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2006/03/29
2006/03/27
2006/03/26
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

2006年03月

        

「京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張」 (1980年)

category - 土曜ワイド劇場
2006/ 03/ 29
                 
やっぱり東映チャンネルはいいですねー、見たかった作品を続々放送してくれます。

今回は長門裕之主演の「京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張」という
タイトルだけである程度の内容がつかめてしまうもの。

しかも、長門裕之ってところからどんなスケベ親父で登場するのかと思ったら
真面目な銀行マンで親しみが持てるキャラクターに仕上がっていた。


また、共演者が多彩な顔ぶれで贅沢な作品となっています。



●「京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張」  1980年3月29日
脚本: 大和屋竺
音楽: トランザム
監督: 牧口雄二
制作: 東映
出演: 長門裕之、宮下順子、竹田かほり、森次晃嗣、志穂美悦子、
岩尾正隆、遠藤太津朗、志摩靖彦、大森不二香、小林稔侍、
ガッツ石松、江本孟紀、春川ますみ、花紀京、佐藤蛾次郎ほか



京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張



西尾清一郎(長門裕之)は永和銀行新橋支店で貸付課長をしている。
家には気の強い妻(春川ますみ)と息子がひとり。


そんな西尾は広島出張を終えると京都で部下(小林稔侍、矢吹二朗)と別れて
妻には内緒のひとり旅を楽しむことにした。


さっそく嵐山巡りの観光バスに乗り込むとやかましい妻から解放されて
羽を伸ばした西尾は上機嫌で、同乗していた老夫婦の面倒まで見る気前の良さを披露。
そんな西尾にバスガイドの田原ゆき子(竹田かほり)は感謝しっぱなしで
これ幸いと勢いに乗り仕事が終わったあとにデートの約束を取り付ける。


京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張



レストランで高価な肉料理を振る舞われたゆき子はその後の誘いにも乗ってくる。
そこへ、ゆき子の婚約者と友人が現れて踊りに行こうということになり
中年男の西尾は一人取り残された。





京都でのアバンチュールを期待する西尾は、キャバレー「アリババ」の
客引き・寺小路(遠藤太津朗)に捕まり店へ連れ込まれるが、
誘い文句の「3,000円ポッキリ」は大ウソで、会計でサービス料を追加され
目の玉が飛び出るような金額を請求された。



京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張



それでも懲りない西尾は、昼間の市内観光で出会った桜木五郎(森次晃嗣)に電話をした。
なんでも、京都の舞妓を格安で提供してくれるのだという。


西尾は桜木に案内されてある家へ入ってみるとそこには、舞妓姿の豆奴(大森不二香)がいた。


ようやくありつけた京女に、西尾は期待感が高まってくる。
豆奴は西尾に酒を飲ますと唇を重ねてくるが
帯がきつくなったと言い隣の部屋で着物を脱ぎだした。




京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張



いつまで待っても呼びに来ない豆奴の様子を見に隣の部屋へ入った西尾は
背中を刺されて死んでいるのを見て泡を吹いた。


動揺した西尾は指紋も拭き取らず、財布も残したまま部屋を飛び出し
近所の主婦と寺小路に逃げる姿を見られてしまう。


そのまま京都駅に行った西尾は東京へ帰ろうとするが
駅員(花紀京)から終列車は行ってしまったことを告げられる。


京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張



仕方なく建仁寺で夜を明かした西尾は、そこでゆき子と偶然再会し
彼女がルームメイトのマミ(かわいのどか)と住むアパートに匿われた。
ところが、殺害現場から西尾が飛び出すのを見た寺小路が
ずっとあとをつけていて一千万円を強請ってくる。


西尾はやったのは自分じゃなく桜木だというと寺小路は明日出直すといい出ていった。
ゆき子に迷惑がかかるのを恐れた西尾は、お礼代わりに自分の洋服を売ってくれと
置手紙を残してアパートを出ていく。


京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張



豆奴の死体が発見され警察は西尾とぶつかった主婦の証言をもとに
似てもいない適当なモンタージュを作成。
現場に残されていた西尾の指紋を採取し、遺留品の財布の中から
観光バスのチケットを見つけて聞き込みにやってきた。


