2016/09/10
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48歳独学で写真の道で成功した ジュリア・マーガレット・キャメロン展

category - 美術・展覧会レポート
2016/ 09/ 10
                 
東京・丸の内にある三菱一号館美術館へ
「ジュリア・マーガレット・キャメロン展」を観に行ってきました。


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本当に久しぶりの写真展です。
絵画や美術品に比べ写真展を訪れる回数は少ないのですが
美術館か映画館でもらった1枚の告知用チラシの写真が放つ
魔力に吸い寄せられるようにとても気になっていた本展。

その謎は後に解明されることになるのだが・・・


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美術館というと周囲に緑があるところが多いですが
三菱一号館美術館も美しい外観を持つ建物に
緑のある風景が調和していてとてもステキです。


まだ残暑が厳しく日中は霧が噴き出し少しでも
暑さを和らげる工夫がされています。




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中庭には彫刻があり、カフェで外国人カップルたちがひとときを過ごしています。
館外の風景さえもオシャレで芸術的!


美術・芸術鑑賞をしながら、こうした日常の美しい風景も
一緒に感じることができます。


19世紀に撮影された写真をみながら、現実でも
芸術的な風景を生で鑑賞することができる。


しばし、日本にいることを忘れてしまい
外国を訪れたような気分にも浸れる。



少し歩くと丸の内をビジネスマンたちが何かにせかされたように
街を行きかっていますが、こちらはビジネスアワーとはいえ
そういった騒々しい日常を忘れさせてくれる空間だ。


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前回は冬に訪れたのでライトアップされた風景が楽しめたのですが
夏の終わり日差しがまだ厳しい日中の明るさの中で緑を楽しむのもいいなと思いました。


周囲は高い建物が囲んでいるものの閉塞感は全く感じません。



今回訪れる決め手となったのはその1枚の写真の魅力も大きいのですが
48歳で独学で成功した女性の人生を感じたかったことが一番の理由。


そして、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館が主催のひとつであることも
ビクトリアン絵画を愛する私にとっては魅力的なものであったのです。



ジュリア・マーガレット・キャメロン(1815-1879)はインドのカルカッタに生まれる。
フランスで教育を受けたのち、インドへ帰り20歳も年上の男と結婚した。
夫の引退後はイギリスに移り住む。



そして48歳の時に娘から写真機をプレゼントしてもらったことをきっかけに
1863年より独学で写真を始めた。

40代も終わりになってから新しいことを始めたのに全く臆することがなく
自らの才能と可能性を信じて精力的に活動している姿が実に素晴らしい。


自分の写真を売り込むために書かれた
サウス・ケンジントン博物館(現:ヴィクトリア&アルバート博物館)
館長ヘンリー・コウルへの手紙にもその自信が現れていました。


キャメロンの写真は意図的に焦点をぼかしたり、ネガに傷をつけたりして
手作業の痕跡を残すという革新的な手法で撮影されています。



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≪光と愛≫ 1865年


複数のネガを組み合わせて1枚の写真を創り出したり
ネガに絵を描いて芸術性を高めたりと表現力がとても高くて
彼女の才能の素晴らしさを感じることができます。



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≪姉妹≫  1865年


三菱一号館美術館は内装も素敵で
マントルピースの上に作品が展示されていたりして
建物内のインテリアも合わせて楽しむことができます。


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壁紙も作品の引き立て役に一役買っています。

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≪ベアトリーチェ≫  1866年


このベアトリーチェのモデルはキャメロンの
義理の姪のメイ・プリンセプが務めています。

キャメロンは家族たちや小間使いなど身内を撮る一方
妹のサラ・プリンセプ夫妻が主催するサロン「リトル・ホランド・ハウス」で
多くの著名人たちとも交流があり彼らの肖像写真も撮影していたのです。


「種の起源」「進化論」で有名な学者のチャールズ・ロバート・ダーウィンをはじめ
女優のエレン・テリー、詩人のアルフレッド・テニスン。

そして、私の好きな絵画の世界でもジョン・エヴァレット・ミレー、
エドワード・バーン=ジョーンズ、ジョージ・フレデリック・ワッツたち画家や
ラファエル前派のメンバーのひとりである画家ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの
弟ウィリアム・マイケル・ロセッティなども被写体として撮影していたんですね。


私がなぜキャメロンのチラシで見た写真にこうも魅了されたのかというと
ヴィクトリアン絵画が好きな私はラファエル前派の書物などを読み漁っていました。
画家の肖像写真はもちろん、彼らの妻でありモデルをつとめた女たち
ジェーン・モリス、エリザベス・シダルの写真を何度も目にしており
キャメロンの写真からこれらと同じ匂いを嗅ぎ取ったからだと思います。


それに加えてこの写真からも感じたことですが。


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≪五月祭≫  1866年頃


キャメロンの写真からはラファエル前派の影響が読み取れ
テーマには多くの絵画で描かれる「聖母」など
まるで絵を描くようにモデルたちに衣装を着せ
寓意性に富むテーマを写真で表現していたのです。


その中にはラファエロを意識したような写真もありました。

つまりは写真でありながらもラファエル前派の世界が
展開されており絵画的な部分に強く惹かれたのだと思います。


チラシの裏には「五月祭」も小さく掲載されています。



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≪ミューズの囁き≫  1865年


私がキャメロンの写真から受け取ったファーストインプレッションは
ヴィクトリアン絵画そのものだったのでしょう。

加えて何歳からでも始めようと決意すると奇跡は起こる
どんな状況でも決意することで人生が変わるという
私の確信を実際に成功に結び付けた女性の作品から
何を感じ取れるのかを体感したいという思いが
私を写真展へ導いたのです。




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