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展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

2018年10月

        

「ふたつの町のひとりの女・疑惑の花嫁・真っ赤な爪に誘われて…」 (1993年)  藤本義一 『ふたつの町のひとりの女』

category - 土曜ワイド劇場
2018/ 10/ 30
                 
土曜ワイド劇場の資料なんかを見返していると、まれにピンときて目に留まる回がある。
するとそれが再放送される確率が高いことに気がついた。


「ふたつの町のひとりの女」もなんだか気にかかって去年の10月に記事を公開してみた。


この時は、シリーズものではないし単発作品としても特に見たいと噂にあがるものでもないので
再放送される可能性はほぼないかなとも思っていたのだが、
なぜか突然3月4日にテレ朝チャンネルで放送され驚いた。





●「ふたつの町のひとりの女・疑惑の花嫁
真っ赤な爪に誘われて…」  1993年10月30日
原作: 藤本義一  ふたつの町のひとりの女
脚本: 橋本綾
音楽: 渡辺俊幸
監督: 出目昌伸
制作: 東映
出演: 桃井かおり、三田寛子、伊原剛志、
織本順吉、北村総一朗ほか




相馬丈二は東京近郊の中学で美術教師をしている。
ある日、叔父の黒田崇行(織本順吉)に頼まれて
小木康子(桃井かおり)という女を駅まで迎えに行った。



ふたつの町のひとりの女・疑惑の花嫁・真っ赤な爪に誘われて




康子を黒田家まで連れていった丈二はそのまま二人の婚姻の立会人となる。






町一番の大地主で資産家の黒田の結婚はたちまち噂の的となった。
しかも若くて派手な身なりの康子は静かな暮らしを営む人々にとっては異質で、
財産目当ての結婚だと好奇の目にさらされる。



役所に勤める中沢里美(三田寛子)は丈二に恋をしていて、
将来は一緒になる心づもりでいた。
康子の存在はそんな里美の心をかき乱し敵視するようになっていく。



ふたつの町のひとりの女・疑惑の花嫁・真っ赤な爪に誘われて



康子の登場をきっかけに黒田の家へ足を運ぶようになった丈二は、
ふたりがキャバレーのホステスと客として出会ったことを知って驚いた。
しかし、明るく無邪気な康子はそんなことは気にせず隠す様子もない。






水商売あがりの康子だが、丈二には二人の夫婦関係はうまくいっているように見えたが
康子が結婚の条件として第1と第3の土日に東京へ行き家を空けていて、
黒田がその事で後悔していることを知った。



ふたつの町のひとりの女・疑惑の花嫁・真っ赤な爪に誘われて




この時は二人の仲を心配した丈二だったが、明るい立ち振る舞いの康子との生活はにぎやかで楽しく、
いつしかそんなモヤモヤは吹き飛んでしまっていた。






そんなある夜、突然丈二の家に康子が押しかけてきて
パーティーをしようと料理を作りだした。
彼女の不思議な魅力にいつの間にか心を奪われていた丈二はまんざらでもない。



そこへ里美が訪れ気まずい雰囲気になるが相変わらず康子は意に介す様子もなく
酔った勢いで丈二と歌を歌い夜を楽しんだ。



ふたつの町のひとりの女・疑惑の花嫁・真っ赤な爪に誘われて



里美が酔いが回った二人を車で黒田の家まで送って行くと屋敷から銃声が聞こえた。






慌てた三人が屋敷に入ると、猟銃を手にした黒田が棒立ちとなり
タクシー運転手の飛田(立木三貴)が胸を撃たれて死亡していた。
丈二は飛田の死体を見た康子が一瞬笑みを浮かべるのを見逃さなかった。



ふたつの町のひとりの女・疑惑の花嫁・真っ赤な爪に誘われて




黒田は宮坂刑事(北村総一朗)に大川署まで連行されていった。




その夜、黒田は猟に出かけるために銃の手入れをしていた。
物音がして動物の気配を感じた黒田は誤って飛田を打ってしまい正当防衛を主張。
警察もふたりの接点がないことや、飛田がナイフを所持していたことから
処分保留のまま黒田を釈放することとなる。





しばらくして、丈二は大学時代の先輩(斉藤暁)のアトリエがある房総へ行った。
そこで海を眺める車いすの男と康子そっくりな女を目撃。
派手な身なりの康子とは違い、落ち着いた印象だったが顔立ちも年齢も康子と同じだ。