運転手の大島(ガッツ石松)とゆき子が呼ばれ、西尾の逃亡を助けたいゆき子は
のらりくらりと刑事の対応をする。
そして、見せられたモンタージュが西尾に似てないことを知って笑いがこみ上げてきた。


京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張


西尾から「殺したのは桜木だ」と聞いた寺小路はピンときた。
あの夜、西尾が飛び出した後に袋小路の奥から桜木が姿を現すのを目撃していて
桜木が殺したと確信して二千万円を強請ろうとした。



桜木はナイフを取り出し殺そうとするが、寺小路は自分が死んだときには
事件の真相が全て書かれている手紙が警察に届くことになっていると言い放つ。


京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張




そこには、文化勲章も受賞した茶道の藤沢流の家元と婚約する
芸子あがりのバーのママ・江波彩(宮下順子)と愛人関係にある桜木が
豆奴たちに客を取らせては金を巻き上げていて彩は豆奴から脅されていたことが書かれている。


桜木は渋々ナイフをしまうしかなかった。



一方、ゆき子のアパートから出ていった西尾はタクシーに乗ったはいいが
無賃乗車で揉めている時に運悪くパトカーに見つかり
婦人警官(志穂美悦子)に取り押さえられてしまう。



京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張



440円の無賃乗車よりも、豆奴殺しの容疑者とバレることに怯える西尾だが
署内はその豆奴殺しで手いっぱいでモンタージュが西尾に似ていないことから
刑事(岩尾正隆)は西尾を犯人と気づかないまま釈放する。


帰り際、安心した西尾は刑事から差し出された飲み物を飲んでしまい
湯呑にしっかりと指紋を残してしまったが、そんなことに気がつきもしないまま
迎えに来たゆき子と再び行動を共にする。


そして、桜木の正体が彩がママをしている「えなみ」のバーテンだとわかったが
今日は踊りの発表会で「えなみ」は店を閉めている。
ゆき子と二人で豆奴が殺された現場を訪れた西尾はやってきた警官の姿を見て
慌てて逃げる途中で、袋小路の先が「えなみ」に通じているのを知った。



京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張




その頃、桜木は寺小路が全てを知って脅しをかけてきたことを彩に報告し
手切れ金として彩を通じて家元から二千万円を受け取っていた。
桜木はその金で遊んで暮らそうとするが、彩に銃で撃たれた挙句に金を奪われてしまう。



誰もいない「えなみ」に逃げ込んだ西尾とゆき子が今後について話し合っていると
銃で撃たれて重傷を負った桜木が逃げ込んできた。



京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張




二人は死ぬ間際に彩が寺小路の書いた犯行の決め手となる手紙を
盗んでしまうと聞かされ急いで寺小路の家を探しに行く。



その頃、彩は一足早く寺小路のところへ行って金と色仕掛けで手紙を奪うと
火で燃やしてしまい寺小路を刺して逃げた。




京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張



西尾が着いた時には寺小路はすでに虫の息でそのまま死んでしまった。
そして、無賃乗車で釈放してくれた刑事が湯飲み茶わんについていた西尾の指紋と
豆奴殺しの現場に残されていた指紋が一致したことから西尾をその場で逮捕した。


ところが、翌朝に西尾は自分の容疑が晴れたことを知らされる。
寺小路は用心深い男で例の手紙をもう一通、愛犬がいるバスケットの底に隠していた。



京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張


これにより、彩が桜木とコールガールの元締めをしていて
豆奴はそれをネタにして藤沢との婚約が決まった彩に大金を要求。


彩は秘密の通路から家に入り豆奴の背後からナイフで刺し殺し
その通路を使ってえなみに戻った。



京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張



刑事に同行した西尾は、彩の創作舞踊が行われる劇場へ向かう。
この後に正式に家元との婚約を発表する彩が舞台で踊っている最中だった。


刑事らの姿を見た彩は結ってある髪をほどくと白の衣装を死に装束に見立て
カミソリを取り出すと首を切って舞台の上で死亡する…。



京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張



京女を楽しむはずが思わぬハプニング旅行となったが
西尾はようやく東京に帰ることになった。


ゆき子はそんな西尾に弥勒菩薩のお守りを妻への土産にと渡す。
いつかまた、京都へ行きたいと言っていた妻を連れて訪れることになるだろう。



京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張



京都駅で八つ橋を買おうとした西尾に、「おひとりですか。ええ話ありまっせ」と
ポン引き風の男が近づいてきた。


西尾はぶるって思わず耳をふさぐ。




※遠藤太津朗が演じた、てらのこうじは、便宜上「寺小路」と表記しました。
また、宮下順子の江波彩もちょっと不確かですが便宜上使用。




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すっごくおもしろかった!

