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美術・展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画


原節子の乳首と枯れ果てた老人の存在感 小津安二郎の「麦秋」

只今、神保町シアターでは原節子の1周忌として
『伝説の女優・原節子』と題し特集をやっています。

http://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-theater/program/hara.html


この中で木下惠介監督の「お嬢さん乾杯」を見たかったんですが
都合がつかずいく事が出来ませんでした。

ツタヤでDVDを借りようと思ったら貸し出し中。

原節子と佐野周二の組み合わせがみたかったので
小津安二郎監督の「麦秋」(1951年)を借りてきました。


麦秋1

「麦秋」は”紀子三部作”の2作目。
小津作品で原節子は「紀子」という役名で
「晩春」(1949年)、「麦秋」(1951年)そして「東京物語」(1953年)という
3本の映画に出ている。


役名が同じでも同一人物ではない。


昭和26年の北鎌倉を舞台に物語は始まる。


間宮紀子(原節子)は、植物学者の父周吉(菅井一郎)と母の志げ(東山千栄子)、
医者の兄康一(笠智衆)と妻史子(三宅邦子)とその子供2人の7人で暮らしている。


一家の関心は28歳になる紀子がまだ嫁にも行かず働いていること。

会社の上司佐竹(佐野周二)からも行き遅れをからかわれたりしている。

紀子には同じく独身の親友アヤ(淡島千景)がいて、他の既婚の女友達との
会話でも既婚対独身で意見がぶつかるのだがこれを余裕でかわしていく。


大和(奈良県)から周吉の兄茂吉(高堂國典)が上京してきて
独身の紀子を気遣いながらも周吉に引退して大和へこいと勧める。

そんな中、佐竹から紀子の結婚相手に知人をどうかと縁談が持ち込まれる。

康一の同僚の医師・矢部謙吉(二本柳寛)が秋田の病院へ行くことになった。
謙吉は間宮家の次男で戦死した省二の友人でもあったのだ。



謙吉は妻が亡くなり幼い子を抱え母のたみ(杉村春子)と暮らしているが
たみは秋田へ行くことは気が進まない。


しかし、謙吉に子供がいることもあり謙吉に遅れて
秋田へ行くことになっている。


たみは謙吉の再婚相手を探していた。
たみも謙吉も紀子の縁談が進んでいることは知っていた。


謙吉がいよいよ秋田へ発つ前日、紀子が矢部家を訪れた。
謙吉は不在でたみが紀子を迎えるのだが、話の最中ふとたみが
「本当はあなたのような人に息子の嫁になってほしかったの」と
本音をもらす。


紀子は「あたしでよかったら・・・」と快諾。


全く何の期待もせず行ったたみの一言が紀子の運命を変えてしまうのだ。


安心からかたみは「あんぱん食べない?」と紀子に勧めるが
これを断り矢部家を去る紀子は帰り道謙吉とバッタリ遭遇する。


帰宅した謙吉はたみから紀子が謙吉との結婚を決心してくれたと聞かされる。




一方、間宮家では佐竹から持ち込まれた縁談の相手は40代であり志げはそのことが
不憫でならなかったのだが、康一は紀子の年齢では贅沢は言えないと撥ね退けていた。


帰宅した紀子は謙吉と結婚することを決めたと康一たちに打ち明ける。


紀子の決心は固く、紀子と謙吉との結婚を機に
周吉と志げは茂吉のいる大和へ行くことになり
間宮家はバラバラになってしまう。


最後に写真屋を呼んで間宮家の集合写真が撮影された。



「麦秋」   


麦の収穫が出来る初夏のある日
大和では周吉と志げがくつろいでいた。


目の前に広がる麦畑を眺めていると
嫁入りの行列があらわれた。


嫁に行った紀子に思いを馳せる志げたち。


紀子たち夫婦も年をとりやがては今の周吉夫婦のような
時を迎えることだろう。



小津安二郎作品ではストーリーはただただ淡々と展開される。
人によっては眠たくなるような映画。


そして小津作品にありがちな少々行き遅れている娘の結婚がテーマ。
それを軸に一家の心情や環境の変化などが展開されていく。


終戦から6年後ということもあり戦死した次男の想い出を夫婦が語る
シーンも中盤に登場する。



麦秋2

”永遠の処女”といわれた原節子は結構バタ臭い顔をしています。

しかしながら、おっとりとした口調で、未だに独身であることをからかわれたり
女友達で独身vs既婚という立場の違いから生まれる意見の食い違いにも
終始笑顔を浮かべていなしているのだ。