気になった丈二はふたりのあとをつけて浦川商店という店へ入っていく。
出迎えたのはあの康子に瓜二つの女だった。
タバコを買うが女は丈二の顔を見ても顔色一つ変えることなくひとりの客として対応する。





先輩宅へ行った丈二は車いすの男が浦川(斉藤洋介)で女は妻の敏子であり、
元漁師の浦川が三年前に敏子が海へ身を投げようとしたのを救い
その時の事故がもとで車いす生活をしていることを知った。



ふたつの町のひとりの女・疑惑の花嫁・真っ赤な爪に誘われて



敏子は生活を支えるため東京へ働きに行っており月に4、5日しか帰ってこないという。
それを聞いた丈二は二人が同一人物であるのではないかと疑うが、
敏子を見た日は水曜日であり土日に屋敷を空けている康子とは別人ということになる。



そう思いつつも一度わいた疑念は簡単には消えず、
丈二は黒田に電話して康子を呼び出すがスーパーに買い物に出かけていて不在だった。
近所への買い物と聞いた丈二は別人であると確信を深める。





丈二は里美に浦川と敏子が本当に結婚しているかを確かめさせ、
戸籍上も夫婦であることを知りホッとしたが…。




ふたつの町のひとりの女・疑惑の花嫁・真っ赤な爪に誘われて



やがて、黒田が早朝、崖の上から転落して死亡するという事件が発生。
新婚生活わずか三か月で康子は未亡人となってしまう。



宮坂は事故とも自殺、他殺ともわからず複数の線で捜査を進める。
丈二は黒田の死亡前に屋敷を訪れた時に、黒田が嫌がる康子の体を要求し、
あることを康子が仕向けたために黒田が実行したと口走っていたのを聞いてしまっていた。
康子から誘惑された丈二は黒田の死後、肉体関係を結んでしまう。




葬儀で喪服を着て地味な印象となった康子を見た丈二の胸のうちに、
忘れていた疑惑が持ち上がり始めた。



ふたつの町のひとりの女・疑惑の花嫁・真っ赤な爪に誘われて



丈二は誰にも告げず、別の場所に住むよく似た二人の女の事を調べ始める。
そこで、康子と敏子が同じ人間であることがわかり重い気持ちを抱えて家路へと着く。
同じ人間が二つの戸籍をもてるはずはなく、本物の小木康子の消息が気にかかる。





一方、康子の元に脅迫状が舞い込んだ。
浦川と結婚している敏子が黒田の財産目当てに康子を殺してなりすましたと告発している。
差出人が丈二だと考えた康子こと敏子は、毒入りのビールを手にして部屋に押しかけた。



ところが、丈二は身元を調査したことは認めたが最後まで調べたわけではなく、
脅迫状を送ったのは自分ではないという。
真実がわかっても自分のことを心配してくれる丈二を殺すことが出来ず、
敏子は黒田の遺産をもらうつもりはなく初七日が過ぎたら房総へ帰ると言い残し、
毒が入ったビールを流しに捨てて屋敷に戻った。



ふたつの町のひとりの女・疑惑の花嫁・真っ赤な爪に誘われて




脅迫状の存在を知った丈二は、里美を呼び出した。
丈二を愛する里美は浦川敏子を調べて欲しいと言われて彼女の存在が気になっていた。
そこで敏子の身元をあらい敏子と康子が同じ店に勤めていて、
飛田と三角関係にあって、ある日突然康子が行方不明になっていることから
康子が殺されたのだと推測し脅迫状を送っていたのだ。




里美は当時の写真を手に入れており、小木康子と敏子が似ても似つかない別人であり、
敏子が康子になりすまして黒田と結婚しているという事実が決定的なものとなる。





丈二と里美は黒田の家へ行き、観念した敏子は事件の全貌を語りだした-。





つとめを終えた敏子が帰宅すると、口論から飛田が康子を突き飛ばし殺害してしまっていた。
敏子は飛田から強要されるままに康子の死体を雑木林に埋める手伝いをさせられた。




警察にも行けずにいた敏子は房総の崖から自殺を図ろうとしたが、
通りかかった浦川によって命を救われる。
これがキッカケで敏子は浦川と結婚し治療費を稼ぐために東京へ働きに行っていた。




