2017/08/03
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2017年08月03日

        

美女シリーズ25 黒真珠の美女・江戸川乱歩の「心理試験」 (1985年)

category - 土曜ワイド劇場
2017/ 08/ 03
                 
この放送直前の七月二十七日に死去した天知茂の明智小五郎シリーズ最新作。

よって天知茂出演の美女シリーズは今回の二十五作目で終了となる。



●さよなら天知茂
「黒真珠の美女・ニセ名画殺人!令嬢の白い肌が襲われる・・・・・
江戸川乱歩の心理試験」  1985年8月3日
原作: 江戸川乱歩  『心理試験
脚本: 山下六合雄
音楽: 鏑木創
監督: 貞永方永
制作: 松竹
出演: 天知茂、岡江久美子、藤吉久美子、荒井注、
高橋昌也、長塚京三、小野田真之、代日芽子ほか


ゴッホには「星月夜」というタイトルの絵が二枚あるとされている。
一枚はニューヨーク近代美術館が所蔵しているのだが
アルル時代の幻の名画で別名「ローヌ川の星月夜」が日本で発見された。



持ち主は蕗屋裕子(岡江久美子)という黒真珠が好きな美しい女画商で
時価十億円ともいわれる「星月夜」がお披露目され
西洋美術館が入手しようと名乗りを上げていると噂されていた。



私立探偵の明智小五郎(天知茂)も会場へ出向き
同級生で東京美術大学の教授・北原(久富惟晴)から裕子を紹介してもらう。
そこには蕗屋画廊の顧客で美術収集家の徳田礼二郎(高橋昌也)と
画商の宍戸(長塚京三)も来ていた。


黒真珠の美女・江戸川乱歩の心理試験




北原は明智と二人だけになると、昔ドイツの画廊からゴッホの贋作が流れ
海外にもそれらが流出したという話をした。


その後、明智の事務所に百万円が無記名の封筒に入って届き
声を変えた謎の人物からの電話がかかり裕子が手に入れた
「星月夜」について調査の依頼が入った。


明智はさっそく蕗屋画廊へ行き、裕子に入手経路を尋ねるが
ついに口を割らないままだった。


宍戸の話ではあの絵が本物なら時価十億は下らず
そんな大金を裕子がどうやって工面したのかが不明であり
本来なら鑑定書をつけてオークションに出す名画であり
偽者の可能性が高いことを明智に説明した。



画廊には宍戸が最近手に入れた六歌仙の屏風があった。


明智は宍戸を尾行しホテルで徳田の家の手伝い・ユミエ(東千晃)と関係を持っていることを知った。
ユミエは宍戸に頼まれて嫌々ながら徳田の家へ入っていた。
彼女は聖ヨハネ病院の元看護婦で、同じ病院に勤める元恋人の小池(伊藤克信)から復縁を迫られていた。
この日も、夜小池がユミエが常用しているピルを持って会いに来たが
その気がないユミエはそれを拒絶し屋敷の中へ帰って行った。


その頃、徳田邸ではカメラマン志望の恋人富山(貞永敏)との交際を反対された
徳田の一人娘・ユカ(代日芽子)が徳田と口論の末、家を飛び出し車で出かけていった。


徳田と約束をしていた裕子から仕事が長引いてまだ京都駅にいるという
電話が入りそれを受けたユミエが徳田に知らせに行くと徳田が血を流して倒れていた。


凶器は近くにあった花瓶で後頭部を殴ったもので徳田は意識不明の重体だったが
幸いにも回復へと向かっていた。
宍戸が納品した屏風には傷があり、徳田が襲われたときについたものだとみられた。




黒真珠の美女・江戸川乱歩の心理試験



屋敷にはユミエの他に、運転手の斎藤(武岡淳一)がいて、彼らの話から部屋の金庫が開いていて
中にあった金が盗まれたことがわかった。


明智はデスクの上に置いてあった封筒から、「星月夜」の調査を依頼した人物が
徳田であることがわかったが、なぜ親しい裕子に直接聞かないのか疑問が残る。


家を飛び出したユカが検問にひっかかり屋敷へ戻ってきた。
そとには小池が落としたピルの袋が見つかり容疑者として取り調べを受けるが
小池は邸内には一歩も足を踏み入れていないと無実を主張する。



徳田の意識が回復すれば何もかもわかるはずだったが
病室に何者かが忍び込み生命維持装置を切り徳田を死亡させてしまう。



運転手の斎藤が博打好きで借金があり、徳田が襲われた直後
全額返済していたことがわかった。
だが、彼は金庫の金を盗んだだけで、自分が給料の前借を頼みに
部屋へ行った時にはすでに徳田は死んでいたという。
また、徳田邸はもともと斎藤の家だったことがわかる。



