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2017-08-27 (Sun)

「京都花の宿殺人事件・奥嵯峨に消えた婚約者」 (1988年) 

行方不明になったかつての婚約者を探す人妻に迫る危機。



●「京都花の宿殺人事件・奥嵯峨に消えた婚約者」  1988年8月27日
原作: 斎藤澪 花のもとにて (角川文庫)
脚本: 保利吉紀
音楽・ 田中正史
監督: 田中徳三
制作: 松竹
出演: 岡江久美子、加藤治子、あべ静江、
清水めぐみ、村井国夫、江戸家猫八ほか




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よし子(岡江久美子)は夫・村井俊孝(村井国夫)と、何不自由ない結婚生活を送っていたが
15年前京都に行くと絵ハガキを残し、突然失踪した婚約者のことがいまだに忘れられない。
村井もその事情は全て知っていて、よし子がまだ吹っ切れていないことに
モヤモヤする思いを抱えたままでいる。



よし子の婚約者は桜好きのカメラマン林田吾郎(菅田俊)で
岐阜で天然記念物の二度ザクラを撮影し苗木をもらったあと
京都で一泊して帰るという絵ハガキをよし子に送ったまま行方不明となっていた。



村井はよし子に林田への思いを断ち切ってもらおうと、京都の店を任せている
三枝香織(清水めぐみ)に二度ザクラのことを話し調べさせていた。

香織は村井の店の従業員というだけでなく、ちょっとした出来事から、
関係を結んでしまい割り切った関係でもあった。




ある日村井は、香織から電話を受けた。
京都の”あや乃”という旅館に、二度ザクラが咲いているという噂があるという。
もしかしたら、行方不明の林田はそこにいるかもしれない。
香織はそれを確かめるためにあや乃へ行くことになった。




香織があや乃につくと、女将の清乃(あべ静江)と
仲居のふみ(加藤治子)がいた。
古びて客がいないあや乃は、どこか辛気臭くて、
女将の情念が漂い重苦しい雰囲気だった。


香織はそれに不吉なものを感じた。



香織は二度ザクラのことなどをふみに尋ねるが、
その話題を避けるようなそぶりを見せた。
香織は部屋から村井に電話をかけ、
二度ザクラがあり林田がここへ立ち寄ったのは確かなので
もう少し情報を得るため一晩探りを入れると言った。
その会話を襖越しにふみが聞いていて、清乃に伝える。



15年前、岐阜で二度ザクラの苗木をもらった林田は
嬉しくなってこのことをよし子に伝えようと絵ハガキを書いて投函すると
京都のあや乃に向かったのだ。


林田と清乃は遠距離恋愛をしていたが、その間に林田はよし子と出会い
二人は結婚することになった。
清乃にそれを伝えて詫びと別れを言おうとやって来たのだった。



おしとやかに見える清乃だが、激しい一面を持っていて
自分が棄てられたとわかると、東京の女に林田は渡すまいと決心する。




林田が風呂へ入っていると、最後の晩だからといい清乃が入ってきた。



一緒に湯船につかると、清乃は持っていた花バサミで林田を刺し
湯は林田の血で赤く染まっていく。




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林田が死ぬと、清乃は自分も後を追おうと胸を突いていた。


だが、ふみの発見が早く、清乃は一命をとりとめて
林田の死体は庭に埋めた二度ザクラの根元に埋葬した。
以来15年間、清乃は林田への供養も込めて
貴重な二度ザクラを育て続けてきたのだ。


ふみたちは、香織が林田の事を調べに来た
東京の婚約者だと勘違いをしていた。



その夜、香織は林田の居所をつかむために宿の中を調べて回る。
すると、ギシギシときしむ音がして外へ見に行った。
香織はそこでふみに殺され、重しをつけられるとロープを巻き付けられ
滑車を利用して沼の奥底に沈められてしまった--。



一方、東京では村井が香織から京都のあや乃という宿に
二度ザクラが咲いているという話を聞いたことをよし子に明かした。
よし子はあや乃へ行く決心を固め、もし林田に会っても
必ず東京へ戻ってくると村井に約束して京都へ旅立つ。



よし子は村井の京都の店へ香織を訪ねていくが
あれから香織は店には戻ってきてなく連絡がないことを知った。




よし子は激しい雨の降る中タクシーであや乃へ向かった。
運転手の話しではここ十年ほど営業している気配がないということだ。
ようやくあや乃に着いたよし子は、活気のない宿に入ると
雨の音だけが聞こえる静まった玄関から奥へ声をかけた。



ようやく清乃が出てきたが、一見の客はとってないといい
タクシーを帰してしまったよし子に、車を手配するから
その間中で待つようにいいよし子を宿に招き入れた。



だが、よし子を見た清乃は林田が愛した女は殺した香織でなく
よし子だったと女のカンで見抜いた。
香織を殺したふみは間違って人を殺めてしまったことを嘆いたが
もう後戻りはできない。