そこへ、敏子の居所を探し当てた飛田が接触してきて、
敏子に康子の戸籍を使って資産家の黒田と結婚するように脅される。
飛田は黒田を殺害して敏子を介して莫大な財産を手に入れようと画策していた。



ふたつの町のひとりの女・疑惑の花嫁・真っ赤な爪に誘われて



こうして黒田と結婚した敏子は、脅迫者飛田に消えて欲しかった。
そこで普段は早く眠る黒田に猟銃の手入れをするように仕向けて、
彼を殺そうと侵入してきた飛田を殺させようとした。



黒田は猟銃を撃つ前に飛田から財産乗っ取り計画を聞き出し、
敏子が黒田に夜、猟銃を手入れするように言ったわけを知った。



黒田が寝入っているところを刺殺しようとした飛田を、
起きていて猟銃を手にしていた黒田が誤って殺してしまう。
黒田の正当防衛に見せかけて、飛田を消してしまおうと計画したのだ。



この時、アリバイを作るために丈二のところへ行っていた敏子は、
帰宅後、計画通りことが運んだことを知り飛田の死体を見て思わず笑みを浮かべてしまった。







ところが、黒田は敏子の計画を見抜いており
そこで敏子がそうなるように仕向けたからやったのだと言い、
抵抗する敏子を無理やり押し倒して意のままにしたのだった。



敏子は脅迫者を消したが、別の脅迫者が生まれただけだという。



康子が敏子のなりすましと知った黒田は、
派手なキャバレーあがりの康子に扮した敏子と、
本来の人妻・浦川敏子の両方を味わおうと服を着せ替えたりして楽しんでいた。



そして、もう浦川の元には帰さず黒田康子として一生この屋敷で生きていくことを強いた。
耐えられなくなってきた敏子は、新しい脅迫者・黒田の殺害を決意し
早朝に崖のうえから事故に見せかけて突き落とした。




敏子は事件の真相を知っている丈二と里美が揃っていることから
黒田の猟銃を取り出して二人を射殺しようとした。


ふたつの町のひとりの女・疑惑の花嫁・真っ赤な爪に誘われて




丈二はとっさに自分が知っている全てを宮坂刑事宛てに手紙で託したと嘘をつき、
敏子も二人の殺害を諦めざるを得なかった。



飛田に利用され殺人に手を染めた敏子に同情した里美は、
手紙が到着するまでにあと一日あるといい敏子を警察に突き出すことをしなかった。
敏子は車に乗り、残された時間を最愛の夫と過ごそうと
猛スピードで房総まで車を走らせた。




ところが、途中で真っ赤なマニキュアを落とすことを忘れていたことに気がつく。



ふたつの町のひとりの女・疑惑の花嫁・真っ赤な爪に誘われて




水商売上がりの康子の匂いを残して浦川に会う事は出来ない。
敏子は運転しながらも必死に除光液を探し
ようやく見つけ出した時には目前に大型トラックが迫って来ていた!



急いでハンドルを切った敏子が乗った車は、そのまま崖下に転落し大炎上となった…。




黒田康子という女は死んでしまった。




丈二と里美は夕暮れの房総の海を穏やかに眺める浦川を見た。
彼は敏子が死んだことも知らないままずっと帰りを待ち続けるのだろう。




(2019年3月 更新)








叔父の妻の不思議な魅力にとりつかれた美術教師。
その妻に瓜二つの女と遭遇したことから・・・。


●「ふたつの町のひとりの女・疑惑の花嫁
真っ赤な爪に誘われて」  1993年10月30日
原作: 藤本義一  ふたつの町のひとりの女
脚本: 橋本綾
監督: 出目昌伸
制作: 東映
出演: 桃井かおり、三田寛子、伊原剛志、
織本順吉、北村総一朗ほか



ふたつの町のひとりの女



相馬(伊原剛志)は東京近郊の中学で美術教師をしている。



叔父の黒田(織本順吉)は町一番の有力者で、後妻に康子(桃井かおり)という
若いホステスを迎えることになった。
康子の派手な容姿と振る舞いは、町で好奇の的となり、
遺産目当ての結婚だと噂されるようになった。


しかし、相馬は康子の不思議な魅力の虜となり始めていた。


そんな時、房総の漁師町で相馬は康子と瓜二つの女と遭遇した。
どうやら康子は結婚した時に月に四日間だけ上京しているらしい。



            
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「そして誰もいなくなる・10人の名門女子高生が殺されていく! 次のターゲットは私?」 (1994年)  今邑彩 『そして誰もいなくなる』

category - 土曜ワイド劇場
2018/ 10/ 29
                 
アガサ・クリスティーの名作と同じ順序と方法で殺されていく女子高演劇部員たち。
事件の裏に隠された事実とは・・・?


