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2018/06/25
2018/06/18
2018/06/15
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

2018年06月

        

「墓場から生きかえった男・二人妻、父親殺しの疑惑の果てに」 (1988年)  生き返った男シリーズ第二作

category - 土曜ワイド劇場
2018/ 06/ 25
                 
父親殺しの濡れ衣を着せられた男が真犯人を追う。


三浦友和の「生き返った男」シリーズの第二作目。



●「墓場から生きかえった男・二人妻、父親殺しの疑惑の果てに」  
1988年6月25日
脚本: 柏原寛司
音楽: 有馬徹とノーチェ・クバーナ
監督: 西村潔
制作: 松竹芸能
出演: 三浦友和、白都真理、田中美佐子、角野卓造、
石橋蓮司、中島葵、中村竹弥、石橋雅史ほか



墓場から生きかえった男





山岳写真家の宮崎彰(三浦友和)は妻のレイコ(白都真理)と二人暮らし。
彰の父・源造(中村竹弥)は宮崎グループの社長で、
アンデスの山を撮影するための費用五百万円の援助を申し込みに行くが
けんもほろろに断られてしまった。



墓場から生きかえった男


それから七日後、源造が自宅で頭を割られて殺され、
金庫から六百万円が盗まれた。




現場には彰が吸っているラッキーストライクの吸い殻が残されており、
そこから彰の指紋と同じO型の血液型が検出され、
自宅のゴミ箱からは凶器のブロンズ像も発見された彰に容疑がかかった。



彰はすぐに警察に捕まるが、車で移送中にスキを見て逃げ出すと秩父山中に身を隠した。
彰の兄・俊光(角野卓造)が警察に心当たりの隠れ場所を助言したこともあり、
彰は山狩りから逃れる途中で崖から落ちて死亡し山に埋葬される。



墓場から生きかえった男




レイコはもともと俊光の婚約者であり、死体を埋葬した帰り道、
レイコは俊光から強引に誘われよりを戻してしまう。





埋葬された彰は棺桶の中で落雷のショックで奇跡的に蘇生し、
通りがかりの陶芸家・山脇洋子(田中美佐子)に助けられる。
だが、彰は記憶を失っていて洋子の家へそのまま転がると、
夫婦同然のような生活を送るようになった。


墓場から生きかえった男




一年が経ち、彰は停電したエレベーターに乗り合わせたことで、
失っていた記憶を取り戻した。
洋子に妻がいたことを告げると彼女のもとを去り、
簡易宿泊所に身を置きながら源造の事件を洗いなおした。



墓場から生きかえった男



源造は好き勝手に生きている彰にはつらく当たっていたが、
宮崎開発の常務におさまっていた俊光は可愛がっていた。



ところが父の死後社長には俊光でなく専務の山本則彦が就任し、
俊光は常務から専務に昇進しただけだった。
このことは父の遺言らしいことを知り驚きを隠せなかった。
さらに俊光はレイコと結婚式をあげていた。



墓場から生きかえった男



俊光の妻となったレイコと再会した彰は、部屋に置いてあった写真集から
”亮子”という女からの手紙が入っていたことを知らされた。
彰には全く心当たりがない話で、何者かがレイコに彰の浮気を疑わせ
気持ちを離れさせようと細工しているのだと考えられた。


墓場から生きかえった男





源造の殺害現場から発見されたタバコの吸い殻など、彰が犯人だと偽装できる人物は限られている。
撮影費用の融資を申し込みをしに宮崎開発へ行った日、彰はラッキーストライクを吸った。


墓場から生きかえった男



部屋には源造の他に秘書の桃井と懇意にしている祈祷師・宮田例月(石橋蓮司)がいて、
彰が帰ったあとに吸い殻を持ち出すことは可能だ。



宮田を疑った彰が自宅へ行ってみると、そこにはかつて源造の愛人だった料理屋・松島の女将(中島葵)がいた。
女将は宮田とデキていたのだ。
彰は二人がグルになっているとわかり、源造殺しとその容疑が彰にかかるよう細工をしたことを白状させた。
亮子という名で手紙を書いたのも俊光に頼まれた女将の仕業だった。
ふたりは俊光から金で雇われた協力者にしか過ぎなかった。




