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寅さんの渥美清がゲイボーイ 「企業防衛」キャバレーの経営学入門 - 2016.12.05 Mon

土曜日は2週連続で神保町シアターへ
『「経営学入門」より ネオン太平記』という
1969年の白黒映画を見てきました。

ネオン太平記

カメラマン姫田眞左久の100回目の誕生日である
11月19日から12月23日までの35日間にわたって
姫田が係った映画が公開されている。

磯田敏夫企業防衛


原作は磯田敏夫の「企業防衛」。

”経営学入門” となっているのは、その前に見たエロ事師が
”人類学入門” となり、原作も設定も違うがそれの姉妹編
『入門シリーズ』第2弾という扱いからこのタイトルがついたようだ。


キャバレーの経営学入門

10月か11月初めにTSUTAYA行った時に
告知チラシをもらい以来この日を楽しみにしてました。

当初このチラシを見た時に「経営学入門」がえげつなさそうで
面白そうだという話になって見に行くことを決めていました。

その後「経営学入門」の前に「人類学入門」があるという事を知り
「人類学入門(エロ事師たち)」と「経営学入門(ネオン太平記)」の
2本を見に行こうということになった。


本作の監督は磯見忠彦で、エロ事師たちの監督であった今村昌平は
磯見忠彦とともに脚本で参加している。
音楽は前作同様に黛敏郎。

出演もエロ事師たちに引き続き小沢昭一が務めている。
共演は西村晃、加藤武、吉村実子、松尾嘉代、北村和夫で
三国連太郎と渥美清が特別出演している豪華版なのだ。

ちなみに吉村実子は石立鉄男の元奥さんだ。



今回も舞台は大阪である。
エロ事師たちから2年後に公開された作品だ。




大阪・千日前のアルサロ「オアシス」の支配人益本利徳(小沢昭一)は
内縁の妻のカツ子(園佳也子)と赤ん坊の娘がいるが入籍しておらず
籍を入れるという話が出ると逃げ続けている。

その益本が店内で店がオープンする前に従業員の女たちを前に
カツを入れるシーンから物語は始まる。


前作のエロ事師たちがねっとりとした質感で描かれていたが
今回はテンポよくとてもエネルギッシュに作られている。


大阪の大きなアルサロということで客を獲得するためにも
女たちが客たちを素早くさばいていく姿が逞しい。


エロ事師たちでは出番が少なかった西村晃だが
益本の友人役で出ており、小沢昭一と西村晃の
掛け合いのようなやりとりが楽しめる。


アルサロは社長はある政治家で表舞台には出てこないが
マネージャーの益本とのアルサロ経営戦略において
度々スクリーンに登場する。


女も男も金がすべてのアルサロ。

ある日未回収の金を回収したままドロンした女たちの
存在が判明した。


マネージャーである益本が彼女たちの元へ向かう。

若いころからふくよかな肉体を持つ春川ますみは
病気だと偽るが益本は金をよこせと迫る。
春川ますみは色仕掛けで逃れようとする。


次の女は松尾嘉代で、彼女は実は店のボーイ島田と
出来ていたのだ。

水商売での従業員同士の恋愛はご法度だ。
早速ふたりともクビにする。


こういう店での女の入れ替えはよくあること。

双子の姉妹がオアシスに雇われた。

しつこくて嫌らしい客(三国連太郎)をうまく扱えなかった
双子の姉に従業員部屋で男の扱いの手ほどきをする益本。

三国連太郎に抱き着かれワンワン泣いていた双子の姉も
益本のおもろい話術つきの手ほどきを受け心が緩んでいく。


オアシスは二号店の話も進んでいた。
二号店は文教地区に近いということで
近所の主婦たちから反発を喰らうのだ。

このことが新聞記事となり肩身の狭い思いをするカツ子。

テレビ番組でオアシス益本と主婦たちの対決の
討論会の様子が映し出される。

この時の司会で「エロ事師たち」の原作の野坂昭如が出演。


私はわからなかったのだが、作家繋がりで言えば
小松左京も桂米朝とともにアルサロに訪れる客として
出演していたようだ。


オープニングの出演者で名前に気づいたのだが顔がわからなかった。


益本の店にはあいかわという地方出身の長身で口下手で
要領の悪いボーイがいた。
益本は偶然あいかわが乗っている電車に乗り合わせ
あいかわがカッターで女性の衣服の尻を切り裂く現場を目撃してしまう。



