「二人の妻をもつ男・殺人証明」  (1982年)  パトリック・クェンティン 『二人の妻をもつ男』

パトリック・クェンティンの有名な「二人の妻をもつ男」
最近は特にこの頃の土ワイを見たくてたまりません。



●「二人の妻をもつ男・殺人証明」  1982年1月30日
原作: パトリック・クェンティン 『二人の妻をもつ男』 
脚本: 長谷川公之
音楽: 津島利章
監督: 須川栄三
制作: 三船プロダクション
出演: 江守徹、大空真弓、山本学、金沢碧、
岡田英次、竹田かほり、山本リンダほか


出版社の企画部長(江守徹)は、社会的地位も得て
平和な家庭を築いていた。

だが、ある殺人事件に巻き込まれ、容疑を受けた
前妻(大空真弓)のアリバイ証言に立つ。

スキャンダルを覚悟したその勇気ある行動が
思わぬ結末を招く。










ビル・ハーディングはC・J出版社社長C・Jの長女
ベッシィと結婚し先妻との間に出来た息子リキーと暮らしていた。
ベッシィはよく出来た妻で今の暮らしに満足していた。

ところがある晩、偶然別れた前の妻アンジェリカ・ロバーツと出会った。
アンジェリカはとても美しく、それは今でも変わらなかった。
アンジェリカとの結婚生活で、ビルは「真昼の灼熱」という小説を書き
その後ヨーロッパへ渡り2作目を書こうとしたのだがかけず仕舞いで終わってしまった。
アンジェリカは男が出来てリキーを残したままビルの元を去っていった。


久しぶりに再会したアンジェリカの美しさは変わらないものの
ジェイミー・ラムという小説家志望でハンサムだが暴力を振るう
とんでもない男と付き合っていて生活は荒れていた。
ジェイミーから殺されそうになってもアンジェリカはジェイミーをかばう。


ビルの義父C・J・カリンガムはなんでも自分の思い通りに事を運ばせる男で
長女のベッシィよりもわがままで奔放な次女のダフネを寵愛していた。
C・Jの妻はとうに亡くなっていた。


ふとしたきっかけでビルはジェイミーをダフネに紹介した。
ビルはアンジェリカと都合よく付き合っていながらも
金持ちの女と結婚するという野心を持っていた。


ダフネもジェイミーから暴力を振るわれるのだが
なぜか離れられなかった。

そのジェイミーが深夜、何者かに殺された。
ジェイミーは殺された日ダフネと会っていた。
娘に疑いがかからぬよう、C・Jは
ダフネがビルの家へ遊びに行っていたと
ビルにニセのアリバイを証言するように命じた。

当日ベッシィは出張で家を空けており
この日はビルの他にリキーと乳母のエレン・ホジキンスがいるだけだった。
乳母のエレンは病気の姪の面倒をC・Jが見てくれることからも
ダフネのアリバイ工作に快く協力する。


ビルたちがダフネのアリバイを証明してやったことで
ダフネは警察から疑われずに済んだ。

しかし、その後アンジェリカに疑いがかかる・・・。
アンジェリカにはアリバイがあったのだが証明できなかった。



実は、ベッシィが出張で不在の時に、ジェイミーから家を追われ
夜に宿をとらざるを得なくなり、お金がなく困ったアンジェリカは
その費用を借りるためにビルの家へ訪れていたのだ。
このことはビルだけでなく、乳母のエレンも、深夜2時に起きてしまった
息子のリキーも知っていた。
しかし、ビルとエレンは既にダフネのアリバイを証明していた。


しかし、アンジェリカの容疑は濃くなる一方でとうとう身柄を拘束されてしまった。

ビルはダフネ不在の間に前妻のアンジェリカを
家に入れたことがバレるのを恐れていた。
C・Jからダフネのニセのアリバイに協力してくれと言われたときは
それが明るみに出なくなりホッとしていたのだった。


だが、さすがにアンジェリカが警察に捕まり、
ようやっとビルは本当の事を言うことを決意する。


事件担当のトラント警部に真実を明かすが
もう一人の証人エレンはアンジェリカが来ていたことは認めなかった。

ビルは親友でベッシィのやっている基金を手伝っている
ポール・ファウラーと妻のサンドラに事情を話し
アンジェリカのアリバイ証明の協力を依頼したが
警察が彼らの方へ行く方が早くて協力することは出来なかった。


ビルが証言を翻したことでC・Jと衝突しビルは無職になった。

その後もビルはアンジェリカを救うために
真犯人を探し出そうと活動を続ける。

終盤、思ってもいなかったある人物の秘密が明かされ
そこから一気に物語は動き出し犯人が判明していく---。



///////////////////////////////////////////



パトリック・クェンティンは、複数または単独作家のペンネーム。
この作品はパトリック・クェンティン名義で発表された
ヒュー・キャリンガム・ホイーラーの単独作品である。


「二人の妻をもつ男」はクェンティンの代表作ともいわれており
読み応え十分でとても楽しめた。


主人公ビル・ハーディングの視点で書かれていて
犯人探しというよりはそこに至るまでの
二人の女の間で揺れるビルの心理描写が細かく綴られている。

美人で男の元へ走った前妻と社長の娘で妻としても完璧な
現在の妻と間で苦悩する男の胸中が優柔不断にも思える。

前妻と会っていたことを知られたくない保身から
義父に頼まれて妻の妹のニセのアリバイに協力したものの
そのことで前妻のアリバイを証明できなくなった葛藤。
重い腰を上げて前妻救出を決心し活動を始める様子。

ならず者の愛人にいいように振り回されている
前妻と会っていることを知られたくなかったのは
心の奥底ではまだ前妻への情を断ち切れてないからかと思いきや
そうではなく今の妻への自責の念に駆られたからだと
わけのわからない理屈を述べる。



