを問い詰める。



佳代は遺書の「佳代さん」という呼び方に違和感を感じていた。
美佐江は手紙でさえも佳代の事を「佳代ちゃん」と呼んでいる。
遺書には「仁一さん」と書かれていて男の存在を消すために
「佳代さん」と細工したのだと考えた。


その通り、遺書は複数枚あり的場との関係が綴られ
流産した子供の父親も的場であることを告白していた。
そして最後のページに「結局こうするよりほかに方法がありませんでした…」と
締めくくられていたのだ。


秋津はあの夜、息があった的場を殺して死体を庭に埋めていた。


傑作推理劇場 「消えた男」



しかし、佳代はそれを暴くつもりはない。
なぜなら、秋津を愛していたからだ。


佳代が口を噤んでいる限り秋津の犯行は明るみにならないはずだったが
野良犬が埋められていた場所を掘り返し的場の靴を加えていった。
捜査を続ける刑事のそばをその犬が通り過ぎようとする…。






日本傑作推理12選 (1977年) (カッパ・ブックス)




先月放送の2作に比べるとインパクトが弱いものの
短編小説を1時間の枠でドラマ化というのは2時間枠に比べて
回りくどさが省けるのでいいですね。


専属殺人事件はドラマの概要欄を見て嫁が舅を殺した動機が分かってしまい
面白みにやや欠けるところがありましたが辰巳柳太郎のおとぼけ老刑事がいい味を出している。


事件現場となった自宅も今では見なくなった昭和のボロ屋で雰囲気がある。


もうひとつの「消えた男」は原作のタイトルが「加えて、消した」ですが
タイトルって大事ですね。
「消えた男」と変えただけで見る前から期待度があがる。



「加えて、消した」とは”仁一”に線を何本か書き足し”佳代”にすることで
遺書の文章はそのままなのに内容はがらりと変わってしまう。
つまり数本の線を加えて、自殺の真相を消してしまったという意味。



原作ではドラマと違って秋津が帰宅した時は美佐江が一人で死んでいて
男の存在はなくただの自殺として始まっている。
美佐江にかつて仁一という恋人がいたことを知っていた佳代が
遺書の不自然さに疑惑を持ち心中事件であると暴くというもので
こちらの見せ方の方がよかったかなと言う印象を持った。



さて、来月は「百円硬貨」と「雪の蛍」が放送予定となっている。
東映制作以外でもまた見たい作品が多いのでどこかでやってくれないかなぁ。


確か、テレ朝チャンネルの「EXまにあっくす」で
「死ぬより辛い」がリクエストにあがっていたような記憶があるがどうなったんだろ?
是非、放送してほしい。





            
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傑作推理劇場 「殺意」 (1980年) 官能的な音楽に衝撃的なラストが秀逸

category - 昭和のテレビドラマ
2019/ 10/ 10
                 
CS各局が似たようなサスペンスを垂れ流す中で
東映チャンネルはいつも期待に応えてくれるラインナップで私を魅了する。


今月はかつてテレビ朝日で放送された「傑作推理劇場」から2作品が登場。
(傑作推理劇場やエラリー・クイーンについては『魔少年』の記事に追記)



今回は高木彬光の「殺意」



不器用だけど真面目な妻を持つ画家はようやく売れ始め
大きな一軒家に住みアトリエを構えるまでになった。
そんな矢先、妻から幼なじみで男好きする妖艶な女を
絵のモデルとして紹介される。


女の誘惑にふと魔が差してのめり込んでしまったことから
殺人事件へと発展…。


音楽を担当した菅野光亮のけだるさと甘さを感じる官能的メロディーは
エロティックで心地よく話しの筋に合っている。
それでいて、どこかせつなくて哀しい。


一度耳にしたら忘れられない印象的な曲調で
番組宣伝でバックに流れた時から一発で気に入ってしまった。


ということで雑感含め長いコメントは文末で。



●傑作推理劇場 「殺意」  
放送日: 1980年7月23日
原作: 高木彬光  殺意 (角川文庫 緑 338-54)
脚本: 播磨幸児
音楽: 菅野光亮
監督: 野田幸男
制作: テレビ朝日、東映
出演: 坂口良子、佐分利信、河原崎建三、宮井えりな、
三宅邦子、細川俊夫、相馬剛三ほか



傑作推理劇場 「殺意」




画家の今野(河原崎建三)の妻・純子(坂口良子)が
友人の加藤慶子(宮井えりな)を殺したと自首してきた。



傑作推理劇場 「殺意」




純子の紹介で慶子は今野のモデルをつとめるようになり
いつしか二人は男女の関係になっていった。
それに気づいた純子が別れて欲しいと部屋を訪ねたところ
ひどい言葉を浴びせられ思わずカッとなって刺し殺してしまったと供述。



凶器は裁縫用の目打ちだったが殺した時の状況もよく覚えてない位に
錯乱している精神状態にあった。


今野は向かいに住む老年の弁護士・沼田(佐分利信)に
弁護を依頼し問われるままにこれまでの経緯を語った。



傑作推理劇場 「殺意」




慶子は離婚したばかりで暇を持て余しており今野のアトリエでモデルをしているうちに
その肉体を惜しげもなく今野にぶつけてきた。
持て余していたのは暇な時間だけではなく肉体もだったのだろう。


