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松本清張の「書道教授」 (1982年、1995年) - 2017.04.15 Sat

土曜ワイド劇場で過去2度ドラマ化されたことがある
松本清張の「書道教授」という短編小説。
私が気に入っているドラマのひとつである。

1982年版は大昔見たことがあり
もう一度見てみたいと思ったら
随分前にCSで放送され何度か見直しています。

土曜ワイドで同じ作品を何度か放送することがありますが
リメイク作品は好きになれないパターンが多いのですが
こちらは1995年版も面白かった。

音楽もどちらも良かったです。


●「書道教授・消えた死体」  1982年1月16日
原作: 松本清張 『書道教授』
脚本: 吉田剛
音楽: 津島利章
監督: 野田幸男
制作: 松竹
出演: 近藤正臣、加藤治子、風吹ジュン、生田悦子、
佐野浅夫、池波志乃、井上昭文、富田恵子ほか

松本清張の書道教授

「書道教授」は初めて見たのが近藤正臣主演の
1982版なので、こちらの方が好きである。


書道教授 近藤正臣

東都銀行鎌倉支店の行員・川上克次(近藤正臣)は、
妻保子(生田悦子)と保子の父(有馬昌彦)の敷地に
建てられた別棟に住んでいる。

克次は昔、書道を習っていて、字がうまいことから
家でも社内でも代筆の頼まれ事をすることがあった。


義父は湘南の私大の理事長で、克次の銀行は
その私大の指定銀行だった。

保子は末っ子で、父親の秘書役のようにべったりとしていて、
自由気ままな性格だ。
このような環境から克次は息苦しさを感じていた。





松本清張の書道教授

そんな克次の息抜きはパチンコと神谷文子(風吹ジュン)という
藤沢にあるバーのホステスとの情事だった。
文子は公言してないが克次以外にも男がいて
家庭がある克次には気楽に遊べる相手だった。


松本清張の書道教授 風吹ジュン

保子の父の助けもあって、毎月、克次はノルマ以上の
預金を獲得しており、それを一時的に郵便局へ預け
月末に得た利子を女へやる小遣いとして工面していた。



土曜の午後、仕事が終わり文子のアパートへ行く途中立ち寄る
谷口古書店の色っぽい女主人・谷口妙子(池波志乃)を眺めたり
近くの呉服店に掛けられた達筆な引き札を見るのもささやかな楽しみだった。


松本清張の書道教授

書いていたのはその店の女主人・勝村久子(加藤治子)のようだった。

松本清張の書道教授 池波志乃 井上昭文

古書店の妙子はいつも客の小川鉄太郎(井上昭文)と親しげにしていた。


そんな克次に義父の口添えもあり、地方への転勤話が持ち上がる。
父親が遊び人の息子よりも、娘婿の克次を評価していて
後々学校の後継者にしたがっていることからも
保子は単身赴任で地方へ行き
出世コースにのることを歓迎している。
仕事のことにまで妻の家族に口を出され息が詰まりそうな克次。

そんな折、呉服店の主人が亡くなったことを知った。
葬儀の後、久子は店を終いどこかへ引っ越してしまったようだ。



克次は転勤前に文子と手を切ろうとする。
仕事が忙しくなったという口実で克次は
それとなく別れ話を切り出す。


銀行員で妻の実家が金持ちである金づるの克次を
簡単に文子が手放すはずはない。


会社の帰りに後をつけてきた文子をまくため
書道具を買っていたのをいいことに
偶然見つけた「書道教授」の看板を掲げてある
一軒家に逃げ込んだ。

文子が見張っている手前、早々に帰るわけにもいかず
克次はその家の主に声をかける。
出迎えたのは勝村呉服屋の女主人久子だった。


克次は書道を習いたいと弟子入りを志願するが
久子は体が弱く新規の弟子は断っているという。
克次は呉服店で久子の書をみて評価していたこと
以前にも書道を習っていたことを話した。
粘り強く弟子入りを希望した克次の根気に負け
久子は克次の弟子入りを認めた。

克次は久子には偽名を使い仕事もセールスマンと偽り
書道を習い始めた。

松本清張の書道教授

ある日、久子の家の前に深夜クリーニング屋の車が泊まり、
大量の洗濯物が出されているのを目撃した。
そして、久子の家で、あの古書店の女妙子の姿を見た。
しかし、久子は人違いだと言う。


しつこくつきまとう文子に負け、克次は久しぶりに文子の店へ行った。
文子は克次が転勤することを知っており
逃げられる前に手切れ金を要求してきた。
文子は克次の勤め先も、自宅もわかっているので
克次はうまく文子と手を切る必要があった。
手切れ金はうまく交渉し、予定しておいた50万円におさえることができた。


