2017/02/16

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「エロス+虐殺」 難解すぎてもう・・・と思ったが、出会うべくして出会った作品だった

category - ライフスタイル
2017/ 02/ 16
                 
この間TSUTAYAへ行ってきた。

2月にリニューアルしたばかりで
DVDのラインナップも以前とは変わっていた。

加藤泰の「男の顔は履歴書」のDVDが新作として入荷されて
イチオシみたいな展開をされていました。
もう一度こちらを借りて見てもよかったのですが
近くにデーンとディスプレイされていて
「男の顔は履歴書」と同じように大きく扱われていた
「エロス+虐殺」が気になったので借りてみました。

「エロス+虐殺」(えろすぷらすぎゃくさつ)は
1970年公開の吉田喜重監督の代表作だそうだ。
吉田喜重は岡田茉莉子の夫で、この映画にも岡田茉莉子が出ている。


タイトルと裏面の紹介文を読んだだけで
気軽に手に取った作品なので詳しいことはわからないままさっそく見てみることにした。



だが、20分程見たところで
「話が全くわかんない!」と再生をやめ
この映画がなにを描いたのかWikipediaを見たが
あまり映画の内容はわからないままだった。


しかし、大杉栄と伊藤野枝は名前は知っていたので
映画の詳細についてはわからないながらも
もう一度最初から見直してみることにする。



うす暗い闇の中にスポットライトが
若作りしている岡田茉莉子を照らす。

別の若い女(伊井利子)がこの女に詰問する。

岡田茉莉子はどうやら伊藤野枝の娘
大杉魔子のようだ。


エロスプラス虐殺 岡田茉莉子


この映画はロングバージョンとなっていて
なんと3時間超えの作品なのだ。
あまりに長いので連続再生はやめて
2つに区切られている章ごとに何日かに分けて
流し見で見た。

で、結局何を描きたかったのか
あらすじもよくわからないまんまです。


冒頭の魔子(岡田茉莉子)が伊藤野枝の娘であることを語り
魔子にまるで裁判のように質問を浴びせた若い女。
それに重なり合うように質問者の女が
ある男と出会い女に金を渡す様子が映る。

この魔子や伊藤野枝と女の関係がわからない。
非常にわかりにくい映画なのだ。
それもそうだ、だって次に出てきた
文章がこんなんだから。


エロスプラス虐殺



大正時代、無政府主義者の大杉栄(細川俊之)と
伊藤野枝(岡田茉莉子)の不倫による恋愛と
現在(昭和44年頃)の若者たちとの姿を
平行して描いた物語だった。


大杉栄は保子(八木昌子)という内縁の妻がありながらも
神近市子をモデルとした正岡逸子(楠侑子)という
愛人がいて自由恋愛を謳歌するという人生を歩んでいた。



(映画公開当時、神近市子はまだ存命で
映画では神近の名前を正岡逸子としていたが
名誉権とプライバシー権の侵害を主張して
映画の上映差し止めを求めていた。)



そこに辻潤(高橋悦史)という夫がありながらも
大杉栄と不倫の恋をする伊藤野枝。

二人の恋愛と後の刃傷事件を主体とした大正時代のお話と
二人にはまったく関係ない昭和40年代の醒めた生き方をする
若者たちの姿を同時進行ではさませる。



二つは途中、現在の若い女、束帯永子(伊井利子)と
野枝を絡ませたりして、野枝と栄子という
時代が異なる二人を時空を超えて同時にスクリーンに
登場させるシーンがあったりして
これがまた話をわかりにくくしているのだ。




大杉は野枝を愛したことを逸子に打ち明ける。
妻の保子、逸子、野枝の3人とも同居せず
それぞれが経済的に自立した上での
自由恋愛を大杉は主張する。


しかしこんな状態が続くわけもない。
ましてや大杉は経済的に自立しておらず
経済力がある逸子から金をもらっていた。
彼自身が”経済的自立”という条件から外れている。

逸子の方も金を渡せば大杉が会ってくれるので
自然と財布を開き金を渡す日々。


だが、大杉の野枝への愛はどんどん深まり
ある日逸子から自由になるために
大杉は逸子へ金を投げつけ縁を切ろうとする。


野枝に大杉の子供が出来たこともあり
嫉妬に狂う逸子は大杉を刺してしまう・・・
(日陰茶屋事件)
はずなのだが、このあたりも神近に遠慮したのか
あやふやな演出でわかりにくい。