麦秋3

今回は笠智衆は医師で紀子の兄として登場。

原節子の兄というには無理がある笠智衆だが
さすがに若い。

私としては映画「男はつらいよ」の”御前様”のイメージだが
黒髪でこんな感じだったんですね。



麦秋4

佐野周二、次は原節子との共演お嬢さん乾杯で見てみたい。




そしてこの映画の中で気になったことや印象に残った俳優。

麦秋5


高級品だったケーキを切り分ける原節子だが
セーターの下はノーブラで乳首が透けて見えているのである。


年代は違うが70年代のテレビドラマなどを見ていると
ブラウスが薄くて、当時のしっかりした作りの白いブラジャーが
透っけ透けなことがよくある。


しかも下着もファッションの一部というわけではないのにである。

女優もスケスケブラウスを「今日の衣装です」と渡された時に
何を感じたのだろうか?


これは見るたんびに私の中に疑問を残したままで
毎回答えがみつからないテーマなんだな。

”永遠の処女”と言われながらも透け乳首を
不特定多数にさらすという矛盾。




・・・そして、今作の極めつけはコチラ↓




麦秋6

紀子の叔父の茂吉を演じた俳優。
北鎌倉に住んでいる弟一家の元にやってきて
鎌倉の大仏の前で姪の紀子とひとときを過ごしている。


耳が遠くて弟の孫たちからは”つんぼ”だと思われてしまう。

歯がないのか横の角度から見ると唇が中に入り込み
あごのしゃくれが強調されていて全くの老人そのもの。



これが誰かと気になり調べてみると高堂國典という俳優で
この映画が公開された時はまだ64歳位なのである!


今の64歳と比較するとメチャクチャ老けすぎていて
当時も老け役俳優として活躍していたようだ。


麦秋7

高堂國典は最初北鎌倉の弟の家に滞在している時と
最後弟がヤマトにきてからちょっとだけ映っているのだが
高堂國典が演じた茂吉がいるところだけ
やたらに時間がゆっくりと過ぎていく感じがした。


もともと小津映画は淡々と物語が展開されていくのだが
茂吉が登場する部分はさらに時間の経過がゆるくなるのだ。

これは茂吉が隠居老人で暇を持て余しているが故のことだけではないように
私には感じられた。


麦秋8

最初観た時どうみても80~90代くらいにしか見えず
60代と知ったときには驚きだった。




最後に・・・


紀子の親友アヤ役で出た淡島千景も良かった。
最後紀子の結婚が決まり、アヤとの会話がすごく印象に残った。


アヤは紀子が東京で優雅な奥様でいる紀子の未来を想像していたのだが
秋田で子連れの男と新婚生活を送ることに対し案じていて


アヤが佐竹からの相手ではなく、旧知の仲である謙吉と
何の前触れもなく結婚を決めたことに対して


「あんた決めちゃったの?前から好きだったのね」

「違うのよ」

「いや、好きだったのよ」

「違うの」



紀子の結婚相手は遠くの誰か(佐竹が紹介してくれた見知らぬ男)ではなく
兄の友人でずっと前から身近にいすぎて男性としても意識してこなかった人。

でもその人の母からあんたのような人に息子の嫁に来てほしかったと告白され
自分が結婚すべき相手が誰であるかに気づいてしまったのである。


決して条件の良い相手ではなくて、冴えない男だ。

謙吉との結婚を決めた紀子は、帰宅して一人で台所で食事をするのだが
ひとりさめざめと泣くんですよね。。。
そこもすごく印象に残りました。


さて、小津安二郎作品は今年TSUTAYAで「お茶漬けの味」(1952年)と
「秋刀魚の味」(1962年)を借りてみたけど「お茶漬けの味」はなかなか面白かった。

「お茶漬けの味」は小津の「淑女は何を忘れたか」(1937年)に設定が似ていた。

佐分利信と木暮実千代が夫婦で、節子は津島恵子が演じていた。
あの佐分利信が上流階級出身の妻木暮実千代に頭が上がらない
弱気な夫をやっていた。

そして、姪はまたまた節子という名前。

紀子、節子は良く出てきますね~。



「秋刀魚の味」は少々行き遅れ気味な娘(岩下志麻)の結婚を通して
妻に先立たれた父(笠智衆)の孤独を描いたもの。

小津監督の遺作でもありました。


個人的に何がこれまでの中で一番面白かったかというと
劇場で見たことも影響しているのか
「淑女は何を忘れたか」ですが
この中では一番有名ではないですね。
確かDVD化もされていなかったような・・・


でも桑野通子のハイカラな存在感が光っており
テンポがあってすっごい良かった。
もう一度見たいな。







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