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恐怖劇場アンバランス 第1話 「木乃伊(みいら)の恋」 円谷プロのホラードラマ - 2017.05.26 Fri

---心臓の悪い方、お一人でご覧になる方は
この「恐怖劇場アンバランス」はご遠慮ください---


円谷プロ 恐怖劇場アンバランス


私が”恐怖劇場アンバランス”を知ったのは3,4年位前だろうか?
土曜ワイド劇場の「白い手・美しい手・呪いの手」が見たくて
そのもととなったのがアンバランスの「墓場から呪いの手」
であることを知り、レンタルDVDを借りたことがキッカケだった。


「墓場から呪いの手」から見始めてDVDを全て借りた後、
チャンネルnecoで全話放送された。
2年ほど前にアンバランスの記事を書こうと思ったものの
頓挫してしまっていたのでこの機会に書いてみる。


恐怖劇場アンバランスは円谷プロ制作のテレビドラマ。
フジテレビ系列で1973年1月8日から4月2日まで
毎週月曜日の深夜に放送されていた。

制作自体は1969年~1970年にかけて行われていたが
あまりにも怖くて3年もの間放送されなかったのだ。



全13回のアンバランスは制作順には放送されていない。
第1回目の放送は10番目に制作された作品のようだ。


恐怖劇場アンバランス「木乃伊の恋」

■ 「木乃伊(みいら)の恋」  1973年1月8日

原作: 円地文子  『二世の縁 拾遺』
脚本: 田中陽造
音楽: 冨田勲
監修: 円谷英二
監督: 鈴木清順
制作: 円谷プロダクション/フジテレビ

則武笙子(渡辺美佐子)が大学時代の恩師で
国文学者の布川(浜村純)の家へ向かう途中、
車に乗っている男女の二人連れを見た。


恐怖劇場アンバランス「木乃伊の恋」

笙子は何故か人形だと思ってしまった。
と、同時にあの若い坊様はこれから入定するのだと感じた。
入定とは、生きながら棺に入り座禅し続け即身仏となることをいう。

布川の家へは、笙子が務める出版社の読み物に
上田秋成の「春雨物語」を入れることになり
その口語訳を布川に依頼していたためだった。
だが、布川は寝たきりなので布川が口語訳したものを笙子が筆記する。


以降は、布川の語りによって、ある物語が再現される。



正次(川津祐介)は亡くなった父同様に学問に打ち込む男だった。
ある雨の晩鐘の音を聞いた。
母は鐘の音など聞こえず雨の音しかしないというが
正次は翌日鐘の音が聞こえた場所を掘り返す。

すると、長髪で座禅を組んだ1体のミイラが見つかった。
正次はミイラが高僧だとありがたがり面倒を見ることになった。

恐怖劇場アンバランス「木乃伊の恋」


正次の熱心な世話のおかげでミイラは甦った。
入定した僧のようだったが記憶をなくしているのか
自分の名前すら思い出せない。



正次は入定の定助(大和屋竺)と名付けた。


だが、正次の思惑とは裏腹に定助は
欲だけ旺盛で、食べ物は平らげて
おかわりを要求するは、挙句の果てには
性欲もすさまじく、子供だろうが老人だろうが
女と見るやその尻を追いかける始末だった。


定助は入定する前に果たせなかった
性欲を満たすためだけに甦った男だったのだ。


定助の異常な性欲は村中に広まっていた。
男女の契りを交わしているところを覗き
女から「歌舞伎役者みたいな色白の男になったら
ここで相手にしてやるよ」と言われ
真に受けた定助は顔中に白粉を塗りたくり
歌舞伎役者のようになってその場所へ行く。