克次は大阪の梅田支店への転勤が内定した。
あとは、郵便局から預金を金を全て引き出し
帳簿をきれいにすれば終わりのはずだった。


ある雨の夜、克次が書道のレッスンを受けに行く途中、
久子の家の前で男女の二人連れを見かけ
二人が家へ入っていくのが見えた。
久子に先客がなかったか尋ねるがいないと言う。
しかし、玄関には雨による履物の跡があった。

松本清張の書道教授

部屋に通され久子が去り、いつも通り課題を書いていると
突然、2階で女の叫び声がした。
そっと、階段を上って他の部屋の様子を伺うと
男女の客ばかりで書道をしている気配はない。

転勤が内定し、克次は50万を用意し文子のアパートへ向かった。
文子に金を渡し、領収書と別れるという誓約書にサインをさせた。
しかし、克次が油断している隙に
文子は領収書等と克次の預金通帳と印鑑を
上着のポケットから盗んでしまう。


その後、克次が書道のレッスンへ向かうと
またしても久子の家の前で
妙子と小川が揉めているところに遭遇した。

松本清張の書道教授

そして、ふたりは確実に久子の家へ入った。
直後、克次も久子の家へ入る。

そして、克次が課題を練習していると
またしても女の叫び声が聞こえる。
2階へあがると、あの男が妙子を殴っていた。
どうやら別れ話のもつれらしい。
あの男は古書店の単なる客ではなく
女主人妙子の情夫だった。


これまで違和感を感じながらも
品の良い呉服屋の未亡人久子が
嘘をつくわけがないと思っていた。
だが、さすがの克次も確信した。

松本清張の書道教授 加藤治子

「書道教授」の看板をだしながらも
克次の他は全て男女の客であり
書道をしている様子はない。
加えて夜に来るクリーニング屋、
大量の洗濯物・・・

もぐりの連れ込み宿と思えば合点がいく。
だから純粋に入門をお願いしたときに
久子は迷惑がったのであろう。

文子とも手を切って余裕が出ていた克次だが、
この時初めて上着のポケットから
郵便局の通帳と印鑑が無くなっていることに
気がつき頭が白くなる。

書道どころではなくなった克次は
慌てて文子に会いに行く。
通帳を返さない文子に盗難届けを出すといったが
文子はわけのあるお金だから出せないだろうと開き直る。
克次は通帳の金が銀行のものでこれまでの経緯を
正直に話すが、文子は克次はこのことがバレて
クビになることは絶対せずに自分の手切れ金を
必ず用意するほうに賭けると譲らない。


窮地に立った克次は、ある日、新聞記事で
古書店の妙子が相模湖畔の山林で死体となって発見されたことを知る。
殺害は他の場所で行われ、死体が山林に遺棄されたようだ。
死後約1週間ということは、久子の家でふたりを見たあの日が
生きている妙子の最後の姿だったのだろう。
妙子は小川と出来ていて痴話喧嘩の末に殺された。
男は書道塾に死体を置いて、久子に始末させた。
もぐりの連れ込み宿を経営する久子は
警察には言えず、極秘に処理せざるをえなかったのだろう。
これは完全犯罪ではないかと、克次は思った。

松本清張の書道教授 生田悦子

そんな事を考えながら帰宅すると
文子が自宅前まで押しかけ、見知らぬ他人のふりをしながら
何食わぬ顔で保子と立ち話をしていた。


克次はある計画を実行に移すことを決心した。
書道のレッスンの日、妙子が殺された話題を出し
じわじわと久子を心理的に追い詰めていく。
久子の反応から推理が間違ってないと確信したとき、
克次は愛人がいて逢瀬の場所に1度だけここを使いたいと切り出した。


松本清張の書道教授

最初こそ渋ったものの、揺さぶりをかけていくと
ついに久子は使用を許可した。

克次は文子に連絡を取り、手切れ金を要求どおり
500万円用意したので、久子のところで会おうと持ちかける。
通帳と印鑑と引き換えに渡すと話した。
そして、久子の家で文子を絞め殺すと久子の家を後にした。

職場では引継ぎも終わり、いよいよ異動まであと僅か。
退社しようとする克次を森田(佐野浅夫)という刑事が引きとめた。
森田は文子が行方不明で捜索しているらしい。
克次は文子との仲だけ素直に認めた。
念のため書道塾の様子を見に行くと、すでに売却済みで久子は引っ越していた。


もうこんな危ない生活をするのは嫌だ、これまでとは生活を変えよう。
そう決心した克次は、義父に大島紬をねだる保子に
自分が買ってやるといい保子に高い大島紬を買ってやった。
そして、単身赴任ではなく転勤先には保子にも来てもらうと宣言した。