墓場から生きかえった男




すでに俊光はレイコから彰が生き返ったことを聞き、宮田に彰を始末させようとしていた。
彰はその宮田に自分を殺し損ねたと俊光に報告させると、
俊光がいるオフィスに向かった。


彰を見た俊光は一応驚いては見せたものの、聞かれるがままに真実を話した。


事件があった日、俊光は源造の口から初めて彰を社長にするつもりだと聞かされた。
優等生の俊光には経営者は難しく、自分に歯向かってくる彰をかっていたのだ。
まず彰を社長に据える前に一時的に専務の山本を社長に就任させると明かされた。



てっきり自分が次期社長になると確信していた俊光はこの仕打ちに我慢できず、
とっさに近くにあったブロンズ像で父の頭を殴りつけて殺した。
松島の女将に犯行時刻に店にいたとニセのアリバイを証言させ、
彰のタバコを残して容疑者に仕立て上げた。



墓場から生きかえった男



犯行を認めた俊光だが、今の満ち足りた生活を失うつもりはなかった。




彰に襲い掛かるとオフィスの窓から突き落とそうとする。
抵抗する彰と格闘しているうちに、勢い余って俊光の体が窓から投げ出されてしまう。




子供の頃、山で自分の命を救ってくれた俊光の腕を掴んで体を引き上げようとするが、
俊光はもういいんだと生きることを諦め彰の手から自分の手を離して地上へと落ちていった。




墓場から生きかえった男


彰が俊光のオフィスにいると知らせを受けたレイコは警察に通報していた。
警察とともにレイコもオフィスに駆けつけていて、彰はレイコが俊光の子供を身ごもったことを知らされた。



彼女のもとから去った彰は洋子のところへと帰って行った。


墓場から生きかえった男




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クライマックスであるアクションシーンはどうやらビルの九階で撮影されたようだ。

窓の外にぶら下がっている、アクションとは無縁の角野卓造は
命綱をつけながらも緊張で全身がガチガチになったとか。


一方、部屋の中から角野の腕を握りしめていた三浦友和は、
高所が得意らしい。





************ 関連記事 ************


◆ 「白の処刑・絞首台から生き返った男」

「墓場から生きかえった男」

「地底から生き返った男」








            
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「古代舞の女・奈良古墳殺人事件」 (1988年)  黒川博行 『八号古墳に消えて』

category - 土曜ワイド劇場
2018/ 06/ 18
                 
笑福亭鶴瓶が関西の人情刑事を演じる。
ペアを組むのは古谷一行。



●「古代舞の女・奈良古墳殺人事件・
クロ・マメ刑事飛鳥路を走る!」  1988年6月18日
原作: 黒川博行  『八号古墳に消えて
脚本: 安倍徹郎
音楽: 渡辺兵夫
監督: 瀬木宏康
制作: 松竹芸能
出演: 古谷一行、笑福亭鶴瓶、佳那晃子、山本亘、
入川保則、海原小浜、菅貫太郎、堀永子ほか



大阪文科大学史学科の教授・浅川亮介(大河内範泰)が、
富田林の古代住居跡から死体で発見された。
浅川は泥酔していて、現場の泥水を飲んでいたことから
事故死という見解が下された。




他殺の線もあるとみて念のため大坂府警の黒木憲造(古谷一行)と
亀田淳也(笑福亭鶴瓶)は浅川の研究室に行きテレビの講座番組も持っている
余沢清(菅貫太郎)、浅川の姪の夫・今村浩郎助教授(山本亘)から聞き込みを行った。





黒木はそこで高校時代の恩師秦野の娘・史子(佳那晃子)が
浅川の助手をつとめているのを知った。
史子は父が踊っていた久米氏の古代舞を引き継いでおり
黒木はその練習稽古場へも一緒に行った。
十八年前の昔話にしばし花を咲かせて秦野を懐かしんだ。


