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「涙・あいつは今夜もいない」  (1978年) 、「息子の心が見えない・ガソリンスタンド殺人事件」 (1982年) ウィリアム・アイリッシュ 『チャーリーは今夜もいない』 - 2017.04.01 Sat

1978年頃の沖雅也が主演しているということで
ずーっと前から見たくてたまらない作品のひとつ。




沖雅也は土ワイでいろいろと出ていますが
亡くなった年に放映されたものでは
もうだいぶむくみがあって自殺と相まって
見ているのがとてもつらいものがありました。
話の内容も内容だったし・・・。



この頃はまだスッキリした二枚目だったはず。
だから余計に見たいんですよね。
ABC制作の方のトラベルミステリーにも出てて
こちらももう一回見たいんだけどなかなか再放送されませんね。




●「涙・あいつは今夜もいない」  1978年4月1日
原作: ウィリアム・アイリッシュ 『チャーリーは今夜もいない』 死の第三ラウンド―アイリッシュ短編集 (2) (創元推理文庫 (120-4)) 収録
脚本: 長谷川公之
音楽: 小山統太郎
監督: 中平康
制作: 中平康事務所
出演: 沖雅也、坂東正之助、和泉雅子、
織本順吉、栗田ひろみほか



石川刑事(沖雅也)は、続発するスーパー強盗傷害事件の捜査本部に詰めていた。
犯人の血液型と常用のたばこの銘柄はわかったが、身元は割り出せなかった。


弟次郎(坂東正之助)の血液型とたばこの銘柄が犯人と同じであることを知って、
石川は三回目の強盗事件のあと次郎が手首にけがをしているのに気づき
弟の行動に不信を抱く。










主人公のキーン警部は度重なるタバコ屋強盗を追っていた。
犯人は左利きで帽子を目深にかぶり、ハンカチで顔を隠していたことから
背が高くてがっしりとした体格であることしかわからない。


そして、現場で特徴のあるたばこの吸い殻を見つけた。
それは、きめが粗くて黒いマリワナだった。



キーン警部が帰宅すると妻がいて息子のチャーリーは今夜も家にはいなかった。
夫妻は警官だった息子デニスを殉職で失っている。
チャーリーも刑事になりたがっていたが、キーンは猛反対していた。
チャーリーはその後職にもつかずにブラブラとしていた。


キーンは自宅前であの時と同じマリワナ煙草の吸殻を見つけた。
妻は隠そうとしていたが、チャーリーが腕に怪我を負ったことを知った。


キーンは妻にチャーリーに逃亡用の資金を渡すが
チャーリーは自分の罪を白状するようなものだと行って拒否していた。


チャーリー不在中に部屋に入ると、市街地図あり
そこには印がしてあり、それらはタバコチェーン店の場所を示すものだった。
これまで被害にあったところよりも多くの印がしてある。
その中にチャーリーの筆跡で今日の日付が書かれてあった。


その夜、キーンはお目当てのタバコ展で犯人が来るのを待ち
暗がりの中犯人をピストルで撃ち殺した。
キーンがピストルで頭を撃ち抜こうとすると
明かりがともりチャーリーが立っていた。

チャーリーは強盗を捕まえようと独自に調べていた。
父親が自分を強盗犯だと疑っているのもわかり
犯人を捕まえるつもりだった。

これで晴れてチャーリーは警察学校へ行けることになりそうだ。






********************************
ウィリアム・アイリッシュ
********************************

ウィリアム・アイリッシュ(本名:コーネル・ジョージ・ハプレイ・ウールリッチ  
Cornell George Hopley Woolrich)は1903年ニューヨーク生まれ。
少年時代は革命時のメキシコ、キューバで過ごすとニューヨークに再び戻る。
大学を卒業した翌年、処女作「Cover Charge」を発表。