土ワイ初期は原作ありが多かったのに、こちらは大和屋竺のオリジナル脚本。
舞台が関西ということもあり関西弁ベースの軽妙なタッチで描かれている。


単に犯人探しというよりも、西尾がツアーで出会った老夫婦とのちょっとした会話など
よくある二時間サスペンスの市内観光で終わらせないあたりさすがといった感じだ。
目を付けたバスガイドにデートOKの返事をもらって夜の出来事に期待感満載の西尾が
相手が婚約者もちとしてガックリと肩を落とすあたりも愛嬌があって良い。


そして、流れ着いた夜の街で、音やんの時のかちょー、遠藤太津朗に連れ込まれ
サロン「アリババ」で乱痴気騒ぎに巻き込まれる。


京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張


3,000円ポッキリが10分着席してサービス料込みで83,000円のお会計。
いかにも「よそ者です」ってふらついていた西尾にスキがあったとはいえ気の毒すぎる。


このどんくさい西尾の妻に春川ますみ。

京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張

確か写真と声だけ登場(?)という無駄遣いさ。



京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張

そして、警官の目から逃げるために少年たちを指導していた
空手の先生が当時阪神タイガースの江本孟紀。


京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張

土ワイ第1作目にも出たガッツ石松が運転手として登場。

京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張

金を持たずにタクシーに乗り志穂美悦子の婦人警官に捕まえられ
佐藤蛾次郎に取り調べを受ける。

当時見ていた人も「こんな警官絶対いないって!」というツッコミを入れたことだろう。


あと年齢からみて志摩靖彦って役者さんが家元の役をやったのかな?


今回の犯人は、パトロンだった家元と婚約が決まった宮下順子。


京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張

彼女はもともと雛菊という名で、遠藤太津朗が初めて肉体を捧げた男性。
愛人のバーテン・森次晃嗣との間には子供が出来て水子となった今は
「一男」と名付けて供養中。


二人で組んでコールガールの元締めみたいなことをしていたが
そのひとり豆奴に強請られ殺してしまう。


森次が家元から二千万円を受け取り逃亡しようとすると
殺して金を奪うという非情さ。


京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張

最後は、自分を女にしてくれた遠藤をも殺し密告文書を焼き捨てる。
この時の現場となった遠藤の自宅がまた変わっている。



京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張

狭苦しくて粗末な部屋のすぐ後ろに茶わんなどの焼き物に使うような釜があり
火がこうこうと焚かれているのだ。

背中に火が移りそうな位至近距離にあり危なくって仕方がない。
部屋が暖かくなるというよりは、局所だけが熱くなりそうなおかしなつくり。



これで、思い出したのは同じ朝日放送制作の「私は見た!雨の中の殺人」で
主人公・江藤潤が両親の佐野浅夫、馬渕晴子と住んでいた家。
これもまた普通の家の造りとは違っていて独特だったんですよね。


今回も、セットもしかり、ストーリーの展開や演出からすぐに
「朝日放送の制作だな」ってわかるつくりでした。
1980年前後の土曜ワイド劇場の朝日放送制作の作品って
一風変わった演出がされていますよね。


まぁとにかく、コメディタッチでトントンと話が進んでいくので楽しめました。
90年代の軽快なタッチのものは軽すぎるのとマンネリズムがありすぎて
飽きがきちゃいますが、初期のものは役者の技量もあり飽きは感じさせません。


来月はこれまた私が見たかった「華やかな死体」(竹脇無我主演)が放送されるようですが
東映チャンネルでサスペンス枠が出来たときからいつかはやってくれるだろうと
期待していたドラマなので期待に応えてくれて嬉しい。


(2020年4月5日 追記)





●「京舞妓殺人事件・恐怖の浮気出張」  1980年3月29日
脚本: 大和屋竺
音楽: トランザム
監督: 牧口雄二
制作: 東映
出演: 長門裕之、宮下順子、竹田かほり、森次晃嗣、志穂美悦子、
岩尾正隆、遠藤太津朗、志摩靖彦、大森不二香ほか



