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2018/08/14
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

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「透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻」 (1982年)  ドラマ版

category - 土曜ワイド劇場
2018/ 08/ 14
                 
「透明な季節」がもう一度見たいと思い、ちょうど1年前に原作を読んで
記事を書きましたが、まさか本当に再放送されるとは・・・!






●「透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻
バンザイ!あのポケゴリが死んだ」  1982年8月14日
原作: 梶龍雄  『透明な季節
脚本: 柴英三郎
音楽: 一柳慧
監督: 藤田敏八
制作: 東映
出演: 中野良子、泉谷しげる、芦川誠、田村高広、
中村嘉葎雄、高瀬春奈、石橋蓮司、佐久田修ほか



透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻



昭和二十年の春の東京・根津神社の境内で黒い背広を着た男の死体が発見された。
顕文館中学四年生の芦川高志(芦川誠)は、ここを通学路としていて
友人の時川から殺人事件があったことを知らされる。



そばにいた古屋は、おもしろがって高志に見に行こうと誘う。
そこには時川の父で所轄署の時川刑事(田村高広)がいて、
死体を覆っていたむしろを外して見せてくれた。
横たわっていたのは頭部を撃ち抜かれた、
顕文館中学の配属将校・諸田利平少尉(泉谷しげる)だった。



透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻




過酷な訓練を強いる諸田は、生徒たちから”ポケゴリ”と呼ばれ恐れられていた。
残忍なほどの猛訓練をする諸田の死を、生徒たちは喜んでいた。


透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻



ポケゴリの暴力は生徒だけでなく、教師にまでおよんでいた。




高志は級長の堀(佐久田修)と一緒に、担任の英語教師・北上(中村嘉葎雄)に
連れられて諸田の通夜に行った。


そこで高志は前に根津神社で出会った憧れの人が、
諸田の妻・薫(中野良子)だったと知り驚いた。


高志は文学好きで、夏目漱石の小説「三四郎」の登場人物”美禰子”を理想の女性像としていた。
その時から薫を、秘かに美禰子と呼んでいたのだ。


透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻




諸田が撃たれた銃は訓練で使用している三八式歩兵銃で、
銃器庫を調べてみるとそのうちの一つが使用された形跡があり、
保管していた実弾五発が無くなっている。
その後、神社の樹の下から薬きょうがひとつ発見された。


透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻




高志は堀たちと一緒に小使い室で、古見(殿山泰司)という爺さんと事件について話していた。
古見は薬きょうが発見されたと聞くと、顔色が変わった。
昔は狙撃兵だったらしいが、諸田が撃たれたのは夕方であり、
腕が良くても距離的に自分には打てないと否定した。


透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻




この時高志は諸田が撃たれたのは夕方の六時半頃であることを知った。



ちょうどその頃に神社の近くを通りかかった高志は、銃声らしき音を耳にしたことを思い出した。
だが、あのあたりは車がバックすることが多く、逆ピストンの音にも聞こえ大して気にしていなかった。


高志は銃声らしき音を聞いた直後、神社から出てくる北上の姿も目撃していた。
北上は青色の背広を着ていることから生徒たちの間では”青セビ”と呼ばれていてる。
高志は下校するとき、友人の古屋に神社から出てくる人物を見たと話してしまう。





後日、高志は古屋の家に呼ばれて遊びに行くと部屋には薫がいた。
薫は、古屋の姉・範子(高瀬春奈)の友人であった。
高志が神社から北上が出てくるところを見たことを確認すると、
薫も北上に相談したいことがあって二人で会っていたのだと告白してきた。
そして、このことは口外しないで欲しいと高志に頼んできた。



透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻






高志は憧れの薫が諸田の妻であることにショックを受けたが、
それ以上に北上と特別な関係になっていることに激しく傷つき、
誰にも言わないと言い残すと古屋の家から出ていった。



古見の爺さんは、諸田に忠誠心を持って接していた。
生前、諸田から北上はスパイだと教えられており、
ある日、小使い室で古見と北上が争っているのを高志たちは止めた。



そして憲兵(石橋蓮司)の疑いの目も、軍国主義に批判的だった北上に向けられた。
北上と薫が同じ教会に通っていて二人の不貞関係を暴こうとするが、
薫は英語を習いに来ているだけだと、苦しい言い訳をしてこの日は釈放される。


透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻





薫と諸田の結婚生活は幸せなものではなかった。
夜中に突然起きて異様な行動をとったかと思えば、暴力的に薫に迫ってくる。
これまでに諸田に殺意を持ったことがないと言えば嘘になってしまう。
そんな時に話相手になってくれ、心を支えてくれたのが北上だった。



透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻





だが、憲兵から厳しい追及を受けた北上は薫に別れを告げに来た。
南方では通訳が足りないために、北上はそこへ行く決心をした。
薫は残された自分はひとりでどうしたらいいのか北上に尋ねるが、
彼は自分の無力さをあげ逃げ出す卑怯を認めながらもどうすることもできない。


