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2018/09/11
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「眠りの森の美女殺人事件・ビデオに写った意外な真犯人?」 (1993年)  東野圭吾 『眠りの森』

category - 土曜ワイド劇場
2018/ 09/ 11
                 
名門バレエ団の中で起きた殺人事件を通じてバレエの修行の厳しさと、
プリマに憧れるバレリーナたちの葛藤を描いたサスペンス。



●「眠りの森の美女殺人事件・ビデオに写った意外な真犯人?
注射針トリックの怪…」 1993年9月11日
原作: 東野圭吾   眠りの森 (講談社文庫)
脚本: 大原清秀
監督: 井上芳夫
制作: 大映テレビ
出演: 山下真司、原田貴和子、名古屋章、
永光基乃、河原崎建三、谷村昌彦ほか




眠りの森の美女殺人事件




高柳バレエ団の創立30周年記念パーティーが開かれた。
演出家の梶田康成(河原崎建三)は、その席で「眠りの森の美女」のオーロラ姫に
三人の候補の中から斉藤葉瑠子(永光基乃)を選んだ。




パーティー終了後に、葉瑠子は梶田から呼び出しを受けていた。
彼女は親友で同バレエ団の浅香未緒(原田貴和子)とともに、
事務所に到着すると、梶田が見知らぬ男と争っていた。
二人を止めようとした未緒は、その男を突き飛ばしてしまい、
男は頭部をテーブルの角にぶつけて打ち所が悪く死亡してしまった。



加賀恭一郎(山下真司)刑事は関係者らに話しを聞くが、
梶田をはじめ誰も被害者を知っているものはいない。
未緒は自首をし、状況から正当防衛とみられた。



眠りの森の美女殺人事件




やがて死んだ男の母親が名乗り出て、被害者は画家の風間利之(刀坂悟)と判明したが、
バレエ団との接点がわからず、なぜ彼が事務所にいたかは依然不明のままだった。



しかし、風間の母に話を聞きに行った加賀は、
風間のアトリエにバレリーナを描いた1枚の絵を見つけた。
母親の話では、風間はニューヨークに絵の勉強をしに行ったことがあるということだった。
さらに書籍の間には、高柳バレエ団の公演チケットが挟んであった。



眠りの森の美女殺人事件




加賀はさっそく団長と梶田に風間がニューヨークにいた四年前に、
バレエ団からニューヨークに派遣された団員がいないか尋ねた。
梶田はその年はプリマ候補だった亜希子と森井靖子(月見恭子)、
翌年は葉瑠子と未緒が行ったと説明する。


しかし、梶田はバレエをやるものには色恋をする余裕はないと、
風間と団員たちのつながりを真っ向から否定した。



眠りの森の美女殺人事件



未緒は警察に拘留され取り調べを受けていたが、
殺人を立証するだけの証拠もなく不起訴処分で釈放された。
加賀はバレエに情熱を注ぎ込む未緒の姿に惚れてしまい、
釈放されたばかりの未緒に会いにいく。


眠りの森の美女殺人事件




加賀は思い切って彼女に交際を申し込むが、バレエ一筋の未緒から断られてしまった。
帰りがけに寄った神社で、未緒が気に入ったお守りを加賀はプレゼントし二人は別れた。


眠りの森の美女殺人事件




これで加賀と未緒の接点はなくなってしまったが、その10日ほどたったある日、
加賀はプリマが葉瑠子から未緒に変更になったことを知り密かに稽古場を訪ねた。



そこでは、梶田の厳しい指導の元、未緒が懸命に稽古に励んでいた。


眠りの森の美女殺人事件



倒れそうになりながらも、なんとか力を振り絞り梶田の要求に応えようとする未緒。
すると、立って指導していた梶田が自分の椅子に座ったところ、
急に苦しみだしその場で死んでしまう。



眠りの森の美女殺人事件



加賀は久しぶりに未緒と二人だけで会い、釈放後からこれまでのことを聞いた。


未緒が稽古場に戻ると、葉瑠子が連日梶田から厳しいレッスンを受けていた。
梶田は葉瑠子にバレエ以外のものを排除するように求めていて、
そのストイックさが葉瑠子には激しいストレスとなっていた。


