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2017/09/16
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ベルギー奇想の系譜展@ザ・ミュージアムはおすすめの展覧会

category - 美術・展覧会レポート
2017/ 09/ 16
                 
先日、渋谷Bunkamura のザ・ミュージアムへ
「ベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」を見に行ってきました。



ベルギー奇想の系譜展


平日の開場30分後位に行ったので空いているかなと思ったのですが
予想よりは人が入っていました。


今回は”奇想”のルーツをたどるということで
北方ルネサンス時代から現代にいたるまで
ベルギーの芸術作品に受け継がれてきた
奇想の系譜を紹介するものとなっています。


”奇想”といえばヒエロニムス・ボスですが
ボスの死後は彼の作風を継承した
”ボス・リバイバル”が生まれます。

ボスの地獄やその独特の世界観を描いた
ピーテル・ブリューゲル(父)も第二のボス的存在だ。


フランドル地方は古くから毛織物が栄えた一方
戦争の舞台となったことも有名で
生き残るための知恵として「皮肉」が身に着けられた。


奇想・・・奇妙な人物たちがうごめく地獄の風景、
骸骨、魔物たち、それらを皮肉的に時には
ユーモラスに表現した作品の数々が展示されていた。




ベルギー奇想の系譜展

≪聖クリストフォロス≫ ヤン・マンデイン 


ボスの世界が現されたヤン・マンデインの作品。
左側の魚をはじめ、ひとつひとつのモチーフがそれを現している。
中央下のクリストフォロスは幼子のイエスを背負って川を渡るのだが
この奇異な風景をみてどうかんじたのだろうか。

シブイ表情をしているのは、背負っているイエスの
異様な重さだけが理由ではなさそうだが。




ベルギー奇想の系譜展

≪娼婦政治家≫ フェリシアン・ロップス(原画)
アルベール・ベルトラン(彫版) 1896年


裸の女が目隠しをされ、黒のストッキングと手袋嵌めて豚を連れて歩いている。
私利私欲に目のくらんだ政治家たちをこの娼婦になぞらえて表現している。





ベルギー奇想の系譜展

≪大家族≫ ルネ・マグリット 1963年

マグリットがよく使う「空」「海」「鳥」が登場する作品。
鳥の形をした青空がやたらとデカく描かれていて印象的だった。
薄暗い背景に明るい青空の鳥がとても映えている。


地獄、怪物、魔物たちグロテスクな作品群の中にあって
私はこの絵からは”希望”が感じられた。




ベルギー奇想の系譜展

≪聖アントニウスの誘惑≫ ピーテル・ブリューゲル(父)(原画)
ピーテル・ファン・デル・ヘイデン(彫版) 1556年

目は射貫かれて液体が流れ出していて、耳からも船に乗った人が出てくるという奇妙な世界。





ベルギー奇想の系譜展

≪舞踏会の死神≫ フェリシアン・ロップス 1865~1875年頃


またしてもロップスの作品。
もともとぼやけているうえに、画像ではさらに拍車がかかっているので
わかりづらいのですが背後には紳士が描かれています。

その紳士を誘うように、女ものの衣装を来た骸骨が恍惚として踊る姿が
なんとも不気味だ。

だけど、その不気味さの中に滑稽さが感じられる。





ベルギー奇想の系譜展

≪生きる残るには脳が足らない≫ トマス・ルルイ 2009年


これは現代アーティストの作品。
タイトルが「生き残るには脳が足らない」というインパクトがあるもので
それはタイトルだけでなく、やたらと巨大化した頭を体は支えきれなくなり
ついには地面に落ちてしまった。

その頭のデカサも尋常ではなく印象に残る作品だった。



作者いわく、朝から晩まで作品の事ばかりを考えていて
ついつい頭でっかちになってしまう。
そんな芸術家の姿を揶揄したものであるということだ。


これは情報化が進んでいる現代に身を置く我々も同じこと。

自分も頭であれこれ考えすぎるのではなく
時には脳を休めて感覚的なものを研ぎ澄ますよう意識しているので
他人事としては考えられないですね。


ボス的世界は好きなのでごくごく軽い気持ちで行った展覧会でしたが
思った以上に楽しめる内容になっていました。


ザ・ミュージアムはアクセスもいいですし、非常に見やすい美術館です。
あまり混雑もないのでストレスを感じることなく自分のペースで鑑賞できるのが魅力。


濃縮度の濃い魅力がギュッと詰まった展覧会で
奇想の世界は気軽に楽しめるものなので初心者の方にもおすすめです。


私も今回、本当に行ってよかったと思える内容だったので
会期終了が迫っていますが興味がある方は是非足を運んでもらいたいものです。





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