清乃がよし子のいる部屋に茶を持っていこうとすると
ザンザン雨が降りしきる中、二度ザクラをいとおしそうに愛でる
よし子の姿を見た清乃は思わず盆を落とし、その音でよし子は清乃を見た。


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林田というひとりの男を愛した二人の女の視線は
部屋と庭との距離を感じさせないくらいに激しい火花を散らしていた。




清乃は雨で電話が不通になって車が呼べなくなったという理由をつけ
よし子に宿へ泊まっていくようにすすめた。
よし子は清乃から感じる異様な雰囲気に電話の不通にうさんくさいものを感じた。



ふみは雨で濡れたよし子のブラウスにアイロンをかけようとしていたが
清乃はそれを奪うと自分でアイロンをかけたが
林田との出会いを思い出し、それを奪ったよし子に激しい憎しみがわいてきて
ブラウスにアイロンを置いたまま焼け焦げを作ってしまう。



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常軌を逸した清乃のその姿を、戸の隙間からよし子がのぞいていた。


翌朝、前日とは違い明るい口調でブラウスを焦がしたことを詫び、
代わりの洋服をよし子に渡していた。
清乃はよし子の結婚指輪に気が付くと、カマをかけて
よし子が結婚していることを聞きだした。


すると清乃の足袋にカエルが乗っかってきた。
清乃はカエルを嫌うと、逃げるだけでなく足で踏みつけようとしたり
石をぶつけて殺そうとし、鬼の形相に変わった清乃によし子は驚く。



それに気づいた清乃は、自分が表面はおとなしそうに見えても
嫉妬深く底意地が悪いことを認めた。
清乃はよし子がここへ来た目的をわかっていた。


だが、清乃は林田が女性連れで宿にやってきて、大切な苗木が枯れると困るので
泊まっている間苗木を庭に埋めたが、清乃が出かけている間に林田は宿を発ち
苗木を忘れていった。


清乃は連絡を取ろうと手紙を書いたがあて先不明で戻ってきたと
嘘をいい、林田に女がいたこと作り上げるとよし子に底意地の悪さをみせた。





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よし子は林田がそんなことをするはずがなく
清乃が嘘をついていると言った。



あや乃へ先代から出入りする庭師(北見唯一)が
新人片山久作(江戸家猫八)を連れてきた。
久作はその時宿の廊下をよし子が歩く姿をみかけた。



よし子は清乃の話が作り話であるとわかっていたが
清乃が自分になぜ嘘をつくのかがわからなかった。
そこへ神護寺へお参りに行くという清乃がタクシーで来て
一緒に行こうとよし子を誘うと車に乗せた。




二人は神護寺に着き、長い石段を上っていく。
だがよし子は高所恐怖症でこれ以上上り続けるのが苦痛だった。


清乃にそれを話すと、後ろを振り向くから怖くなるので
前だけ見て登ればいいし、ここまで来てお参りしないのはバチが当たるというと
嫌がるよし子の手を取って石段を上り続けた。



そんなことを言いつつも、清乃は途中でわざと目がくらみそうだと後ろを振り返る。
その言葉につられたよし子が下を見ると、恐怖で立ちくらみがしてその場にしゃがみ込んだ。



それを見た清乃は自分が15年間苦しみ続けていたのに、
よし子が結婚していたことを知り憎しみを抑えられなくなった。


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清乃はまわりに誰もいないことを確かめると
よし子の背中を押して階段から転落させた。



よし子を心配した村井は京都の店に来ていて
香織があれから連絡もなく店にも来てないことを知った。
そこへよし子の入院を知らせる電話が来て村井は病院へ行く。


よし子の病室には清乃がいて、村井に連絡したことを知らせた。
清乃はつまづいて怪我させたことをよし子に詫びたが
よし子はそれが嘘なのを知っていた。


清乃は嫉妬から、林田に女がいたことなどすべてが嘘で
なぜそんなことをするのか問いただすが清乃ははぐらかすと
病室から出ていった。


よし子は村井にこれまでのことを話した。
村井は考えすぎでないかというが、よし子は香織がまだ店に来てないことを確かめると
清乃は香織が宿に来てないと言ってたことを話す。


だが、村井は確かに宿から香織の電話を受けた。
よし子は、香織が自分の身代わりになったのだと気が付いた。


村井はあや乃へよし子の荷物を取りに行った。
その時初めて清乃とふみにあい、妙なことをするなと忠告して出ていった。



その時来ていた久作達から、村井は15年前のことを聞きだした。
古くからいる庭師は重たい口を開いて話し始めた。

当時、あや乃へ行くと、見たこともない桜の苗木が植わっていた。
塩辛や魚のアラなどを肥料にして、清乃は他のものには指一本触れさせなかった。
それは清乃にとってとても大切なものだと話していたのだという。


