FC2ブログ
2018/06/15
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

Post

        

「赤頭巾ちゃん気をつけて」 (1970年) @神保町シアター 庄司薫のベストセラーの映画化

category - 昭和の日本映画
2018/ 06/ 15
                 
神保町シアターで「赤頭巾ちゃん気をつけて」(1970年/東宝)という映画を見てきました。



神保町シアター


6月9日(土)から7月6日(金)までの27日間
「七〇年代の憂鬱-退廃と情熱の映画史」というテーマで
70年代の作品が17作品上映予定となっています。



赤頭巾ちゃん気をつけて

私が見に行ったのは初日の6月9日、この日の2回目の上映作品でした。
本来は見に行く予定ではなかったのですが、
主演が岡田裕介ということで見てみることに。




赤頭巾ちゃん気をつけて



この人の存在を初めて知ったのが、1970年に東京12チャンネルでやっていた
「江戸川乱歩シリーズ明智小五郎」での小林芳雄役でした。
これが何年か前に東映チャンネルで放送されたんですね。


岡田裕介



”明智小五郎”というと土曜ワイドの天知茂のイメージが強くて、
初めは拒否反応があったんですが、見てみるとまた美女シリーズとは違った面白さがあり
すっかりハマってしまいました。


「江戸川乱歩シリーズ明智小五郎」は「美女シリーズ」が始まる前に放送されていたんですね。




東映チャンネルで江戸川乱歩シリーズを見た時は、
岡田裕介はこの時代に役者をやっていた脇役の人で、
あまり芽が出ずに役者を引退したんだろうなと思っていました。


ところが、元東映社長の岡田茂氏の息子で、わりとすぐにプロデューサーになり、
その後は東映の社長を経て、現在は東映グループの会長になっていることを知って
すごく興味を持ちました。




細身の体に、ものすごい濃い顔と独特の声が印象的。
石坂浩二に顔が似ている。



役者デビュー後、すぐにこの「赤頭巾ちゃん気をつけて」で主演をつとめました。

今回初めて知ったのですが、庄司薫という人のベストセラー
「赤頭巾ちゃん気をつけて」の映画化だそうです。





赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)


岡田裕介演じる主人公・庄司薫は原作者と同姓同名。
日比谷高校の三年生で、彼の語りで物語は進行していきます。


1969年2月9日、大学紛争で東大入試が中止となった薫くんは、
怪我で足の親指を負傷したり、愛犬ドンが死んでしまったり、
かねてから思いを寄せている同級生のガールフレンド由美(森和代)から
電話で「舌噛んで死んじゃいたい」と言われ、しばらくは絶交状態が予想され、
さんざんな一日になりそうだった。


病院では足の爪を剥されてしまい、しばらくの間は足を引きずる生活になりそうだ。
街に出れば知り合いのおばさん(山岡久乃)から、大学へは行かないと決意したのに
大学へ行くことを前提におしゃべりをされる始末。


だが、薫くんは、それを否定することもしなかった。
いつもそうだ。
由美の家に電話をかけるとだいたい彼女の母(文野朋子)の
他愛もないおしゃべりに付き合ってしまう。



足の爪を治療に行った病院で、女医がかがんで患部を見たときに、
ちらりと乳房が見えた。
薫くんは、全裸の彼女と抱き合う妄想に駆られるが、
治療室で彼女を襲うこともなく帰ってきた。



一日に二度は女を強姦したい欲求に襲われるが、
未だに童貞の薫くんは女を抱くチャンスがあってもそれをモノに出来ない。


同世代の男女が裸で抱き合うパーティーに参加しても、
その様子を部屋の隅で眺めるだけだ。
そして、そばにあったピアノを演奏して、同じようにその輪に加われない、
女の子たちと歌を歌うことしかできない。