銀行員の西尾(長門裕之)は、京都出張の夜、
ポン引き風の男桜木(森次晃嗣)に乗せられて
舞妓と一夜を共にすることになった。


ところが約束の場所へやってきた舞妓の豆奴(大森不二香)は
背中を刺されて殺されていて、すぐに生き途絶えてしまった。


豆奴殺害の容疑者として西尾がマークされることとなり
容疑を晴らすためにバスガイド(竹田かほり)とともに
事件の真相に迫っていく。



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脚本が”恐怖劇場アンバランス”の「木乃伊の恋」の
入定の定介役の大和屋竺というところも
どんな本に仕上がっているのか興味がありますね。



また、おそらく土ワイ初登場だと思われる
志穂美悦子がどんな役を演じていたのか気になります。





                         
                                  
        

「新婚探偵!謎の観覧車の女」 (1982年)  アンドリュウ・ガーヴ 『カックー線事件』

category - 土曜ワイド劇場
2006/ 03/ 27
                 
地方裁判所の判事に殺人事件の容疑がかかる。
判事の息子と結婚したばかりの妻がその無実を証明しようと奔走する。


●「新婚探偵!謎の観覧車の女」  1982年3月27日
原作: アンドリュー・ガーブ  カックー線事件 (ハヤカワ・ミステリ文庫 カ 3-3)
脚本: 岡本克己
音楽: 坂本晃一
監督: 佐藤肇
制作: 東映
出演: 坂口良子、高岡健二、山形勲、原田大二郎、
藤宏子、浜田寅彦、三浦真弓、西沢利明ほか


新婚探偵


地裁の裁判長を務める山崎忠正(山形勲)は遊園地の観覧車で
たまたま乗り合わせたデパートガールの若い女に婦女暴行の罪を着せられた。


何者かのワナにかかり苦境に立たされた忠正は、
潔白を証明するために再び女にあった。

しかし女が殺されてしまい、殺人の容疑がかかり逮捕されてしまう。

結婚式を挙げたばかりの次男(高岡健二)と
妻の香恵(坂口良子)は、尊敬する忠正の無実を信じて
事件の真相を探ろうとする。









元下院議員で現在は判事をしているエドワード・ラティマーは、
温厚な紳士でエセックスの田舎で平和な生活を送っていた。

エドワードにはクェンティン、ヒューという二人の息子と
トリーディという娘がいた。
クェンティンは弁護士で、ヒューはシンシア・ハウランドとの
結婚の決意を固めたばかりだった。


だがある日、帰りに乗ったカックー線の中で
女性に暴行を働いたという嫌疑をかけられた。

エドワードが席に着いたときに、ひとりの男が新聞を置き忘れたと言い
頭上の棚の上から新聞をとると出ていった。


しばらくすると若い女性がやってきてエドワードの向かいの席に腰を下ろした。
彼女は目にゴミが入ったと言ったのでエドワードが見てやろうとしたところ
いきなり女性の方から抱きついてきて、それを払いのけようとしたエドワードだったが
女は悲鳴を上げてエドワードが彼女に暴行しようとするように見えてしまった。


信号手のジョー・サバートンと会社重役のウォルター・ヴァリアミーに目撃され
二人ともエドワードが女性に暴行を働こうとしていたと証言した。
このことで警察も動き出し、エドワードは評判を落としてしまった。




女はケンジントンに住んでいるヘレン・フェアリーといい
ハワース百貨店の下着売り場で販売の仕事をしていた。
彼女はその後よく考えると自分にも責任はあるといい
エドワードを提訴しないと言ってきた。



だがヘレンが何者かに殺されてしまい刑事がエドワードのもとにやって来た。
ハンドバッグの中からエドワードがヘレンに宛てた手紙の断片が入っていて
地図のようなものが書いてあったがそれは彼が知らないもので
ヘレンが書き足したものだと思われた。
エドワードは手紙を出しただけではなくその後ヘレンに会いに行き
地図はその時の待ち合わせ場所のようだった。


エドワードは指定された場所へ会いに行ったが
ヘレンの姿はなく待っているうちに意識を失ったしまった。
気が着いたときには頭が割れるように痛んでいて
帽子がなくなっていた。
その帽子は死体のそばに落ちていた。
さらにゴミ箱の中からは身に覚えのない口紅がついた
エドワードのハンカチも見つかった。