薫も諸田の恐ろしさよりも、一時は自分との時間を選んでくれた北上を、
今さら責めるつもりはない。
南方へ行く決意を固めるまでの辛さも充分に承知している。
別れ際に二人はそっと接吻を交わすと、北上は名残惜しそうに帰って行った。


透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻




薫に会いに来た高志は、庭から二人の会話を聞いてしまった。
やはり、薫と北上の間には男女の愛があったのだと知る。



北上の南方行きが決まり、生徒たちに別れを告げると学校から去った。
高志は複雑な思いを抱えながらも、校門から出ていく北上を追いかけて
ひとりで見送ってやった。


透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻



それから初めて高志は薫の家へ招待された。
諸田の遺影が置かれたその家で、高志は薫が作った食事をごちそうになる。
薫は高志と神社で会った時のことを覚えてくれ、
「三四郎」の話やとりとめのない話題をしてくつろいだ。





しかし、楽しい時間も長くは続かず、薫は諸田に殺意を抱いていたことを告白する。
北上にも密かな愛情を持っていて、自分はその罰を受けて当然だという。
だから、高志が神社で目撃したことを警察に話してもいいと、
彼の苦しみを解いてやろうとした。


透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻




そこへ、空襲警報が流れ薫は電気を落とし、部屋は暗くなり緊張が走る。
高志は思わず薫の足元にすがりつくと、薫は優しく高志の頭をなでてくれた。
高志は空襲警報による思わぬ恩恵を受けスキップをしながら家へと帰って行った。




そんな中、薫の家へ時川刑事と憲兵がやって来て家宅捜索がされた。
部屋からは北上が使用している赤ペンで丸が付けられた軍事施設や工場の
所在地が記された地図が見つかった。
諸田はその地図が、北上がスパイである証拠だと古見に話していた。



透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻


北上が犯人となれば、夫の目を盗んで密通していた薫も共犯とみられてしまう。



そんな時、堀が転校することが告げられた。
高志はここのところの堀の行動に疑問を抱き自分の推理をぶつけた。


諸田が殺された日、訓練を終えた生徒たちは銃を銃器庫へ返却した。
級長の堀はみんなが出ていった後に、銃の数を数えることになっている。
堀はおそらくその時に一丁を盗みだしどこかへ隠しておいたのだろう。



透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻



堀は高志が自分の犯行を悟ったとわかり、全てを話した。
去年堀は習志野の演習場でひとつの実弾を拾った。
高志が推理した通り、銃を一丁盗んで別の部屋に隠しておいた。


堀はそれを持ち出すと、夕方の六時半に持ち出して根津神社へ行き、
実弾を込めて一発試射した。
持っていた弾を撃ちたかっただけで、まさか諸田を殺すとは思わなかった。
翌朝、清掃当番が来る前に堀は銃を返却した。



透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻



ポケゴリは死んで当然だという堀に、高志は自首することをすすめた。
てっきり自分の胸にしまってくれるものと思った堀は、警察に突き出そうとする高志に
捨て台詞を吐くとその場から走り去っていった。
堀の言う通り黙っていたい高志だが、薫に容疑の目が向けられている今、
無実を証明するには堀に自首してくれというしかなかった。



高志はその足で急いで薫に伝えに行った。



薫は諸田が殺意を持って撃たれたのではないことにホッとしていて、
本人が一番望んでいた死に方かもしれないと高志に説明する。
諸田は以前切腹をしようとしたことがあったのだ。
偶然廊下を通りかかった薫が、諸田が死のうとするのを止めた。


透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻




諸田に殺意を持ったこともある薫だが、彼が強いながらも
弱い一面があることを知っていた。




高志が堀から聞いたことを時川に話すというと、
薫は自分のために友達を裏切るのはやめて欲しいと制止した。




その後、校舎の裏から無くなっていた四発の実弾が発見され、
北上の指紋も検出されたことからますます彼の容疑は濃くなっていった。
従軍して南方へ行けば逃れられると考えていた北上だが、
近く呼び戻されることが決定的となり、薫も共犯として逮捕されるだろう。


透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻




その前にまず薫が憲兵に呼び出された。
北上が来るまでに厳しく追及されることが予想されたが、
その北上は南方で戦死しており薫は一人でこの苦しさを味わうことになった。







薫が憲兵に引っ張られていったことは堀の耳にも届き、高志に会いにやってきた。


透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻




二人は北上と敵対していた古見が実弾五発を盗み、うち四発を北上の机の引き出しに入れた。
北上はそれに気がつき処分するときに、指紋をつけてしまったのだろう。
堀は高志が薫を助けたがっているのを知り、自首をすると言ってきた。
高志は明日、時川に本当のことを話すので今夜中に遠くに遠くに逃げてくれと言った。



その頃、薫は憲兵からの言葉と暴力による取り調べを受けていた。
だけど、どんなに殴られて痛めつけられても
高志が思った通り薫は堀の事は一切口外しなかった。


透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻




翌日、高志は時川に本当のことを話すために警察へ行った。
そこへ友人の友部も時川を訪ねてやって来た。





友部の兄は陸軍大佐をしていて諸田を学校に推薦していた。
昨日兄の戦死の知らせが届き妻が留守宅に溜まっていた手紙を整理したところ、
諸田から兄に宛てた手紙が出てきた。