●「そして誰もいなくなる・10人の名門女子高生が殺されていく!
次のターゲットは私?」  1994年10月29日
原作: 今邑彩  そして誰もいなくなる (中公文庫)
脚本: 石原武龍
監督: 吉田啓一郎
制作: 東映
出演: 石黒賢、渋谷琴乃、山本学、
大宝智子、西村雅彦、水島かおりほか



名門女子高・天川学園の演劇部は「そして誰もいなくなった」を
学園祭で上演することになった。


ある日、顧問教師・向坂典子(水島かおり)のもとに「我、汝を処刑す!」というメモが舞い込む。
練習中に刑事役の小雪(渋谷琴乃)がアンソニー・マーストン役のエリカ(加賀城恵子)に
ウイスキーをすすめるシーンで、実際に飲んだエリカが服毒死した。


そして誰もいなくなる・10人の名門女子高生が殺されていく!




県警から皆川刑事(山本学)と加古刑事(石黒賢)らが駆けつけ捜査が始められる。
グラスに青酸カリが入っていたらしいことから、加古は小雪を疑うが、
彼女は潔白を主張した。


そして誰もいなくなる・10人の名門女子高生が殺されていく!


翌朝、今度は部員の晴美が睡眠薬を飲んで死んでいるのが発見される。
続いて第三の殺人が行われるが、三つとも原作と同じ順番と手口で殺されていることから
加古は見立て殺人ではないかと考えた。






そして誰もいなくなる (中公文庫)





                         
                                  
        

牟田刑事官シリーズ第9作 「岸辺に立つ女」

category - 土曜ワイド劇場
2018/ 10/ 29
                 
牟田刑事官が、蓼科の湖で発見された死体に端を発した、
殺人事件の謎を追う。



●「岸辺に立つ女・蓼科高原・復讐の女神湖!
牟田刑事官事件ファイル」  1988年10月29日
原作: 石沢英太郎  『博多・中洲・クラブ殺人事件』  博多殺人風景 (広済堂文庫) 収録
脚本: 下飯坂菊馬
音楽: 田辺信一
監督: 小谷承靖
制作: C.A.L
出演: 小林桂樹、寺尾聰、渡辺典子、三浦真弓、
荒井注、津島恵子、丸山秀美ほか



岸辺に立つ女・牟田刑事官事件ファイル



横浜山下署の牟田一郎(小林桂樹)は、仕事で訪れた蓼科高原の女神湖で
偶然、若い女性の死体を発見する。
それは、蓼科へ来る時の列車の中で知り合った柳純子という作家志望の女だった。


彼女は牟田が娘の君恵(丸山秀美)から勧められて読んでいた藍京子(三浦真弓)の小説を、
「不美人がブランド物のアクセサリーで飾りたてたようだ」と表現したことが印象に残っていた。



彼女は元町にある骨董屋で働いていて、遺品の中には白紙の原稿用紙があった。
死因は溺死で昨夜の20~22時頃と見られた。
純子は21時頃、散歩に出ると言ってホテルを出たのを確認されており、
蓼科署のカミナガ(荒井注)は、自殺と考えていた。



一ヶ月後



蓼科から戻った牟田は、雑誌の企画で藍京子からインタビューを受けることになった。
藍京子の本業は元町にある「クラブ京」という店のママである。
インタビューも店で行われることになり牟田が行ってみると、
驚いたことに五年ほど前に署を辞めた阿部(寺尾聰)がバーテンとして働いていた。
どうやら京子には元刑事だということを隠しているようだった。


岸辺に立つ女・牟田刑事官事件ファイル



やがて、山下署にカミナガがやって来た。
その後の捜査で、純子の死が自殺ではなく他殺の疑いが出てきたというのだ。
純子は蓼科に着いた時、喫茶店で中年の男と会い口論になっていて
ウェイトレスの協力でその男の似顔絵が書かれた。