古代舞の女・奈良古墳殺人事件



浅川は生涯独身であったが、そのわけを史子から聞いた。
秦野と浅川は昔、ひとりの女を巡り争っていた。
女は秦野と結婚し、破れた浅川は生涯独身を貫いた。
秦野と女の間に生まれたのが史子で
驚いたことに秦野と妻は同じ日に死亡していることが分かった。



黒木たちが研究室を訪れた時、やぐらから遺跡発掘現場を撮影していた
研究員の植田が墜落する現場に遭遇した。
立て続けに同じ大学から二人の死亡者がでたが
植田の死は誤って転落しただけの事故死とみられた。



その後の捜査で、退職間近の浅川は、文化財研究所の所長に内定しているという
噂があり、その椅子は余沢も狙っていたとあって毒舌家で変わり者の
余沢にきな臭いものを感じる。


古代舞の女・奈良古墳殺人事件

亀田は事故死とみられた植田の体が落ちる前に跳ねたのがきにかかり
近くの事務所から配線をやぐらにつなぎ、植田が鉄の手すりに手を掛けたところで
何者かが配電をいじり電流を流しそのショックで墜落したのではないかと推理した。


現場に行ってみたが黒木はあのときそんな目立つ配線は見かけなかったし
配線を埋めてあった痕跡もみられなかった。


そこへこの土地の所有者の会社のものがやってきた。
ここは宅地の造成中だったが遺跡が発掘され工事が中断して迷惑していた。
だが今回の事件でもうここを掘り起こしてはいけないということになり
工事が再開されることになったとホッとした表情を見せた。



一時は事故死とみられた植田の死だが、彼が撮影していた写真には
配電盤のある事務所からやぐらまでビニールシートが敷き詰められていて
亀田の推理に信ぴょう性が出てきた。

古代舞の女・奈良古墳殺人事件



おそらく感電したショックで植田は落ちたのだろうが
まだ犯人の目星もつかず証拠もこれだけしかない。


そんな中、余沢が行方をくらました。
自宅の焼却炉からは焼け焦げた配線が、壺からはペンチが見つかり
植田殺しは余沢の可能性が大きくなってくる。


 
エキセントリックに見える余沢だが、妻の話では非常にマメな性格で
自宅からは日にちごとにその日の出来事が詳細に書かれた
日記のようなカードが大量に出てきた。


その中には、岡部不動産と窪池遺跡発掘にあたり
不動産業者と考古学教室の隠されたつながりを匂わせるような記載があった。




古代舞の女・奈良古墳殺人事件



黒木らが所属する班の班長宮元英治(入川保則)は余沢クロ説をおすが
几帳面な性格の余沢があんな証拠を残すのは不自然だと黒木と亀田は感じた。



余沢のカードには「秦野夫妻自決」の文字があり、気になった黒木は
史子に事情を聴きに行った。
十二年前、秦野は剣を振りかざし、妻を殺し自分も自殺した。


秦野は恋の勝利者にはなったが、学問的には浅川に負けた。
その後秦野の妻は浅川と関係を持ったのが原因ではないかと史子は話す。
浅川はその贖罪意識から史子が京都の大学を卒業後に彼女を今の大学の助手に迎えた。



黒木は亀田の家へ行き、母のハツノ(海原小浜)と三人鍋を囲みながら
十二年前の秦野夫妻の心中事件について話した。


古代舞の女・奈良古墳殺人事件




亀田の方は遺跡が出ると工事が止まり、利息だけで一日何十万円かかり
不動産業者は関係者を丸め込もうとするが、浅川と余沢は頑として応じず
彼らに恨まれていたことを話した。
余沢はこの動きに巻き込まれてしまったのか捜査を進めることにした。


そして奈良県警から余沢の死体が発見されたと連絡が入った。
宮元はあとは余沢の逃亡を助けた者をみつけるだけとし
あくまでも余沢犯行説を支持している。
黒木たちは次の会議の前に、なんとか真相に近づく証拠を見つけたいと画策する。