そんな葉瑠子の心境を理解していた未緒が彼女を心配すると、
葉瑠子はバレエだけの厳格な日々から羽目を外そうと未緒を
ディスコに誘って踊り明かした。


深夜、葉瑠子が運転する車に未緒も乗っていると、
葉瑠子のちょっとした油断から事故を起こしてしまう。
未緒は幸い頭を軽く打った程度で済んだが、
葉瑠子は足を負傷してしばらく入院することになった。



退院した葉瑠子を待っていたのは、梶田からのプリマを下ろし、
バレエ団からも退団させるという葉瑠子にとって死を要求されると同じくらい
厳しい宣告であった。


そばにいた未緒は梶田に葉瑠子を退団させるのだけは勘弁してほしいと、
体当たりで要求した。
これにはさすがの梶田もプリマをおろすだけにとどまり、退団だけは見逃そうと受け入れた。



梶田はその場で次のプリマを指名するという。
梶田は未緒が必死に葉瑠子を庇った心の美しさを評価し、
亜希子や靖子ではなく実力では二人に劣る未緒をプリマに選んだ。


眠りの森の美女殺人事件


未緒は拘留期間中も、欠かすことなく一人でバレエのレッスンを続けており、
その努力も梶田は評価していた。
こうして、短期間の間にプリマが葉瑠子から未緒に変更されたのだ。





その後の捜査で、梶田の死因がニコチンによる毒殺であり、
彼のブルゾンの襟もとに注射針のようなものを細工して、
それが首に刺さって死亡したものだと判明した。



何者かがブルゾンを濡らし、屋上の物干し場にブルゾンが干され、
その隙に毒を仕組んだものと思われた。


眠りの森の美女殺人事件



加賀は会議の席で、高倉捜査本部長(名古屋章)に、
梶田を憎んでいるものはプリマを外された葉瑠子ら三人がいて、
三人ともニューヨークに派遣されている過去があることを告げた。


加賀は風間の事件と、梶田の事件に繋がりがあるのではないかと考えていた。
そこで、同僚刑事をニューヨークへ派遣させることを提案する。



その間、加賀はふとしたことから梶田を殺した凶器を探り当てた。
これまで注射器ではブルゾンの襟元には隠せず、
凶器が何かわからないままだったのだ。




犯人はテニスボールの空気入れの針を使い、ニコチンの液体が入った容器を
ブルゾンに取り付けたのだ。
調べた結果、梶田の首にあった傷跡と針が一致した。
バレエ団でテニスと関係があるのは、亜希子と靖子の二人だった。



中でも靖子は学生時代に軟式テニスをやっていて、
梶田が死ぬ三日前に軟式テニスボール用の空気入れを購入している。
さらにニューヨークから帰ってきた刑事の報告で、
靖子と風間がつき合っていたことがわかった。



加賀たちは署で靖子から詳しい話を聞いた。


見立て通り、ニューヨーク時代に靖子と風間は交際していた。
視察に来た梶田がそのことを知り、靖子に風間と別れることを要求した。
風間も靖子の将来を思い、身を引くような形で二人の関係は終わった。


眠りの森の美女殺人事件



数か月前、高柳バレエ団の公演を見た風間は、
太りやすい靖子が無理なダイエットによりげっそりとなっていることを知り、
梶田への怒りがわいてきた。



靖子はこの間、ダイエットにより体重を落としたものの、
フラフラで演技をとちることが多く結局梶田はプリマに選ばなかった。
靖子は風間とも引き裂かれた上に、プリマにもなれず梶田を憎んでいた。



おそらく風間はあの日、事務所にいた梶田へその怒りをぶつけに行ったのであろう。
その格闘の現場に、呼び出しを受けていた葉瑠子と未緒が入ってきて、
未緒は二人を止めようとして誤って風間を殺してしまったのだ。



状況証拠としてはクロの靖子だが、梶田殺しは否定する。
購入した軟式ボールの空気入れはすぐに母校に贈ったといい、
無茶な減量で体力が落ちていた靖子はその場に倒れてしまう。



そのまま入院する靖子は、心配して病院へ来た未緒に
プリマを諦めないと自分のようにボロボロになると忠告した。




その後靖子が話した通り、空気入れは確かに母校に届いており
加賀たちの捜査は振り出しへ戻った―。






公演まであと数日になり、未緒は遅くまで稽古場で汗を流していた。
加賀がその様子を見学に行くと、レッスンを終えた未緒が
突然、めまいがすると訴えた。


眠りの森の美女殺人事件




加賀は未緒をタクシーで送っていくが、降りた未緒が自宅ではなく、
あるクリニックへ入って行くところを確認した。
加賀は密かに医者から未緒の病状を聞き出した。






未緒は葉瑠子が起こした事故により、酷い難聴と頭部にすぐに手術が必要な
病を抱えていた。
未緒は死を覚悟の上で、次の公演に命をかけて臨んでいたのだ。
加賀にはそこまでしても、バレエに身を捧げる未緒に驚きを隠せなかった。