クェンティンは去年の夏エドワードが日射病で倒れて以来
激しい頭痛に襲われるようになり短時間意識を失う事があり
今回も頭痛がぶり返したのではないかという。
そうした病気が招いた事件なのかもしれないと
検査をしてもらったところ、現在のエドワードは
全く異常が見られないということだった。


婦女暴行事件から、殺人事件へと容疑が切り替わり
状況証拠はことごとくエドワードに不利だった。
エドワードの信用も失墜してしまい、移住を考えるようになった。


ヒューは婚約者のシンシアと、クェンティンと一緒に
父の容疑を晴らすために真相を明らかにしようと行動を開始した。



ヒューとシンシアはこれまでの事実をもとに犯人X像を描いていく。
さっそく、シンシアがヘレンが勤めていた下着売り場に出向いていき
同僚のジャスミン・ブレイクからヘレンの事を聞き出した。


二人は待ち合わせ場所からボートがトリックに使われたことを割り出す。
それがどのボートかを調べていくうちに、あるボートの持ち主が
ガイ・ヴァリアミーという男であるということが判明した。

彼は見た目はハンサムな若い男だが、素行が悪くて
彼の叔父は暴行事件の目撃者のひとりウォルター・ヴァリアミーであることがわかった。


クェンティンはウォルター・ヴァリアミーのもとを訪ね
自分たちの推理を話し、ガイとの仲がどうなっているのかを聞いた。
そして、エドワードが狙われたのではなく
ウォルターの身代わりになったとわかってきた。
カックー線でエドワードが座っていた場所には
その前にウォルターが座っていたのだ。
新聞を取りにきた男がウォルターだった。


エドワードがヘレンと会う予定の場所で意識をなくしたのも
ヘレンを殺害したガイに殴られたからだろう。
そして、ハンカチにヘレンの口紅を付けられて
帽子は盗んで死体のそばに置いたのだ。


ガイ・ヴァリアミーが事件以前にカックー線に乗っていたことは
車掌のビル・ホプキンの証言からも明らかになった。
ガイは叔父のウォルターに婦女暴行の嫌疑をかけようとしていたのだ。


ヒューたちは推理だけでそれを証明する証拠を持ち合わせていなかった。
ヒューとシンシアはガイが犯人だと確信し、直接会って確かめようとした。


ヒューはなんとかガイを見つけ出し、会うことに成功し
これまでの推理を話したが案の定ガイはしらばっくれた。

だが分けれたあとにガイはヒューたちから逃げようと
危険を起こして船を操縦し遭難して死んでしまう。


容疑者が死亡したことで、ヒューたちはエドワードの無実を証明することが出来なくなった。


追い込まれたヒューとシンシアは大胆な計画を思いつき、実行に移す----。





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原作はアンドリュウ・ガーヴの『カックー線事件』(1953年)です。
本名はポール・ウインタトンで1908年にイギリスのレスターに生まれました。
英国推理作家協会の筆頭理事を務めたこともあります。


アンドリュウ・ガーヴ

アンドリュウ・ガーヴ名義の処女作は有名な「ヒルダよ眠れ」で
単なる謎解きではなく、悪女昼だが宿命的な死に向かう軌跡を追うという内容です。



「カックー線事件」では婦女暴行の舞台は列車でしたが
ドラマでは観覧車となっていて
探偵役も結婚式を挙げたばかりの次男と新妻という風に変更しています。


ドラマは昔に一度見ただけで、序盤しか記憶になくて
トリック等は改変されていたのかどうかは覚えていません。


ただ山形勲が女性に暴行を働いた嫌疑を受けた場所が
観覧車というのが変わっていて面白いなと思ったことは覚えています。






                         
                                  
        

横溝正史の「鬼火」(1983年) 田中登が描く幻想的な美しさ

category - 土曜ワイド劇場
2006/ 03/ 26
                 
昔の土曜ワイド劇場で見たい作品は数多いのだが
「鬼火」がみたいとおもっていたらその後すぐの
2011年12月にホームドラマチャンネルで放送された。
先日もう一度見返したので書いてみることにした。



