FC2ブログ
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

Post

        

「昭和7年の血縁殺人鬼・呪われた流水」 (1981年) 藤枝真太郎シリーズ第2弾

category - 土曜ワイド劇場
2005/ 10/ 24
                 
片岡孝夫演じる、藤枝真太郎探偵シリーズの2作目。






●「昭和7年の血縁殺人鬼・呪われた流水」  1981年10月24日
原作: 浜尾四郎  『鉄鎖殺人事件
脚本: 山浦弘靖
音楽: 小川よしあき
監督: 国原俊明
制作: 大映テレビ
出演: 片岡孝夫、松尾嘉代、岡本信人、片平なぎさ、内藤武敏、
西崎みどり、佐藤佑介、近藤宏、河原崎長一郎、大鹿次代ほか




昭和7年、探偵の藤枝真太郎(片岡孝夫)と、助手の小川(岡本信人)は、
小樽一の海運会社、若宮海運の社長若宮貞代(松尾嘉代)の
娘・玲子(西崎みどり)の依頼で小樽にやって来た。




貞代は音楽の分野でも歌手を招聘し公演をしていて
玲子も東京の音楽学校へ通わせ歌手にしようとしていた。
本業の若宮海運も20年前に父が死ぬと、一人娘の貞代が継ぎ、
見事な経営手腕を振り発展させてきた。




その2か月前、網走刑務所から足に鉄鎖をつけたまま囚人ゼンジが脱獄した。
ゼンジが向かった先は妻ミツエ(黒田福美)がいる飲み屋だった。
ゼンジが脱走した目的はただひとつ、若宮貞代を殺すことだったが
店から出た二人を警察が追ってきてゼンジは目的を遂げることができないまま
ミツヨと抱き合い足の鉄鎖で二人の体を巻き付けると冷たい流水に身を投げて心中していた。



藤枝たちが小樽に到着する三日前、貞代あてに鎖で縛られ、
剃刀を腹にさした気味の悪い人形が送られてきたというのだ。
玲子の案内で貞代に会うが、ただの商売上の嫌がらせだといい
北海道ではベテランの岡林弁護士(内藤武敏)に任せてあるといい
藤枝は若宮邸から引き返してきた。




貞代の失礼を謝ろうと藤枝たちのあとを追いかけてきた伶子は
貞代が前夫日野勘平衛と会っているところに遭遇し、
貞代が勘平衛から金をせびられており
マリ子という女の事で勘平衛に弱みを握られていることを知った。



貞代のことが心配になった伶子は夜、勘平衛の店へ行くと
帽子をかぶった洋装の女が出てきた。
店の中へ入ると勘平衛が死んでいるのを発見し
藤枝たちが宿泊しているホテルへ伝えに行った。



藤枝と小川が勘平衛の店へ行くと、鉄鎖で体を縛られ剃刀を腹に刺された
勘平衛が死んでいて、机の上のアルバムから写真が一枚亡くなっていた。



岡林は犯罪者の更生にも力を入れていて事務所には沢山の表彰状が飾られていた。




藤枝たちは、貞代が勘平衛と15年前に離婚していて、
愛人だった静雄(河原崎長一郎)と再婚したが
夫婦の仲はうまくいっておらず
玲子が15年前に養女として迎えられていることを知った。



静雄は結婚後覇気がなくなり、若宮海運は貞代が手腕をふるっていた。
そんな状況が耐えられず、静雄は貞代に絡んでくる。
夫婦げんかの仲裁で玲子が割り込んでくると
静雄の口からもマリ子という名前が発せられ
貞代に何か暗い過去があることを感じた。


そこへまたしても同じ状態の気味の悪い人形が送られてきた。



酔った上に夫婦喧嘩をした静雄は屋敷を出て夜の街へ繰り出した。
その静雄がカフェのトイレで、鉄鎖で縛られ腹に剃刀をさされて
殺されているのが発見され、勘兵衛の時と同じ洋装姿の女が
店を出ていく姿が目撃されていた。




貞代はマリ子の行方を岡林に捜索させていて、
玲子はその話を立ち聞きしてしまう。
勘兵衛が殺された日に見た洋装の女とマリ子をだぶらせていた。




藤枝は玲子に貞代は勘兵衛と静雄しか知らない弱みを握られていて
ふたつの殺人は貞代の容疑が濃くなることを話した。
実際、事件を担当した警部(近藤宏)は貞代を疑いアリバイを聞こうとしていた。
玲子は藤枝に”マリ子”の存在を知らせる。




藤枝は勘兵衛のアルバムから写真が消えていたことを思い出し
小川に写真館へいき聞き込みを行うように命じた。




若宮家の写真は、色内写真館がとり続けていて
一枚だけあった原板を焼いてみるとマリ子の七五三の写真だった。




藤枝はそのことを聞きに貞代のところへ行き
20年前、まだ赤ん坊のマリ子を養子縁組していたが
勘兵衛と離婚したと同時に解消しており理由を尋ねた。
貞代はマリ子のことは乳母の奥田とめに託しているといい
藤枝に小切手を渡し東京へ帰そうとするが藤枝はそれを拒んだ。
時期を改めようとする藤枝に、貞代は数日後には東京へ行くことを告げた。



