2017/08/24
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

2017年08月24日

        

「孤独の密葬」 (1985年) 森村誠一

category - 土曜ワイド劇場
2017/ 08/ 24
                 
●「孤独の密葬・九官鳥が見た!
内科医とハイミスの性と愛」  1985年8月24日
原作: 森村誠一  『孤独の密葬』  殺意を飼う女収録
脚本: 長野洋
音楽: 小川よしあき
監督: 渡辺祐介
制作: 松竹
出演: 中野良子、宮下順子、黒沢年男、
岡本富士太、左時枝、長谷川明夫ほか


翻訳をしている独身の礼子(中野良子)は、
騒音に悩まされていて仕事に集中できなかった。
そこへいい物件が見つかったと
不動産屋の山田(三角八朗)から連絡を受け
内見に行った。




まだ前の住人が引っ越しの準備をしているところだった。
彼女は西沢満智子(宮下順子)といい、
礼子と同郷で年齢も同じくらいで、
互いに独身ということから
意気投合してしまいその日のうちに
飲みにいくことになった。



孤独の密葬

彼女は九官鳥の九ちゃんと暮らしていて、
独身の満智子に「マチコ アイシテル オカエリ」などとおしゃべりをしていて
いい話し相手になり孤独を紛らわせてくれる存在のようだった。


満智子は惚れやすい性質で、
これまで男を愛しては捨てられるが
男なしではいられない生活だと話した。
人にいいたくない過去を持っている雰囲気だったが
打ち解けてくると、思い切って言っちゃおうかなといい
過去に自殺未遂をした経験があることを打ち明けた。


グデングデンに酔った満智子は泣きながら
礼子に友達よ、そばにいてと抱きつかれた。
寂しさを抱える礼子は満智子の気持ちが痛いほどわかり
しっかりとそれを受け止めた。


1週間後、礼子は引っ越した。
押し入れの中には満智子が処分し忘れていった新聞の束があり
そこに未開封の満智子宛の手紙が挟まれていた。
礼子は満智子の新居に電話するが誰も出なかった。

孤独の密葬

満智子はある男性と会っていたからだった。


そんなある朝、満智子から電話がかかってきて
今夜八時に飲みに行った店で会おうということになった。
話したいことがあるけど、それは会ってからのお楽しみと
以前と違ってとても嬉しそうな様子だった。
礼子が八時に店で待っていたが、満智子はいつまで待っても現れなかった。


その頃、満智子は男と会っていた。
途中、礼子との約束を思い出したが
後日謝ればいいと思いそのままやり過ごしたが、
その夜、満智子は男に睡眠薬を飲まされ
首を吊られ自殺に見せかけて殺されてしまう。






約束をすっぽかされた礼子は当然面白くない。
だが新聞で満智子が死んでいる記事を読んで驚いた。


通夜には郷里から姉(左時枝)が出てきていただけで
身寄りが少ない満智子の通夜は寂しいものだった。
警察はひと月前にも満智子が同じ場所で自殺未遂をしていたことから
今回も自殺であると思っていた。

そこへ大杉(長谷川明夫)が弔問に訪れた。




礼子は満智子が飼っていた九官鳥を引き取ることにした。
だが、環境が変わって九ちゃんはおしゃべりを一切しなくなっていた。
礼子が満智子宛の手紙を開けて読んでみると
それは男からのラブレターだった。

ふたりがかつて行った思い出の場所
”マントの穴”で会いたいと書き綴られていた。



手紙を読んだ礼子はその場所こそ満智子が死んだところでと
思い現地を確認しようとした。
図書館で行き、マントの穴がかしわ台近辺にあると知り
早速行った。

 
孤独の密葬


礼子が満智子が死んでいた場所に行ったときに
「どんぐり愛好会」のチラシが落ちていたのを拾い上げた。
さっそく連絡をとり近々行われる会に参加してみることにした。
そこは女性たちが多く、遅れて桜田(黒沢年男)という医師が来た。


満智子はどんぐり愛好会に入ると、次のイベントに参加した。
桜田も来ていて、礼子にも親切にしてくれた。
森林浴目当ての若い女性たちと話すうちに、銀行員の男が最近結婚をしてから
集まりに来なくなっていたことを知る。
気になった礼子は男の勤め先の銀行で、退社してくるところを待ち伏せた。
どんぐり愛好会に参加していた男は、通夜であった大杉だった。

大杉がどんぐり愛好会に入っていて
”マントの穴”の存在を知っていたことから
あんな手紙を書けるのは大杉しかいないと思った。

大杉は確かに自分はマントの穴も知っているし、かつて満智子と恋仲になり
マントの穴でデートをしたこともあり、一度目の自殺の原因は自分であったが
今回の事件とは何の関係もないし、手紙も自分が書いたものではないという。

気になった礼子はどんぐり愛好会に行き、大杉が書いた原稿を借りて
手紙との筆跡鑑定をしてみたが、ふたつの筆跡は一致しなく
明らかに満智子への手紙は別人が書いたものだった。




礼子がどんぐり愛好会のイベントに参加していると
桜田が大杉の何を探っているのか聞いてきた。
礼子は桜田にこれまでのことを何もかも説明した。


孤独の密葬

その夜、二人きりで会うと手紙を見せ
なんで知り合って間もないのに
満智子のためにこんなに熱心に調べるのか
正直な思いを語ると、桜田は明日休みを取るから
二人で納得行くまで調べましょうと言って別れた。


翌日、礼子が満智子の引越先や、仕事関係、
などを回って調べるのに桜田が付き合ってくれたが
これといった収穫はなかった。
満智子と行った馴染みの飲み屋へ二人でいくと
マスターが礼子を覚えていて満智子がたまに
行きずりの男とどこかへ行ってしまう事があったと
話しそれを聞いた礼子は自分と満智子を
重ねてみじめになった。