●「横溝正史の鬼火・仮面の男と湖底の女」  1983年3月26日
原作: 横溝正史 『鬼火』
脚本: 中島丈博
音楽: 菅野光亮
監督: 田中登
制作: にっかつ撮影所
出演: 宇津宮雅代、中山仁、風吹ジュン、高橋長英、
加藤治子、伊丹十三、植木等、森本レオほか


昭和18年、信州の湖畔にある旧家を舞台に、美しい義母に憧れる兄弟の葛藤を描いたミステリー。

広い湖畔が映し出される。
音楽と映像はどこか横溝正史の映画版「犬神家の一族」を思い出させるものがあった。

にっかつロマンポルノでも評価が高い田中登の幻想的な演出は
怪奇ムードを高めるだけではなく耽美も感じられ
おどろおどろしい物語に妖しくて美しい雰囲気を添えている。

湖畔の映像のあとタイトルが出て土ワイお馴染みのオープニング、
出演者、脚本、監督の紹介へ。

土曜ワイド劇場 鬼火


※途中ちょっと気持ちが悪いと思える画像があるので
怖いものが苦手な方は遠慮した方がいいかもしれません。
作りものなので大したことはありませんが。



人里はなれた信州の湖のほとりに十数年使われることがなく朽ち果てたアトリエがあった。

父親がそこを買い取ったことでその息子猪俣(森本レオ)がアトリエを見に来た。
彼を案内してくれたのは古くからその家の持ち主に仕えていたチカ(加藤治子)だった。

建物の朽ち果てた様子に猪俣は取り壊そうと言うが、チカは朽ち果てるがままに
任せるように言う。

横溝正史の鬼火




アトリエへ入ると猪俣は気味の悪い裸婦の絵を発見する。

書いたのは持ち主兄弟の共作で
下絵を弟が色を付けて仕上げたのは兄だという。


そして、この家の者はみな死んでしまったと告げ、
その過去を猪俣に語るのだった。

ここからはチカの語りで回想シーンが始まる。




昭和18年、旧家の漆山(伊丹十三)は妻を早く亡くし
満寿夫と代助という二人の息子を抱えていた。
代助は分家に養子にだしていたが、ふたりはとても
仲の良い兄弟で「ダイちゃん」「まーちゃん」と呼び合い
離れてからも一緒に遊んでいた。




横溝正史の鬼火 伊丹十三


ある日、漆山は水商売上がりの浦江(宇津宮雅代)という女を後妻に迎えた。

浦江は満寿夫と代助が美しい自分に憧れを持っていることを感じていた。
それをいいことに、仲の良かった兄弟をなにかにつけて競わせて
勝ったほうを猫かわいがりした。
兄弟の仲が険悪になっていく様子を浦江は楽しんでいた。
この残酷で陰湿な浦江の教育により、兄弟は互いを激しく憎むようになっていく。
浦江をママと呼び慕っていた兄弟は勝者になることで
浦江の関心を買おうとしていたのだ。


水商売あがりの浦江にとって田舎暮らしは退屈であった。
ある日、満寿夫と代助は、浦江と山番の男との情事の現場を見てしまった。


そして、山番が死体となって発見され
浦江は行方がわからないままとなってしまう。


漆山のもとを大橋刑事(植木等)が訪ねて来た。
漆山は失踪した浦江はもう二度と姿を現さないはずだと断言する。
田舎暮らしに浦江がいつまでもつかそれを楽しんでいたのだ。


