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2018/05/03
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「淑女は何を忘れたか」 (1937年)  映画監督小津安二郎「をんな」たちのいる情景@神保町シアター

category - 昭和の日本映画
2018/ 05/ 03
                 
『淑女は何を忘れたか』 (1937年=昭和12年/松竹)という古い映画を
神保町シアターで見てきました。


この映画を見るのは二回目なのですが、
初めて見た場所も神保町シアターでした。



神保町シアター 映画監督小津安二郎「をんな」たちのいる情景




前回見に行ったのが2014年のクリスマスの夕方。
あの時は、桑野通子と桑野みゆき親娘の特集でした。


神保町シアター 


壁に貼られたこれまでのチラシの数々。
下の左端が初回に見に行った時のものです。



その時に書いたブログ記事⇒■「淑女は何を忘れたか」 (2014年版)



そして、今回のテーマはこちら。


神保町シアター 映画監督小津安二郎「をんな」たちのいる情景

作品の監督と脚本(ゼームス・槙名義)をつとめた
小津安二郎の特集ですね。


今回はサイレント映画も2本あり、そのうちのひとつで
岡田嘉子と江川宇礼雄、田中絹代が出ている
「東京の女」も見たかったのですが残念ながら行けず・・・。


サイレント映画は全てピアノの生伴奏付きとなっています。
前に海外のサイレント映画をピアノ生伴奏で見たときにとても良かったこと、
岡田嘉子と江川宇礼雄が共演していることにも惹かれていたので、
またどこかで上映されるようならば今度こそは絶対に行こうと思っています。



それでは「淑女は何を忘れたか」のあらすじです。
前回書いたものをベースに手を加えてみました。





神保町シアター 淑女は何を忘れたか





大学教授のドクトル(斎藤達雄)は、妻(栗島すみ子)の尻に敷かれており
頭が上がらない生活をしている。


そこへ大阪から姪の節子(桑野通子)が泊りに来た。


節子はまさに関西の現代っ子で、思った事をそのまま言うし
お酒もタバコもやり車も乗りこなす。




土曜日の昼いつも通りにゴルフへ行かなかったドクトルを
妻は強引へゴルフへ行かせ自分は友人(吉川満子)たちと芝居見物へ行く。



この日、どうしてもゴルフへ行く気が起きなかったドクトルは
ゴルフへ行くふりをして、助手の岡田(佐野周二)の家へ行くと
事情を説明しゴルフ道具を預ける。


そして、馴染みのショットバーへ向かった。
一緒にゴルフへ行く予定の友人・牛込の重役(坂本武)に
現地から妻宛の葉書を投函してほしいと依頼し葉書を渡す。



そこへ節子が現れてなぜ自分がここにいるとわかったのか
ドクトルはビックリする。
節子はそんなドクトルに芸者遊びがしたいとせがんだ。





芸者に囲まれ酒も入った節子は
すっかり上機嫌で倒れる程に飲んでしまう。
節子に家に帰るように言うが彼女はまだ遊ぶ気で帰らない。
ゴルフへ行ったことになっているドクトルは自分が送っていくことも出来ず、
岡田を呼び出してタクシーで節子を自宅へ送り届けるように頼んだ。




深夜1時頃、タクシーで帰宅した節子を出迎えたお手伝いは
タクシーに岡田も同乗していたことを知り妻にそれを告げる。




当然嫁入り前の若い娘が酒を呑んで深夜男に送られて帰宅したことを
彼女が快く思うはずがない。


酔って帰ってきた節子に説教しようとするが、全く聞く耳をもたない。
岡田が節子を酔わせて深夜帰宅させたと勘違いした妻は、
岡田にも厳しい態度を取り始めた。



翌日はざんざん降りの大雨。


ゴルフへ行ったふりをして岡田の家へ泊まったドクトルだが
友人に依頼した妻あての葉書には
晴れていてゴルフ日和だと書いてしまったのだ。



友人は内容から雨が降っていたら
投函しないなどという気がきいた男ではないため
岡田からそばの七輪で焼いたばかりの
目刺しをもらって食事をしながらも
妻にゴルフ場へ行ってない事がばれるとヒヤヒヤしている。


しかも、その友人の妻(飯田蝶子)は、妻の友人でもあった。
おかしなことがあればすぐにバレてしまう。



ゴルフへ行っていたフリをする小宮が帰宅すると
妻は節子が酒を飲んで深夜に帰宅した事を告げ
ドクトルは妻の前で形ばかりの説教を節子にする。


そして、妻がいなくなった隙にドクトルは節子に
明日辺りゴルフ場から投函した妻宛の葉書が届くはずだから
彼女の手に渡る前にとってほしいとお願いする。



しかし、翌日節子より素早く葉書を取り上げた妻は
一緒にゴルフへ行った牛込の重役が
現地が大雨で風邪をひいてしまったことを友人から聞かされた。


ドクトルは葉書に晴れていると書いていたが、
これによりドクトルがゴルフへは出かけてないことを見破ってしまう。


帰宅した妻はドクトルを責め立てるが
節子が機転を利かし、妻を部屋から出ていかせると
その隙にふたりで家から逃げ出してしまう。


節子からドクトルの妻に対する態度の弱さを
非難され、帰宅したドクトルは妻の頬を叩いてしまう。




その後しゅんとしている妻に、節子が状況を説明し
自分の行動について謝罪する。
ゴルフへ行くはずだった日、節子はドクトルと一緒に居て
ドクトルは岡田の家へ泊ったことも話した。