幼馴染の由美とも、子どもの頃キスをしたり膨らんできた胸を見ただけで、
その後は手を握ることもない恋人とも友人とも言えない関係を続けている。


傷んだ足をかばいながら引きずるように街を歩いていた薫くんは、
幼い少女とぶつかってその場にうずくまってしまう。
少女は近くの喫茶店で母親が友人と話し込んでいて、
その合間に本を買いに来たのだと話す。


薫くんは彼女の手を引いてさっき出てきたばかりの書店へ行くと、
その子のために一番いいと思う「赤ずきんちゃん」の本を選んでやった。


ひとりになった薫くんは、由美とデートする。


薫くんは大学へ行くのを辞めたと言うと、
並んで歩く由美の手をそっととり、と二人は手をつないで歩いていった。






赤頭巾ちゃん気をつけて [DVD]



大学へ行くことを辞めた薫くんの二日間ほどを描いた映画。



主人公・岡田裕介さんの相手役・由美を演じたのは森和代。
ショートカットにほぼノーメイクのような透明感のあるみずみずしい容貌を持っている。

なんと、森本レオの奥さんになった方だとか。
若くして結婚引退したようで、今回初めてその存在を知った女優さんでした。




足を怪我した薫くんの家へ遊びに来る友人・小林には富川澈夫(すみお)。
この人は「太陽にほえろ!」にゲスト出演しているので初めて知った。
無理に思える長髪っぽい横分けが印象に残り気になっていた俳優さんだ。
「俺たちの旅」でも見かけたが、屈折した青年を演じているイメージがある。


今回も優等生の薫くんとは違い、小難しい哲学をお手伝いが薫くんの部屋に持ってきた、
和菓子をパクつきながら延々と述べるシーンが面白かった。


薫くんのベッドに寝っ転がると、和菓子が乗った盆を腹に置き、
最後は涙を流しながら熱い思いを切々と語る。



私が富川さんを最後に見たのは、90年代に放送された
土曜ワイド劇場の牟田刑事官シリーズでの刑事役だったが、
もうすでにお亡くなりになっていたんですね。


薫くんの母親は風見章子、すぐ上の兄に中尾彬。
中尾彬が若くて清潔感があった。





「赤頭巾ちゃん気をつけて」は音楽もとても良かった。
歌っているのは佐良直美で、映画にとてもマッチしている。


音楽と言うと、ピンキーとキラーズの「恋の季節」が演奏されていたり、
薫くんが立ち寄った飲食店のテレビで
いしだあゆみが「ブルー・ライト・ヨコハマ」を熱唱しているシーンが流れていた。


薫くんが電車に乗ったときに、なにかワケがあって涙を流していた乗客を
結城美栄子が演じていた。



今回の神保町シアターのテーマ「退廃」が感じられましたが、
それでいてどこかその中に甘い雰囲気もある。
音楽も耳に残る心地が良い映画でした。




岡田裕介さんも、薫くんのイメージにピッタリです。
彼の無機質な語りだが、それでいて時折見える感情の起伏のようなものがあり
独特のリズムを持っていた。








映画館内の壁に貼られていたブロマイド。


神保町シアター


ちゃんと岡田裕介さんのものもありました。



さて、神保町シアターでは7月7日から料金体系が変更になるようです。


赤頭巾ちゃん気をつけて


これまで一般は1200円でしたが、これが1300円となり、
平日3回目の上映のマチネ割引、水曜日のレディースデーが廃止。
代わりに水曜日はファン感謝デーとなり男性でも1000円で見れるようです。


毎月1日の映画サービスデー1000円と、ポイントカードは継続するとか。


男性にとっては水曜日が感謝デーになったことで
いつでも1000円で見れるようになるのは嬉しいのではないでしょうか。



料金改定といえばシネマヴェーラ渋谷でも7/21から変更があるようです。


これまで1500円の二本立てでしたが、一本立て入れ替え制で一般が1200円となります。








関連記事
スポンサーサイト
                         
        

スポンサードリンク

                         

コメント

非公開コメント