2016/08/14

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悪女対決が光る 鮮やかな完全犯罪・女相続人

category - ライフスタイル
2016/ 08/ 14
                 
土曜ワイド劇場の『鮮やかな完全犯罪・女相続人』を見た。



鮮やかな完全犯罪1

放送は1979年12月8日 

90分番組としてスタートした土曜ワイド劇場は
この年の春から2時間に枠を拡大している。



鮮やかな完全犯罪2

このドラマはいわゆる”悪女”もので
悪女 × 夏純子の掛け合わせから
てっきりカトリーヌ・アルレー原作かと思いきや
原作は南条範夫の「からみ合い」

脚本は吉田剛ほか、監督は井上梅次
音楽が鏑木創という私好みの組み合わせ。


面白くないわけがない!


梅次、鏑木創とあってオープニング曲から
随所で美女シリーズを彷彿とさせてくれる。


吉田剛の脚本した作品も
お気に入りが沢山あり
改めて古い土ワイが見たいと思った。


余命僅かな会社社長の莫大な財産をめぐって繰り広げられる
夫人と愛人、秘書、顧問弁護士たちの複雑に絡み合う色と欲。


まさに原作名通りのからみ合いが描かれている。



鮮やかな完全犯罪3


東都精密株式会社の社長・河原専造(小沢栄太郎)は
胃がんであと4か月の命と宣告された。


河原には年の離れた後妻の里枝(夏純子)がいるが
二人の間には子供はいない。




早速手術を終え1ヶ月後に河原は退院する。


河原は邸内に社長室を移して仕事をすることにし
秘書の宮川やす子(岡田茉莉子)と里枝のいとこでもあり
秘書課長の藤井純一(村井国夫)にその準備をさせた。




鮮やかな完全犯罪4

やす子達が部屋を立ち去り里枝と二人きりになった河原は
余命宣告を受けた術後にもかかわらず若い後妻に抱きついていく。




しかしこの時、庭には里枝に遺言状作成のため呼び出されていた
河原の顧問弁護士の吉田貞蔵(戸浦六宏)が待機しており
里枝は河原から逃げるように吉田を部屋に招き入れる。


里枝が河原の荷物を漁り遺言状の有無を調べ遺言状作成のため
勝手に吉田を呼んだことで里枝の本心がわかった河原は
半ばヤケ気味に遺言状を作ると言い出した。



河原に死期が迫っている事を知った里枝はあらかじめ
吉田に相続について確認しており
子どもがいない場合は妻に全額、遺言状があった場合その限りでなく
妻としての法定遺留分は1/3しかないことを確認しており
遺言状にこだわった事で河原を立腹させてしまったのだ。


そして河原は秘書のやす子に極秘にある調査を依頼する。


やす子はハイミスで九官鳥のリリーと住んでいる。
河原に20年使えていて忠実な秘書である。



後日、河原は関係者を自邸に集める。


ここで河原は相続についてやす子の調査内容とともに語り始める。



河原の資産は総額約30億円である。

遺産は法定遺留分の1/3が妻の里枝にいき、
残りについては河原がよその女達に生ませた
3人の子供に渡る可能性があると言うのだ。


一人目は芸者に生ませた22歳の男の子。

二人目は前妻との間に生まれた22歳になる神尾真弓。

三人目は里枝との結婚直前に身の回りの世話をさせていた
飯田さよという女に産ませた7歳になる子供で
産まれたかどうかは定かではない。


これらの子供達は生存が確認でき、河原が自分の子供として
認めた場合相続させる。

子供達が相続出来ない場合はその2/3は社会事業に寄付することとなる。



現在の行方を一人目はやす子に

二人目は吉田弁護士に、三人目は藤井に

河原の子供とは知らせずに連れて来るように命じた。


里枝は全ての財産を手に入れる事しか考えていない。
愛人関係である藤井と全額遺産を手中に収めるため画策する。



鮮やかな完全犯罪

吉田弁護士も所員の古川菊夫(森本レオ)に3人の子供たちは里枝と藤井の妨害で
見つからない可能性が高く、社会事業行きの2/3で河原に財団を設立させ
自分が理事長になることで古川と共に旨い汁を吸うプランがあることを話す。