21時前には純子宛てに女の声で電話がかかりそのあとホテルを出ている。
似顔絵の男が女を使って純子を呼び出して殺害したとカミナガは考えているようだった。



そこで純子が暮らしていた横浜で身辺調査をすることになったので牟田に協力を求めに来たのだ。



岸辺に立つ女




そんな頃、出版社に勤務する編集者・杉原康史(伊藤敏八)が自宅で服毒死体で発見された。
近くにはグラスが転がっており、毒が混ぜられたブランデーを飲んで死亡したらしい。
牟田は3日前にクラブ京で京子と一緒にカウンターにいた杉原の姿を目撃していた。


杉原前日に麻雀をしていて、夜の12時頃店を出て、死亡したのは深夜1時から2時頃。
雀荘での聞き込みで、杉原は京子の愛人であり、彼女は杉原の他にも
保険会社の社長・カジ(小林勝彦】というパトロンがいるということがわかった。
牟田が店へ行った日、杉原だけでなくカジも飲みに来ていた。
杉原はカジと鉢合わせをしたせいか、あの日とてもイライラしているように見えた。




また午前11時には髪にメッシュを入れた大きなイヤリングの女が、
鍵を開けて杉原の部屋に入る姿を目撃されている。
おそらく女な留守中にブランデーに毒を入れたのだろう。




牟田が京子のアリバイを尋ねると、1時頃まで店にいたという。
メッシュの女が目撃された午前11時には、カジ社長と一緒で午後3時までいたと裏付けとれた。
そういえば、京子の店のホステスのリカは大きなイヤリングとメッシュを入れていた。
牟田がそれを確かめると、リカは杉原に夢中だったと話した。



岸辺に立つ女


リカは自分の部屋で寝ていて杉原の部屋には行っていないと否定するが、
バッグの中から杉原の部屋のカギが見つかった。
しかし、リカは自分を陥れようとするものがカギを入れたのだというばかりだった。


牟田は可能性があるのは、杉原のマンションに出入りをしていた京子とにらむが、
彼女にはアリバイがあり、リカになりすまして部屋に入るのは不可能だった。
牟田はふと純子が会った中年の男の似顔絵と杉原似てることに気がついた。



カミナガの捜査で、純子が勤めていた古美術店の店主・日下部は杉原の麻雀仲間だとわかり、
純子殺しと杉原殺しに接点が出来た。
日下部は順子から杉原を紹介されていて、小説家志望だった純子は何らかの形で
杉原と知り合いだったのだろう。



岸辺に立つ女



その後、京子はこれまでとは作風が違う「小鳩の来る家」という作品で新人賞を受賞し、
クラブ京で祝賀パーティーが開かれた。
京子はスピーチで「山鳩の来る家」に全力投球したため、
しばらくは以前の風俗作家に戻ると宣言した。



店の新人ホステス・カオル(渡辺典子)は京子の作品はすべて読んでいて、
「山鳩の来る家」が一番良かったと言う。

素人の牟田から見ても、今までの風俗小説とは違い文学の薫りがしてきて、
とても同じ作家が書いたとは思えないくらいだった。



岸辺に立つ女




牟田は店がひけたあとの阿部を飲み屋に呼び出し、京子がリカに変装し杉原の部屋へ行き、
カギをバッグに忍ばせたのではないかと何か心当たりはないか協力してもらおうとするが、
阿部はもう警察を辞めた身だからといいすぐに帰ってしまった。


飲み屋の女将(ひし美ゆり子)は牟田が阿部に女性関係を聞いた時の様子から、
失恋したのではないかと話した。
牟田も阿部の態度が閉鎖的なのはそのあたりからきているのかもしれないと考えるようになる。


岸辺に立つ女



その翌日、京子が自宅で刺されて死んでいるのを店のホステスが発見した。
コーヒーカップがふたつあったことから、来客があったのは間違いなさそうだ。
正午頃、地下の駐車場からカジが出ていくところを目撃され本人もその事を認めた。


だが、検視の結果は死亡推定時刻はカジが帰った後の2時~3時頃で、
その頃カジは会社から一歩も出ていないことが確認された。
京子の部屋でカジが阿部と鉢合わせたと言ったことから、
牟田たちは阿部から話を聞こうとするが店に出勤していない。