そこへ、黒木が秦野の論文を持っていることを知った史子から連絡が入り
黒木は会いに行った。


黒木は浅川と余沢が学者としては優れた能力を持っていたと評価していた。
秦野はふたりがいつか自分の論文を世に送り出してくれるものと信じていたが
余沢は秦野の論文が子供じみていて盗作の疑いがあると
その根拠を細かく例をあげてカードに書き残していた。


古代舞の女・奈良古墳殺人事件




それを知った史子はこれまで見せたこともない怒りを見せ
余沢のカードを破り捨てると余沢と浅川の意見を支持した黒木に
別れを告げて去って行った。



解剖の結果余沢の死は凍死によるものと判明した。
彼の両手の爪は潰れていて前歯が二本折れていた。
宮元は余沢は山中に逃げ込んだが、道に迷い疲労と空腹で
そのまま凍死したと会議で発表する。


しかし、空腹だったなら余沢の胃の中には木の実など何かが残っているはずだが
雨水か泥水とみられるものしかなかった。


黒木はこれまでの余沢犯行説を否定するシナリオを発表した。

犯人は死亡者三人に恨みを抱いており、浅川と植田を殺しその容疑を余沢に着せた。
そのために植田殺害で使用した配線とペンチを余沢の家へ残した。
だが、焼却炉からは配線を燃やした痕跡はなく焼いた配線を
中に突っ込んだだけだったことが分かった。


犯人は余沢の身柄を拘束し、おそらく死体発見現場付近の古墳に閉じ込めたため
胃の中が空でプランクトンを含んだ雨水だけが残り、
なんとか外に出ようと土壁をえぐり爪が潰れていた。


もう脱出できないと観念した余沢は自ら前歯を折って
ダイイングメッセージを残した。
それは余沢のテレビの考古学講座でいっていた助教授の今村だった。



余沢のカードには今村が宅地の造成工事を再開させるために
不動産業者から二百万円を受け取っていたことが書かれていた。
このことで浅川が亡くなる前に、今村は浅川、植田、余沢の三人から
徹底的な追及を受けていた。
浅川は今村の解任と学会からの追放を宣言していたことが書かれていた。



黒木たちは今村に余沢の解剖所見の結果を話して
死体発見現場付近の古墳に監禁されていて
それがどこだか教えてほしいと揺さぶりをかけた。


案の定、黒木の予想通り今村は動き出した。


ところが、彼が車で向かった先のレストランには史子が待っていた。


古代舞の女・奈良古墳殺人事件




今村の意外な協力者の存在に、黒木はショックを受ける。
史子と別れた今村は車である古墳へ入っていきそこで逮捕した。



今村はまるでゲームで負けただけのようにアッサリと自供した。


彼は窪池の発掘責任者でもあり不動産業者や建設会社と深いかかわりを持ち
二百万円の金を受け取ったことを浅川、余沢、植田らに激しく責められ殺意を持った。
史子にその悩みを相談したところ、浅川と余沢を恨んでいた史子は
殺人のシナリオをたてこのプランに今村を誘った。



浅川は史子が泥酔させたあとに、史学科の倉庫に連れ込み用意しておいた
富田林の泥水を飲ませて殺し現場へ運んで事故死に見せかけた。


浅川が死にその後継者に植田がなりそうなこと、また今村が二百万円受け取ったことも
知っていたことから植田は今村が一人で殺した。


そして余沢を古墳が見つかったと史子が誘い出し、今村と二人で余沢を突き落とし
石でふたをして死んだのを確認してから証拠となるメモはポケットから取り出し処分した。


今村の供述を受けて史子を逮捕しようと、踊りが披露される会場へ向かった。
黒木は踊りが終わってから史子を捕らえようと配慮をみせる。
史子の方も黒木の顔を見て全てを悟り、父が大切にしていた久米舞を踊る。


