2016/01/07
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美女シリーズ22 禁断の実の美女・江戸川乱歩の「人間椅子」 (1984年)

category - 土曜ワイド劇場
2016/ 01/ 07
                 
土曜ワイド劇場の美女シリーズ第22弾!





●「禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子」  1984年1月7日
原作: 江戸川乱歩  人間椅子 (江戸川乱歩文庫)
脚本: ジェームス三木
音楽: 鏑木創
監督: 貞永方久
制作: 松竹
出演: 天知茂、萬田久子、高見知佳、
丸山秀美、荒井注、レオナルド熊ほか



禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子



探偵の明智小五郎(天知茂)は北海道からの帰りの飛行機で
女流作家北見佳子(萬田久子)と隣になった。
二人は互いにファン同士で楽しい語らいの後、東京に着き別れた。


禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子





帰宅した佳子の部屋には新しい黒い椅子が納品されていた。
以来、佳子は誰かに見られている気配を感じるようになる。




禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子


佳子に注文された椅子の中には空洞が作られていて
椅子職人の黒川純一(レオナルド熊)が隠れていたのだ。
子供のころから醜く、自分の容姿にコンプレックスを抱く黒川は
自分の作ったソファの中に隠れ人間椅子となることで
愛する佳子を椅子を通して抱くようになる。



一方の明智は帰郷後は、佳子のことばかり考えていて
文代(高見知佳)からもからかわれる始末だ。


すると事務所の電話が鳴り、佳子から今夜8時に
東洋ホテルのレストランシャトーで会いたいという連絡が入った。
ようやっと佳子から入り気持ちが入る明智だが
小林(小野田真之)から佳子が婚約したという記事を見せられ複雑な気分になる。



その記事を読んでショックを受けたのは明智だけではなかった。
思いを寄せる黒川も異常な嫉妬心にかられていたのだ。




親友の波越警部(荒井注)と散髪に行ってた頃
佳子は婚約者で宝石商の御曹司
高杉コウタロウ(中島久之)と東洋ホテルのレストランで会食していた。



禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子


コウタロウは父の高杉大作(内田朝雄)と、妹のハルコ(丸山秀美)、
ユウコ(小田桐かほる)を佳子に紹介した。

宝石商の大作は佳子にダイヤの指輪をプレゼントする。
ハルコは宝石の鑑別師で、ユウコは作家志望なのだと言い
憧れの佳子と会ったユウコは有頂天だった。


食事を終えた佳子のもとにメッセージが入りお開きとなった。
佳子はメッセージの主がいるホテルのバーへ行った。



待っていたのは、佳子を一流作家に育てた編集者野呂(宮口二郎)だった。
野呂は今は落ちぶれていて、佳子にコウタロウには女がいるので
結婚するなというと気分を害した佳子は店から出ていった。




禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子

エレベーターに乗った佳子を、バーにいた前夫の土田(山本紀彦)が追ってきた。






その後、女性トイレで騒ぎが起こった。
佳子と約束をしていた明智と波越が現場へ行くと
トイレの床に首にひもが巻き付けられた佳子が倒れていたが
命に別状はなかった。




禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子


佳子は高杉一家との会食後、野呂と土田に会ったこと
襲った人物は黒い布で顔を隠していて男か女かわからないことを
波越たちに告げた。


その後の調べで、野呂は佳子が店を出た後も一人でバーで飲んでいて
土田もタクシーに乗っていて二人には犯行時刻のアリバイがあった。



禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子



佳子の退院後は、作家志望のユウコが佳子の助手をすることになった。


明智は野呂に会い佳子の周辺の事情について尋ねた。
高杉は成り上がりで有名作家の佳子を長男の嫁に迎えたがっていた。
だが、一族の中にはこれを快く思っていないものがいて
その辺が事件を解くカギだろうと教えてくれた。


禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子





佳子が帰宅すると、部屋で清書をしていたユウコが倒れて死んでいた。


明智と波越らが駆けつけ、ユウコの死因が背中から針のようなもので
刺されたことがわかった。
明智は部屋の中を見回り、ソファの背もたれに血痕があるのを発見した。


だが、部屋に出入りをした不審者はいない。
明智は犯人は予め部屋にいたのではないかと推理する。




禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子

血痕がついていたソファを調べると中は空洞があり
そこに佳子が婚約したという記事が載った新聞が置かれていて
何者かが潜んでいたことが明らかになった。



明智は椅子の製造元である日本インテリアを訪ねて行った。

社長の田村(長谷川哲夫)の話では、椅子を作った職人の
黒川は数日前から行方がわからず捜索願を出そうとしていたことが分かった。
工場内にある黒川の部屋に行くと、壁には佳子の写真がペタペタと貼られ
一冊の手記が見つかった。


禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子




そこには黒川の佳子への思いが綴られていた。
ある日、佳子が椅子の注文をしにやってきて黒川を指名した。
醜い容貌の黒川はあることを思いついた。
自分が作った椅子の中に入り、密かに愛する佳子を抱くのだ。




禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子

明智は佳子に会いに行き、手記を見せた。



椅子の中に人がいたというばかげた話に佳子は
手記の内容を否定するが、いつも誰かにみられていたと
感じていたことを明智に話した


そのうち、佳子は本当のことを話した。
ある日、ソファでうたた寝して目が覚めるとそばに黒川が立っていた。




禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子

黒川は佳子に襲い掛かり、もう少しで黒川に犯されそうになったところ
佳子の「臭いわ」という言葉にショックを受け行為をやめたのだという。



状況証拠から見て黒川をクロだと考えた波越は
黒川を手配したと記者たちに発表した。


明智は波越を連れて、再び日本インテリアへ向かった。
田村はあれからも黒川の行方はわからず
黒川が佳子のファンでひとりで椅子を作ったことを話した。



ユウコの葬儀へ行った佳子に対し、ハルコは帰ってくれと言い放った。
それを見ていた明智は佳子と連れ立って帰って行く。
明智がコウタロウを愛しているのかと佳子に尋ねると
彼女は愛していると言い残した。





佳子が葬儀から帰宅し部屋に入ると、秘書の根岸咲子(森田理恵)が
デスクの上にあった原稿を勝手に読んでいた。


禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子

佳子にそれを見られて慌てた咲子はそのままマンションへ帰って行った。



咲子がマンションへ着くと、部屋の前には明智が咲子の帰りを待っていた。
明智は佳子が本当に黒川を指名したのか、
咲子が椅子に座ったことがあるかを尋ねるが
何か事情があるのか咲子はドアを開けるとそのまま入っていってしまった。




禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子

その後、シャワーを浴びていた咲子は何者かに
刃物で心臓を一突きにされ殺されてしまう。




咲子のマンションの前にはコウタロウの車が駐車してあったことがわかり
コウタロウは事情聴取をされた。




禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子

コウタロウの身柄が拘束されたと知った佳子は
明智に真犯人を見つけてくれるように頼む。
そして、屋敷を売り払い南青山のマンションに引っ越すので
それを手伝ってほしいという依頼が入った。



その後の調べで、コウタロウは咲子が住んでいたマンションに住む
ホステスの朝野ユリ(中川加奈)と一夜を共にするために
あのマンションへ行ったことがわかった。



禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子

そのことを知った佳子はコウタロウの裏切りに心を痛めた。




明智は高杉の店へ行き、佳子につらく当たるハルコから
コウタロウとの馴れ初めを聞いた。


佳子は取材で高杉一家と出会った。
コウタロウは美しい佳子に別荘や宝石などを贈ったが
佳子はコウタロウを愛していないのだという。

彼女が愛しているのは宝石だけだとハルコは冷たく言った。




明智は佳子の周辺を調べるために、引っ越し前まで手伝いをしていた
タミ(東郷晴子)がいる松本へ行った。


禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子





いよいよ、佳子の引っ越し当日となり、小林が手伝いに行った。
そこへ蘭の花を抱えたコウタロウがやってきた。
ユリとの情事を詫び、佳子に許しを請うコウタロウだが
佳子は指輪を返して婚約を解消すると言った。


