2017/09/04
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

2017年09月04日

        

「第三の女」  (1982年) 夏樹静子のフランス犯罪推理大賞受賞作

category - 土曜ワイド劇場
2017/ 09/ 04
                 
1982年は7月から3か月間にわたり5周年記念作品が3作品放送されました。


7月が 「戻り川心中・涙で捧げる天才犯罪」


8月が 「透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻」



最後が「第三の女」でした。



●「第三の女・箱根富士山-マドリッド古城、
謎の殺人契約・愛されて死にたい」」  1982年9月4日
原作: 夏樹静子  『第三の女』 
脚本: 柴英三郎
音楽: 大野正雄
監督: 永野靖忠
制作: 東映
出演: 天知茂、樋口可南子、あべ静江、山形勲、
加藤武、ポール・ナチー、ラ・ポーチャほか


マドリッド大学の衛生学研究室で助教授をしている
大湖浩平(天知茂)は、上司の吉見教授(山形勲)に
激しい殺意を抱いていた。

吉見は食品カビの権威だが、食品会社に買収されて
その会社の製品を食べて小児ガンになった事件の
調査結果を捻じ曲げて報告していたのだ。


第三の女

ある日、大湖は友人の別荘で開かれた仮装パーティーに出かけて
鮫島史子と名乗る女と出会う。

強く引き合うものを感じた二人は、仮面のまま情熱のひとときを過ごす。

そして”殺したい人間がいる”という共通の秘密があることを知った。

史子の相手は箱根のホテル経営者の娘永原翠(樋口可南子)で
翠は二年前に史子の愛する男を殺したのだが
証拠がないまま未だに罪を逃れているという。

数日後、吉見が自宅で毒物を飲まされて死亡した。

大湖は史子の犯行であることを確信した。

さらに数日後、大湖の基に箱根のホテルが移っている絵ハガキが届いた。
今度は大湖の晩であることを彼女が要求しているのだと思った。



第三の女

大湖はためらわずに日本へ向かい、翠を殺す。










福岡に住む大学助教授の大湖浩平は学会でパリに来ていた。
いよいよ明日が帰国という時になって大湖は
晩秋のパリ郊外バルビゾン村の古びた小さなホテルを訪れたが
嵐と雷で停電となった。
その暗闇の中で東京から来たというひとりの日本人女性と出会った。

彼女は二年前からある女に殺意を抱いていた。
その心の冷たい驕慢な女はある男を殺したのだが
警察でも証拠がつかめずに罪から逃れているのだという。

大湖はとっさに「おんなじだ・・。」とつぶやいてしまった。


大学で同じ研究室にいる吉見昭臣が企業と結託して
そこの重大過失を見逃そうとしていることで殺意を抱いていた。
ある製菓会社が作ったポピッコという菓子を食べた
子ども達がガンに罹り補償を訴えているのだが
業者と癒着しニセの分析結果を提出したことで
それを逃れている。


大湖の大学はその地方でも権威のある国立大学で
力のない被害者たちは太刀打ちできない状況にあるのだ。

大湖は吉見に激しく抗議するとアラスカの片田舎の
大学の助教授に飛ばそうとしてきた。




女は鮫島史子と名乗り東京に住んでいて
火曜と金曜の午後から六時までは
オフィスにいるがそれ以外は自宅で翻訳の仕事をしているという。
彼女が殺したい女は箱根湖尻にある
エメラルド・ビューホテルの経営者の娘永原翠であるという。


二人はお互いの顔も見えない暗闇の中で情交した・・・。


大湖は自分が吉見の下で働いている大湖だと名乗ったが
史子は詳しく自分のことを話そうとする大湖の言葉をさえぎり
それ以上は、お互いのことがわからないまま史子は部屋を出て行ってしまった。



大湖は恩師の娘である妻の志保子と二人の娘と暮らしていた。
吉見は自分に刃向かってくる大湖をわずらわしく思っていて
かねてより進められていた大湖のアラスカ転勤を
年内中には返事をしてほしいと言ってきた。



研究室には福岡にある緑園エステートの水島なる人物から
不動産物件について打ち合わせしたいという手紙が来ていた。
大湖はまったく心当たりがなく水島に連絡を取ってみると
津川と名乗る大湖の秘書のような女性から
大湖が物件を探しているという依頼があったらしい。

それが鮫島史子であるような気がして大湖は
翌日の夕方、水島と会うことになった。
水島のもとへ津川から大湖と約束がとれたことの確認のような電話が入った。
だが、水島との会った日は特に変わったこともないまま終わる。


翌朝、志保子が西部新報の津川と言う女性から大湖あてに
電話があったと言ってきた。
今日の午後二時に県立図書館の郷土関係の閲覧室で
二時間ほど会う約束なのでその確認だということだ。
大湖にはこれも心当たりがないことだったが
津川なる女性からのメッセージで
午後の二時に指定の場所に行くことにした。