1940年にはブラック・シリーズの第1作「黒衣の花嫁」を発表。
2年後に代表作「幻の女」を発表すると一流作家としての名声を確立した。


1954年のアルフレッド・ヒチコック監督の映画「裏窓」をはじめとし
多くの作品が国内外で映像化されている。


また、本名のコーネル・ウールリッチでも執筆活動をしていて
土ワイでもウールリッチ名義の「喪服のランデヴー」がドラマ化されている。







今回<アイリッシュ短編集2 死の第三ラウンド>を読みましたが
「消えた花嫁」「墓とダイヤモンド」「殺人物語」「死の第三ラウンド」
「検視」「チャーリーは今夜もいない」「街では殺人という」と7作が収録されていました。

この中で、「消えた花嫁」と「検視」「街では殺人という」が面白かったです。





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「涙・あいつは今夜もいない」の原作はウィリアム・アイリッシュの短編小説。
ドラマでは兄弟だがここでは親子となっている。




これ、最初から息子は犯人じゃないんだろってのがわかるし
刑事になりたがっていたという設定からも
犯人の手掛かりをつかむために動いてて
その行動がオヤジの不信感に火をつけたんだろうっていうのが読み取れます。


始まって1年位までの土曜ワイドでは海外小説のドラマ化で
「涙」シリーズ(?)があります。

いずれも監督は中平康で制作も中平康事務所。
原作はバラバラなので厳密にはシリーズではないんですが


「涙・じっと見ている目」  ウィリアム・アイリッシュ

「涙・あいつは今夜もいない」 ウィリアム・アイリッシュ

「涙・暗くなるまで待って」  フレデリック・ノック

と3作が作られています。




さて、最近気が付いたんですが、こちら土ワイでリメイクされてました。
もちろんふたつのドラマの存在は知っていましたが
同じ原作のドラマ化ということは先入観から全く気が付かず。





●「息子の心が見えない・ガソリンスタンド殺人事件」  1982年1月23日
原作: ウィリアム・アイリッシュ 『チャーリーは今夜もいない』 死の第三ラウンド―アイリッシュ短編集 (2) (創元推理文庫 (120-4)) 収録
脚本: 広沢栄
音楽: 鏑木創
監督: 瀬川昌治
制作: 国際放映
出演: 若山富三郎、中村玉緒、安藤一夫、
宮内洋、小池朝雄、小林昭二ほか


息子の心が見えない・ガソリンスタンド殺人事件

狛江署の巡査部長兵藤(若山富三郎)は、多摩地区で続発する
深夜のガソリンスタンドを専門に狙う拳銃強盗事件に頭を痛めていた。

目撃者たちの話しから、その犯人像が、
モデルガン・マニアの次男舜二郎(安藤一夫)とよく似ているのだ。
兵藤は息子への疑いが濃くなり、愛情と職務の板挟みになって苦悩する。





父親と次男ということで、原作の設定のまんま作られた2作目。

「息子の心が見えない」は一度見たことがあるのですが
当時はキャスティングが地味に感じて
知らないおじさんとおばさんが出ている位でしたが
それだけに先回りしてあれこれ考えてみなかったので
ドラマは面白かった記憶があります。


今、考えると若山富三郎と中村玉緒なんて見たくてたまらない!

頑固な刑事のオヤジ富三郎と、父親に反発している息子
家庭に流れる重苦しい雰囲気にオロオロする玉緒。

まず、若山富三郎と中村玉緒のペアで
ウィリアム・アイリッシュっていうのが
いつも自分の頭ン中では忘れてしまいがちで
「涙・あいつは今夜もいない」はアイリッシュ原作という
印象がちゃんと残っているのですが
「息子の心が見えない」は何故かアイリッシュっていう
イメージが残らなかったんですよね。


それよりも若山&玉緒ペアは前年1981年の
「死刑執行五分前」でも共演していたので
自分としては2年連続似たような内容
(刑事の父富三郎が息子の無実を信じる)で
共演したという印象の方が強かった。


記事はコチラ⇒「死刑執行5分前・息子は犯人じゃない!」


あとで、若山富三郎が中村玉緒にとって
義理の兄さんと知ったときもビックリでした。







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大エルミタージュ美術館展@森アーツセンターギャラリー - 2017.04.01 Sat