そこへ、黒川のことで迷惑をかけたからと田村がプレゼントを持ってやってきた。




禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子

コウタロウは田村がやり手で、箱根の別荘の改装も担当するのだと
佳子に話した。


田村が来てソファで一休みしていたところ
突然ソファに座っていたコウタロウが窓の外から
銃で胸を打たれて死んでしまった。


田村は犯人がいるとみられる向かいのビルへ行き
給水塔のそばに残されていた銃を発見し波越へ渡した。
銃の持ち主は土田だった。


だが、土田は銃は盗まれたもので
自分が犯人ならわざわざ残していったりしないと言った。


婚約中に裏切ったコウタロウだが、自分の部屋で殺されてしまい
佳子はひとりで墓参りに行った。
すると、大作とハルコも来た。
佳子に好印象を持っていた大作は喜びの表情を浮かべるが
快く思っていないハルコは佳子の備えた花を抜き取ると
投げ捨ててしまった。



その後、事件は意外な展開をみせる。


ユウコ殺しの容疑者と目されていた手配中の黒川が
丹沢山中で死体となって発見されたのだ。



禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子



事務所に来た波越はお手上げの表情で
捜査が行き詰ったことを嘆いている。


その時、明智は死体は黒川とは限らないと妙なことをいい
波越、文代、小林に「欲」という字を紙に書かせると
やっぱりそうかと、つぶやいた。



傷心の佳子はしばらく日本を離れヨーロッパへ旅立つといい
明智をマンションに招き、食事をふるまった。


明智は松本にいるタミに会いに行ったことを話し
佳子に自分に隠していることがあるのではないかと言った。


禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子


佳子の父は終戦直後非業の死を遂げていて、兄は行方不明になっていた。
明智は佳子がホテルの化粧室で襲われたのは狂言で
真犯人を知っているはずだと迫ろうとするが、意識が遠のき気を失ってしまう。



明智がどこへ行ったのかわからない、波越や文代たちは
心当たりを当たるが行方がわからないままだった。



その頃、箱根の別荘の改装が終わり田村が大作と
ハルコを完成したばかりの別荘へ案内していた。


田村は佳子が新作を見せたがっていて間もなく到着すると言った。
その前に佳子の著書「ダイヤモンドは禁断の実」のあらすじを
田村は大作たちに読んで聞かせた。



禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子



舞台は第二次大戦後の混乱期、日銀の地下金庫に眠るダイヤを
2人の男が横領し、そのうち一人が独り占めするために相棒を
箱根の別荘へ連れ込み惨殺した。


殺された男には二人の子供がいた。
兄と妹が事件の真相を知ったときには、時効が成立していて
犯人を法で裁くことが出来なかった。


兄と妹は犯人の一族に近づき、次女と長男を殺した。
そして、最後に父が殺された箱根の別荘に犯人と長女を連れ込み
父の復讐を遂げるのだった。



小説に出てくる兄は田村で、妹は佳子だった。


話し終わると佳子が別荘に到着した。



禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子


二人は地下室へ大作とハルコを連れていき
椅子に座らせると身動きが取れないようにした。


禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子


すると大きなノコギリがハルコに向かって迫ってくる。
大作がやめてくれ!というが田村たちは手を緩めない。



あと少しでハルコを切り裂きそうになったとき、急にノコギリが停止した。


禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子



すると、どこからともなく死んだはずのユウコの声が聞こえてくる。
田村たちがその声の主を探そうとすると、それは椅子の中から聞こえてきた。


田村は椅子の空洞に主がいると思いピストルを乱射した。
しかし、中には人間はおらずカセットテープが仕掛けられていただけだった。


禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子


2階から死んだと思われていた黒川が下りてきたが
佳子はそれが明智の変装だと見破った。


禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子


田村は明智にピストルを向けるがさっき全て撃ち尽くしてしまい
弾はなくなっていて、逃げようとしたところ波越が到着した。


明智は佳子が襲われたのは、自分が狙われていると思わせるための
偽装工作だったことを明かし事件の謎を解いていく。


佳子と田村の犯行の動機は「ダイヤモンドは禁断の実」に書かれている
父の復讐のためだった。



佳子は注文した椅子に黒川が隠れていることを知るとそれを利用し
佳子の部屋にいたユウコを椅子の中から鋭い針で突き刺して殺し
佳子を狙った黒川の犯行にみせかけた。


秘書の咲子が佳子の不在中に新作を読んでしまい
そのことを佳子から聞いた田村は、コウタロウの愛人が
咲子と同じマンションに住んでいることに目を付け
咲子を浴室で刺殺した。



禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子



コウタロウ殺しは、あらかじめ向かいの屋上にある
銃にリモコン装置が仕掛けられていて
定位置に座ったコウタロウの胸を銃弾が貫いた。


田村は犯人を追いかけるふりをして、リモコン装置を片付けた。


黒川も田村が殺した。
確かに異常者だった黒川だが、そのことを利用した挙句に
殺してしまったことを明智は許せなかった。


佳子は明智が何をキッカケに事件の真相に気づいたのかを聞いた。
明智はタミのところへ行ったというが、タミは佳子たちの育ての親でもあり
最後まで口を割らなかった。



明智が佳子を疑い始めたのは、彼女がついた嘘からだった。



佳子は黒川から襲われそうになったと言ったが
容姿に強いコンプレックスがあり椅子の中からしか
佳子に接することが出来ない黒川が佳子の前に
姿をみせるはずはないし、襲うことは出来ないはずだ。



黒川の手記も佳子の口述をタミが清書した偽者だと
明智は気が付いていた。


それは手記にある「欲」という字の書き方だった。




禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子

黒川は戦後の生まれであり、古い「慾」という字を書いたのは
黒川本人ではないとピンときていたのだった。



佳子はワインに薬を入れたものの、明智にとどめを刺すことは出来なかった。


自分たちの敗北を認めた佳子と田村は隙を見て毒を飲んだ。



禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子

佳子は一目見たときから愛してしまった明智の腕の中で
静かに息を引き取っていった。











脚本はジェームス三木なのですが、知らなくても随所に
彼らしさが感じられる内容となっています。


禁断の実の美女・江戸川乱歩の人間椅子


井上梅次監督、初期のレギュラー陣が去り、
このドラマではオシャレで都会的な雰囲気が醸し出されています。



音楽は鏑木創と梅次時代から変更はないのですが
おなじみの曲よりも、ミディアムテンポの洒落た曲が印象に残り
萬田久子の粋な大人の色気が強調され乱歩作品が洗練された感じだ。



20作を超えてなお新しい領域にチャレンジしようとしている
姿勢は作品を通して充分伝わってきた。



何度も見直したくなる、気楽に楽しめるものではないが
たまに見る分にはいいかなと思いました。








美女シリーズ 記事一覧


1. 「氷柱の美女・吸血鬼」

2. 「浴室の美女・魔術師」

3. 「死刑台の美女・悪魔の紋章」

4. 「白い人魚の美女・緑衣の鬼」

5. 「黒水仙の美女・暗黒星」

6. 「妖精の美女・黄金仮面」

7. 「宝石の美女・白髪鬼」

8. 「悪魔のような美女・黒蜥蜴」

9. 「赤いさそりの美女・妖虫」

10.「大時計の美女・幽霊塔」

11.「桜の国の美女・黄金仮面Ⅱ」

12.「エマニエルの美女・化人幻戯」

13.「魅せられた美女・十字路」

14.「五重塔の美女・幽鬼の塔」

15.「鏡地獄の美女・影男」

16.「白い乳房の美女・地獄の道化師」

17.(1)「天国と地獄の美女・パノラマ島奇談 ≪前編≫」

17.(2)「天国と地獄の美女・パノラマ島奇談 ≪後編≫」

18.「化粧台の美女・蜘蛛男」

19.「湖底の美女・湖畔亭事件」

20.「天使と悪魔の美女・白昼夢」

21.「白い素肌の美女・盲獣」

22.「禁断の木の実の美女・人間椅子」

23.「炎の中の美女・三角館の恐怖」

24.「妖しい傷あとの美女・陰獣」

25.「黒真珠の美女・心理試験」




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