藤枝はとめを探し出そうとするが、とめは15年前に貞代から暇を言い渡され
その後は行方がわからなくなっていた。
藤枝は新聞広告を使ってとめの行方をつきとめようとする。




東京の音楽学校へ通っている玲子は、学校へ戻る時期が来て
恋人で美術学校の学生北田(佐藤佑介)に別れを告げようとする。
ワンマンの貞代のいいなりになっている玲子に、北田は苛立ちを感じていたが、
玲子も本当は東京へは行きたくはなかった。



玲子は東京へは行かないと言い、初めて貞代に歯向かった。
自分の意のままに玲子を操ろうとする貞代は岡林に言って
北田の所在をつかもうとしていた。


玲子は北田のところへ行き、一緒に逃げて欲しいと懇願するが
北田はやりかけている大きな仕事があるといい玲子の要求をはねのけた。



藤枝が宿泊しているホテルでは、峰澄子(片平なぎさ)は見知らぬ男が
部屋に入ってきたといい言い争いになっていた。
その男は新聞広告をみて謝礼金目当てに藤枝を尋ねてきた大西という人物で
最近まで奥田とめと内縁関係にあったのだ。
藤枝は大西からとめが積丹で宿を経営していることを聞き会いに行った。



だが、とめの口は重く、マリ子が捨て子だったこと
貞代は人形をかわいがるような扱いでしかマリ子に接してなく
世話はとめがすべてやっていたことくらいしかわからなかった。


するととめが誰かの気配を感じたようなしぐさをしたので
気になった藤枝が不審な人物がいないか探しに行くと
そのすきにとめは逃げ去っていってしまった。


後を追いかけた藤枝だが、とめの姿を見つけた時には
何者かに頭部を殴られた後で、「おい」にやられたという言葉を残して死んでしまった。
直後とめを殺しに来たものがいると駐在所に通報があり
警察がやってきて現場にいた藤枝を逮捕した。


その後、藤枝は釈放され小川にとめの周辺を洗うように命じた。
小川はとめに年の離れたミツエという芸者の妹がいて、
ミツエが出産するととめは嫌がるミツエから赤ん坊を奪ってしまった。
おそらくその赤ん坊がマリ子であろうことを藤枝に報告した。


だがその5年後、マリ子が誘拐されるという事件が起こった。
犯人はアサイゼンジという男で、ミツエと愛し合った仲で
二人の間に生まれたのがマリ子だったのだ。
そして、今年になって網走刑務所を脱獄したゼンジとミツエは心中していた。


藤枝は無駄を承知で網走へ行こうとしたところ、ホテル代を払わずに出ていこうとした
澄子が入ってきて藤枝は彼女の宿泊代を払ってやった。
小川に岡林弁護士は犯罪者の更生に尽力しているので
小川に澄子を岡林の事務所へ連れていくように命じた。



藤枝はミツエが勤めていた店で一緒に働いていた
キクエを訪ねていくが、二人はピストルで襲撃され殺されそうになった。


それを機に、ミツエのことで若宮家に恨みを抱いていて
藤枝を受け付けなかったキクエは藤枝に心を開いてくれ
ミツエたちのことを話してくれた。


貞代が人形のような女の子を欲しがっているのに目をつけた
とめが金目当てにミツエから奪ったマリ子を貞代に売った。
ゼンジはその時兵隊にとられていて、戻ってきてすぐに自分の子どもを取り返そうとした。


裁判ではゼンジに不利な証言がつくりだされ、弁護士も岡林だったことから
ゼンジは刑務所に送られることになった。
だが、その後、なぜかマリ子は若宮家から追い出されてしまい
ミツエは貞代の事をあの女は鬼だと言って激しく憎んでいた。


マリ子は絵の勉強をしに行くと網走を出てしまい行方がわからない。



網走での用が済んだ藤枝は、小樽のホテルにいる小川に
帰ると電話をし、犯人は藤枝が死んだと思って貞代を狙うかもしれないと話した。
小川が早速若宮邸へ行くと、そこには何故か澄子の姿があった。


だが、貞代は屋敷には岡林の忠告を受けて岡林が別荘代わりに使っている
家へ身を隠していた。
岡林のところにも、貞代に送られてきたものと同じ人形が二体送られていて
二人は二年前から愛人関係にあったのだ。


岡林が案内してくれた家で貞代が一人で寝ていると
帽子をかぶった洋装の女が鉄鎖を手にして現れた。



翌日、鉄鎖で体を縛られ腹に剃刀を刺された貞代の遺体が発見された。
藤枝は岡林の事務所で玲子立ち合いの元に貞代の遺言書を見せてもらうことになった。
そこには全財産を玲子に譲ること、その管理を岡林に一任することが書かれてあった。