恐怖劇場アンバランス「木乃伊の恋」

結局その女には逃げられたが、川の向こう側にいた
夫に先立たれた頭の弱い女(加藤真知子)を見つける。


恐怖劇場アンバランス「木乃伊の恋」

未亡人は定助に微笑んだ。
脈ありと見た定助はその女と一緒に家に向かう。
そして、7日間の間定助は未亡人と交わり続けた。


恐怖劇場アンバランス「木乃伊の恋」

8日目にはさすがに未亡人にも呆れられ
定助は家を閉め出される。
直後、未亡人は腹痛に苦しんだ。
それは、陣痛で未亡人は定助の子どもを出産する。


恐怖劇場アンバランス「木乃伊の恋」

生まれたのは色情まみれの定助の子供にふさわしい
ろくでもない黄金の菩薩たち。


恐怖劇場アンバランス「木乃伊の恋」

定助の子どもが生まれたことは村中に知れ渡った。
正次と村人たちが駆けつけてきた。

手のひらサイズの色情菩薩たちを
正次たちは殺してしまう。
そして、みんなは定助の行方を追う。

定助は逃げる最中に車から転落し死亡する。

正次にもとの平穏無事な生活が戻った。




正次はようやっと嫁を迎えることになる。
初夜の晩、あの鐘の音が鳴った。



恐怖劇場アンバランス「木乃伊の恋」

正次は半狂乱になりながら鐘の音が聞こえる場所へ飛び出していくが・・・

その後、妻の体に触れようとする晩だけ
あの鐘の音が聞こえて正次を狂わす。

この噂は妻の実家へも届き、妻は実家に連れ戻された。

それから、正次は一度も女と交わることなく生涯を終えた。



恐怖劇場アンバランス「木乃伊の恋」

布川の語りは終わり、冒頭の現代へ舞台は切り替わる。

口語訳を書き終わった笙子に、布川は笙子の亡くなった夫の話しをする。
布川に言われて引き出しを開けると、そこには笙子と夫の写真が入っていた。

笙子が以前忘れていったものだった。

布川はその写真を見せてくれといい、笙子の夫の容姿を確認すると
旦那さんはメガネをかけていたんだねという。



恐怖劇場アンバランス「木乃伊の恋」


発作を起こした布川が、起き上がると
夫が死んであれから12年、そろそろ甦ってもいい頃だとつぶやく。
笙子は布川の介護をしているみね子(加藤真知子=二役)を呼びに行くが
みね子は寝ていていつものことだと反応が悪い。

笙子が戻ると布川は定助の話しを持ち出し
夫は実は亡くなってはいない。
定助は女を抱きたいという思いだけで甦った
夫も生き返る2人目の定助になる
いや定助は夫だけでなく自分もと
熱に浮かされたように口走り笙子に襲い掛かる。

布川はかつて元気な頃もこうやって笙子に手を出そうとしていた。
たまらずみね子の助けを求める。

ようやっと来たみね子が尿瓶をあて布川の尿をとる。


布川の家から帰る途中、最後に布川の話しが頭をよぎる。

笙子は夫と1年数か月という短い期間しか愛し合うことが出来なかった。
今でも夫が夢の中に出てきてしじゅう抱き合っていた。

入定の定助が見せた性への執着は、笙子の中にもあったのだ。

布川の話に刺激を受けて夫が甦るかもしれないと、
写真を握りしめた笙子は、夫が死んだ軍事工場の
防空壕があった場所へ足を運び夫を待つ。
しかし、誰もそこへは来なかった。
笙子は写真を燃やす。


そこへメガネをかけた男がやってきた。
笙子は夫だと思い、その場所でセックスするのだった。

ことを終えて身なりを整え帰ろうとする笙子のもとへ
みね子が走って追いかけてきた。

布川が笙子が帰ったあと倒れて、その後死んでしまったのだという。

笙子を抱いた男は誰だったのか?

夫が定助のように甦ったのか
それとも性への執着をみせた布川だったのか。


原作は上田秋成の「春雨物語」の中のひとつ
「二世の縁」を題材にした、円地文子の 『二世の縁 拾遺』。
脚色してるだろうけど、こんなエグいお話女性が書いたんですねー。



制作終了後から3年たってようやっと放送までこぎつけたのだが
第1回目の放送がこの「木乃伊の恋」だ。
非常にわかりづらくて、見るものを選ぶようなドラマだ。
好きか嫌いかがハッキリとわかれる作品。



「恐怖劇場アンバランス」は当初、ゴールデンタイムでの放送を予定していたが
それは叶わず深夜にひっそりと放送されることとなる。
よくまぁ、これをゴールデンで流そうと考えたものだ。
しかも、1発目に持ってきたとは・・・


私はまず12回目の放送分「墓場から呪いの手」から見始めて
いくつか見た後にこれだったのでまだ免疫があったが
もし、テレビで最初に見たのが「木乃伊の恋」だったら
おそらく13話見続けてはいなかったかもしれない。


ちなみに「墓場から呪いの手」は一番最初に制作されたらしい。
放送は最後から2番目だったんですね。


最初はわけがわかんない奇妙なドラマという印象しかなかった。




恐怖劇場アンバランス青島幸男


まず、スタジオに案内人の青島幸男が出てきてドラマの解説を簡単にする。


本編スタート。

暗闇に踏み切りの信号機のアップでカンカンと音が鳴り響き
座禅したミイラの姿が登場する。

---心臓の悪い方、お一人でご覧になる方は
この「恐怖劇場アンバランス」はご遠慮ください---

というナレーションが流れ、炎をバックに黒猫登場!