古代舞の女・奈良古墳殺人事件

踊り終えた史子は、捕まる前に自ら命を絶った。








この放送の前にサントリースペシャル「猫目石ころがった」で
クロマメ刑事としてコンビを組んでいた古谷一行と笑福亭鶴瓶が
土曜ワイド劇場で一年三か月ぶりに再会。


古代舞の女・奈良古墳殺人事件

前回の撮影が終了してから、お互いにもういちどやりたいと思っていたとのことで
このドラマも息はピッタリ。
度を超す仲の良さを見せつけていたという事です。



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「幻の船連続殺人」


「京おとこ京おんな連続怪死事件」



                         
                                  
        

「赤頭巾ちゃん気をつけて」 (1970年) @神保町シアター 庄司薫のベストセラーの映画化

category - 昭和の日本映画
2018/ 06/ 15
                 
神保町シアターで「赤頭巾ちゃん気をつけて」(1970年/東宝)という映画を見てきました。



神保町シアター


6月9日(土)から7月6日(金)までの27日間
「七〇年代の憂鬱-退廃と情熱の映画史」というテーマで
70年代の作品が17作品上映予定となっています。



赤頭巾ちゃん気をつけて

私が見に行ったのは初日の6月9日、この日の2回目の上映作品でした。
本来は見に行く予定ではなかったのですが、
主演が岡田裕介ということで見てみることに。




赤頭巾ちゃん気をつけて



この人の存在を初めて知ったのが、1970年に東京12チャンネルでやっていた
「江戸川乱歩シリーズ明智小五郎」での小林芳雄役でした。


これが何年か前に東映チャンネルで放送されたんですね。


岡田裕介



”明智小五郎”というと土曜ワイドの天知茂のイメージが強くて、
初めは拒否反応があったんですが、見てみるとまた美女シリーズとは違った面白さがあり
すっかりハマってしまいました。


「江戸川乱歩シリーズ明智小五郎」は「美女シリーズ」が始まる前に放送されていたんですね。




東映チャンネルで江戸川乱歩シリーズを見た時は、
岡田裕介はこの時代に役者をやっていた脇役の人で、
あまり芽が出ずに役者を引退したんだろうなと思っていました。


ところが、元東映社長の岡田茂氏の息子で、わりとすぐにプロデューサーになり、
その後は東映の社長を経て、現在は東映グループの会長になっていることを知って
すごく興味を持ちました。




細身の体に、ものすごい濃い顔と独特の声が印象的。
石坂浩二に顔が似ている。



役者デビュー後、すぐにこの「赤頭巾ちゃん気をつけて」で主演をつとめました。

今回初めて知ったのですが、庄司薫という人のベストセラー
「赤頭巾ちゃん気をつけて」の映画化だそうです。





赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)


岡田裕介演じる主人公・庄司薫は原作者と同姓同名。
日比谷高校の三年生で、彼の語りで物語は進行していきます。


1969年2月9日、大学紛争で東大入試が中止となった薫くんは、
怪我で足の親指を負傷したり、愛犬ドンが死んでしまったり、
かねてから思いを寄せている同級生のガールフレンド由美(森和代)から
電話で「舌噛んで死んじゃいたい」と言われ、しばらくは絶交状態が予想され、
さんざんな一日になりそうだった。


病院では足の爪を剥されてしまい、しばらくの間は足を引きずる生活になりそうだ。
街に出れば知り合いのおばさん(山岡久乃)から、大学へは行かないと決意したのに
大学へ行くことを前提におしゃべりをされる始末。


だが、薫くんは、それを否定することもしなかった。
いつもそうだ。
由美の家に電話をかけるとだいたい彼女の母(文野朋子)の
他愛もないおしゃべりに付き合ってしまう。



足の爪を治療に行った病院で、女医がかがんで患部を見たときに、
ちらりと乳房が見えた。
薫くんは、全裸の彼女と抱き合う妄想に駆られるが、
治療室で彼女を襲うこともなく帰ってきた。



一日に二度は女を強姦したい欲求に襲われるが、
未だに童貞の薫くんは女を抱くチャンスがあってもそれをモノに出来ない。


同世代の男女が裸で抱き合うパーティーに参加しても、
その様子を部屋の隅で眺めるだけだ。
そして、そばにあったピアノを演奏して、同じようにその輪に加われない、
女の子たちと歌を歌うことしかできない。