里枝が実際の調査を担当する古川に近づくことを予想し抱き込まれるよう促す。



鮮やかな完全犯罪5



案の定里枝は古川を呼び出し独立資金として4千万渡すので
真弓は探し出せなかったと報告するよう誘惑する。



やす子は一人目の男の子が、成宗定夫(丹波義隆)という名であり
両親からも見離される放蕩息子に育っており
逗子の友人の別荘に遊びに行っている事を知り会いに行く。


大学の卒業を控えた身でありながらも就職先が決まっていない定夫は
やす子から叔父の会社社長河原を紹介してやるともちかけられ
この誘いに飛び付く。




古川も二人目の神尾真弓が博多にいることがわかり
真弓の家へ向かうと中から親と喧嘩をして
出てくる若い女と出くわす。

夜になりその女が勤める店へ行った古川は
里枝の話しに乗るよりも真弓と組んだ方が得だと計算し
真弓を抱きこもうと店から連れだし交渉に入る。


鮮やかな完全犯罪6



しかし、古川が見つけた女は真弓の腹違いの妹の
神尾日出子(長谷直美)だったのだ。


そうとも気付かずに日出子に全てを打ち明け
遺産相続後は折半することを条件に
日出子に手を組もうと誘いかける。


日出子は了承し早速古川と体の関係も結ぶ。



日出子は上京前、姉になりすますため真弓を呼び出し
手を怪我したと偽り自分の男への手紙の代筆として
真弓に遺書を書かせて殺してしまう。


一方、藤井も三人目の子供の消息を掴む。
飯田さよは子供を産んだ後姉のところへ里子に出したが
その後子供は死んでしまっていたのだ。
さよはそれを隠してすでに結婚をしていた。