最後大杉と野枝と甥が連れ去られた上に
殺害された甘粕事件も生々しい描写はなく
二人の死体が転がるのみ。



エロスプラス虐殺 岡田茉莉子と細川俊之

良かったのはモノクロ映画ながらも
映像が美しかったこと。
フィルムの状態が悪いからか
ところどころ人の顔の判別がつきにくい場面もあるが
桜の木の下で語り合う細川俊之と岡田茉莉子の
姿もとても美しかったが
日本家屋から覗く外の風景も情緒があった。

保子、逸子、野枝と3人の女性との関係を
同時進行させる色男、大杉栄を細川俊之が演じているのだが
甘い声と、舞台のような厚化粧を施した細川俊之は
大杉栄役にぴったりでした。


実際の大杉栄は重度の吃音があったり
ギョロ目でどうみてもイイ男に見えないのだが。

しかも、大杉は婚約者があった保子を
強引に犯して自分のものにしているのだ。
その上、神近市子と伊藤野枝も手に入れている。

一方の野枝も夫の辻がいながらも
大杉と不倫し、後に野枝と姉妹のように育てられた
女性が辻と抱き合っているところをみて
激しく嫉妬をするというエゴ丸出し。


大杉、野枝の間に生まれた女児に対して
世間から悪魔呼ばわりされたことから
自分の子どもに「魔子」という名前をつける。




映画に話を戻すと、、、

畳の上に細川俊之が倒れたところで
襖が次々と倒れていく様子など
演出の仕方も面白かった。


大杉と野枝のストーリーを進めながらも
昭和の永子の話も展開させていく。

永子は20歳の学生で売春行為も
気軽に行う現代の若者。

冒頭で永子に金を渡した男は
ホテルで永子を抱いていた。
全裸の永子と絡み合う中年の男。
その現場に何故かはいってくる
和田(原田大二郎)という若い男。
中年の男と和田は顔見知りなようで
この辺りも?でした。


栄子は別の男から金で体を売ったことをとがめられたり、
永子と和田が芝居を演じているみたいになったりと
いきなりこういう展開になるので
見ていて何がどうなっているのか混乱する。

この頃の若者の話し方がどうだったかわからないが
永子と和田の会話が今見るとうっとうしいくらいで
これが先ほどの画像の中の文章”トーキング”なのだろうか?


今回初めて知った伊井利子という女優の
背伸びをした演技が”トーキング”と相まって
21世紀の今現在見るのがちょっときつい部分もある。



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常識的な見方をやめると見えてきた自分に必要な事
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存在さえも知らなかった映画を
ふとしたきっかけで見ることになったのだが
当初無料券で借りたとはいえ
「これは借りて失敗だったか?」と思ったのだが
見終わる頃にはこの評価が180度変わっていた。


普段私たち大人は世間や親、教師などから与えられた
常識的な生き方にとらわれている。
一般的に当たり前という思考が脳に蔓延っている。

例えば努力をした人が成功するとか。
でも、世の中一生懸命やっているだけでは
成功できない人が多くいる。

私は常々、思考を活性化させたいと思っている。

この映画はあまりにわからなさすぎて
脳が混乱を起こしていた。
常識的な見方ではわからなかった部分が
思考が破壊されてきたことで見えてきたものがある。


そして、大正と昭和、同時に存在していなかった
人間たちが映画で遭遇する。
この時空を超えた出会いにも共感をもった。


今年に入ってから常識ではありえない
まさに過去と現在と未来が同時に存在しているような
ある出来事が私自身に起こった。

些細な出来事なのだが
いくら頭で考えてもあり得ない出来事なので
何故それが起こりえたのが未だにわからない。

でも、あの時、異次元が同時に存在するんだという
事が実際の経験を通じてわかった。


この映画はまさにこのタイミングで私に必要なものだったのだろう。


脳を混乱させ思考の枠をとっぱらい
時空を超えた世界が同時に存在するんだということを実感する。


まだまだこの辺り感覚的なもので
きちんと言語化できませんが。



自分の器を広げることで
借りて失敗と思った出来事も
借りて正解と思えるように認識が変化した。










「エロス+虐殺」というタイトルに目が奪われるが、
エロスも感じなければ、虐殺された甘粕事件もなかった。


映画としては大杉と野枝の物語を
もっと史実にそってシンプルにやって欲しかったな。



さて、最初に書いた加藤泰監督の作品だが、
「骨までしゃぶる」「男の顔は履歴書」「みな殺しの霊歌」を見たのだが
どれも良かった。


これらの映画を見るきっかけも
リラックスしている時にやってきた。




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