先日、六本木の森アーツセンターギャラリーで行われている
「大エルミタージュ美術館展」へ行って来ました。


森アーツセンターギャラリー

会期は3月18日~6月18日まで。
私は平日の朝一番で行ってきました。

予想通り平日の朝イチは結構空いていて
じっくりと見て回ることができました。


*******************************************
大エルミタージュ美術館展
*******************************************

ロシアのサンクトペテルブルクにそびえ建つエルミタージュ美術館。
1764年にエカテリーナ2世がドイツなどから
買い集めた美術品がこの美術館の基になっています。

現在では収蔵品は310万点、絵画だけでも1万7千点に及びます。
エカテリーナ2世在位中に購入した作品が数多く含まれています。

ルーブル美術館、メトロポリタン美術館と並び
3大美術館といわれるエルミタージュ美術館のコレクションの中から
オールドマスターを中心に85点が展示されています。

ティツィアーノ、ルーベンス、クラーナハ、レンブラントをはじめ
ルネサンス、バッロク期の名画を見ることができます。



まず入ってすぐに目にするのが、エルミタージュ美術館の
礎となった人物エカテリーナ2世の全身の肖像画があります。


大エルミタージュ美術館展 エカテリーナ

≪戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世の肖像≫ 
ウィギリウス・エリクセン 1760年代


服には鷲の紋章を刺繍してあり
左手には宝珠を右手には王笏が握られている。

豪華な衣装を身にまとったエカテリーナは
自信をみなぎらせた表情をし
醸し出している堂々たる風格から
まさに「女帝」という言葉がピッタリだ。
胸元の青もこの人物の格や権威が感じられる。



大エルミタージュ美術館展 ティツィアーノ

≪羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像≫ 
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 1538年

このモデルを務めた女性はティツィアーノの愛人とも言われています。
ティツィアーノらしく繊細な明暗表現と卓越した筆致による肖像画。
どうやら帽子の部分は書き足した形跡があることがわかっています。

アクセサリーを身に着け、帽子もかぶり、
衣服からも普通に着用していたら正装なのに
片側の肩から胸元が大胆にはだけていてアンバランスで不安定。
この絵からは2面性というものが感じられた。




大エルミタージュ美術館展 クラーナハ

≪林檎の木の下の聖母子≫ ルカス・クラーナハ 1530年頃

口元はやや微笑んでいるように見えて
目元は醒めているような表情のマリア。
首から肩にかけて透明な布が巻かれている。
衣服の発色の良さが印象に残る作品だった。




大エルミタージュ美術館展 盗まれた接吻

≪盗まれた接吻≫ 
ジャン=オノレ・フラゴナールとマルグリット・ジェラール 1780年代末

男から頬に接吻を受けながらも
反対側の奥にいる人目を気にしている女性。
このように雄弁に物語が語られているような絵は大好きです。

寓意的な絵画も奥が深くて好きですが
詳細にストーリーを語る絵も
一見しただけで読み取れる事柄だけでなく
さらにその奥に見え隠れする部分に
あれこれ思いを巡らすことも絵画の楽しみのひとつですね。