孤独の密葬

礼子は桜田に、もう満智子のことを調べるのはやめると言うと、
桜田は礼子にブローチをプレゼントしてくれ
二人は車の中でキスをすると別れた。



礼子は満智子の故郷へ行き、墓参りをした。
住職(桑山正一)がきて、満智子の思い出話をしてくれ
ここで満智子が病院の事務員をしていた経歴があり
愛した男を追いかけてやめてしまった過去があるというのを知った。


礼子と暮らすようになり、今の環境に慣れてきたのか
失語症になっていた九ちゃんがしゃべるようになってきた。
礼子が今度は礼子愛してるというのよ、といったが
九ちゃんには通じなかった。


ある日礼子が桜田の勤めている病院に電話をすると
看護婦が出たので桜田を呼び出してもらおうとしたところ
九ちゃんが「サクラダ センセイ」と喋りハッとした。

礼子の言葉は覚えず、満智子が教えていた言葉しか覚えてなかった。
その九ちゃんが桜田の名前をしゃべった。
偶然の一致かと思ったが、どうもひっかかるものがある。


調べてみると桜田は満智子が勤めていた病院で働いていたことがあった。
桜田と満智子はここで恋仲となり、病院をやめた桜田を追って行った。



孤独の密葬

礼子は桜田を連れ出すと、
満智子が死んだマントの穴へ行き
満智子が昔病院に勤めていた時愛していた医師がいて
それが桜田だろうと問い詰めるが桜田はシラを切る。



だが、礼子のバッグの中から九ちゃんの
「サクラダ センセイ」という声が聞こえてきて
バッグを拾い上げた礼子は九ちゃんの声が入ったテープを止めると
満智子が飼っていた九官鳥の声だというと
桜田はついに何もかも話した。




満智子は好きな男の事はとことん知りたくて
自分の前から桜田が姿を消したあと
桜田のことを調べあげてニセ医者であると知った。
桜田はそれがバレるのを恐れて
ひとつの病院前長居しなかった。

そして偶然にも満智子は桜田と再会した。
満智子はニセ医者である秘密も知ってしまい
桜田から絶対に離れないという。

桜田の方も満智子が男出入りが激しい事や
自殺未遂についても調べて
この女とは結婚できないと思った。


桜田は満智子殺しを知った礼子を殺そうとした。
礼子は逃げようとしたが、桜田に捕まってしまい
馬乗りになって首を絞められた。
だが、礼子を殺せなかった桜田はそのまま身を投げて死んだ。


桜田はみなしごだった。
知り合いの医者の家へ引き取られるうち見よう見まねで
医者の真似事をし、本当の医者以上に医者らしく振舞おうと
押し入れの中は医学書でギッシリ埋まっていた。
あのラブレターは桜田が書いたものではなかった。


礼子が家で仕事をしていると、ラブレターの謎が解けた。
それは、孤独な満智子が思い出をたどり自分へ書いたものだったのだ。


孤独の密葬

礼子は他の誰にもわからなくても自分だけはあなたの気持ちがよくわかると思った。
男に走る満智子、自分に素直になれなくて強がってしまう礼子。
タイプは違うがふたりの中にある孤独は同じものだった。


満智子が死んでしまっても気持ちが通じ合えた礼子は、
九ちゃんを連れて満智子の墓参りへ行く。









土曜ワイドで中野良子が美人扱いされていて違和感があったのだが
数年前に田宮二郎の「白い影」(1973年)で看護婦姿の中野良子を見たとき
初めて結構キレイだったんだと思いました。



孤独の密葬 中野良子


今回もこの入浴シーンで見せた表情の時に、それを感じました。


このドラマでは寂しくて男性に頼りたいんだけどそれが出来ない
勝気なフリーの翻訳者を演じていてサバサバした役。
今回の役には適していてなかなか良かったです。




原作では翻訳者の主人公私がマンションに引っ越してきた後に
西沢満智子あてのラブレターが送られてきます。
内容はドラマと同じでこっそり読んでしまったことで
その後満智子の死を知り差出人が満智子を殺したと思い
事件の真相解明に乗り出す。

満智子は空き家で殺されていたがツユムシの死骸を握っていたり
ツル草が巻き付いていたことから犯行現場は
手紙に記されていたマントの穴がある場所だと推理する。

そこを調べ上げどんぐり自然愛好会のチラシをみつけ
菱井銀行に勤務する大杉正之が幹部の娘と結婚して
愛好会を退会していて疑う。

だが、チラシを見て連絡先だった相手桜田という
中年の妻子持ちの管理人の男が犯人だった。
私はそうとは知らず桜田に相談しているうちに
いつしか体の関係が出来てしまい桜田から金をせびられるようになった。

年齢的にも容姿も女としての魅力のない私は
桜田から離れられなくなってしまい言われるまま金を渡し続ける。

だが、ついに全財産を失い返済を迫るのだが
最後は私も殺されてしまい、満智子あてのラブレターも
寂しい女が自分で自分に宛てたものだとわかった。

主人公の死後その部屋には若い夫婦が入居してきた。
彼らは主人公宛ての手紙を受け取るのだが
幸せな若い夫婦たちは自分たちには関係ないと
手紙を開封せずに燃やしてしまった。



ドラマと違って原作はやりきれない。
原作の方は主人公が殺されるときに
桜田から金が目当てでそれがなきゃ
お前なんか抱かないとまで言われてますからね。


ドラマの主人公礼子は寂しい独身女性ながら
パワフルだし、最後犯人の桜田も彼女を殺せなく
自殺を選んだという救いのある終わり方だった。





            
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