眠りの森の美女殺人事件






加賀たちは懸命に犯行に使用されたとみられる空気入れの購入者
割り出しに全力を注いだ。


そして、ついに一件の有力な情報を掴んだ。


加賀たちが横浜にあるその店へ訪れると、確かに若い女性が買いに来たと
従業員が証言するが、未緒、葉瑠子、亜希子、靖子の写真を見せたが、
雰囲気が違っていると否定する。



そこで、店に設置されている防犯用のビデオテープを検証することにした。
署に持ち帰って再生をしたが、犯人はカメラを警戒していて顔が見えない。
しかし、バッグにぶら下がっているものが加賀が未緒にプレゼントした
お守りであることに気づいた。



眠りの森の美女殺人事件


加賀はそのことを誰にも告げずに、自分の胸の内にそっと隠した。
命を賭けて稽古に励んでいる未緒をなんとしても舞台に立たせてやりたかった。






いよいよ、未緒がオーロラ姫を演じる「眠りの森の美女」の公演当日となった。
加賀は舞台の裏からそっと未緒の演技を見守っていた。




眠りの森の美女殺人事件



そこへ、バレエはもう嫌になったと退団していた葉瑠子も訪れた。
加賀は葉瑠子がふともらした一言から、風間殺しが未緒ではなく、
プリマに選ばれたばかりの葉瑠子の犯行であることを知った。


眠りの森の美女殺人事件



未緒は同じダンサー同志、プリマになった葉瑠子を庇って
自分がやったことだと自首を申し出たのだった。
葉瑠子はそれを止めようとしたが、梶田も未緒の意見に賛成し、
正当防衛ですぐに釈放されるから未緒に自首させた方がいいと主張してきた。




舞台は成功に終わり、加賀は未緒の楽屋を訪ねていった。
ところが未緒の姿はなく、未緒が加賀宛に書いた手紙を渡された。




眠りの森の美女殺人事件


そこには、梶田殺しについて動機から殺害方法までが詳しく説明されていた。



未緒は葉瑠子が起こした交通事故により、重度の難聴や脳の障害に悩まされていた。


葉瑠子から未緒にプリマが代わり、梶田の厳しいレッスンが続く中、
未緒の様子がおかしいと梶田が異変に気がつき始めた。
梶田はこのままでは、プリマからおろすと宣言する。




ようやくつかんだ栄光を未緒はなんとしても逃したくなかった。
ついに梶田の殺害を決意する。



テニスの軟式ボールの空気入れの針を抜き取り、小さな容器にくっつけた。
ニコチンを液状にして、その容器に入れると梶田のブルゾンを濡らした。




眠りの森の美女殺人事件


梶田がそれを屋上に干すと、未緒はニコチン入りの容器をブルゾンの首元へ仕込んだ。



加賀は手紙を読み終えると、未緒を探し回り、
衣装を着たままの未緒がビルの屋上にいるのを発見し、
急いで屋上へ駆けあがって行った。


飛び降りようとする未緒を加賀は制止し、病院へ行くように言った。




眠りの森の美女殺人事件





バレリーナの未緒は一生のうちに一度だけでもいい、
なんとしても頂点に立ちたかった。
この気持ちは、やっている者にしか理解できない欲望だ。
そのために未緒は自分の体を酷使し、犯罪にも手を染めてしまった。




加賀は未緒を愛しており、罪を償うまで待つし、
状況によっては刑事を辞めてもいいと説得する。




だが、未緒は加賀の愛を受け入れることなく、
加賀の目の前で、柵を乗り越えてしまった。



未緒の体は踊るように舞い落ちていく・・・。





眠りの森の美女殺人事件



加賀が地上に目をやると、オーロラ姫の姿のまま、
愛する未緒が横たわっていた。







眠りの森 (講談社文庫)




バレエに激しい熱意を燃やす、未緒役の原田貴和子が良かった。
彼女の透明感が、バレエに打ち込むひたむきさや、
親友を気遣う心優しいヒロインにピッタリでした。




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