カミナガは純子の部屋から原稿が入ったフロッピーを入手していた。
さっそくそれを読んだ牟田は、「山鳩の来る家」とそっくりなことに気がつき、
純子に去年の三月から何度も20万前後の金が振り込まれている。
振込人は京子の小説「メリケン・ブルース」の主人公と同じで名であることから、
純子が京子のゴーストライターであると断定した。




純子は小説家になろうとして、原稿を渡すのは拒みそのために殺されたのだ。
カミナガが持っているフロッピーの中の小説は未完成のもので、
完成版は京子が純子を殺した時に奪い取っていったとみられた。


岸辺に立つ女





京子は刺された時瀕死の状態で2時50分頃110番通報をしていた。
その頃には、部屋から出てくる若い女性をピザの宅配業者が目撃している。
純子には妹がいるので、姉を殺した京子に復讐するために妹が殺害したのだ。



翌朝早くに、牟田の家を阿部が訪ねてきた。
阿部は恋人の純子を殺した京子への復讐心から殺害したというが、
牟田は阿部の証言の矛盾点をつき、誰かをかばっているのではないかと問い詰めた。



岸辺に立つ女



そして、妹がいる蓼科へ阿部を連れていく。


純子が死んでいた岸辺に女が一人立っていた。
彼女の妹・ヨシコはクラブ京の新人ホステス・カオルだった。





京子と純子は旅行がキッカケで知り合い、京子がストーリーを、
純子が文章を担当していた。
派手なことが苦手な純子は、はじめは作品を京子の名で発表し、
ギャラを折半することで同意していた。



しかし、純子は「山鳩の来る家」のフロッピーを京子に渡さないまま蓼科へ逃げた。
京子から相談を受けた杉原が蓼科の喫茶店で純子の説得に失敗すると、
その夜京子が女神湖に呼び出し直談判をした。


以前から純子の才能に嫉妬していた京子は、かたくなな純子の態度に
そばにいた杉原にも協力を求めてフロッピーを奪った。
揉めているうちに気を失った純子を、二人は湖に投げ入れて殺した。


その共犯者杉原はやはり京子が殺害した。
彼女はリカに容疑を向けるために、リカに変装をして部屋に侵入し、
ブランデーに毒を混ぜ、杉原の部屋のカギをリカのバッグに入れた。



一方、アメリカから帰国したカオルは、純子が死に京子の作品を読んだときに、
文体が純子のものであることから純子の作品を京子が盗作したと考えて、
クラブ京に入り込んだ。



岸辺に立つ女



阿部も同じ理由からクラブ京に入っていたことは偶然であり、
ふたりは互いが同じ目的で京に来たことを京子殺害の当日に知った。



祝賀パーティーの翌日、京子の部屋へ行ったカオルは、
自分が柳純子の妹であると身分を明かした。
京子は純子が死んで小説が書けないと悩んでいて、
カオルを道連れに自殺しようとする。


京子はテーブルにあった果物ナイフでカオルを襲おうとし、
もみ合っているうちに京子の体にナイフが刺さってしまう。
そこへ阿部がやってきて、カオルをその場から逃がす。



ところが、死んだと思っていた京子はまだ生きていて110番通報をしようとしたのを見て、
阿部は受話器をおろさせた。
この時救急車を呼んでおけば京子は助かったはずだが、阿部は見殺しにしてしまった。
京子が絶命した後、阿部は室内の指紋を拭き取り部屋をあとにした。



カオルは自分も死のうと蓼科へやって来たが、牟田は柳純子の名前で、
彼女の作品を発表する使命が残されていると説得する。



それからまもなく、柳純子の名前で「山鳩の来る家」が出版された。


岸辺に立つ女



カオルと阿部を心配する娘の君恵(丸山秀美)に、
おそらく情状酌量がついてそうは重くならないだろうと見通しを語った。


安心した君恵たちを見た牟田は、休日だし明子(津島恵子)と三人で、
東京へ食事へ行こうと提案した。




************ 牟田刑事官シリーズ ************



1. 「事件の眼・信濃路にいた女」

2. 「女たちの殺人パーティ」

3. 「見合い旅行殺人事件」

4. 「財布を拾った女」

5. 「露天風呂撮影会ツアー殺人事件」

6. 「奥鬼怒川湯けむり渓谷の殺意」

7. 「奥浜名湖女たちの危険なプレイ」

8. 「湯けむり伊豆半島、女たちの殺人スポーツツアー」

9. 「岸辺に立つ女」