2017/07/16
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「新幹線殺人事件」(1977年) 土曜ワイド劇場3作目

category - 土曜ワイド劇場
2017/ 07/ 16
                 
土ワイは第1作目「時間よとまれ」、2作目「野菊の墓」を放送し終わり
3回目に放送したのが森村誠一原作の「新幹線殺人事件」です。






●「新幹線殺人事件」  1977年7月16日
原作: 森村誠一  『新幹線殺人事件
脚本: 猪又憲吾
音楽: 鏑木創
監督: 舛田利雄
制作: 東映
出演: 天知茂、大空真弓、本郷功次郎、早川保、
桑山正一、八並映子、佐々木孝丸ほか



新幹線殺人事件


東京へ向かう新幹線の中で男が殺されていた。
被害者は芸能プロダクションの事務局長(小笠原博)だった。
担当の警部(本郷功次郎)らの捜査で
有力な容疑者として競争相手のプロダクションの
やり手専務(天知茂)が浮かぶが
彼にはアリバイがあった。

被害者が乗っていた「ひかり」の後を発車した
「こだま」に乗っていたのだ。

容疑者の背後にはプロダクションの女社長(大空真弓)の存在があった。








万博プロデューサーの椅子を巡って二人の女が激しい火花を燃やしていた。

美村紀久子率いるキクプロと、緑川明美率いる新星プロダクションは
芸能界における関西の二大巨頭だった。
二人はともにその椅子を策を講じて何としても奪わなければいけない
切迫した気持ちで手中におさめようとしている。


キクプロには冬本信一というやり手の片腕がいる。
冬本は独身で捨て子だったことから過去を語らない男だったが、
紀久子へ秘めた愛を抱いていた。
彼のおかげで新星プロを一歩出し抜く形で優位に立っていたが
ジャズ評論家の笹江浩一の安定工作を怠ったことで
新星プロに寝返ってしまい立場が逆転してしまう。


新星プロには冬本と同じような立場の山口友彦がいた。
山口は万博戦争で有利な立場に逆転させただけではなく
冬本の失態を許さなかった紀久子が近づいて
肉体関係さえも結んでしまった。

冬本は万博企画をめちゃくちゃにされた上に
長年愛してきた紀久子も奪われてしまい
山口に激しい殺意を抱いていた。


山口が仕事で東京へ向かう日、ひかり66号の中で
何者かに刺殺されてしまう。

有力な容疑者冬本はひかり66号から約10分遅れて発車した
こだま166号に乗車していて鉄壁なアリバイがあった。
冬本は関西と関東エリアで二回にわたって
東洋テレビの山村プロデューサーに新幹線の中から電話をかけていて
その記録が残っていたのだ。

状況はクロなのに、確固たるアリバイが崩せないもどかしさ。
警察は必死で冬本のアリバイ崩そうとする。


冬本が警察にマークされたことで、彼が邪魔になった紀久子は
二番手の風見東吾を使って冬本を失脚させようとする。
妻子もちの風見に美貌の紀久子は体も遣って誘惑し
冬本の落ち度を作らせることを依頼する。

風見は四つ葉みどりという売れるためには何でもやる女を抱き込んだ。
冬本が最近泊っているホテルの部屋の鍵をみどりに渡し
睡眠薬を飲まされたようにぐっすり眠る冬本の服を脱がして
自分も全裸になると行為におよんだ。

その時突然週刊誌のカメラマンが部屋に侵入してきて現場の写真を撮らせた。
写真を撮られることまでは知らなかったみどりに泣きつかれると
冬本に強姦させられたと証言させた。
週刊誌はキクプロが100%出資した子会社だった。

こうして、冬本は制作部長の椅子からおろされた。


一方、警察も新幹線の電話のトリックを見破り
最初の電話の替え玉を探し出した。

それはキクプロの星村俊弥だった。
だが、冬本がキクプロでの力を無くしたことで
星村も警察でそのことを素直に認めた。


そんな中、新星プロダクション所属の赤羽三郎が紀尾井町の
自宅マンションで絞殺死体となって発見された。
赤羽は存在自体はさほどでもないのにかかわらず
社長の緑川明美と肉体関係があるようだった。
明美は関係を認め赤羽を愛しているから交際したと話し
犯行時刻のアリバイもあった。


明美はその日、ある男と会っていた、それが星村だった。
さして魅力があるともいえない星村を
ライバルキクプロから引き抜こうとアプローチしていたところだったという。
不自然なものを感じたが、星村は確かにその日は
明美とともに新宿の飲み屋を何件か梯子したあとに
明美が住む高円寺のマンションへ行きずっと一緒に過ごした。
そこには明美と同居している若江ルミもいた。


星村の証言が嘘ではないとすると、明美のアリバイは確実なものになるが
明美は赤羽を愛しているのではなく、ゆすられていた形跡があるのだ。


山口殺害容疑で警察はクロと断定した冬本を引っ張った。
だが、冬本は山口への殺意を認めて
刑事たちが推察した通りのアリバイトリックを使ったことまで自白したが
殺人だけは頑として認めなかった。

冬本が殺そうと山口の席へ向かったときには、もう彼は殺されていたというのだ。
山口の席の隣と、通路を挟んだ同じ列の二つの席も
予約が入っていたが乗客は現れなかった。
冬本は山口がひかり66号に乗ることは知っていたが
どこに席をとったかまでは知らないという。
どうやらそれは嘘ではないようだ。


となると山口殺しは冬本の供述通り他の者の仕業なのか。
そして、赤羽殺しの動機と犯人は?


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カリスマ的魅力を持つ二人のプロダクション社長と
売れるなら手段を択ばないタレントたち。
華やかに見える芸能界の裏側をグサリとえぐり
そこにアリバイトリックも絡めていく。


また芸能界で起こる、ホモ、レズ関係
そして冬本の哀しい末路。
最後の冬本のところはとても良かった。
それまでが己の野望のためにはどんな手を使っても
のし上がっていく人間たちばかりだったので
冬本がみせた本当の姿に救いを感じた。




トリックだけではなく、人間、組織というところも
描き出そうとしているところが森村誠一らしいと思いました。

この時代から見えてくる、他人への無関心さ
煩わしい事には巻き込まれたくない心理描写など
丁寧に記されています。


「新幹線殺人事件」は森村誠一の書き下ろしの長編推理小説。
ダイヤは昭和44年のものが使われていて、翌年1970に小説は発表された。


当初は鉄壁のアリバイ崩しに、芸能界の裏舞台を絡ませたのかとおもいきや
アリバイ崩しを軸としながらも、芸能界に棲む人間たちの実情が
思ったよりも細かく描かれていた。


ドラマ自体も1977年放送と古いのだが、その当時でさえドラマ紹介の資料で
原作の古さについて言及されている。


当然これだけの内容をそれぞれのパーツを詳細に描くのは
時間の関係上無理なので、ドラマではかなり話を整理して
推理劇に徹して作られたようだ。
それゆえテンポがあるが、弱さも目立つ内容らしい。
プロダクションの女社長の孤独で壮絶な闘いというものは
希薄になっているようだ。


推理劇に徹しているということで、犯人を追う刑事役の
本郷功次郎が効いていて、刑事ものとしての迫力は出ているらしい。


3回目の放送ということで貴重な作品だが
5年位前(?)に少しだけ映像を見ることが出来た。

本当にさわりの部分だけだったんですが、それでも見れて良かった。
どこまで原作通りなのかわかりませんが
天知茂が冬本役なのできちんと見てみたいです。



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