場所を移して益本はあいかわに詰め寄る。
その後飲み屋にあいかわを連れ出す。
口下手で要領の得ないあいかわだが
孤独感からあのような行為を行ってしまったようだ。

飲んだ日の深夜、あいかわを自宅に連れ込む益本。


狭い家に妻のカツ子と赤ん坊がいて
カツ子の母も遊びに来ていて一時的に宿泊していたにもかかわらず
あいかわはしばらく益本の家に同居することになる。

長身でおどおどしているようにみえたあいかわだが
益本の家では周囲に気を配ることなく
まるで我が家のように住み着いてしまいカツ子の怒りをかう。


そんなカツ子の存在がないかの如くふるまうあいかわ。


アルサロオアシスでは女性ダンサーに
わいせつな行為をさせておりそれがもとで
益本は警察にパクられてしまい豚箱へしばらくぶちこまれる。


この間カツ子は母を再び自宅に住まわせる。


益本は内縁の妻カツ子とカツ子の母ともども
入籍を懇願されるものの縛られる生活が大嫌いで
話をはぐらかす。


入籍するという普通の生活への嫌悪感は
益本の出自が深くかかわっているのだ。


益本がブタ箱にいる間に、カツ子と母が
益本の素性を洗い出す。

益本利徳というのは大阪での仮の名で
本名は違い東京の古本屋の息子だったのだ。


古本屋の息子時代の益本の家庭環境は
堅苦しい家風でありその縛りから逃れるため
大阪へ逃げ出し名前も変えて水商売についたのだ。


カツ子の母は、古書の目利きも出来るんだし
水商売から足を洗ってまっとうな仕事についてほしいと言う。



結局カツ子とは調停で争うことになる。



金にシビアで女を商品としてしか見てないように見えた益本だが
後にちゃっかりあの双子の姉と出来てしまう。


カツ子との関係が壊れてから双子の姉の家に
住み着いてしまう益本。


双子の姉妹は二人で暮らしており、そこへ泊まり込むうちに
今度は双子の妹とも関係をもってしまう。


妹と益本の関係に気がついた姉は狂わんばかりに妹と喧嘩する。
そしてふたりから養女でもいいからと籍を入れることを迫られて
双子の元から逃げ出す益本。


カツ子からも入籍を迫られたうえ、そういうこととは無縁と思っていた
双子からも籍を入れることを懇願された益本は
つくづく安定感を求める女のうざったさに疲れた様子だ。


そんなとき店を辞め消息を絶っていたあいかわが
突然、益本の前に現れる。

あいかわはふたりの男を連れて来ていた。


そして、あいかわが連れてきた男たちから
暴力を振るわれる益本と従業員。
益本たちが動けない間に、あいかわたちは
店の売上金を奪って逃げてしまう。


この不祥事が表ざたとなりオアシスの社長の
政治家のおやじも政界から身を引かざるを得なくなった。


結局あいかわは逮捕された。
あいかわは前科持ちだったのだ。


警察の廊下で益本はあいかわとすれ違いざま
あいかわに殴りかかろうとするがあいかわから
「マネージャーも弱いじゃないか」と言われる。



悪いことは続くもので、カツ子、双子の元にもおれなくなった
益本は店に住まうことになるのだが、店が火事にあってしまうのだ。


疲れ切って電車に乗っていた益本だが
そんな時魔が差し、指の間にカッターを挟み
あいかわのように女の着物の尻を切り裂きたい欲求にかられる。
ギリギリのところで思いとどまる益本。


人間誰しもが持っている弱さや不安定さ。
調子がいい時はいいが、ひとたび悪くなると
これらが顔をだしてきて自分自身との戦いが始まる。


しかし、大阪の地で水商売での成功を目指す益本は
逆境も跳ね返していくべく積極的に攻めていく。



オアシス二号店のオープンも諦めず、
火事となって営業できない一号店だったが
宣伝もかねてなのか益本は大胆なプランを実行に移す。


オアシスのホステスや従業員を引き連れ真昼間に大阪の街を
大行列でマラソンするのだ。

これはゲリラ撮影だったのかな?


爽快感あるラストシーンでした。


そして、益本たちがゲイバーへの店に行くところがあるのだが
ここでゲイボーイ(ゲイのママ?)役で出演していたのが
あの寅さんの渥美清なのだ。

着物と女もののカツラをつけていただけで
特に化粧もしてなかったのだが
大きな四角顔でゴツゴツしたゲイに扮した姿に
館内は大きな笑い声に包まれた。


出演時間は本当に短かったにも関わらず
観客の心を一瞬で掴んでしまった渥美清。

あれで全て持っていかれてしまったかんじでした。



ちょい役の渥美清だが、超脇役でありながらも
存在感の大きさが際立っておりさすがだなと感心させられました。


またゲイといえば加藤武もゲイ役で小指を立てながら出てました。
加藤武とゲイという組み合わせの意外性が笑えました。


あと、名前はわからないがゲイボーイに扮していた長身の俳優さん。

きれいなゲイボーイで、男性としての姿もさぞかし
イケメンなんだろうなと思い誰だか気になっています。



小沢昭一が演じた主人公の益本利徳だが関西弁の大阪人かと思いきや
実は東京の出身だったという設定なのだが
小沢昭一も東京の出身だったんですね。

この映画を見ててっきり関西方面出身の方かと思っていました。



20161203_4.jpg

私が見た「経営学入門」の前には
今村昌平監督で緒形拳主演の「復讐するは我にあり」と



20161203_5.jpg

後には同監督で桃井かおりと泉谷しげるの
「ええじゃないか」がやっていたようです。

桃井かおりといえば、萩原健一と出ていた
「青春の蹉跌」も同館で12/17から始まるようです。

初日の会は上映後に長谷川和彦監督の
トークショーも行われる予定だそうですよ。


20161203_6.jpg

今回はカメラマンの特集でしたが
名画座もいろんな切り口で企画を考えているので面白いですね。




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