明智は宍戸画廊へ行き、屏風には最初から傷があったのではないかと尋ねるが
宍戸はもし納品前に傷があったのなら、徳田が預かるわけがないと否定した。
宍戸は屏風の代金を受け取っておらず傷物になったことで六千万円の弁償をユカに請求していた。


明智は宍戸から、今から十八年前に森山セイイチロウ(加島潤)という画商が
「星月夜」の偽者をつかまされ自殺をしていたという話を聞かされた。
その絵が、裕子が手に入れた「星月夜」でないかというのだ。



黒真珠の美女・江戸川乱歩の心理試験




徳田の事件が未解決な中、手伝いのユミエが常用しているピルに
青酸化合物が混ぜられて入浴中に死亡するという事件が発生した。
その直後、自室で寝ていたユカも何者かに襲われ
自分の周りで次々と人が殺されいよいよ自分の番だと怯えたユカは
しばらくの間、裕子の家で暮らすことになった。



裕子は「星月夜」の鑑定を依頼し、オランダのゴッホ美術館から
館長が真偽を確かめるために来日した。
北原の研究室で、館長とふたり「星月夜」が鑑定された。



一方、明智は宍戸から聞いた森山事件が気になり裕子に
「星月夜」の入手先が森山の娘・雪絵ではないかを確かめたが
裕子はそれを否定した。


黒真珠の美女・江戸川乱歩の心理試験

裕子は恋人富山のためにヌードモデルをつとめていたユカの
撮影現場に立ち会っていた。


撮影は順調に進みクライマックスとなり、富山は大きな手ごたえに満足気だった。
だが、ユカは撮影終了後も微動だにしない。
ボディーペイントに青酸化合物が混入しており死亡していたのだ。



ユカと仲良くしていた裕子は彼女の死にショックを受けるが
いよいよ「星月夜」の鑑定結果が出て発表の日を迎えた。


鑑定の結果は本物であることが、館長の口から発表された。




黒真珠の美女・江戸川乱歩の心理試験



明智は徳田が襲われた現場にあった屏風の傷が気になっていた。
事件当日の三日前に裕子が徳田邸を訪れていたのを知り
その時屏風に傷があったかを確かめると裕子はなかったとはっきり答えた。


夜になり、人気のない徳田邸へ行った明智は、絵を一つ一つ調べるが
何者かに背後から頭を殴られたうえで、火を放たれ炎に包まれてしまう。



鑑定結果が出て、「星月夜」のオークションが開かれた。


幻の名画は激しい争奪戦の末、二十億円で落札が決定する。
裕子があれほど欲しがっていた画商としての大きな実績が得られる直前
ひとりの男が待ったをかけ、「星月夜」をナイフで切り裂いてしまう。


黒真珠の美女・江戸川乱歩の心理試験

場内は騒然となるが、男はこの絵が偽者であり、波越警部(荒井注)も
承知していることだと堂々と宣言した。


男は会場に「星月夜」を運び入れ、こちらが先日館長と北原が鑑定した
本物の「星月夜」であると説明する。
確かにそれは本物の「星月夜」だった。


男は初めから「星月夜」は二枚あり、一枚が裕子が持っていた偽者で
もう一枚は徳田が持っていた本物だと説明し、変装を解くと現れたのは
死んだはずの徳田本人だった。




黒真珠の美女・江戸川乱歩の心理試験

徳田が死んだと見せかけたのはマスコミへのポーズでこれも波越警部は知っていた。


徳田は裕子は偽者を持っていて本物は誰が持っているかそれをあぶりだすために
自分が持っている贋作を本物だと偽り公開した。
あれだけ派手に演出すれば、本物の所有者は何らかのリアクションを起こすはずだ。


おそらく裕子はユカから本物を徳田が持っているらしいことを聞き出したのだろう。
その後、徳田にも接触したが、彼女のたくらみがわかっていた徳田はその手に乗らなかった。


徳田は裕子が屋敷から本物を盗みだし、偽者をオークションにかけたことを暴いた。
裕子は徳田が解明したことを事実として認めたが、本物は奪い取った徳田から取り戻しただけだという。




十八年前、徳田は森山画商から本物の「星月夜」を購入したが
贋作だと嘘をいい、偽者の「星月夜」を森山につき返し代金を返してもらっていた。
森山は莫大な負債を抱え信用が傷ついたことに絶望し、
返された「星月夜」の前でピストル自殺を遂げた。