芸術家の今野にとって平凡な純子とは違い、投げやりで気だるい雰囲気を持つ慶子は
非日常そのもので創作意欲を掻き立てられ妖しい世界にすっかり魅せられてしまった。



19800723DSCN5359.jpg




しかし、情事の現場を純子に見られてしまい以後は慶子の部屋で
純子の目を盗んで関係を続けるようになった。
火遊びをやめるよう忠告した純子はその後も関係が継続していることを知って悩んでいた。


今野は全て自分が蒔いた種で責任は自分にあると深く悔いている。
今野夫婦の土地は二十年前自分の子どもを宿した妹を兄が殺したという
訳アリ物件だった。
それを承知で沼田から安く売ってもらったが、今野はその祟りではないかと
怯えている様子だ。



純子が刑期を終えても今野が彼女をこれまで通り受け入れると確かめたうえで
沼田は弁護を引き受けることにした。



傑作推理劇場 「殺意」



それから沼田は純子の周辺を自分の足で調べて回った。
血に染まった服を着たまま裸足で路上を彷徨う純子を保護した
発出所の警官も純子に同情していた。



沼田はこれまでのことから純子の犯行は誤殺であること
初犯で自首をして罪を深く悔いていることなどから執行猶予を勝ち取るつもりだと
今野に報告する。


公判で沼田は純子に犯行に至るまでの経緯を明らかにさせた。



純子は幼なじみの慶子との友情を取り戻すことで今野と別れてくれるだろうと信じて
カトレアの花を手土産に彼女の部屋を訪ねた。
ところが、慶子は今野が全てにソツがない純子を面白くない女だと言っていたといい
二人の恋愛に第三者の純子が口を挟むなと強気に出てきた。


傑作推理劇場 「殺意」



さらに今野が家庭的ではない慶子に自分の服の繕いまでさせているという。
女としての侮辱を受け生理日で精神的に不安定な状態だった純子は
とっさにテーブルに置いてあった裁縫箱から目打ちを取り発作的に刺してしまった。



沼田の予告通り、純子は執行猶予の判決を受けた。



傑作推理劇場 「殺意」




沼田の妻(三宅邦子)は沼田が純子を無罪同然にしたことで
近所でも良い噂が流れていると嬉しそうに話す。





判決から一か月、今野は負い目を感じる純子を気遣って優しく接している。


ある日、今野が慶子をモデルにして描いた絵を見ると
心臓がある左の乳房に無数の刺し傷があるのを発見し凍りついた。



傑作推理劇場 「殺意」



その様子を洗濯物を取り込んだ純子がひっそりと見ていた。
今野は絵を処分しようかと思っていると言いその場を取り繕った。


一度わいた疑念は今野の中で次第に肥大していった。


その晩、今野はそっとベッドを抜け出すとアトリエへ行き再び絵を確かめる。
暗闇に光る無数の穴は純子の激しい憎しみそのものだった。
今野が純子の裁縫箱を調べると目打ちがなくなっている。


その時、今野の異変に感づいた純子がアトリエへ姿を現した。



傑作推理劇場 「殺意」



純子は自分の目打ちは先が折れたので捨てたというが
慶子は目打ちを持つほど裁縫が得意ではなく裁縫箱にも目打ちはなかった。
初めから慶子を殺すつもりで自分の目打ちを持ち出し
それで慶子を殺したと自分の推理をぶちまけた。


完全犯罪を企ててもそれは無理な話だ。
だったら執行猶予を取ろうと考えを変え、
友人に夫を寝取られたかわいそうな妻を演じて世間の同情を集め
わざわざ生理日を選んで発作的な犯行に見せかけたのだと暴く。


今野の激しい責めに純子はついに殺意があったことを認めた。



傑作推理劇場 「殺意」



子どもの時から慶子は人の一番大切なものを奪ってきた。
ようやっと掴んだ夫婦生活をも壊そうとする彼女が憎かった。


今野は純子が初めから殺意があったのかなかったのか今ではどうでもいい事で
どちらにしても人を殺した純子に恐ろしさを感じ別れる決心をしたと本音を打ち明ける。


純子は今野を失いたくないというと、覚悟を決めナイフを取り出した…。


傑作推理劇場 「殺意」




翌朝、沼田は今野の訪問を受けた。


今野は純子が殺意をもって慶子を殺したと白状したと告げた。
だから、自分も沼田もみんな純子に騙されていたのだと興奮がおさまらない。


そして、自分もカッとなって純子を殺してしまったと告白すると
純子と同じく誤殺であり自分の弁護を引き受けて欲しいと土下座して頼んだ。


沼田が凶器の目打ちについて質問すると、あれは純子が殺すつもりで
自分の目打ちを持ち出したと答えた。


それを聞いた沼田は「なぜ、嘘をつく」と今野を一喝する。


沼田は裁判中は明らかにされなかったが警察は凶器の目打ちは
殺される数日前に慶子が購入したと調べあげていたと言い返した。



傑作推理劇場 「殺意」



さらに沼田は今野が人を殺めた純子から離れたがっていたことも見抜いていた。
そのために執行猶予を狙った誤殺を考えたが初めから殺意がある謀殺で
せいぜい狙えるのは情状酌量で罪は軽くないが
それでも良ければ弁護を引き受けると言い渡した。