節子はそうして誤解の溶けたおばがおじに謝りに行く事を望んだわけだが
それより先にドクトルは妻へ手を挙げたことを詫びてしまう。


妻も自分の行動を詫びるが、はじめに彼女からドクトルへ詫びさせたかった節子は
おじにその事を言うと「せっちゃんにはまだわからないんだろうな」と
その考えを否定された。




おじは節子に、子供を叱る時怒るよりも褒めた方がいいことを例に出し
妻にはなをもたせる逆手のパターンについて説明した。


若く未婚の節子にはわからなかった夫婦だからこそのやりとり。
夫の上手い妻の操縦法だ。


節子はそういう手があったのかと感心する。




いよいよ節子が大阪へ帰る日。



妻はいつもの友人ふたり(飯田、吉川)と一緒に居て
夫から平手打ちされたことを心なしか嬉しそうに報告していた。


これまで妻がキャンキャン言っても表立っては抗わなかった夫が
初めて見せた男としての毅然とした態度。
妻は近くにあった派手なネクタイを取ると
うちの夫にどうかと友人らに意見を聞く。



一方、節子は岡田とお茶を飲んでいた。
これまでのことを話しドクトルから聞かされた逆手について触れ、
これからするであろう結婚生活についてあれこれと話した。



岡田は次はいつ東京に来るのか節子に尋ねた。
次に会った時はふたりの関係に変化が訪れるのだろうか?



嵐が過ぎ去ったように節子がいなくなったドクトルの家では
夫婦の関係が以前よりもグッと和らいで近くなったようだ。
夜が遅くなっても妻はまだ休む気にはならないようだ。
そして、ドクトルにコーヒーをすすめた。



妻は部屋を出ていくとお手伝いに今日はもういいといい、
自らふたりのコーヒーを用意して盆で運んできた。



夜も更け夫婦二人きりの時間、部屋の明かりがどんどん消されていく――。








あの頃映画 松竹DVDコレクション 「淑女は何を忘れたか」




こちらの作品はDVD化もされています。

しかし、私は映画館で見るあの雰囲気がたまらなく好きなので、
上映スケジュールを見て再び映画館へ足を運んでしまいました。



栗島すみ子のキンキンと夫や姪に説教する麹町の夫人が、
夫に一発頬にバチンとくらわされたことにより
女として夫を見るという態度の変化が面白い。


また妻に何を言われてものらりくらりとしていて
やられっぱなしに見えたドクトル斎藤達雄もいい。
顔立ちは整ってインテリそうなんだが
線が細くて男男しておらずどこか頼りなさげ。


そんなドクトルが姪の前で妻にガツンとやる。
これまで節子は叔母に何かと説教されていて、
自分だけでなく夫も自分のいいなりにさせようとしていたのを見て
叔母に対してモヤモヤした感情を抱いていた。
ドクトルの”ガツン”はそんな彼女の留飲を一度は下げる。


一方妻には彼女が詫びてくる前にドクトルは優しい声で謝ってしまうという。
ガツンの後だけにその優しい態度もこれまでとは一味も二味も違って見える。



この映画なんといっても一番魅力的なのは大阪の姪を演じた桑野道子。
栗島すみ子、吉川満子、飯田蝶子が和装なのに対して、
独身の若い娘・桑野道子は洋装。


スラリとした肢体に品の良い洋服を着ていて
モダンな雰囲気とセンスの良さが光っていてとても魅力的!


彼女が叔父の窮地を救い出し二人で家を抜け出して
通りを話ながら歩く場面、桑野道子と斎藤達雄のツーショットが
洗練されていて都会的ですごく絵になってました。



身のこなしもとても粋で洒落ているんですよね。



佐野周二も若くて目に力があると感じました。
最後のせっちゃんとの関係も、次来た時にはどうなるんだろう?
とあれこれ想像させてくれ続編が見たくなりました。



佐野周二はドクトル先生・斎藤達雄との下宿先でのやりとりが面白かった。
窓の外でザーザー振り続ける雨に頭を悩ませる斎藤達雄と、
淡々と七輪でめざしを焼いてはさらに振り分ける佐野周二。



おんな二人の勢いの良さに比べると、おとこ二人はそれを受け止めるように
ゆったりとしていて・・・
その対比がとても良かった。



今回は2度目とあって前よりも多く印象に残ったことがあった。


音声にノイズが結構入っていた。
麹町にあるドクトルの家はかなりモダンな作りで広いなど。




小津作品は眠くなるものも少なくはないが、こちらは都会的でリズム感があり
コメディ的要素もあることから、あっという間に終わりが来た感じ。



またどこかで上映するなら、三回目も見に行きそうだ。




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