タイトルが映し出される。


暗くなってきた道を笙子役の渡辺美佐子が歩いてくる。
途中踏み切りがあり信号待ちをしていると
急に昼間のように明るくなり踏み切りの向こうに車が見え
手前を電車が通っていく。

人の気配を感じると渡辺美佐子の横にも車が停車していて
中には男女二人が乗っている。
まるで時代劇に出てくるようなかっこうで異様だ。

すると、渡辺美佐子は「あっ、人形」だと思ったと語るのだ。
その時はそれを不思議とも思わなかった。
そして、あの若い坊様はこれから入定するのだと思ったといい
入定の説明がされ、その坊さんが棺に座禅して入るシーンがでる。

そのまま唐突に布川役の浜村純の語りで
時代劇のパートが始まるので、最初は混乱させられる。


またこの時代劇の話がコミカルで奇抜なのだ。
今回の画像は全て2年前に用意したもので
あの時は奇妙な時代劇の部分をクローズアップして
記事を書こうとしたのではないかと思う。


確かに定助役の大和屋竺のビジュアルはインパクト大だし
生まれた金色の菩薩の大群も気味が悪くて悪趣味だ。

大和屋竺は脚本家、監督として有名なようで
アニメ、「ルパン三世」や「元祖天才バカボン」の脚本も担当している。


だけど、今回もう一度みて印象に残ったのは
後半の現代劇のパートだった。


和服姿の渡辺美佐子が物語の訳をノートに書き終わり、
足を崩してタバコを吸う。

崩した足の足袋と着物からのぞくナマ足、
カメラはそのままゆっくりとなめるように上へ上がっていく。

着物に包まれた大腿部、腰、胸元から首筋
そして口元へ。煙が吐き出される。
なんともなまめかしい撮り方だ。

それを無言で床に横たわった浜村純が
ギョロッとした目で見ていてその目のドアップ。

渡辺美佐子は気配を感じ居住まいを正すが
布団から出ている老人の手は力なく垂れていて
かつて自分に体を摺り寄せてきたり、手を握ったり
それ以上のことをしようという体の自由は利かなさそうで少し安心する。

だが、この枯れ果てた老人の女を抱きたいという思いは激しく
いつの間にか老体にムチ打つようにして起き上がると
やや若くなって最後の力を振り絞って遅いかかってくるのである。

潤いとは無縁の乾いた皮膚を持つ顔面に性欲をギラギラさせて
思いっきりひんむかれたギョロ目。


しかし、この状態も長くは続かず、介護の女性に尿瓶を当てられ
四つんばいになって排尿する。
自虐的に笑いながら用を足す老人は不気味である。


時代劇で正次役の川津裕介が鐘の音を最初に耳にしたのは
雨の晩だったが、現代劇の老人宅を帰るときも雨が降っていた。

傘をさした渡辺美佐子が夫の蘇りを期待して
亡くなった場所へ行くのだが
そこに訪れた男はめがねをかけて夫ににていた。
だが、この男の声に老人の声が時折重なる。

やはりあれは夫に化けた老人の生霊だったのか。
それとも、亡父と老人がひとつになった姿だったのか。

老人だとしたら、気持ちが悪いことこのうえない。
尿瓶で排尿するくらいしか使い道がなくなって
久しい老人のモノだが、燃え上がる情欲によって
行為も可能になったのだろう。

笙子が夫に抱かれたいという思いよりも
死が間近に迫った老人の笙子を抱きたいという執念が
上回って老人のモノに奇跡が宿ったのではないか。

最後にみね子は老人が心臓も悪かったのだと言った。

だとしたら行為を終えた後、やったことにより
負担がかかった心臓が止まってしまったのかもしれない。



後味の悪い突然のラスト。




今回気が向いて改めて見直してみたのだが
最初見たときのヘンテコな印象はどこへやら
秀作であると感じた。


監督の鈴木清順もルパン三世の監督や脚本を担当している。
また88歳の時に48歳年下の女性と再婚しているということで
「木乃伊の恋」もより生々しさをもってくる。


最初の<心臓の悪い方、お一人でご覧になる方は・・・>ってナレーション、
見る前はどんなに怖いのかと期待感が大きかったのだが
1人で見ても全然怖くなくて拍子抜けしてしまった。


だけど、子供ん時に見たら、すんごく怖かったでしょうね~( ゚Д゚)




こちら去年ブルーレイまで発売されていて
根強い人気の強さを感じます。





なんだかんだいっても、何度見ても面白くて
土ワイの「白い手・・・」がキッカケとはいえ
恐怖劇場アンバランスの存在を知って良かったです。




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