目論見が大きく外れ気がおかしくなった今野は
純子の死体のそばで狂ったように叫び続けた。


沼田は廊下に出ると受話器を取り上げて警察へ通報するためダイヤルを回した。





殺意 (角川文庫 緑 338-54)



ラストがキョーレツ!!
身勝手な夫を演じた河原崎建三がどん底に突き落とされるのが見もの。



はじめこそ、自分の浮気のせいで妻が悩み衝動的に友人を殺してしまい
自責の念から妻の刑を軽くしようとしたり執行猶予になった妻を受け入れる
優しい夫を演じていたが、やがて殺人を犯した妻と同居していることに耐えられなくなってくる。


そんな時、計画的な犯行とわかりそれに便乗するかのように別れを宣言。
ナイフを持ち出した妻を殺害するのだが、自分の場合は誤殺が認められず
実刑を喰らう可能性が高いと知り叫び狂う。


この人にイイ人は似合わない。
悪党なんだけど小悪党で最後にやられちゃうというのがピッタリな人。
佐分利信が河原崎建三を平手打ちするのもウケる。



気まぐれといたずらな気持ちから友人の夫を誘惑する宮井えりなとともに
ナイスなキャスティングです。


また妻が以前から殺意を持っていたと知るシーン。
それに気づいた夫を雷雨に打たれながら妻がジーっと見る場面は
すごく怖かった。
その妻がかわいらしく可憐な坂口良子だっただけになおさら。


傑作推理劇場 「殺意」



疑惑を抱いた夫に責め立てられついに殺意を認めるところもコワイ。
ヌードの絵の心臓部分に開いた無数の穴がキラリと光る演出も見事。


傑作推理劇場 「殺意」



さて、冒頭に書いた東映チャンネルについてですが
時間の関係上、土曜ワイドメインで書いてますが
これまで放送された火曜サスペンス劇場の作品も見ていました。
(もちろんそれ以外の1時間枠のやつも)


これまでのラインナップを振り返って、東映チャンネルは他局と違い
80年代の古めのサスペンスにある一定層のコアなファンがついているってことを
バッチリ把握している感じが伺えます。


毎度、「そうきたかーっ!」と唸らされる作品がリストアップされてますよね。


ちょっと前は、チャンネル銀河や日本映画専門チャンネルも他でやらない
単発ものもやってくれたんだけど気がついたらいつの間にか無難な線に落ち着いている。


かなーり前はファミリー劇場、ホームドラマチャンネル、AXNになるまえのミステリーチャンネルが
頑張ってくれましたが最近はサッパリ。


まだAXNミステリーは見たかったのをやってくれるのでちょいとマシかな。



こうしたブログを書いていると結構そのあたりのドラマのファンが多いんだなと実感させられる。
だいたい人気記事は決まっていますが、それ以外のものもコンスタントにアクセスがあり
「あぁ、私と同じようにこういうのが好きな人っているんだわ~。」と嬉しくなります。


おそらくこのブログを読んでいただいてる方々は私と同じく
単発ものや海外作家の作品が見たいって人多いんでしょうね。


AXNミステリーなんて海外のサスペンスを沢山放送しているんだから
土ワイや火サス、ザ・サスペンスなんかでやった海外作家のものを
放送してくれれば他との差別化も図れるのに。


もう終わっちゃったみたいだけど早川書房のオリジナル番組も放送してたようだし
コネクションは他に比べて強いはずなので頑張って欲しいところ。



東映チャンネルのこの枠来月も傑作推理劇場から2作品放送される。
昔、再放送で見たことがあるやつだが内容をすっかり忘れているので今から楽しみです。




                         
                                  
        

傑作推理劇場 「魔少年」 (1980年) エラリー・クイーンが選んだ森村誠一の短編小説のドラマ化

category - 昭和のテレビドラマ
2019/ 10/ 09
                 
先日、CSの東映チャンネルで森村誠一の短編小説をドラマ化した
「魔少年」が放送された。

「魔少年」はテレビ朝日で2回映像化されているがどちらにも
松尾嘉代がそれぞれ違う役で出演しているのが興味深い。


今回は「傑作推理劇場」なのでドラマ自体は約45分ほど。
原作が短編という事もありほぼ忠実に描かれていた。
その後に土曜ワイド劇場はこの倍なので原作にない
設定が盛り込んであり見比べてみたい。




●傑作推理劇場 「魔少年」  
放送日: 1980年7月21日
原作: 森村誠一  『魔少年』  「日本傑作推理12選」 エラリー・クイーン編」収録
脚本: 神波史男
音楽: 菊池俊輔
監督: 佐藤肇
制作: テレビ朝日、東映
出演: 松尾嘉代、森本レオ、名古屋章、織本順吉、
久富惟晴、荒谷公之、西沢利明、大川栄子ほか