幼馴染の由美とも、子どもの頃キスをしたり膨らんできた胸を見ただけで、
その後は手を握ることもない恋人とも友人とも言えない関係を続けている。


傷んだ足をかばいながら引きずるように街を歩いていた薫くんは、
幼い少女とぶつかってその場にうずくまってしまう。
少女は近くの喫茶店で母親が友人と話し込んでいて、
その合間に本を買いに来たのだと話す。


薫くんは彼女の手を引いてさっき出てきたばかりの書店へ行くと、
その子のために一番いいと思う「赤ずきんちゃん」の本を選んでやった。


ひとりになった薫くんは、由美とデートする。


薫くんは大学へ行くのを辞めたと言うと、
並んで歩く由美の手をそっととり、と二人は手をつないで歩いていった。






赤頭巾ちゃん気をつけて [DVD]



大学へ行くことを辞めた薫くんの二日間ほどを描いた映画。



主人公・岡田裕介さんの相手役・由美を演じたのは森和代。
ショートカットにほぼノーメイクのような透明感のあるみずみずしい容貌を持っている。

なんと、森本レオの奥さんになった方だとか。
若くして結婚引退したようで、今回初めてその存在を知った女優さんでした。




足を怪我した薫くんの家へ遊びに来る友人・小林には富川澈夫(すみお)。
この人は「太陽にほえろ!」にゲスト出演しているので初めて知った。
無理に思える長髪っぽい横分けが印象に残り気になっていた俳優さんだ。
「俺たちの旅」でも見かけたが、屈折した青年を演じているイメージがある。


今回も優等生の薫くんとは違い、小難しい哲学をお手伝いが薫くんの部屋に持ってきた、
和菓子をパクつきながら延々と述べるシーンが面白かった。


薫くんのベッドに寝っ転がると、和菓子が乗った盆を腹に置き、
最後は涙を流しながら熱い思いを切々と語る。



私が富川さんを最後に見たのは、90年代に放送された
土曜ワイド劇場の牟田刑事官シリーズでの刑事役だったが、
もうすでにお亡くなりになっていたんですね。


薫くんの母親は風見章子、すぐ上の兄に中尾彬。
中尾彬が若くて清潔感があった。





「赤頭巾ちゃん気をつけて」は音楽もとても良かった。
歌っているのは佐良直美で、映画にとてもマッチしている。


音楽と言うと、ピンキーとキラーズの「恋の季節」が演奏されていたり、
薫くんが立ち寄った飲食店のテレビで
いしだあゆみが「ブルー・ライト・ヨコハマ」を熱唱しているシーンが流れていた。


薫くんが電車に乗ったときに、なにかワケがあって涙を流していた乗客を
結城美栄子が演じていた。



今回の神保町シアターのテーマ「退廃」が感じられましたが、
それでいてどこかその中に甘い雰囲気もある。
音楽も耳に残る心地が良い映画でした。




岡田裕介さんも、薫くんのイメージにピッタリです。
彼の無機質な語りだが、それでいて時折見える感情の起伏のようなものがあり
独特のリズムを持っていた。








映画館内の壁に貼られていたブロマイド。


神保町シアター


ちゃんと岡田裕介さんのものもありました。



さて、神保町シアターでは7月7日から料金体系が変更になるようです。


赤頭巾ちゃん気をつけて


これまで一般は1200円でしたが、これが1300円となり、
平日3回目の上映のマチネ割引、水曜日のレディースデーが廃止。
代わりに水曜日はファン感謝デーとなり男性でも1000円で見れるようです。


毎月1日の映画サービスデー1000円と、ポイントカードは継続するとか。


男性にとっては水曜日が感謝デーになったことで
いつでも1000円で見れるようになるのは嬉しいのではないでしょうか。



料金改定といえばシネマヴェーラ渋谷でも7/21から変更があるようです。


これまで1500円の二本立てでしたが、一本立て入れ替え制で一般が1200円となります。