帰り際、藤枝は玲子に北田の事を聞いた。
玲子と北田が知り合ったのは、今年の春休みで
北田の出身地も知らなかった。
何か暗い過去があるようで、描く絵は流氷テーマにしたものが多かった。



藤枝に言われて北田の家を張っていた小川は夜、北田が家を出ていくところを見て
つけていこうとしたが何者かに後ろから殴られて気絶した。
その直後、澄子が来て小川を叩き起こすと待たせてあった車に乗せて
若宮邸の前で降ろした。


わけがわからない小川が門の前でうろついていると、藤枝がやってきて
今夜玲子が殺されるのだと言い門を潜り抜けて中へ連れていった。


玲子の部屋に帽子をかぶった洋装の女が鉄鎖を持って現れた。
だがベッドで寝ていたのは藤枝で、洋装の女は女装した北田だった。
マリ子の正体は北田だった。


奥田とめがミツエから奪った赤ん坊は男の子だった。
女の子を欲しがっていた貞代は、子供の世話をとめに任せっきりで
はじめは男の子と気が付かなかった。


だがある日、貞代は自分が欲しくて手に入れた女の子が
本当は男の子であったことに気が付くと、彼女は激しい怒りをあらわにし、
それに恐れを抱いて泣き叫ぶ幼女の北田を追いかけた。


貞代は女の子の格好をした北田の着物の前をはだけると
局部を剃刀で切りつけ、北田は心と体に消えない傷を追ってしまった。


北田は絵を描くことでそれを紛らわそうとしたが、両親が心中して
復讐心に火がついてしまった。
鉄の鎖には両親の恨みが、剃刀には北田の恨みが込められていた。


北田は復讐の機会を得るために玲子に近づいたが
いつの間にか愛するようになってしまった。
藤枝は北田を利用している男がいることを知った。
北田は自分が利用されていることを知りその男に会いに行くため
屋敷を飛び出していった。



その頃、岡林の悪事を知っていた澄子が岡林を強請って金をせしめていた。
岡林は若宮家の全財産をせしめようと、北田が若宮家に恨みを持っていることを
利用して貞代たちを殺させたのだ。
だが、岡林が秘密を知ってしまった澄子を生かしておくわけがない。



澄子を殺そうと岡林が首を絞めていると、北田が部屋へ踏み込んできた。
そこへ藤枝と刑事たちも入ってきて、事件は解決した。



澄子は岡林を調べるために、藤枝が事務所に送り込んでいたのだ。


藤枝と小川は若宮貞代とはいったい何だったのだろうかと思いめぐらす。


ワンマンな性格で、人形のように扱える女の子を欲しがり裏切られたとわかると
ナイフで一生消えない傷を負わせ家から追い払う。
だが、今度こそ自分のいいなりになると思った玲子は好きな男が出来て
自分にそむくようになってしまった。


たとえ夫でも不要になればあっさりと切り捨てる女の強さを見せつけながらも
女として弱い部分も持ち合わせていて、岡林という男と関係を持ち殺されてしまう。


強さと弱さ、この振れ幅が大きい貞代の本当の姿とはいったいなんだったのだろうか。













藤枝探偵役の片岡孝夫がカッコイイ!
昔見たらこうは思わなかっただろうが、今の年齢で見てみると
片岡孝夫の色気がわかりそのあたりも楽しめた。





原作ではワトソン役の小川の語りで文章がつづられていて
藤枝と小川は学生時代からの友人ということもあり
サポート役でありながらも、どこか対等な関係でもあった。


しかし、ドラマでは藤枝を片岡孝夫、小川を岡本信人が演じていて
このふたりが対等な関係にあり、小川が「藤枝--。」と
呼び捨てにするイメージに違和感があった。



やはりその通りで、ドラマでは岡本信人は片岡孝夫を「先生」と呼んでいて
上下関係があきらかな演出がされている。


ちょっと間が抜けていて、ドジな小川が藤枝の引き立て役にもなっていて
藤枝探偵がよりスマートで知的に見える。




また若宮貞代を演じた松尾嘉代も良かった。
強い部分と、男なしではいられない女の弱さも見せ
ストイックな探偵藤枝と対峙するシーンも見せどころのひとつとなっていた。



ナレーターは奈良岡朋子と土曜ワイド劇場のイメージがなかったので新鮮でした。





************ 関連記事 ************


◆ 「昭和7年の姦通殺人鬼」、「昭和7年の血縁殺人鬼」 浜尾四郎の藤枝探偵シリーズがみたい

◆ 「昭和7年の姦通殺人鬼」 (1980年) 浜尾四郎 『殺人鬼』

◆ 「昭和7年の血縁殺人鬼」 (1981年) 浜尾四郎 『鉄鎖殺人事件』 

◆ 「昭和7年の血縁殺人鬼・呪われた流水」 (1981年) ドラマ版

◆ 「十和田湖に消えた女」「狙われた婚約者」千草検事シリーズ2作品

◆ 「青いカラス連続殺人」 (1986年)  土屋隆夫 『盲目の鴉』




関連記事
スポンサーサイト



                         
        

スポンサードリンク

                         

コメント

非公開コメント