買い物帰りの主婦・牧子(松尾嘉代)はある光景を見てゾッとした。
小学生の子供たちが車が行きかう信号もない大通りを無理に横断している。
牧子は慌てて彼らに駆け寄って注意した。


驚いたことにそれは息子の同級生で悪評高い宗一(大栗清史)だった。
宗一は大通りを走る自動車のギリギリを抜けて
向こう側の通りまで横断し勇気を試す遊びなので
危険なのは当たり前だと涼しい顔で説明する。


傑作推理劇場 「魔少年」




彼は国語で1番を取ったクラスメートのメダルを奪うと
強引に「横断遊び」をさせ度胸を試したのだ。


そこへ、息子の正男(中越司)が見知らぬ老婆(原ひさこ)を連れてやってきた。
正男は風呂敷と手荷物を持ち道に迷っている老婆を案内している途中だった。
老婆は牧子が正男の母だとわかるとお礼を言う。



正男と宗一は同じクラスで、宗一の父・大野(織本順吉)は
牧子の夫・相良(名古屋章)が経営する会社で守衛をしている。



正男は各科目で1番こそ取れなかったが多くの科目で2位をとり
平均して優秀な成績をあげている牧子の自慢の息子だ。
しかし、エリートコースを歩ませたい相良は1番を目指すよう正男にハッパをかけ
家庭教師の小畑(荒谷公之)をつけていた。



傑作推理劇場 「魔少年」



ある日、団地の主婦が焼却炉でゴミを燃やそうと火を放ったところ
ものすごい悲鳴を聞いて腰を抜かしそうになった。
中に生き物がいると思った時には炎が燃え盛りどうすることも出来ない。


火がおさまって取り出したところ佐川ひとみの愛猫・とんべえが焼き殺されていた。
その主婦が焼却炉の近くから逃げる宗一の姿を目撃していた。
校庭で遊びを邪魔した宗一をひとみがきつくしかったことを根に持ち
嫌がらせにとんべえを縛って焼却炉に放り込んだものと見られた。


騒ぎを知った大野は宗一を問い詰めるが黙ったまま
大野に殴られ続けても泣き声一つ上げない。
異様な親子の様子を見て近所の主婦たちも背筋が寒くなった…。




傑作推理劇場 「魔少年」




小学校では熱帯魚の餌作りの授業が行われていた。
”魚博士”の異名を持つ内藤弘が自作の餌をまくと魚たちが寄ってきてパクついた。
その時、宗一も自作の餌を水槽にまくと同様に魚たちが群がる。


宗一の意外な一面に先生(森本レオ)もクラスメートも驚きの声をあげ
一躍人気者となり弘は得意分野で宗一に出し抜かれたような気分を味わう。


下校する弘に宗一はさっきの餌は近所の大学生が作ったもので
引っ越してしまいもう同じものは作れないという。
魚博士の弘なら同じものが作れるだろうからあげるので
このことは誰にも言わないようにと話すと餌を譲った。



帰宅した弘は飼っている熱帯魚にその餌を与えたが魚は全て死んでしまう。
弘は父(西沢利明)と母(大川栄子)に自分が怪獣の本を宗一に貸さなかったから
その仕返しに嫌がらせをしたのだと説明した。



傑作推理劇場 「魔少年」




弘の母が餌を学校に持って行き調べてみると農薬が混入していることが判明。
だが、宗一は先生の追求に「やったのは自分ではない」と否定し続けた。
教師たちも宗一が怪しいと思いながらもそれ以上どうすることも出来なかった。



そんなある日、正男は偶然牧子が小畑の車に乗り込みホテルに入るところを見てしまう。


二年ほど前から牧子は小畑の若い肉体を楽しみ後腐れがないよう都度小遣いも渡していた。
正男が敏感な年頃になり牧子はそろそろ関係を清算しようと考えていたが
小畑はいつしか本気になってしまい別れ話はこじれていた。



傑作推理劇場 「魔少年」



しかし、帰宅してみると団地住まいのひとみと弘の死んだペットの墓にと
正男は自宅の庭を提供していた。
牧子は困ったもんだと思いながらも正男のクラスメートを思う優しい気持ちに触れ
まだまだ子どもだと思わず顔が緩んだ。



しばらくして、近所で火事が発生し正男が通う板橋区立城西第五小学校の
女子の家ばかりに小学生が書いたような不気味な火事見舞いのハガキが届き始めた。
筆跡から贈り主が宗一とわかり呼び出され詰問を受けた。



宗一は無記名にしたのは相手が女子で恥ずかしかったからで
火事に気を付けた方がいいというそれだけの思いだけだったという。
先生は宗一が自分がやったと素直に認めたことでこれまでの事は
全て許すので今後変な行動はとらないよう忠告を与えただけで終わった。



傑作推理劇場 「魔少年」



しかし、これまで宗一を陰で操っていたのは優等生の正男だった。
宗一の父が交通事故で会社をクビになったとき正男は相良に
大野を雇ってくれるよう頼んでいた。


事故がもとで片足が不自由になった大野は相良の会社を追い出されれば
もう再就職は難しいと宗一を脅して自分の代わりに悪事を働かせていた。


正男の次のターゲットは母を奪った小畑だった。



もうやめたいと泣く宗一をねじ伏せて火炎瓶を作ると
正男はトランシーバーを使い歩道橋の上で待機していた宗一に指令を送った。



傑作推理劇場 「魔少年」



小畑の車が近づき正男は宗一に投げるよう指示を出したその時
牧子が助手席にいるのを発見。
慌ててやめるよう伝えるがすでに宗一は火炎瓶を小畑の車めがけて放っていた…。