これで万事うまくいくと思っていたとき、克次の家の前に警察が来ていた。
保子は家に泥棒が入ったのだという。
あの大島紬も盗まれていて保子は大騒ぎしている。

それからしばらくして、ふたりで出かけたとき
大島紬を着ている女を見つけて保子が捕まえてしまう。
女は質屋で着物を購入したと証言したので
横浜の質屋が捜索され、藤沢市を根城とする
盗難品を売りさばく大掛かりな組織が割り出された。
そこは表向きは書道塾の看板を出していたのだという。


古売組織検挙のきっかけとなった保子は取材もされた。
ふたりは警察から盗まれたものがないか確かめに
来てくれと警察から呼び出された。
そこにいたのは、森田刑事だった。

森田は組織の全貌を好奇心旺盛な保子に説明する。

組織のトップは小川で、呉服店の主人も組織の一員で
呉服店をアジトにしていた。
しかし、呉服店の主人が亡くなったことで
女房の久子が書がうまいのに目をつけ
表向きは書道塾の看板をだし活動していたのだ。

盗品の運搬にはクリーニング屋のバンを使っていた。
あれは洗濯物ではなく、盗品だったのだ。
妙子はやはり小川の情婦だった。
多分妙子の死体は組織を守るために
仲間達がバンで相模湖畔へ運んで捨てたのだろう。

克次は逮捕された久子と警察の廊下ですれ違ったが
文子の死体の件は、なぜか警察には話さないでいてくれた。


鎌倉支店から送り出され、義父の家では
克次のためにパーティーの用意がされていた。

松本清張の書道教授

克次は完全犯罪を確信した。

その頃、元書道塾があったあの場所では
マンションの建築が進められていた。
作業員達は文子の死体が埋められたのを発見してしまう。
逮捕された組織とは無関係の場所に捨てられていたのではなく
よりによって書道塾があった土地に埋められていたとは。


全てがうまくいき、保子の両親たちと
楽しく会食する克次だが・・・






●「書道教授・美しい未亡人の妖しい家、女の死体を始末して・・・」
1995年12月2日
原作: 松本清張 『書道教授』
脚本: 大野靖子
音楽: 鏑木創
監督: 松尾昭典
制作: 大映テレビ
出演: 風間杜夫、多岐川裕美、原日出子、
金久美子、西川峰子、小島三児ほか

松本清張の書道教授

1995年版もしっとりと落ち着いた感じで
演出されていてなかなか良かった。

前回よりも13年以上経ってからの制作ということで、
主人公が勝村久子に偽る際の職業も
百科事典の営業の中村から
生命保険のセールスマン石田へと
時代に合わせて変更されていた。


女にやる金も、顧客から獲得した預り金を
郵便局へ預けその利子で工面していたのだが、
1995年版は消費者金融が出てきたりして
この辺りも時代の流れを感じますね。



この他にも細かい設定が変えられており
前回よりも洗練されていた印象を持った。


両方とも近藤正臣、風間杜夫の語りで
物語は進行していくのは同じ。


松本清張の書道教授 風間杜夫

主人公川上克次には風間杜夫。
より銀行員っぽい雰囲気だ。


松本清張の書道教授 多岐川裕美

呉服屋の未亡人で、書道教授の
勝村久子には多岐川裕美。
前回は加藤治子で近藤正臣よりも
年齢が上で品の良い女性という位置づけだったが
今回はそれに加えて若くなったということで
主人公が淡い憧れのようなものを抱いている印象を受けた。


松本清張の書道教授 原日出子

主人公の妻には原日出子。
前回の生田悦子はわかりやすい世間知らずで
少々わがままな妻だったが、
今回は幼い子供がいることもあり
もっと庶民的な感じがした。


松本清張の書道教授

主人公の愛人、神谷文子には金久美子。
前回の風吹ジュンが藤沢のバーのホステスだったのが
今回は銀座のクラブのホステスになっていた。

風吹ジュンが場末の安クラブの女で安アパートに住み、
だらしなく少々幼さも感じる演出
(マンガやスナック菓子好きやら、店屋物好きなど
私生活にも思いっきりだらしがないかんじ)
だったのが、今回はパチンコ屋で主人公と出会うものの
勤め先も銀座だし、マンションに住んでいて
前回よりも姉御な印象です。


克次の愛人に対する態度も1982年版、
1995年版で微妙に違っていましたね。



松本清張の書道教授

前回は池波志乃だった古書店の女・谷口妙子には西川峰子。
今回はしっかり旦那(小島三児)も登場してました。
情夫は前回よりも若返ったかんじですね。


1982年版は、近藤正臣も手切れ金をしつこく要求する
遊びの女に対して、通帳を盗まれたりとツメが甘かった。
そもそも、女に勤め先も住所もおさえられているってところからして
どうかと思いましたがね。

初回は面白いけど、2回目以降は・・・・
っていうのが多いんですが、「書道教授」はそんなことはなく
どちらも良かったです。



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