2017/04/01

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大エルミタージュ美術館展@森アーツセンターギャラリー

category - ライフスタイル
2017/ 04/ 01
                 
先日、六本木の森アーツセンターギャラリーで行われている
「大エルミタージュ美術館展」へ行って来ました。


森アーツセンターギャラリー

会期は3月18日~6月18日まで。
私は平日の朝一番で行ってきました。

予想通り平日の朝イチは結構空いていて
じっくりと見て回ることができました。


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大エルミタージュ美術館展
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ロシアのサンクトペテルブルクにそびえ建つエルミタージュ美術館。
1764年にエカテリーナ2世がドイツなどから
買い集めた美術品がこの美術館の基になっています。

現在では収蔵品は310万点、絵画だけでも1万7千点に及びます。
エカテリーナ2世在位中に購入した作品が数多く含まれています。

ルーブル美術館、メトロポリタン美術館と並び
3大美術館といわれるエルミタージュ美術館のコレクションの中から
オールドマスターを中心に85点が展示されています。

ティツィアーノ、ルーベンス、クラーナハ、レンブラントをはじめ
ルネサンス、バッロク期の名画を見ることができます。



まず入ってすぐに目にするのが、エルミタージュ美術館の
礎となった人物エカテリーナ2世の全身の肖像画があります。


大エルミタージュ美術館展 エカテリーナ

≪戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世の肖像≫ 
ウィギリウス・エリクセン 1760年代


服には鷲の紋章を刺繍してあり
左手には宝珠を右手には王笏が握られている。

豪華な衣装を身にまとったエカテリーナは
自信をみなぎらせた表情をし
醸し出している堂々たる風格から
まさに「女帝」という言葉がピッタリだ。
胸元の青もこの人物の格や権威が感じられる。



大エルミタージュ美術館展 ティツィアーノ

≪羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像≫ 
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 1538年

このモデルを務めた女性はティツィアーノの愛人とも言われています。
ティツィアーノらしく繊細な明暗表現と卓越した筆致による肖像画。
どうやら帽子の部分は書き足した形跡があることがわかっています。

アクセサリーを身に着け、帽子もかぶり、
衣服からも普通に着用していたら正装なのに
片側の肩から胸元が大胆にはだけていてアンバランスで不安定。
この絵からは2面性というものが感じられた。




大エルミタージュ美術館展 クラーナハ

≪林檎の木の下の聖母子≫ ルカス・クラーナハ 1530年頃

口元はやや微笑んでいるように見えて
目元は醒めているような表情のマリア。
首から肩にかけて透明な布が巻かれている。
衣服の発色の良さが印象に残る作品だった。




大エルミタージュ美術館展 盗まれた接吻

≪盗まれた接吻≫ 
ジャン=オノレ・フラゴナールとマルグリット・ジェラール 1780年代末

男から頬に接吻を受けながらも
反対側の奥にいる人目を気にしている女性。
このように雄弁に物語が語られているような絵は大好きです。

寓意的な絵画も奥が深くて好きですが
詳細にストーリーを語る絵も
一見しただけで読み取れる事柄だけでなく
さらにその奥に見え隠れする部分に
あれこれ思いを巡らすことも絵画の楽しみのひとつですね。