大エルミタージュ美術館展 レンブラント

≪運命を悟るハマン≫ レンブラント・ファン・レイン 1660年代前半

「エステル記」から。

ハマンはユダヤ人全員を殺害しようと計画したものの
ユダヤの王妃エステルの機転により
逆に王から処刑をいいわたされた。

この絵はハマンが処刑を言い渡され
胸に手を当てて、自らの運命を悟った場面。

「光と影の魔術師」と言われた
レンブラントがハマンが運命を覚悟した様を
静かに描き出しています。



大エルミタージュ美術館展 手袋を持つ男の肖像 ハルス

≪手袋を持つ男の肖像≫ フランス・ハルス 1640年頃

肖像画が得意なハルス。
モデルは不明なものの、手袋をした手を胸にあて表情にも自信を感じられる。
このポーズは、社会的な成功を示しています。



大エルミタージュ美術館展 聖家族

≪聖家族≫ ポンペオ・ジローラモ・バトーニ 1777年


パーヴェル1世が母エカテリーナ2世へ贈った作品。

このマリアは陶器のような白くて滑らかな美肌を持っていて
若くてみずみずしい表情をしています。

息子から母へのプレゼントに選んだというのが
本当によくわかりました。

女帝とはいえど、息子にとっては母親。
愛する母への贈り物にこの主題と
描かれた人物の可憐さはピッタリだなと思いました。



大エルミタージュ美術館展 聖母マリアの少女時代

≪聖母マリアの少女時代≫ フランシスコ・デ・スルバラン 1660年頃


こちらはマリアの少女時代を描いたもの。
幼いながらもそのまなざしはしっかりとした意思を
持っていることを、組まれた手からは敬虔さを
感じ取ることができます。





今回風景画も素晴らしいものがありました。

正確な遠近法で知られる「都市景観図」の画家カナレットの風景画。

そして、私が何よりも感動したのは
ベナルド・ベロットの『ドレスデンのツヴィンガー宮殿』です。
これはまるで写真のような緻密な筆致で
この風景を本当にそのまんま切り取ったようでした。
近くによってじっくりと眺めたのですが
細かい窓の一つ一つも非常に丁寧に描かれていました。

テーマも構図もとても気に入り
何回でも見たくなる素晴らしい作品だった。


大エルミタージュ美術館展 鳥のコンサート

≪鳥のコンサート≫ フランス・スネイデルス 1630~40年代

もうひとつ、大のお気に入りだったのが
『鳥のコンサート』です。

動物画を得意としたスネイデルスの作品。

中央にいるフクロウが指揮者となり
大小沢山の鳥さんたちがそれぞれ鳴いています。

各自が鳴いているだけなのでまとまってなく
指揮者のフクロウはちょっと戸惑いを見せた表情をしている。

テーマと表現のしかたがすごく私好みで
複製画が欲しくなったくらい!





前半と後半で同じテーマを扱ったものがありました。
聖書に出てくる「トビト記」です。

ベルナルド・ストロッツィの『トビトの治癒』では
失明したトビトに息子のトビアが
魚の内臓を使って治療に当たっている場面が描かれていた。


後半のクロード・ロランの『トビアと天使のいる風景』では
描かれている場面が違っていました。
トビアは花嫁に魚の心臓と肝臓を
父には魚の胆のうを使ったとされていました。


また対作品では、ホントホルストの
『陽気なリュート弾き』と『陽気なヴァイオリン弾き』がありました。

バロック絵画の典型的な特徴を持ち合わせた
暗い背景に立体的に浮かび上がる陽気な男女たち。


この他にもその時代好まれたテーマを主題とした作品や
一見なんてことはない風俗画から
その裏に秘められた画家の表現したかったものを
読み取る楽しみがある作品など面白いものが沢山ありました。



開催が決定したときから、すっごく楽しみにしていた
大エルミタージュ美術館展。

混雑もなくあれだけゆっくり鑑賞したのに
僅か1時間半程で見て回れた。

理想的な鑑賞スタイルで満足して帰ってきました。



//////////////////////////////////////////

この日の六本木はとても暖かな気候でした。

六本木ヒルズ

六本木ヒルズに着くと、チューリップの花が沢山咲いてました。

この辺りは始業時間が遅めの会社が多いからか
ラッシュを避けられると思っていたのに
どっこい電車は激混み!
通勤ラッシュに思いっきりぶつかってしまった。


六本木までの僅かな乗車時間でしたが
激混み電車のストレスを癒してくれるような
花と洗練された風景。



六本木ヒルズ 展望

美術館がある52階からの眺め。

鑑賞後はここに座ってしばらく休憩。


森アーツセンターギャラリーは
沢山行く機会がある美術館ではないのだけど
いいものをやるときは私の好みにドンピシャで
本当にいい内容の展覧会をやってくれます。

次はいついくのか未定ですが
これまで見に行ったような極上の展覧会を
やってくれることを期待してます。

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