車は転覆し辺りは火の海となりトランシーバーを持っていた
宗一がその場で捕まえられた。



結局、小畑は死に牧子は奇跡的に軽症で済んだ。



傑作推理劇場 「魔少年」



退院した牧子は刑事(久富惟晴)の訪問を受ける。


小畑の遺品からホテルのマッチが見つかり牧子との関係がわかってしまった。
刑事は不倫関係を暴くつもりがないようでホッと胸をなでおろしたのもつかの間、
火炎瓶を投げた宗一が正男の命令で動いたと白状したことを聞かされる。


トランシーバーで指示を送っていた正男を見たという目撃者も出てくるが
牧子には信じられず狂乱した。


刑事の話しでは横断遊びも、猫や熱帯魚を殺したのも自分より成績が上の生徒に
精神的な動揺を与えて成績を下げさせようとする正男の狙いだったという。


子どもとは思えない位の悪質な嫌がらせにもう一人の刑事(河原裕昌)は
横断遊びにはそれ以上の狙いがあったとさえ思えると牧子を睨みつけてくる。



傑作推理劇場 「魔少年」



十歳の子どもに責任能力を問えるはずもなく刑事は事実だけ伝えると
そのまま出て行った。



牧子が放心状態でいると何も知らない正男が学校から帰ってきた。


彼はついに算数で1位を取ったとメダルを誇らしげに牧子に見せる。



傑作推理劇場 「魔少年」



あどけない表情を見せる正男が猫や魚と同じように人も殺す
恐ろしい殺人鬼だと知った牧子は引きつった笑みを浮かべるしか出来なかった。





日本傑作推理12選 (1977年) (カッパ・ブックス)



松尾嘉代は傑作推理では魔少年の母親役を
土ワイでは少年の父の愛人役を演じている。


傑作推理劇場 「魔少年」


良妻賢母のイメージはない嘉代さんだが
模範的な優等生の息子を優しいまなざしで見守る母の顔と


夫の目を盗んで息子の家庭教師と二年も関係を続ける悪女と

息子の正体を知って叫び狂い醜態を晒す女と

カメレオンのように様々な表情をみせる嘉代さんの顔芸と
いい意味でのオーバーアクションが大きな見どころ。


特に若い愛人に別れ話を切り出し本気になられてしまい
小バカにしたようにほくそ笑む表情なんか年季が入っており
得意分野なんだよなぁと思わされる。


そして、何度かある荒谷公之とのベッドシーンでは
またしても乳見せするというサービス(?)精神も旺盛である。


庶民的な名古屋章が社長ってのがピンと来ないが
それ以上にピンとこないのが妻が松尾嘉代ってところ。
絶対に力負けしちゃうでしょ。
圧が違うもの。



東映制作、松尾嘉代、森本レオが出演しており
土ワイの「密会の宿」も再放送してほしいなぁと思いました。



傑作推理劇場はわずかな記憶しかないが、確か夕方に放送されている時に見て
冒頭にエラリー・クイーンが出演していたような覚えがある。
記憶が浅いわりに面白かったという印象は残っていて
ずっと見たいなと思っていたらとうとうやってくれた。



魔少年が収録されている「日本傑作推理12選」 エラリー・クイーン編第1集は持っていて
日本人の推理作家をエドガー・アラン・ポーをもじった江戸川乱歩くらいしか知らなかった
クイーンがスエディット社より依頼されて翻訳された日本人作家の作品を読みまくり
12本の作品を選んだという前書きが書かれている。


各作品ごとにクイーンのコメントがあるのだが魔少年については

「十歳の小学生の犯意と残虐性を描き読者に強いショックと恐怖を味わわせるであろう。
登場する子供の一人は”悪に対する絶対的な天性”を持っている」と紹介されている。







                         
                                  
        

火曜日の女シリーズ 「ガラス細工の家」 (1973年)

category - 昭和のテレビドラマ
2019/ 04/ 08
                 
毎週月曜日の夜10時から日本映画専門チャンネルにて
かつて日本テレビで放送されていた『火曜日の女シリーズ』の最終作
「ガラス細工の家」が放送されている。


ふとしたキッカケからこのシリーズの存在を知り
土曜ワイド劇場で放送された原作とかぶっている作品がいくつもあることから
強い興味を覚えていた。


残念ながらその後も『火曜日の女シリーズ』は見たことがないままだったのだが
今年に入ってから「ガラス細工の家」が放送されると知り見始めている。


現在3話までの放送が終了しているのだが、次の回が待ち遠しくなる展開で
毎週見るのを楽しみに待っている状況だ。





■ 「ガラス細工の家」  
放送期間: 1973年2月13日~1973年3月27日 (全7話)
脚本: 倉本聰
音楽: 大野雄二
監督: 恩地日出夫
制作: ユニオン映画
ナレーション: 矢島正明
出演: 岸田今日子、高橋昌也、高橋長英、大門正明、
小池朝雄、小栗一也、名古屋章ほか