大エルミタージュ美術館展 レンブラント

≪運命を悟るハマン≫ レンブラント・ファン・レイン 1660年代前半

「エステル記」から。

ハマンはユダヤ人全員を殺害しようと計画したものの
ユダヤの王妃エステルの機転により
逆に王から処刑をいいわたされた。

この絵はハマンが処刑を言い渡され
胸に手を当てて、自らの運命を悟った場面。

「光と影の魔術師」と言われた
レンブラントがハマンが運命を覚悟した様を
静かに描き出しています。



大エルミタージュ美術館展 手袋を持つ男の肖像 ハルス

≪手袋を持つ男の肖像≫ フランス・ハルス 1640年頃

肖像画が得意なハルス。
モデルは不明なものの、手袋をした手を胸にあて表情にも自信を感じられる。
このポーズは、社会的な成功を示しています。



大エルミタージュ美術館展 聖家族

≪聖家族≫ ポンペオ・ジローラモ・バトーニ 1777年


パーヴェル1世が母エカテリーナ2世へ贈った作品。

このマリアは陶器のような白くて滑らかな美肌を持っていて
若くてみずみずしい表情をしています。

息子から母へのプレゼントに選んだというのが
本当によくわかりました。

女帝とはいえど、息子にとっては母親。
愛する母への贈り物にこの主題と
描かれた人物の可憐さはピッタリだなと思いました。



大エルミタージュ美術館展 聖母マリアの少女時代

≪聖母マリアの少女時代≫ フランシスコ・デ・スルバラン 1660年頃


こちらはマリアの少女時代を描いたもの。
幼いながらもそのまなざしはしっかりとした意思を
持っていることを、組まれた手からは敬虔さを
感じ取ることができます。





今回風景画も素晴らしいものがありました。

正確な遠近法で知られる「都市景観図」の画家カナレットの風景画。

そして、私が何よりも感動したのは
ベナルド・ベロットの『ドレスデンのツヴィンガー宮殿』です。
これはまるで写真のような緻密な筆致で
この風景を本当にそのまんま切り取ったようでした。
近くによってじっくりと眺めたのですが
細かい窓の一つ一つも非常に丁寧に描かれていました。

テーマも構図もとても気に入り
何回でも見たくなる素晴らしい作品だった。


大エルミタージュ美術館展 鳥のコンサート

≪鳥のコンサート≫ フランス・スネイデルス 1630~40年代

もうひとつ、大のお気に入りだったのが
『鳥のコンサート』です。

動物画を得意としたスネイデルスの作品。

中央にいるフクロウが指揮者となり
大小沢山の鳥さんたちがそれぞれ鳴いています。

各自が鳴いているだけなのでまとまってなく
指揮者のフクロウはちょっと戸惑いを見せた表情をしている。

テーマと表現のしかたがすごく私好みで
複製画が欲しくなったくらい!





前半と後半で同じテーマを扱ったものがありました。
聖書に出てくる「トビト記」です。

ベルナルド・ストロッツィの『トビトの治癒』では
失明したトビトに息子のトビアが
魚の内臓を使って治療に当たっている場面が描かれていた。


後半のクロード・ロランの『トビアと天使のいる風景』では
描かれている場面が違っていました。
トビアは花嫁に魚の心臓と肝臓を
父には魚の胆のうを使ったとされていました。


また対作品では、ホントホルストの
『陽気なリュート弾き』と『陽気なヴァイオリン弾き』がありました。

バロック絵画の典型的な特徴を持ち合わせた
暗い背景に立体的に浮かび上がる陽気な男女たち。


この他にもその時代好まれたテーマを主題とした作品や
一見なんてことはない風俗画から
その裏に秘められた画家の表現したかったものを
読み取る楽しみがある作品など面白いものが沢山ありました。



開催が決定したときから、すっごく楽しみにしていた
大エルミタージュ美術館展。

混雑もなくあれだけゆっくり鑑賞したのに
僅か1時間半程で見て回れた。

理想的な鑑賞スタイルで満足して帰ってきました。



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この日の六本木はとても暖かな気候でした。

六本木ヒルズ

六本木ヒルズに着くと、チューリップの花が沢山咲いてました。

この辺りは始業時間が遅めの会社が多いからか
ラッシュを避けられると思っていたのに
どっこい電車は激混み!
通勤ラッシュに思いっきりぶつかってしまった。


六本木までの僅かな乗車時間でしたが
激混み電車のストレスを癒してくれるような
花と洗練された風景。



六本木ヒルズ 展望

美術館がある52階からの眺め。

鑑賞後はここに座ってしばらく休憩。


森アーツセンターギャラリーは
沢山行く機会がある美術館ではないのだけど
いいものをやるときは私の好みにドンピシャで
本当にいい内容の展覧会をやってくれます。

次はいついくのか未定ですが
これまで見に行ったような極上の展覧会を
やってくれることを期待してます。

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