浦江の行方もわからず、山番を殺した犯人も挙げられないまま
月日は流れていく。




横溝正史の鬼火

成長した満寿夫(中山仁)と代助(高橋長英)はともに
美術を学び画家になっていた。


浦江の教育のおかげで大人になってからも
兄弟仲は険悪なものであった。

かつてのママをめぐっての確執に加え
画家としても競い合うようになっていった。

それは絵のモデルであった京子(風吹ジュン)をめぐっても同様だった。


横溝正史の鬼火 高橋長英

京子と代助の婚約が決まりうちわの集まりの場に
満寿夫は代助が遊んではらませた女を連れてきて
代助と京子の仲を裂いてしまう。

そればかりではなく代助が春画を描いていることも
明るみに出るよう工作して代助は警察に逮捕される。


時はたち、久しぶりに満寿夫と代助は再会する。

代助は満寿夫をあるバーへ案内した。



横溝正史の鬼火 宇津宮雅代

そこにいたのは浦江とそっくりなバーのママ銀子(宇津宮二役)だった。

驚きをかくせない満寿夫の様子に面白がる代助と銀子。


横溝正史の鬼火

こうして満寿夫は銀子と出会う。

銀子は浦江と性格が似ており
代助だけでなく満寿夫とも関係をもち
ふたりを弄ぶようになる。



横溝正史の鬼火

ふとしたきっかけで銀子は満寿夫が浦江を殺したと告白を受ける。


それ以前に、父の漆山が亡くなる際にも
満寿夫に浦江を殺したのはお前だろうと言われていた。
父は息子の罪をわかっていたのだ。


少年時代、山番との情事の現場をみた満寿夫は
浦江をボートで湖に連れ出して殴りかかり
底なし沼へ突き落として殺してしまったのだ。

罪に苦しむ満寿夫の様子を面白がる銀子。


満寿夫は展覧会で絵の才能を認められ
文部省買い上げになったことが新聞記事となり
代助もそれを知ることとなった。

代助はその記事の切抜きを持って
婚約者だった京子のもとへ向かう。
京子は傷心のため場末のキャバレーの女になり
店外では体を売ることもいとわないくらいに身を持ち崩していた。