火曜日の女シリーズ 「ガラス細工の家」



土門冴子(岸田今日子)は病院の消化器内科部長をつとめる夫・公一(高橋昌也)と
小学生の二人の息子の四人で幸せな生活を送っていた。


心配事といえばこのところ度々かかってくる無言電話に悩まされていることぐらいだった。
冴子はそれが公一に入院を断られ、そのせいで子供が死んでしまったと思っている
水田夫人(野口ふみえ)だと考えていた。



公一は十年前からの計画で、近々家を売却し横浜で開業医として独立する予定である。
夫を支え、息子たちを溺愛する冴子の姿は献身的な妻・母に見えたが
彼女には誰にも言えない秘密があった。



それは、中学受験を控えた長男・洋(熊谷俊哉)の家庭教師・芦沢乙彦(大門正明)と
モーテルで関係を持ってしまったことだった。


火曜日の女シリーズ 「ガラス細工の家」



公一が海外出張に行くことになり、冴子は洋の担任・村岡(名古屋章)を招いて
芹沢らとともに歓送会のような自宅パーティーを開く。
そこでも冴子は良き妻、良き母を演じていた。



火曜日の女シリーズ 「ガラス細工の家」



公一が海外に出発する日がやってきた。
冴子は公一の病院の外科部長・内山(小池朝雄)らと一緒に空港まで見送りに行った後、
誘いを受けていた芹沢が出場するアイスホッケーの試合を見に行った。



試合が終わると、芹沢とふたりきりで有楽町で洋画を観る。
幸せな家庭の主婦という安全圏にいながら、軽い気持ちで火遊びを楽しむ冴子は、
芹沢の恋人・加納美子(木村菜穂)が二人の跡をつけてきているのを知りながら
その気持ちを弄ぶような振る舞いを見せる。


火曜日の女シリーズ 「ガラス細工の家」




映画の後はその美子もお茶に誘い、三人は喫茶店のテーブルを囲む。
突き刺すように冴子を見る美子の目には明らかな嫉妬の色が浮かんでいた…。



夜になって帰宅した冴子を待っていたのは洋だけだった。
次男の正はいつになっても帰ってこず、冴子は心当たりを探すが居所を掴めない。


その矢先、自宅に脅迫状が届いているのを冴子が発見する。
犯人は正を預かっている、警察に連絡するなと書いてある。
直後、正が帰宅していないという知らせを受けていた
担任教師・松木(橋爪功)と芹沢が家にやってきた。



火曜日の女シリーズ 「ガラス細工の家」



そして、犯人から電話が入り正の身代金を冴子自身が決めて
三日以内に四大新聞を通じて金額を知らせるよう要求してきた。
その金額に納得すれば正を返すが、出来なければ処分するという。
芹沢らは冴子にすぐに警察に届けるように言うが、
犯人逮捕よりも正の身を案じる冴子は頑として首を縦に振らない。






困った二人は公一に知らせるために友人の内山に相談する風を装い
芹沢がタクシーで内山の自宅へと向かった。
正の誘拐を知った内山はその場で警察に電話をした。


火曜日の女シリーズ 「ガラス細工の家」




早朝、冴子の元に三人の刑事(小栗一也、高橋長英、谷口香)がやってきた。
ようやく犯人から電話がかかってきたが、警察が介入したことを知った犯人は
逆探知を恐れてもう電話での連絡はしないという。



半狂乱になって取り乱す冴子。


火曜日の女シリーズ 「ガラス細工の家」



そんな中、洋が飼っている鳩が犯人からのメッセージを持って帰ってきた。
やはりこれからの連絡は電話以外で行われるようだ。




冴子は正の身代金の額を病院の建設資金で銀行から借り入れる予定だった
三千万円を差し出すことに決めて新聞で金額を犯人に知らせた。






出張中の公一から冴子に国際電話が入る。
冴子は勝手に開業資金を使う事を詫びたが、
公一は憤慨することなくよくやってくれたと冴子の行動を認めた。
明日の一番の飛行機で現地を発ち日本に帰ってくると言う。



火曜日の女シリーズ 「ガラス細工の家」



また鳩が一羽帰ってきた。
新聞広告を見た犯人は金額に納得し、明日車を横浜方面へ走らせて
冴子が三千万円を持ってくるように指示をした。
運転手は刑事でかまわないという。



一方、美子は芹沢が冴子とモーテルへ入ったことを調べ挙げており、
誘拐事件で冴子の家で一夜を明かした芹沢が
てっきり公一の不在中に冴子との情事を楽しんでいるものと勘違いし
呼び出しの電話を掛けてきた。



火曜日の女シリーズ 「ガラス細工の家」



その電話でのやり取りを聞いた刑事らは、芹沢と電話の主の関係を問い詰めたため
刑事に冴子との関係を白状せざるを得なかった。



自分が芹沢と密会をしたあと正が誘拐されたことで冴子は自業自得だと自虐的になる。
あの日、早く帰宅していれば正は誘拐されなかったのではないかと
冴子は自分の行動を悔いていた。


