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2018/05/28
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

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「挽歌」 (1957年) @シネマヴェーラ渋谷 

category - 昭和の日本映画
2018/ 05/ 28
                 
シネマヴェーラ渋谷の”キネマ洋装店”コラボ企画『美しい女優・美しい衣装』へ
行ったときの続きです。

二本立て上映で前回は「白い悪魔」 (1958年)を書きました。



今回は二本目の「挽歌」 (1957年/歌舞伎座)です。
こちらも原田康子原作で北海道が舞台となっている。



挽歌 


兵藤怜子(久我美子)は子どもの頃の病気がもとで左肘が痛み、
かたわな身の上からかどこか屈折した思いを抱えている。


怜子の母は亡くなり父(斎藤達雄)はそんな娘を不憫に思い
縁談をすすめるが彼女はそれを受け入れない。
一家の身の回りの世話はばあや(浦辺粂子)がやっている。


その怜子はある日、幼い娘を連れて犬を散歩中の設計技師・柏木(森雅之)と出会った。
犬が怜子の手を噛んで怪我を負わせたことから柏木は連絡先を怜子に渡す。
後日、柏木の家を訪れる怜子だが柏木は不在中で姪が応対した。
その時に怜子は柏木の妻・あき子(高峰三枝子)の姿を見る。




劇団みみずく座に所属する怜子は劇団の仲間で
彼女に好意をもつ久田幹夫(石浜朗)と馴染みの飲食店ダフネにいた。
その時に偶然あき子が不倫相手の古瀬達巳(渡辺文雄)と会うところを目撃してしまう。




あき子は達巳と過ちを犯したもののすぐに改心し、達巳と別れようとするが
達巳のあき子への思いは強く別れ話は進まない。
柏木も妻の不貞を知りながらも娘がいることから表だって責めてこない。



自分が体が不自由なことにコンプレックスを抱えていた怜子は、
満たされない結婚生活を送っている柏木に自分と似たようなものを感じた。


やがて、怜子は柏木と一夜をともにする。



怜子の屈折した思いは理解できないもので、
柏木が知らない間にあき子に近づくと、
幹夫の絵のモデルになってほしいと頼み
柏木の不在中に幹夫とともに家へ出入りするようになった。



柏木を愛しながらも、あき子も慕い始める怜子。
複雑な胸中に苦悩する怜子だが、
柏木はあき子と離婚しようと考えていることを告げる。


だが、怜子は喜ぶのではなく、罪の意識からか
今のままでいいのと夫婦の離婚を回避させようとする。
まだあき子は二人の関係に気づいていない。


しかし、あき子が怜子の家へやって来たとき
ばあやが柏木から怜子のところへ何度も電話をかけてきていることを漏らし、
ついに二人の関係があき子にバレてしまう。


自分の不倫関係がもとで夫婦関係が破たんしたと思っているあき子は、
怜子のことを責めないまま帰って行った。
その後を追った怜子は涙ながらにあき子のことも
好きだという気持ちに偽りがないことを訴える。



達巳の人生を狂わし、柏木と怜子を不幸に陥れたと考えたあき子は
自殺を遂げることで全てを清算した。


柏木は怜子と一緒になることを望むが、
怜子は柏木への愛情とあき子への罪悪感に悩んだ末、
柏木のもとから去る決断を下す。



「白い悪魔」とは正反対にやりきれない結末の「挽歌」。



中年期の上品で物静かな女性という印象だった久我美子が、
不倫の恋に苦悩する若い女性を演じているのが意外だった。
今回は不具者ということもあり、どこか捨て鉢な感じで、
不倫相手への感情も激情的な演出がされていた。



愛人関係にある男の妻の不倫現場を目撃したからか、
わざわざ妻に近づいていったにもかかわらず、
その妻を憎みながらも好意を抱いていくという相反する感情を持つ。


そのくせ、男との関係もすっぱり切るのではなく、
逢瀬を続けながらもその妻への歪んだ感情に苦悩する。
結局夫婦関係を壊したかったのかなんなのか・・・。



しかもさんざんかたわといいながらも
妻が自殺してから家主が不在中に忍び込んだ
柏木邸のキッチンで料理を作る時に
普通に左手が使えていたのが笑えた。



1958年の作品ということで石浜朗が若くてびっくり。
おじさんの時しか知らなかったのでその好青年っぷりな
見た目は新鮮でした。



また渡辺文雄は面影はあるもののクレジットがなければ
彼だとは気づかなかったかも。


今回は「美しい女優と美しい衣装」がテーマだが、
ヒロインの久我美子はパンツ姿でちょっと男勝りな感じ。
それだけに女としての感情を森雅之にぶつける時のギャップが感じられた。


反対に貞淑で上品な風貌の高峰三枝子のエレガントさは
貫禄が伝わってきた。



さて、今回もまたまた気になる映画チラシがいくつも見つかった。



芹明香パラダイス 新文芸座

池袋の新文芸座で5月24日~5月31日まで行われる「芹明香パラダイス」



日活や東映のエロ作品が多数上映されるようだが、
最終日の5月31日は日本初の本番作品「愛のコリーダ」と、
神代辰巳監督の「青春の蹉跌」をやる。


このうち「青春の蹉跌」は見たことがあるが、
芹明香という女優が出ていたのには全く気が付かなかった。




小津4K 巨匠が見つめた7つの家族


監督小津安二郎の作品は結構見ているので行くことはないと思うが、
今回は4Kデジタルの修復版が上映されるらしい。
それが、新宿ピカデリーと角川シネマ新宿でやるというのが意外だった。



七〇年代の憂鬱 神保町シアター

こちらはすでに劇場ホームページで知っていたのだが、
神保町シアターの「七〇年代の憂鬱-退廃と情熱の映画史」


以前なんかの記事でちょろっと書いた「青春の殺人者」だが、
水谷豊が親を殺すときの描写や、母親役の市原悦子との
近親相姦っぽい関係が気味悪く狂気を感じ怖くなったのを覚えている。


これを劇場でやるのね。
私は一度見たら沢山だったので行かないが、
今の水谷豊しか知らない世代は一度見てみるといい。


またここでは沢田研二の「太陽を盗んだ男」も上映予定。

それ以外で目を惹かれたのは、東京12チャンネルでやっていた
「江戸川乱歩シリーズ」で明智の助手・小林を演じていた
岡田裕介が主演の「赤頭巾ちゃん気をつけて」だ。


彼は江戸川乱歩シリーズでしか見たことがなかったけど、
映画の主演をやっていたこともあるんですねぇ。




古いドラマや映画を見始めるといろんな俳優さんの存在を知るので楽しいです。


実際、古い映画といっても若い世代の方も結構見に来ていますからね。
若い女性がひとりで見に来ているのはいつも感心させられます。



久しぶりに映画を二本見て、渋谷駅の方へ歩いていく途中
すぐそばにあるBunkamuraを通りかかりました。



ル・シネマ ダリダ


この日(5月19日)からはBunkamuraにあるル・シネマでは、
映画「ダリダ」の上映がスタートしていた。
こちらも見たいなと気になっている作品のひとつです。


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