代助は京子に記事を見せ京子の満寿夫への憎しみをあおり
京子に殺意を抱かせるよう誘導していく。

記事を片手に満寿夫のアパートへ向かう京子。


横溝正史の鬼火 風吹ジュン

満寿夫は外出していて部屋にいたのは銀子だけだった。
京子は兄弟にされた仕打ちを話すが
あんたがお粗末なのよと銀子は相手にせず部屋を去る。



横溝正史の鬼火

ひとりになった京子はそばにあった大きな緑の絵の具を
大量に食べて自殺をしてしまう。


京子は知っていたのだろう、緑色の絵の具に強い毒性があることを。


死後、何者かが京子の死体の首に紐を巻きつけ
手にコートのボタンを握らせ他殺に見えるように細工をする。

のちにこれは代助がやった工作であることがわかる。



何も知らず帰えってきた満寿夫はアパートの前の人だかりに驚く。
そこへ銀子が現れ京子が満寿夫の部屋で死体となって見つかったことを知らせる。

痴情のもつれで疑われることを恐れた満寿夫は銀子に言われてその場から逃亡してしまう。


その後、銀子は代助とホテルに泊まっていた。
しかし、その晩火災が発生し、銀子は窓から飛び降りたが
代助は炎に包まれてしまう。


銀子、代助ともに助かったが怪我で済んだ銀子に対し、
代助は大やけどを負い顔中包帯でグルグル巻きにされ
ベッドに横たわっていた。


一足先にアトリエで代助を待つ銀子の元に
ようやく代助が帰ってきた。

フードをかぶり後姿しか見せない代助に
前を向くように言い代助が振り向く。






横溝正史の鬼火 仮面の男と湖底の女

顔面やけどを負った代助は仮面で顔を隠していた。
その異様な様子にハッとなる銀子。

しかし、したたかな銀子は仮面にもなれ
その下の素顔を見せるようにせがむ。

いざ、仮面を取ろうとすると怖くなる銀子。
代助はそんな銀子を逃がさないように自ら仮面を剥ぐ。





鬼火

仮面の下にあったのは激しくただれた代助の素顔だった。


鬼火 植木等

山番殺害、浦江失踪事件のときに担当だった大橋刑事が
京子の事件で代助のアトリエにやってきた。
もうすぐ定年になるという。


そして、代助が描いていた絵と銀子の話から
代助が色を判別できなくなっていることを悟る。
その絵はまるで下書きのような素描画であった。


顔がただれ素顔をさらせなくなった代助は
自分はもう終わりだと言う。

そんな時京子の事件以来姿をくらましていた満寿夫が
代助のアトリエに潜伏していて
二人は再会を果たすこととなった。

かつては憎しみあった兄弟だが
追われる身となった満寿夫と
顔に傷をおった代助は互いを許し合い
ママが来る以前の仲の良い兄弟にもどろうと話し合う。

そして、満寿夫は浦江を殺したことを告白し
代助も嫉妬から山番を殺したことを告白する。


ふたりは仲良く湖畔へ出かけボートに乗る。


しかし、代助の憎しみは消えてなかった。
満寿夫に襲い掛かりボートから突き落としてしまう。
満寿夫がもがき代助も湖へ。

必死でボートに這い上がった満寿夫は
水面から上がってこようとする代助の仮面を剥ぎ
ただれた素顔を初めて眼にした。


一番見られたくない相手に顔を見られてしまった代助。
代助はそのまま湖底へと沈んでいく。


場面は変わりアトリエでは仮面の男が
下絵に絵の具を塗っていて絵を完成させようとしていた。

色彩を判別できなくなった代助が絵具を扱えるわけがない。
銀子はすぐに仮面の男の正体をみやぶった。
果たして満寿夫であった。


銀子は知っていた。
描きかけの裸婦の絵のモデルは銀子だったが
大橋刑事からあんたを書いているわけではなく
あんたを通してそっくりな浦江を描いているんだと。

満寿夫は浦江が着てた着物を銀子に着せ
ボートに連れ出す。

二人が姿を消したアトリエに大橋刑事が来てチカが迎えた。
大橋は代助が顔面のやけどの影響で眼が弱っていて
色を識別できなくなっていることを告げる。


満寿夫が代助になり代わったあともチカは
銀子と違いその正体に気がつかなかったのだ。


ボートの上で満寿夫は銀子に
「ママ(浦江)と銀子は同じ(2人で1つの)の女、ボクとダイちゃんも同じ男」といい
銀子に殴りかかると抵抗する銀子を道連れにして湖へ沈む。

鬼火 仮面

深い底なし沼は浦江、代助、銀子、満寿夫を飲み込んだまま
4人は浮かび上がってくることはなかった。






そんな悲しい兄弟の話をチカが猪俣に話し終える。

あの奇妙な絵は浦江=銀子がモデルの
満寿夫、代助が命を懸けた最後の作品だったのだ。


チカはアトリエを取り壊したらこの絵の行き場所がなくなると言う。


すると、扉が開き

「その絵を下さいな」と

一人の若い女が姿を現した。


その女は年齢と髪型こそ違うものの
浦江、銀子にそっくりだったのだ。


チカが唖然としていると、激しい雷が鳴り響き
チカと猪俣は身を伏した。

雷がやみ二人が顔を上げると
絵も女も姿を消していた。







父が迎えた後妻によって少年期に歪められてしまった兄弟愛。
憎み合えば憎み合うほど、深く愛し合っていくという矛盾。
父は何故あの女を迎え入れたのだろう。
彼自身もまた歪んだ家庭環境で育ち
愛情を素直に表現できない男だったのかもしれない。





宇津宮雅代というと土曜ワイド劇場では
「京都妖怪地図」や「死美人シリーズ」など
怪奇モノに多く出演しているイメージがある。


今回の鬼火でも二役(厳密には三役)しているが
なぜか二役することが多いそうだ。

本人談では、思い切り良く切り替えが出来るタチで
この作品ものってやったらしい。
義母の面影を残して現れる若い女性の役は
衣装やメイクの違いに頼らずに演技で区別する
役作りに苦労したとか。
幻想の世界が好きでどろどろした中に、
何かひとつ、透明感が出ていればいい。ということだ。


そして、冒頭の湖畔&音楽が犬神家の一族っぽいと書いたが
負傷した代助がかぶった仮面がこれまたスケキヨ風で
横溝正史テイスト抜群の作品なのだ。


「鬼火」は文庫本を持っていてパラパラと見返してみた。
「蔵の中・鬼火」(横溝正史 角川文庫)という短編小説集だ。
「鬼火」は昭和10年2月、3月の「新青年」で発表された。
再度パラ読みしてみたが、ドラマでは原作をわかりやすく
手直ししている。

登場人物の名前も一部変更されているが
ドラマでは横溝ワールドを壊すことなく
様式美を感じ、この頃の土ワイに感じた
ドラマというより映画を見ているような
感覚を覚えた。


他にも未見だが横溝正史が「新青年」に
文筆家として引っ張ってきた検事の浜尾四郎の
小説のドラマ化など、初期の土曜ワイドには
名作の呼び声高い作品が数多くある。
こちらも以前テレ朝チャンネルにリクエストしたので
是非とも放送をしてもらいたいところだ。