大湖は見たこともない津川という女性に史子を重ね
彼女がつけていたゲランの香りを思い出すのであった。

図書館はよく専門書を閲覧したり職員にコピーを
お願いすることもあり係りのものとは何人か顔見知りになっていた。
大湖は二時間ばかりいたが会いに来るものはいなかった。

史子が姿を現さなかったことで失望の気持ちが出てきた大湖は
珍しく近くのホテルのラウンジで一杯飲んでから帰宅した。

すると研究室から電話が入り、吉見が自宅で殺害されたという。
吉見教授と敵対している大湖も警察から話を聞かれたが
その時間彼にはアリバイがあった。
それは津川なる女性が作ってくれたものだった。



警察は殺される前の晩、結婚パーティーに出席した吉見と
見知らぬ若い女が二人きりで話していた事実を掴む。
この頃も同時刻に大湖は水島と会っていた。
やはり津川は鮫島史子だったのだ。

警察が吉見殺しの容疑者も絞りきれないまま、新たな年が明けた。
大湖の家に届いた年賀状の束の中に
箱根のエメラルドビューホテルからの絵葉書があった。
大湖は吉見は自分が殺した、次はあなたが翠を殺す番だという
史子からのメッセージだと受け取った。

大湖は帰国してからもバルビゾンの小さなホテルで
わずかな会話と体を重ねただけの史子の存在が頭から離れなかった。

大湖は翠殺害の準備で彼女の身辺を探るのと同時に
史子の正体もつかみたい衝動に駆られる。
翠は何年か前まで東京にいたが箱根に戻ってきて
たまにピアノを弾いている。
茜という腹違いの妹がいることもわかった。



あの日史子が言っていた「二年前」と「ガスストーブ」を
キーワードに図書館の新聞の縮小版を調べていくうちに
翻訳家の久米倫也がガス中毒死していた事件を探り当てた。
久米には悠子という当時27歳になる妻がいた。
翠とは不倫関係にあり事件も翠が行った殺人ではないかという
見方がされていたようだが決め手がないまま過ぎていた。
悠子が史子の正体ではないだろうか。


悠子は火曜日と金曜日は鎌倉の会社で働いている。


大湖は何度か箱根へ行き翠の生活を調べ上げ
ある日車で出かけようとガレージに来たところを
襲いナイロンストッキングで絞め殺してしまう。


史子にもう一度会いたいという気持ちを抑えられなかった大湖は
悠子が北鎌倉に引っ越していることを調べて
ご主人の知り合いだと偽って連絡を取り麻布のホテルに呼び出し
夫から預かっていた本を渡すことを理由にホテルの部屋に連れ込むと
ふたりにしかわからないあの晩の話の続きをした。



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日本人で初めてフランス犯罪小説大賞を受賞したといわれる
夏樹静子の「第三の女」のドラマ化。




新幹線殺人事件と美女シリーズ18作の放送を終えた
天知茂の土ワイ出演20作品目という節目の作品でもありました。



小説は1978年に発表され、ドラマは1982年に放送されました。
その後1987年に英訳1989年に仏訳されてから
フランスの犯罪推理大賞を受賞という流れになっています。




簡単なあらすじしか書いていませんが、フランスの片田舎にある
小さなホテルで嵐の晩、停電が起こりその暗がりの中で
日本人の男女が偶然出会う。

ふたりにはそれぞれ殺したい人間がいて
鬱々とした思いを秘めて暮らしていたが
女がふともらした一言をきっかけに
顔や姿が良く見えないままなぜか分身のような感情をもち束の間の情事にふける。
このあたりの描写は夏樹静子らしさが感じられた。


非日常的な男女の出会いの場をフランスにしたことで
ミレーやクールベ、モーパッサンなどの
芸術関係のワードなどがちりばめられて
異国情緒たっぷりな大人のロマンスを演出しています。
互いに素性をきちんと知らないのに何故か忘れられない
存在となり、この愛とも同士ともいえない危うい関係が
”殺意”を仲介しているがために哀しささえ感じさせます。


フランスで出会った二人が、その後福岡と箱根で交換殺人を行う。
バルビゾンで出会った謎の女の正体は誰なのか
最後に意外な人物が明かされるというミステリーとしても読み応えがある。


ドラマのほうを先に見ていたので、記憶が薄れているといいながらも
読んでいるうちに”第三の女”が誰なのかはすぐに思い出してしまいました。


意外性のある結末がみどころです。

しかし、ピアスの穴に目をつけたとは
女性らしさが感じられるなと思いました。







原作ではフランスから始まり、福岡、箱根での殺人なのだが
ドラマではスペインと箱根という風に設定が変わっています。


確か、樋口可南子が二役をやっていたような記憶があります。
それと -LA TERCERA MUJER-と書かれていたはずですが
これ何の意味だったのでしょうか。


第三の女

区切りの五周年記念のドラマとあってスペインロケを敢行。
国際俳優ポール・ナチーとラ・ポーチャと箱根ロケも行い
パーティーでは天知茂の歌う黒田節に合わせて
ラ・ポーチャがフラメンコ風黒田節を踊る親善ムードだったとか。




            
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