加藤泰のすごさを実感 みな殺しの霊歌

TSUTAYAで加藤泰監督の「みな殺しの霊歌」(1968年松竹)を借りました。

みな殺しの霊歌1

本当は先日までやっていた近代フィルムセンターで見たかったのですが
都合がつかなかったんですね。

TSUTAYAへ行くと「みな殺しの霊歌」は4本ありうち2本が既に貸し出し中。
これは近代フィルムセンターやWOWOWでの特集のおかげなのか
いつもこうなのかわかりませんがすごい人気ですね。



みな殺しの霊歌2

映画は白黒で主役佐藤允がかなり渋い。


高級クラブのマダム安田孝子(應蘭芳)が暴力を受けたうえ犯され自室で殺害された。

部屋には孝子が犯人に書かされたとみられる
メモの跡があった。
警察が鉛筆で文字を浮かび上がらせると、4人の女性の氏名と住所が
浮かび上がってきた。

殺された孝子とこの4人は友人同士で孝子の葬儀に4人は姿を現した。


同マンションではその前にも近所のクリーニング屋の若い店員が
屋上から飛び降り自殺をしていた。


そして、メモに名前があった夫と娘がいる主婦橋本圭子(中原早苗)も
レイプされた上に殺害されてしまうのだ。


圭子の葬儀に出た3人は孝子と圭子の死に関連があり
手口が同じことからも自分たちも狙われるかもしれないと気づき始める。

5人にはある共通の秘密があったのだ。


怖くなった麻雀店の支配人の王操(沢淑子)は
残る2人を自分の店に来ないかと誘い電車に乗る。


車中で自分に感心のありそうな男と遭遇し
誘惑をされるような形でついていってしまうが
王操も同じ方法で殺されてしまう。


残るは二人。


警察も5人の女たちが次々と同様の手口で殺されるので
2人の警備にあたろうとしてたところ
デザイナーの毛利美佐(菅井きん)が行方不明となり
むごたらしい死体となって発見されてしまった。


これまで5人の秘密を隠し通していた主婦富永京子(河村有紀)だったが
ただ1人の生き残りとなりとうとう秘密を警察に打ち明ける。


それは、5人が最初の被害者孝子の部屋でブルーフィルムをみており
そこにクリーニング屋の若い店員が御用聞きに訪れ
ピンク映画で欲情していた女たちは店員を強引に部屋に引き入れ
レイプして弄んでいたのだ。


店員はショックから自殺を遂げた。


この店員にはただただ同郷だけという
工事現場で働く川島正(佐藤允)という
かなり年上の知り合いの男がいた。


実は川島はある女を殺した殺人犯で逃亡しており
工事現場に逃げ込み時効を待つ身だった。


飛び降り自殺当日に店員にあった川島は
店員の身の上に起こった事情を知ってしまう。


じっと時効を待つすさんだ生活を送っていた川島にとって
同郷のクリーニング屋の店員とのわずかな触れ合いは
何事にも代えがたいものだった。
川島の心に復讐の炎が燃え上がる。


川島はこの復讐のために5人の女たちを次々に
殺していっていたのだ。


これらの殺害の最中、立ち寄った食堂で
春子(倍賞千恵子)という若い女と出会う。

川島は春子もまたやむにやまれる事情から
実の兄を殺害しており執行猶予中の身であることを
食堂の主人(明石潮)から打ち明けられる。



春子も川島が逃亡中の殺人犯の島であることがわかり
川島に自首をすすめる。
春子は川島が自首するなら出てくるまで待つ意思が
あることを告げるが。


同じころ警察も4人の女の殺害が川島によるものだと掴み
京子の身辺保護にあたるが、京子は自宅を抜け出し
飲んで踊った後、何故か孝子のマンションへ向かう。


孝子の部屋にいると川島がそこを訪れたのだ。


川島に店員を犯した当日の様子を告白する京子。
川島は乱暴したうえ京子も殺してしまう。


全ての復讐をやり遂げた川島は警察の包囲の中
マンションの屋上から飛び降りて全てを清算する。

雨の中春子は川島(島)の破れた手配写真を
つなぎ合わせようとする。


----完-----


加藤泰の映画はこの夏劇場で2本見たばかりなのですが
今回自宅で見たこの映画で加藤泰のすごさを実感しました。

何がすごいって映画ド素人でテクニックなんかを重視してなく
単なる娯楽作品として鑑賞するつもりだったのが
加藤泰のカメラ使いなどの技法にのっけから打ちのめされてしまった。


最初のシーンは第1の被害者孝子の顔鼻から下のドアップ。
そして恐怖におびえる目を含め顔全体のアップ。

正体がわからない見知らぬ男に衣服をはがされ
いきなりすさまじい暴力を受け激しく痛めつけられたあとに
足を強引に開かされ凌辱される。

その後死を迎える女の断末魔が部屋に響く。


この女の恐怖が独特のカットと撮影の仕方から
これでもかというくらい見る側に伝わってくるのだ。
白黒映画でありながらも陰影に富んだ表現が非常に素晴らしい。


すさまじい暴力で受ける体の痛みと
激しく凌辱される心の痛みと
殺されるものにしかわからない恐怖。



劇場のドでかいスクリーンならまだしも、はるかに小さい
我が家のテレビ画面を通してもこの凄さは衰えない。


加藤泰の作品は名画座でもコンスタントに上映されているようだが
なぜここまでの評価をされるのかが今作でわかった。



みな殺しの霊歌3

川島が心を通わせる食堂の店員春子に
喫茶店で手相を見てもらうところ。
倍賞千恵子が若い。


みな殺しの霊歌4

ただ顔見知りの同郷というだけで名前も知らなかったのに
あそこまでの復讐劇を演じたのが解せなかったが
凄味をみせた佐藤允。


みな殺しの霊歌5

1968(昭和43)年頃の新宿。
かなりのローアングルで撮っています。


みな殺しの霊歌6

新宿の小田急百貨店のあたり。
三和銀行があったんですね。


みな殺しの霊歌7

クリーニング屋の店員が訪れる直前の
5人の女がエロフィルムを見ているところ。
この中に菅井きんがいるっていうのがなんとも。


みな殺しの霊歌8

その菅井きんは、今回デザイナー役です。



みな殺しの霊歌9

警察が京子に見せた菅井きんの死体写真。
應蘭芳は衣服をはがされ胸もはだけてヌードになっていて
中原早苗たちもベッドシーンがあるのだが
菅井きんはこのようなシーンはなく
写真をもって殺されたことだけが知らされる。


私は物語が進むにつれ佐藤允と菅井きんの
絡み合いも出るのかと淡い期待をしていたが
残念ながらなしでした。


この写真からだけでも激しく痛めつけられたことはわかりますが。


いやぁ、今回は予想以上に面白かった。
佐藤允がなぜあそこまで5人に激しい憎悪を抱き
惨殺を続けたのかこれが全く共感できませんでしたが。


これはやっぱり劇場で見たかったなと思いましたね。






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