今回、特に真犯人は誰だろうと犯人探しを意識して読んでなかったので
最初から自分の見えない位置に犯人を追いやっていた。

私の死角にいた真犯人の死によって長い物語は幕を下ろした。

まぁ、終わってみればある種王道な真犯人だったわけだが
つらつらとある男の心の動きをかたられたことにより
最後の怒涛の展開は目が覚める感じで面白かった。
本当に最後の最後にどんでん返しでやられたかんじがしました。




さて、土曜ワイド劇場では1月30日にこの原作を
「二人の妻をもつ男・殺人証明」として
江守徹、大空真弓らでドラマ化しました。



主人公ビル・ハーディングを江守徹

前妻アンジェリカを大空真弓というキャスティングです。

美貌を持ちながらも、DVの愛人がいる女ってことで
大空真弓っていうのが原作を読んでからだと
イメージが違うなぁと思いました。



おそらく、現在の妻ベッシィを金沢碧
その妹のダフネを竹田かほり
出版社社長のC・Jを岡田英次
ビルの友人ポール・ファウラーを山本学
その妻が山本リンダなんですかね。
山本学と山本リンダが夫婦ってピンときませんが。


被害者の男前で女を利用する男ジェイミーは誰がやったんだろう。

必ずしも小説の登場人物がイメージそのままでなくても
この頃の土ワイはアレンジもうまかったので
そんなには気にしてませんが。


同じ年の5月1日には、パトリック・クェンティンの原作を
「妻と愛人の決闘・アリバイ証明」というタイトルで
やはり大空真弓、江守徹らでドラマ化してます。


「二人の妻をもつ男」がアリバイの証明がポイントになっていることもあり
同じキャストで同じ作家の原作をドラマ化ということで
私の中ではこの二つがこんがらがっています。

二つともドラマを見ているのですが、どちらも面白かったと記憶してます。
残念ながら二つとも映像が手元に残ってないので見比べることはできないのですが。


「妻と愛人の決闘」は土ワイ好きの間で大変人気が高い松尾嘉代が主演してます。





10年位前までは海外作家の作品をドラマ化したものも
多く放送されてましたが、ここのところなかなか再放送されませんね。

AXNミステリーあたりでもいいからやって欲しいです。
このチャンネルは契約してれば無料でオンデマンドも見れるので
そっちでもいいから見たいなぁ。



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923:Re: パトリック・クェンティン
コメントありがとうございます!

「妻と愛人の決闘」は私も原作は「愚かものの失楽園」と思っていたので多分そうでしょう。
「二人の妻をもつ男」を書いた後、現在生地を制作中で、原作はこれから読むところです。
自分もあっているかどうか原作を読んでみてから考えようと思っていたのでとても参考になりました!
ありがとうございます。


NHKでもドラマ化されているとのことですが、こちらもとても気になります。
土ワイ以外でもいいドラマが沢山あるので再放送を期待しているんですが
現存しているアルレーなど再放送の意思がないとすると、NHKではなくどこかのCSのチャンネルがやってくれるかどうかといったところですかね。


NHKの”松本清張シリーズ”なども、たまにCSで「この番組は****年にNHKで放送されたものです。」というテロップ付きで再放送されてましたね。

私はNHKでやっていた「冬の稲妻」も見たいのですが、見る機会があるのかどうか。

「二人の妻をもつ男」は最後の畳みかけるようなどんでん返しも面白いですし、テーマもわかりやすいので映像化しやすいのかもしれませんね。


日テレのやつNECOで放送されたとき、ちょうど時間に余裕なかったことで見逃してしまいました。
「火曜日の女シリーズ」と合わせて再放送してほしいです。



922:パトリック・クェンティン
「妻と愛人の決闘・アリバイ証明」
たぶん原作は「愚かものの失楽園」ではないかと予想しています。
「二人の妻をもつ男」と対になる内容なので、同時期に立て続けにドラマ化するとしたら面白い試みかもしれません。
とはいえ「二人の妻をもつ男」「愚かものの失楽園」それに「追跡者」は、どれも似たようなシチュエーションなので、続けて読むと「え、またこのパターン?!」という印象を持ちやすいですが。

ちなみに「二人の…」と、「愚かもの…」はNHK銀河テレビ小説でも続けてドラマ化(といっても一年挟んで1975年と1977年)された模様。
「二人の…」をドラマ化した「帰らざる日々」は1975年。児玉清、生田悦子、佐藤友美。ソニア・ローザが歌う坂田晃一作曲の主題歌「帰らざる日々」が有名ですが、映像本編は保存されているのか不明です。
「愚かもの…」のNHK銀河テレビ小説版ドラマ化と思われる「翔べない夜」は1977年。川津祐介、小山明子、范文雀。このドラマに関しては主題歌も感想も情報が見つかりません。
NHK銀河テレビ小説は、全編保存している作品・一部欠落している作品、全然保存していない作品とがあって、NHKに問い合わせないと分からないようです。
(そして全編保存しているはずのアルレー原作「ガラスの女」やミシェル・ルブラン原作「鏡の中の女」なども、別に再放送するつもりはないようです、みなさまのNHKは。苦笑)

蛇足ながら「二人の妻をもつ男」は、若尾文子、 岡田茉莉子主演、増村保造監督で映画化(「妻二人」1967年)されたほか、日テレでの連ドラ(1970年、船越英二、浅丘ルリ子、岩崎加根子、伊藤雄之助。数年前にチャンネルNECOで放送されたとか…)もあります。
よほど映像作家の創作意欲を刺激するストーリーなのでしょうか。

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