森山の一人娘・雪絵こそ、蕗屋裕子だった。


裕子は徳田のするどい指摘に、徳田本人でないことに気が付く。


生き返ったとされていた徳田は、明智の変装だった。


あの日、明智が外出するところを見た文代(藤吉久美子)と
小林(小野田真之)は書斎から火が出ているのに気が付き
明智を救出していた。



黒真珠の美女・江戸川乱歩の心理試験


明智は裕子がいつも黒真珠をつけていたことが
喪に服しているという意味だとわかり裕子に目を付けだした。



裕子は本物のありかを知るために徳田の書斎に忍び込み
後頭部を殴り重傷を負わせたがその日は見つけ出すことが出来なかった。


アリバイを作るために、京都駅のアナウンスのテープを流し
徳田邸へ電話をしユミエにさも自分が京都にいるように偽装した。


徳田の意識が戻ることを恐れた裕子は病室へ忍び込むと
生命維持装置を切り徳田の死亡を見届けてからもとに戻して出ていった。


裕子は明智に三日前に徳田邸へ行った時屏風に傷はなかったといったが
宍戸が屏風を納品したのは徳田が襲われた当日で三日前に書斎にあるはずがなかった。
屏風の傷は、徳田が襲われたときに爪でひっかいたものだった。



ユカと姉妹のように親しかった裕子はその後たびたび屋敷を訪れて
価値のない絵が良い場所に飾られているのに疑問を持ち
その裏に隠されていた「星月夜」をついに見つけた。


徳田が襲われた日、裕子からの電話を受けたユミエは
見れるはずもない屏風について裕子が知っていることに疑問を持ち
時刻表を調べてアリバイトリックを見破った。


屏風は徳田が襲われた日に宍戸によって届けられ
事件発生後は警察に押収されていたのだ。


ダイヤが改正される以前のテープを裕子が使ったことで
ユミエにトリックがバレてしまったのだ。


最初の犯行でアリバイ工作に苦労した裕子はアリバイがいらない
殺害方法でユミエを殺した。
彼女がピルを常用しているのを知り、青酸化合物を混ぜてユミエの口をふさいだ。
裕子はユミエが宍戸と関係しているのを知っていて、彼に容疑を着せようとする。



万事うまくいったと思った裕子だったが、思わぬところで殺したくない相手までも
殺さなくてはいけない状況に陥った。



二人が殺され次は自分の番だと恐れたユカを裕子は自宅で面倒を見ていた。
部屋でアルバムを見ていたユカは、裕子が父と一緒に「星月夜」の前で
撮影した写真を見てしまった。


ユカだけは殺したくなかったが、またしても青酸化合物を使いユカを殺害する。


「星月夜」が二枚あることを知っているのは自分だけだと思った裕子は
鑑定後偽者をオークションに出品し、富と名声を得ようとした。


そして、最後は明智の口も封じようとしたが、最後にとどめを刺さなかったことで
自分の犯行を暴かれてしまう。


十八年におよぶ父の復讐を遂げた裕子は死を覚悟していた。
彼女は父と同じく用意していたピストルで自殺をした。


黒真珠の美女・江戸川乱歩の心理試験



倒れた裕子を抱きかかえ、明智はオークション会場を後にする。









やはり美女シリーズは前半が面白かったなぁ。
終盤は映像こそ洗練されているが、何度も見返したくなる作品はない。


そういう意味ではチープ感漂うあの独特の雰囲気があった
梅次時代はいつ見ても楽しめてスゴイ世界観だったなと感心する。









美女シリーズ 記事一覧


1. 「氷柱の美女・吸血鬼」

2. 「浴室の美女・魔術師」

◆ 浴室の美女・江戸川乱歩の「魔術師」ぺりぺりタイムとファッション

3. 「死刑台の美女・悪魔の紋章」

4. 「白い人魚の美女・緑衣の鬼」

5. 「黒水仙の美女・暗黒星」

6. 「妖精の美女・黄金仮面」

7. 「宝石の美女・白髪鬼」

8. 「悪魔のような美女・黒蜥蜴」

9. 「赤いさそりの美女・妖虫」

10.「大時計の美女・幽霊塔」

11.「桜の国の美女・黄金仮面Ⅱ」

12.「エマニエルの美女・化人幻戯」

13.「魅せられた美女・十字路」

14.「五重塔の美女・幽鬼の塔」

15.「鏡地獄の美女・影男」

16.「白い乳房の美女・地獄の道化師」

17.(1)「天国と地獄の美女・パノラマ島奇談 ≪前編≫」

17.(2)「天国と地獄の美女・パノラマ島奇談 ≪後編≫」

18.「化粧台の美女・蜘蛛男」

19.「湖底の美女・湖畔亭事件」

20.「天使と悪魔の美女・白昼夢」

21.「白い素肌の美女・盲獣」

22.「禁断の木の実の美女・人間椅子」

23.「炎の中の美女・三角館の恐怖」

24.「妖しい傷あとの美女・陰獣」

25.「黒真珠の美女・心理試験」





            
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