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がめつい奴 - 2014.12.02 Tue


11月30日は銀座方面へ出掛けたのですが
ディオール展を見た後は京橋で昼ごはん。

昼を食べた後は
近代フィルムセンターで千葉泰樹監督の
『がめつい奴』(1960年東宝)という映画をみた。


とても見たかった作品でしたが
その私の期待に見事に応えてくれた内容でした!

もともとは舞台でロングランヒットしていたものを
映画化したということですが
やはりヒットするだけのことはありますね。

長い年月を経ても一向に衰えない
作品の持つ生命力の強さ!


主人公のお鹿婆さんを演じるのは三益愛子。
川口浩や川口晶のお母様ですね。


三益愛子が出ている映画を
ちゃんと見たのは今回が初めてですが
バイタリティ溢れる
強欲なババァを激しく演じており
威圧感がハンパなかったです。

上の歯の金歯といい
くたびれた着物をまといながらも
金に対する執着を持つ強欲ババァを
生き生きと演じており役作りの上手さに感心しました。




内容は大阪の釜ケ崎の簡易宿泊所が舞台で
お鹿婆さん(三益愛子)は「釜ケ崎荘」という
簡易宿泊所(ホテル)を経営している。


お鹿婆さんにはホテルを手伝っている息子の健太(高島忠夫)と
ホテルの客(藤木悠)と美人局をしている娘のお咲(原知左子)がいる。

これらの実子とは別に戦争でみなし子となった
頭の弱いテコ(中山千夏)を引き取って育てている。

ホテルにはポンコツ屋の熊吉(森雅之)と内縁の妻で占い師のおたか(安西郷子)や
按摩師や麻薬の売人など一癖もふたくせもある社会の底辺でどん底生活を
送っている輩がうようよと宿泊している。


そんな中でホルモン焼きの初江(草笛光子)は少し毛色が違っている。
初江は妹の絹(団令子)と二人でホテルで暮らしている。

初江は戦前は自分たちの父親がこの辺り一帯の大地主だったと言い
戦争で親が亡くなり、戦後のどさくさでその土地に勝手に人が
住んでしまったと主張し、土地の権利書も所有していた。


お鹿婆さんもはもともと初江の家の女中で
勝手に初江の父が所有していた土地に住み着いてしまったので
初江は土地の権利書を証拠に裁判で土地を取り返そうとする。

初江の妹の絹は、父親が大地主だった時代を知らないため
そのあたりのこだわりが全くなく
お鹿婆さんの息子健太と結婚するつもりでいる。


そこに目をつけたポンコツの熊吉は
初江に協力するふりをして
弁護士を手配したとだまし
初江を料理屋につれこみ
強引に体を奪い土地の権利書を手に入れる。


これまで男っ気がなかった初江は
体の関係が出来た事で
熊吉に心も許し熊吉を頼るしかなくなる。


しかしドヤ暮らしがどっぷりと
身に付いた熊吉は初江に協力する気などさらさらなく
奪った権利書を元にお鹿婆さんから土地代金を取ろうとするが
お鹿婆さんはそれをはねのける。


仕方なく熊吉は升金にはなしを持っていき
安い手付を受取り権利書を升金に渡してしまう。


おたかは熊吉の心が初江に向いている事で
嫉妬に狂い、初江と取っ組み合いのけんかをしてしまう。


だが、おたかもまた熊吉に利用されて
金を巻き上げられた過去があるのだ。
おたかはロシアとのあいの子で
いつか父がやっていたパン屋を開きたいという夢を持っている。


こんなややこしい人間観関係の中に
お鹿婆さんの亭主の弟と名乗る彦八(森繁久彌)が現れ
彦八も借金取り(多々良純)に追われている身でお鹿婆さんの
ため込んでいる現金を狙っている。

お鹿婆さんの息子健太は初江の妹の絹と所帯を持ちたがっており
お鹿婆さんのため込んでいる金を狙っているが
実の息子でも心を許さないお鹿婆さんがやすやすと金を渡すわけはなく
お鹿婆さんの家に忍び込んで金を貯めこんでいる梅が入っているカメを
奪い取ろうとしたところ勢いでお鹿婆さんの首を絞めてしまい
お鹿婆さんは気絶してしまう。


そこへ土地の権利書を手に入れた升金の子分(西村晃)が
ホテルに乗り込んできて立ち退きを迫る。

健太の首絞めからお鹿婆さんが気絶した騒動に加え
直後にホテルでは升金の子分が立ち退きを要求しており
ものすごい騒ぎになって混乱している中で
彦八はちゃっかりお鹿婆さんの家にひそかに残り
皆がいない隙に大金が入っている梅のカメを見つけ
これを奪おうとする。