火曜日の女シリーズ 「ガラス細工の家」


芹沢自身も、自分がホッケーの試合に誘ったことを後悔していた。




冴子は明日の受け渡しに運転手以外の刑事がついてくるのが納得できなかった。
そんな冴子に洋はコッソリもう一羽の鳩が犯人からのメッセージを持って帰ってきたことを知らせる。


火曜日の女シリーズ 「ガラス細工の家」




そこには身代金は冴子でなく洋が午後四時に新宿東口まで持ってくるよう書いてあった。
正を確実に取り戻したい冴子の意を汲んだ洋は、
警察には内緒で犯人の指示通り自分が身代金を運ぶというが…。






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監督は恩地日出夫でこれがテレビドラマ初監督作品のようだ。


今と違い固定電話の前でいつかかってくるかわからない誘拐犯からの連絡を待ち続けたり、
連絡方法のひとつに伝書鳩を使ったりするあたりに時代を感じる。



ヒロインの主婦・岸田今日子は夫の目を盗んで長男の家庭教師と火遊びをするが
次男の誘拐を知るとふたりで密会していたことを悔いながらも
不倫相手に罪悪感を負わせるようなニュアンスの物言いでその身勝手さに呆れるが、
大切な息子を誘拐され取り乱す演技は今の役者ではなかなか出来ないだろうなと思うくらいの
名演技でストーリーだけではなくこのあたりにも見応えを感じる。



またちょっとした間の取り方など、張り詰めた緊迫感が伝わってくるのもたまらない。


ストーリーもただの身代金目的の誘拐とは思えず
久しぶりに「一体誰が犯人なのだろう?」と真剣に考えてしまうくらい
ドラマにどっぷりと引き込まれてしまう。



時折「ルパン三世」を思い出させる、大野雄二の音楽もとても良い。



まだあと4話あるのだが、今後どういう展開で進んでいくのか楽しみである。





                         
                                  
        

「兄弟」 (1969年)  木下恵介アワー

category - 昭和のテレビドラマ
2018/ 07/ 17
                 
「三人家族」と「二人の世界」が面白くて、
同じ”木下恵介アワー”の「兄弟」も軽い気持ちで見てみた。


出演者が地味という事もあって期待せずにいたのだが、
見ているうちにどんどんハマってしまいいつしか放送日を楽しみにするようになってしまった。


おとぼけな秋野太作が本名の津坂匡章で出演していて
珍しく一流会社に勤める繊細な二枚目を演じているのが意外!
しかも、津坂さんが劇中にギターを弾いていて、
これもイメージになくて弾けることにビックリした。



年頃の息子二人を持つ、志沢一家の平凡な生活を描いているのだが、
特にドラマティックな出来事があるわけでないのだが面白かった。
その他の感想などは文末に。




■ 「兄弟」  
放送期間: 1969年10月21日~1970年4月14日 (全26話)
脚本: 山田太一
音楽: 木下忠司
主題歌: 「どうして声がとどかない」  ジャン・グラーズ
ナレーション: 矢島正明
演出: 木下恵介ほか
制作: 松竹、木下恵介プロダクション、TBS




兄弟 木下恵介



志沢静男(津坂匡章)は大学卒業後、一流会社の総務部で働いている。
代わり映えのしない毎日を送っていたが、静男には密かな楽しみがあった。


それは11階にある秘書課にいる森本紀子(秋山ゆり)の存在だった。
総務課の一社員静男とは仕事上のかかわりもなく
ただただひっそりと彼女を思うだけであった。



静男は、サラリーマンの父・修太郎(北村和夫)と母・厚子(津島恵子)、
大学生の弟・順二(あおい輝彦)と四人で一軒家に暮らしている。



ある雨の日、傘を持たなかった順二に通りがかりの若い女性が傘を貸してくれた。
それをキッカケに順二は彼女に激しく恋をしてしまい
名もわからぬ彼女をついに捜し出すことに成功した。



彼女は栗山京子(沢田雅美)といい、山梨から集団就職で東京へ出て来て
現在はデパートでウェイトレスをしている。
順二は彼女への熱い思いを告げるが、高卒ウェイトレスの自分に
大学生が恋をしているという出来すぎた話が受け入れがたかった。


京子の同郷で同じ店でウェイトレスをしている智恵子(菅本列子)も
順二が京子を弄ぼうとしているのではないかと心配し順二を京子に寄せ付けないように邪魔をする。
だが、智恵子はそのうちに順二に惚れてしまい、京子も熱烈にアタックしてくる順二を愛すようになり、
二人はいつしか順二をめぐってライバル同士となる。

兄弟 木下恵介




はじめこそ京子と智恵子から邪険に扱われていた順二だが、
二人が自分に愛情を抱いていると知ってからも、
順二は智恵子には目もくれず京子だけを愛していた。
智恵子という邪魔者がいながらも二人の心はしっかりと結びつき、
恋人同士となり最終的には両親にも紹介するまでの仲となった。