ふたりは清乃も林田と付き合っていて、別れ話がもつれた末に
清乃が林田を殺して桜の木の下に埋めたのではないかと考え始めた。



村井はその後、久作からも二度ザクラの根元に林田が埋まっていて
それをごまかすために魚のアラなどを肥料に使い死体の匂いを消している
可能性があるので警察に届けた方がいいとアドバイスされた。




よし子と村井はその前に確かめようと、雷が鳴り響く晩にあや乃の庭へ行った。
シャベルで土を掘り返すと、そこには人間の骨が埋まっていた。



翌朝、久作たちがあや乃へ行くと、桜の木の根元がほりかえされているのに気づく。
すると突然、清乃の悲鳴が聞こえてきた。


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清乃がいつもお参りしていた場所に、林田の骨が並べられていたのだ。



村井は店からよし子の姿が見えなくなり探していた。
その頃、よし子は刃物屋へ包丁を買いに行っていた。



もう逃れられないと知ったふみは全ての罪を自分がきて
自首をしようと覚悟を決めたが、清乃はそんなことをしたら負けだと
頑として譲らなかった。



清乃とふみは香織が眠る沼へくると花を手向けた。
清乃は普段はおとなしいが、反面激しくなる自分の性格を持て余していた。
それは自分の両親ではなく、ふみによく似ていた。


ふみは清乃に一緒に逃げようというが、清乃はよし子と
きっちり決着をつけるまではここを動かないと言い張った。
ふみはそんな清乃の頬を叩くと、清乃はそれに驚いてふみを見た。





ふみは清乃を助けるために、これまで秘密にしてきたことを明かした。


清乃はふみと清乃の父との間に出来た子供だった。
芸者をしていたふみは、清乃を夫婦の養女として預け
清乃の父の許しを得たふみは仲居としてあや乃へ入った。


だからふみは15年前に林田を殺した後自殺を図ろうとした清乃を
命がけで助けると、必死で生きるように説得した。
ふみはよし子と張り合うことはよせというと、二人は宿へ帰ってきた。


しかし、宿の雰囲気がどこかいつもと違うものを感じた二人は
その正体を探るようにしながらそろそろと廊下を歩いていく。


違和感の正体はナイフを持ったよし子だった。
よし子は林田の復讐をとげようと決心してやってきたが
ふみはよし子と清乃の間に割って入った。



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だが、林田を殺した時に自殺しようとした清乃はひるまなかった。
逆に、憎かったら殺せとよし子に堂々と迫ってきて
よし子はその勢いに押されそうになる。


ふみはよし子に人を殺すのはやめろと言った。
清乃が心中を図り、林田を殺しその後自殺が失敗に終わり
長い間苦しむ様子を見てきたふみは涙ながらに訴えた。



よし子はこの時はじめて、清乃が林田を殺したあとに
林田を追おうとハサミで胸をついて自殺を図ったことを知り
清乃の心の痛みを感じたよし子は、握っていたナイフを落としてしまう。



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そこへパトカーの音が聞こえてきた。



ふみは香織を殺して沼へ埋めたことを認めると警察が到着する前に
宿から出ていった。
ふみが何をするかわかった清乃はふみを走って追っかけていき
その後をよし子が追った。





ふみは清乃に生きるようにいうと、橋から身を投げた。
清乃も追いついたよし子の引き留めもむなしく
橋から飛び降りてしまった。


沼が捜索され、香織の遺体が運び出された。



その様子を見守っていたよし子のところへ久作が来た。




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久作は15年前、林田の捜索願をよし子が出しに来た時の
京都府警の刑事だった。


その後、定年を迎えた久作は植木屋になっていたのだった。
久作はようやく林田が見つかり、事件に終止符が打たれたことに
ホッとしたものを感じていた。











土曜ワイド劇場が始まってから10年以上が経過した
1988年の作品なので期待しないで見ましたが
なかなか面白かった。



夏に放送されたこの作品は、わかりやすい怪奇ものではないが
男に裏切られた女の怨念を描いていて、ヒヤッとする怖さを感じさせてくれた。


京都を舞台にしていることから、脚本が保利吉紀、監督が田中徳三、
そして松竹が制作ということで、らしさは発揮されていた印象を持ちました。


今回は恵まれた結婚生活を送りながらも、突然消えてしまった
昔の婚約者のことがいまだに心に陰を落としているヒロイン岡江久美子よりも、
激しい気性を秘めたあべ静江の演技に目がいきました。


村井国夫も珍しくいい夫の役で出てましたね。
自分が経営する店の従業員とデキていますが
妻が現在も大昔の婚約者のことが忘れられず
毎日のように鏡台の引き出しに入れている絵葉書を見ているのを知ってて
夫も苦しんでいたのでまだ同情の余地がある。


妻も夫が従業員と関係あるのは知っていて
自分が元婚約者への思いを断ち切れないが故に
起こってしまった出来事であることから
夫を非難しません。




旅館「あや乃」の寂しげな雰囲気も良かったです。





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