その時ホテルから一足先にお鹿婆さんの家にテコが
帰ってきた。


あわてた彦八は、梅が好きなのでカメを800円で
売ってほしいと交渉する。

頭の足りないテコは
そんなにおっちゃん(彦八)が梅が好きならと
800円で梅をカメごと4つ売ってしまう。

一方、熊吉にだまされたと知った初江は
熊吉をナイフで刺し殺してしまう。


そばにはおたかもいたがおたかは初江をかばい
熊吉の死体の方もホテルの客たちが
少しでも金になる衣服等をはがし裸にして埋めてしまい
殺人の痕跡は跡かたもなくなってしまった。


皆自分が生き抜く事に懸命で
熊吉が死んだ事等なんとも思っちゃいない。
なんせ冒頭で交通事故が起こった時
軽傷の運転手を強引に病院へ行かせ
その隙に車を解体して部品を売り飛ばしてしまうような奴らだ。

結局、

升金から立ち退き料をもらったお鹿番さん以下ホテルの客たちは
ホテルを去る事になるのだが

熊吉を殺した初江は自首すると言った。
一時はけんかをした仲のおたかも熊吉にだまされた被害者であり
お互いにだまされた者同士わだかまりは消えていっていた。
おたかは初江を占い来年商売が繁盛すると初江に告げた。

初江は自分が出所したらおたかにパン屋をやろうと言い
二人は涙する。

これを見た健太と絹も涙するが、
あの銭しか信じられなかったお鹿婆さんの目にも涙が。
お鹿婆さんはふたりがパン屋やる時は
その資金を貸してやるとも言い出した。


そして、お鹿婆さんの大金が入った梅のカメを800円で
テコから売ってもらった彦八だが
結局は4つとも梅が入っているだけのカメで現金は入ってなかった。


どたんばでテコが機転を利かせたのだが、
ああいう子は知恵が足りない分直感力(感性)が優れているんじゃないかと思う。


戦災孤児のテコは拾って育ててくれているお鹿婆さんへの
恩義を決して忘れてはいない。


お鹿婆さんもまた実の息子や娘はじめ誰も信じてはいないが
テコにだけは心を許し、大金の入ったカメの存在も教えていた。
このカメについてお鹿婆さんとテコのやりとりがあるのだが
これがすごく心に響く。



テコはお鹿婆さんへの忠誠心から
彦八には梅しかはいっていないカメを渡したのだ。
お鹿婆さんが何よりも大事にしていた金が入っている
カメは決して渡さなかった。


そしてホテルから立ち退いた健太と絹はお鹿婆さんから
借りた資金をもとにうどん屋を開く。

お鹿婆さんとテコは公園で
ムシロを敷いて物乞いをしており
わずかな金を稼ぎ続けている。

どんなに金を貯めても充分という事はなく
まだ働ける体だと公園で体を張って稼いでいるのだ。


釜ケ崎のドヤが舞台と言う事で
全編関西弁で話は進む。


そしてスクリーン越しに
その強烈な臭いまで漂ってきそうなくらいの
泥臭い話が展開される。

見る人によっては嫌悪感を催すであろうと思う。



とにかく“金“への執着が激しく
剥き出しの欲望の生々しさ

この映画を見る数時間前に
ディオール展を見に行った事を忘れるくらい

キョーレツな内容でした。


しかし、そんなお鹿婆さんも
テコには心を許し
初江に同情し健太と絹の結婚も認め
うどん屋の開業資金も貸し付けてやる。


ほんのわずかだが
お鹿婆さんの情けもみせたものの
そんなのはほんのちょっとで
最後まで金に対して並々ならぬ執着を見せ続けたお鹿婆さん。

まぁここまでくると潔くて気持ちがいい!


最後に初江が熊吉を殺した後、警官と救急隊員ふたりが
内縁の妻おたかのもとへやってくる場面があるのだが
救急隊員の一人が『月光仮面』テレビ版の
“ハンチングのよし“役の人でした。


余談ですが『月光仮面』は
テレビ版、劇場版共にみましたが
私はテレビ版の方が好きです。


劇場版は原泉が出てるのは良かったですが
テレビ版の方が俳優さんがいいかんじですよね。

第二部の「バラダイ王国の秘宝」が面白かったです。

“サタンの爪“の仮面が味わいのある作りで
ストーリーもテンポがあったのでそういう意味でも楽しめたのかも。


「がめつい奴」はテコ役の中山千夏の演技が上手くてビックリでした。

テコが歌っていた


テコの人形は耳無し人形、、、

って歌が耳に焼きついています。


『がめつい』という造語は
この映画から生まれたらしい。


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