そこで里枝と藤井は河原との結婚前に二人の間に出来た
現在施設にいる女の子が歳が近いのを良いことに
戸籍謄本に細工して替え玉に仕立てあげることを計画する。


そして自分がその子の後見人となり
財産をひとり占めするのだ。


鮮やかな完全犯罪7


豪雨の晩、里枝の入浴を覗き見し里枝を抱こうとする河原だったが
相続で河原を恨んでいた里枝は河原を激しく拒絶する。


目的を遂げられなかった河原は暴れまくりガラスを割り
それをお手伝いが片づけているところへやす子が訪れる。


鮮やかな完全犯罪8



侮辱を受け収まらない気持ちのまま自室に戻った河原は
調査報告に訪れたやす子と打ち合わせる。

眼鏡を拭くために眼鏡をとったやす子の顔を初めて見た河原は
やす子に女を感じる。


河原は悪天候を理由にやす子に泊まっていくよう勧める。



妻の里枝から激しい拒絶にあったこともあり
性欲も気持ちも収まらなかった河原は
この晩やす子の眠っているところを襲ってしまう。



事が終わり廊下に出て今起きた汚い出来事を
洗い清めようと手や顔を水場で洗うやす子の背後に里枝が現れる。


事の一部始終をしっかりチェックしていた里枝は
「ご苦労様、下着が汚れたでしょ」と 嘲笑しながら
やす子に替えの下着を渡す。




鮮やかな完全犯罪9


死期が迫っており、妻との中も完全に冷えきった河原は
人目も憚らずやす子に傾倒していく。


河原は母親が河原の妻になる女へ用意してくれた
数々の着物を与えそれを着用するよう命ずる。


着物姿でかいがいしく身の回りをするやす子は
河原の秘書というよりも妾になり邸内でも堂々と河原に尽くす姿を見せていた。


そんな様子を吉田と眺める里枝は、吉田に妾にも財産が行くのか尋ねる。

吉田は「遺言状があれば。しかし、奥様が意義を申し立てればどうでしょう?」と
含みを持たす言葉を返す。


里枝はやす子に「お妾さんでも遺言状があれば財産がもらえるようだけど
それには私(本妻)の肚一つだそうよ」と言い、やす子にも自分に協力するようにもちかける。





やす子にはかつて結婚する予定だった野村和雄(石浜朗)という
恋人がいたが、野村は自らの出世のために
やす子を捨て別の女と結婚していた。


提出するつもりだった野村の名前が書かれた書きかけの婚姻届などを眺めているうちに
河原と野村の血液型が同じO型であることを思い出しある計画を思いつく。



やす子は野村の会社まで行き偶然を装い再会を果たす。


鮮やかな完全犯罪10


久しぶりに会った野村は妻の父が亡くなったことにより
主流派から外され、窓際族となり落ちぶれていた。


心に隙ができていた野村はその晩、やす子とホテルに向かい
よりを戻してしまう。


やす子は切り札となる計画のため基礎体温をつけ始める。
河原と並行して野村とも体を重ね続けた。



河原の子供とされる三人が河原邸に集められた。


結局藤井の策略で定夫は暴力事件を起こし捕まり
日出子も姉の真弓殺害の容疑で逮捕となったため
一人目、二人目の子供達は姿を消す。

そして日出子と結託していた古川も悪事がバレて
吉田からクビを言い渡される。


残ったのは三人目はの里枝と藤井の子ゆきこだけとなり
里枝達の作戦通りとなりそうだった。


しかし吉田は謄本の改ざんを見破りゆきこが
二人の実子であることを掴んでいた。


今こそこの切り札を使いゆきこの正体を明かし
財団設立を切り出したかった吉田だが河原から
日出子の不祥事の後始末ため急遽博多出張を命じられる。

古川をクビにしたため吉田本人が行くしかない。


仕方なく吉田はやす子を呼び出し、ゆきこが里枝と藤井の子供であることを話し
不在の間に河原が遺言状を作ろうとしたら改ざんした謄本をもとにゆきこを排除して
河原財団の設立を勧めて欲しいと調査書類と謄本を託す。



鮮やかな完全犯罪11



やす子は六法全書の中に「相続欠陥事由」という
強力な切り札をみつける。



そして夜、河原の床へ行き自分が妊娠している事を告げる。



いよいよ河原が遺言状を作成することとなり関係者が集められた。


河原が読み上げた遺言は

1/3を里枝に

1/3をゆきこに

1/3をやす子のお腹の中にいる河原の子供に。


お腹の子がなくなった場合はやす子へという
里枝の期待を裏切る内容だった。


やす子の懐胎を知らなかった里枝はやす子を侮辱するが
河原がこれに応戦したため罵声を浴びせ合う里枝と河原。


河原が亡くなり葬儀の最中、里枝と藤井が遺言状について
吉田に異議申し立ての意向があることを告げていると
河原の担当医でもある友人が姿を現し
やす子が遺言状の執行に異議申し立てしてきたと報告する。


やす子は代理人の弁護士(勝部演之)を連れて姿を現した。

吉田の資料をもとにゆきこが河原の実子ではなく相続権を失うこと
この替え玉を作り上げた里枝も「相続欠陥事由」により相続権を失うことを告げる。


同席していた吉田はやす子もゆきこが替え玉である事実を知っていたと詰め寄るが
やす子は吉田からは財団設立の相談をされただけで書類は封筒にはいっており
替え玉については知らなかった主張する。

加えて相続人はやす子のお腹の子で、現時点でやす子は相続とは無関係であり
お腹の子が死んだ場合に初めて自分が相続人になるのだと淡々と説明した。


吉田は自らが作成した証拠書類から事前にゆきこが替え玉を知っており
顧問弁護士としてそれを河原に言わなかった事実を指摘され
代理人弁護士から一喝されたためやす子への反論が出来なくなった。


こうして相続人たちは次々と姿を消し、すべてはやす子のお腹の子へ。


野村ともきっぱり縁を切り引っ越す準備をしていた。



そして、10か月後やす子が出産した子供は早々に死亡した。
やす子は知っていた、ちょっとした不注意で赤ちゃんが
あっけなく死に至ることを。


医者と看護婦を前に赤ん坊の死を涙を流しながら悔やむやす子だったが
長年連れ添った九官鳥のリリーは全てを見ていた。


涙するやす子にリリーが「ひとでなし、ひとでなし」と叫ぶ。


これで、財産はやす子のものとなった。


鮮やかな完全犯罪12

亡くなった赤ん坊の墓で連れ添ったリリーと別れるやす子。
リリーから”ひとでなし”と言われることが辛かったのだ。


帰宅する車中のやす子が映し出されたところで
不穏なリズムを刻む鏑木創のエンディングテーマが流れた。



岡田茉莉子の貫禄と、夏純子の悪女ぶりが際立っており
テンポよくストーリーが進むので面白かった。


そして、残り僅かな命となった男の性に対する
すさまじい執着を小沢栄太郎が見事に演じていた。


あの往生際の悪さと好色エロじじいっぷりは凄まじい。


最後遺言を公示するとき読み上げる小沢栄太郎に
映画「犬神家の一族」で演じた古館弁護士が重なった。

この遺言状作成のシーンでの里枝を罵倒する
小沢栄太郎の暴れっぷりは醜くも豪快であり

「じーさんそんなに暴れたら死んでしまうよ」


と思ったら、次のカットでは小沢栄太郎が遺影になっていてうけた。



これ、原作に忠実だとしたら本そのものもあるんでしょうが
やはり井上梅次・吉田剛・鏑木創の制作サイドの力っていうのが
すんごくデカかったんだと思う。


土ワイの80年代位までの作品は見たいものが詰まっているので
本当にCSでの放送を熱望します。



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