透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻


その手紙は、諸田の遺書だった。


諸田は脳疾患による激しい頭痛と意識混濁にに悩まされ続けていた。
もはや回復の見込みもなく苦痛に耐えるしかなかった。
おまけに薫が毎週水曜日に諸田が外出するのをいいことに、
北上と密会を重ねている。


透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻




諸田は症状が出て休んでいるとき、偶然堀が盗んだ銃を隠しに入ってきた。
堀と級友の会話から、堀が試射を神社でやること、
夕方の6時半に銃を取りに戻ってくることを知りそれを利用することを思いついた。



諸田は実弾五発を盗むと四発を北上の机の引き出しに隠した。
北上の赤ペンを使って地図に細工をしたのも諸田だった。




そして、古見のところへ行き、地図を見せて北上がスパイであることが確実だと話して、
元狙撃兵の古見に実弾を渡した。
諸田は堀が隠した銃を夕方6時10分にとりに行き、神社の池の端にいる北上を撃ち、
6時30分までに必ず銃を戻すように言い含めた。


透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻




諸田はその時間普段来ている軍服ではなく、黒い背広を着て、
古見に北上と間違えるように細工をした。
もし、北見が自分を撃ち損なった時のために、諸田は短剣を忍ばせており、
自決をする覚悟でいた。




何も知らない古見は、諸田から言われたまま指定の場所から、
池の端に現れた諸田を北上だと思い込んで頭を打ちぬいた。


仕事を終えた古見が銃を返し終わった後に、入れ替わりで堀がやって来て、
銃を持ち出して同じ場所で試射をした。


諸田がこの手紙をわざわざ友部の兄の留守宅に送ったのは、
これが友部の手を通し警察に届くまでの時間稼ぎだった。
この間に、北上と薫は警察から疑われ、不貞をおかした罰を受けるはずだ。


高志はてっきり堀が撃ったものがたまたま諸田に当たったものだとばかり思っていて
意外な真実に衝撃を受けた。


たしかに、銃声は六時半と六時四十分と見た人たちの時間が
二つに別れていた。
古見のものと堀のもの、銃声は二発鳴ったのだった。


友部の手紙を受け取った時川は諸田の自決とわかり、
高志と二人で急いで憲兵の取り調べを受けている薫のところへ向かった。



透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻



手紙を見た薫、憲兵らは思ってもいなかった真実に呆然となった。
時川に言われて憲兵はしぶしぶ薫を釈放、古見も自供をした。




堀は自分が過って諸田を殺したものと思い続け大坂へ逃げようとしていた。
高志はなんとか堀に無実を伝えようとするのだが、
堀は大阪行きの列車の中で死んでいた。



高志は堀に逃げろと言ったことを激しく後悔しながら愛する薫の家へ向かった。


だが、戸も雨戸もかたく閉められていて、彼女が引っ越したのは明らかだった。
高志に行き先も別れも告げずに去ったことで、薫の気持ちがわかった。


透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻




叶わぬ恋と知りながらも、高志は寂しくてたまらなかった。
でも人というのはいつかは去って行くものだ。

この短期間に、ポケゴリも青セビも堀も高志の前から消えていった。


透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻



高志はいろんな思いを抱えて空を見上げていた。



透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻







原作よりもラストはきれいにまとめたなと感じました。
諸田の遺書は焼けることなく時川刑事の手に渡され、
厳しい取り調べを受けていた薫のもとに届けられる。






透明な季節 (講談社文庫 か 9-1)





尺の問題があるので薫が高志のもとから姿を消す経緯やら、
開業医の父を持つ友人・田中のところへポケゴリが診療へいくこととか
ポケゴリが同性愛者で薫とは体の交わりがないとか・・・
原作と変更点があったのをチェックしながら見れたのも面白かった。



監督は土曜ワイド劇場では「死者との結婚」、「家庭の秘密・乱れる!」でも
メガホンをとった藤田敏八。
映像が幻想的でキレイに撮れていたのが印象的でした。
なかでも目を奪われたのはラストのシーンですね。
夕日のオレンジと、その上のモクモク雲が果てしなく続く道を
薫が歩いていく様がとても美しかったです。



また土ワイの二作目「野菊の墓」で山口百恵の相手役だった
佐久田修が級長の堀を演じています。
見たことあるなぁと思いながらも初めはわかりませんでした。



中野良子、芦川誠ともに透明感があって、北上に中村嘉葎雄をもってくるという
キャスティングもいいですね。
原作では高瀬春奈が演じた範子がもっと高志と薫の間に介入してくるのだけど、
ドラマでは出演時間も短く印象に残らなかったのが残念。



それでも泉谷しげるのポケゴリが見れて満足です。


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■ 「透明な季節・僕が愛した帝国軍人の妻」  (原作版)




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