一方、静男が恋する相手紀子だが、昼休み偶然あるレストランで鉢合わせたことから、
だんだんに距離が縮まっていく。
会社で顔を合わせても他人のフリをする二人だが、
レストランで顔を合わせたときは仲良く一緒に食べることを約束する。



兄弟 木下恵介



こうして、同じ会社の社員同士という以上の感情が紀子の中でも育っていく。


紀子は母を亡くし大工をしている父・辰造(菅原謙次)と二人暮らし。
辰造のもとで働いている浅川信吾(島津元)は紀子を激しく愛していている。



兄弟 木下恵介



紀子は静男に惹かれていきながらも、猛烈に求愛してくる信吾との間で気持ちが揺れた。
静男の存在に気がついた信吾は紀子を諦めてくれと直談判するが、
これまで穏やかだった静男も紀子を愛する気持ちは誰にも負けない。
信吾の要求を一蹴した。



紀子は自分が嫁に行ってしまえば父がひとりになってしまう。
だんだん静男のことを愛し始めていた紀子は心の葛藤を抱えていて、
静男のプロポーズにも煮え切らない態度をとっていた。



紀子から求婚のOKを正式にもらう前に静男は彼女を家族に紹介することにした。
そして、ついに紀子も静男との結婚を決断し辰造に静男を紹介した。


兄弟 木下恵介




そんな中、修太郎の様子がおかしくなってきた。
これまで仕事一筋に打ち込んできた修太郎だが左遷にあっていた。
修太郎は誰にも内緒で就職活動をしていて、会社を辞めて友人の事業を手伝う事を
厚子たちに打ち明けた。





これまで亭主関白で厚子の内職も快く思っていなかった修太郎だが、
これを機に角が取れて丸くなってきた。
厚子も修太郎が左遷されたまま会社にしがみつくことへの抵抗があり、
修太郎の決断を喜んで受け入れた。


兄弟 木下恵介




志沢・森本両家の顔合わせも終わり、結婚が身近に迫ってくると、
今度は静男の方に迷う気持ちが生まれてきた。
静男はそんな感情を修太郎に打ち明けるが、それは誰にでもある、
結婚という責任を負う事、平凡な人生を送ることへの一時の迷いだった。



兄弟 木下恵介




こうして静男は紀子との結婚へ、修太郎も新しい人生の第一歩を踏み出した。




「俺たちの旅」と同じく、北村和夫と津島恵子が夫婦役。
あの時二人の一人娘・紀子と交際していたのが津坂匡章。
二人はいい加減な津坂との交際を反対していた。
「俺たちの旅」の方を最初に見たので、そちらの印象が強く、
今回は親子という設定も最初はシックリときませんでした。


シックリこないといえば、三人家族ではチャキチャキ娘の沢田雅美が
あおい輝彦に熱を上げて一方的に追うのだが、今回はその反対。
沢田はちょっと影がある感じで、大学生のあおいが一目ぼれをして
猛烈にアタックをするというもの。




また、菅井きんが京子たちが住む女子寮の管理人として登場。
はじめこそ、あおいに敵対心を燃やすが徐々に彼を受け入れていく。



今回は私にとって初めて知る役者さんがふたりいた。



一人目は、志沢家の長男・静男のフィアンセとなる森本紀子役の秋山ゆり。


サラリーマンと大学生の兄妹の恋愛を描くという事で、
ドラマで展開されるのはごくごくありふれた日常生活。

設定や出演者も地味だなぁと思っていたら、
相手役の女性も地味な見た目。
はじめは物足りなさを感じていたのだが
見続けていくうちに、結構きれいな人だなぁという風に印象が変化してきた。


秋山ゆりという女優さんの情報が少ないのであまり詳しいことはわからないのだが、
なんでもデビュー前にはスチュワーデスをしていた方だとか。



兄弟 秋山ゆり



確かに言葉遣いや立ち振る舞いから気品さが感じられ、奥ゆかしくて美しい。
派手さはないが接していくうちに魅力がわかってくる。



どうやら早々に女優は引退なさっているようで、私は今回のドラマで初めて存在を認識しました。


この秋山ゆりの父・辰造役には菅原謙次。
二枚目でインテリな印象があるが、今回は大工の棟梁。
一人娘を嫁がせる寂しさはあるものの、昔からの得意先の娘、南風洋子にどうやら惚れているよう。
相手の娘もまんざらではない様子。



その辰造のところで働いている若い大工で、紀子に激しい愛情を抱く浅川信吾に島津元。


こちらも初めて存在を認識した役者さん。



兄弟 島津元



大工の娘でありながら大きな会社の秘書をしている紀子と自分とは釣り合わないと思いながらも、
その愛情を隠すこともなく、静男の存在を知ってからは激しい嫉妬心を抱く。
辰造も紀子と信吾が結ばれて、信吾に跡を継がせたいと考えながらも、
紀子が静男を愛していると知り、辰造も一時期辛い感情を持っていた。


最初はその様子にウザイと思いながらも、最後の方は見事にフラれてかわいそうになってしまった。



なんとなく見始めた「兄弟」だが、オープニングで流れる主題歌がまた独特で、
聞き続けているうちに自然と口ずさんでしまうようになってしまった。








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