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2018/10/10
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

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「仮面法廷・黒いサングラスの女・謎!謎!謎!顔のない完全犯罪」 (1987年)  和久峻三 『仮面法廷』

category - 土曜ワイド劇場
2018/ 10/ 10
                 
土曜ワイド劇場十五周年記念の第三作。


昭和47年に第18回江戸川乱歩賞を受けた
和久峻三の同名タイトルのドラマ化。



●10周年記念特別企画③
「仮面法廷・黒いサングラスの女
謎!謎!謎!顔のない完全犯罪」  1987年10月10日
原作: 和久峻三  『仮面法廷』  江戸川乱歩賞全集(8)殺意の演奏 仮面法廷 (講談社文庫) 収録
脚本: 橋本綾
音楽: 小六禮次郎
監督: 池広一夫
制作: 東映
出演: 露口茂、岡江久美子、岡田茉莉子、京本政樹、
名古屋章、鈴木瑞穂、梅津栄、平泉成ほか




玉木造(露口茂)は、大手不動産会社を脱サラして、
出入り業者だった田川軍司(名古屋章)と共同経営で田川土地住宅を設立した。
社長は田川で、玉木は専務として働きだし
わずか二か月後には大きな仕事を手掛けることとなり契約の日が来た。


仮面法廷




玉木は買主の金村辰之助(渥美国泰)とともに売り主・上村卓の到着を待つ。
売り主は何かの事情から厚木の土地1000坪を坪単価100万円という
破格の安さで売り急いでいた。
上村の妻から権利証や実印を預かった田川が来て売り主不在のまま売買が行われる。
土地代金十億円は上村卓名義の口座に振り込まれた。




契約成立から十五日後・・・。



田川の会社へ上村米蔵(梅津栄)とその息子の卓(京本政樹)が
勝手に厚木の土地を売却されたと知って怒鳴り込んできた。
田川が上村の妻から預かったという権利書や印鑑も偽造されたもので、
卓もまだ学生で妻などいないという。


仮面法廷



卓の妻と称する女性は三度会った田川の話から、長いおかっぱ頭に和服姿で、
大きなサングラスをかけた二十五、六歳のスラリとした女だったという事がわかった。
田川にサングラスの女を紹介したのは同業者の吉田(木村元)だが、
飛び込みでやって来た客で彼も詳しいことは知らなかった。



土地は名義書き換えも済み、代金の十億円はすでに
和服にサングラスの女が銀行に現れ小切手で出金されすぐに現金化されていた。
サングラスの女はいつも連絡場所に自分たちの会社を指定してきた。
玉木が電話してみるが、それは単なる秘書サービスに過ぎず、
すでに契約も解除されていた。



巧妙に仕組まれた詐欺事件であった。



上村親子に詐欺を疑われ返金を責められた田川は、弁護士の大登虎緒(鈴木瑞穂)に調査を依頼した。
大登の自宅を訪れた玉木はそこで別れた妻の美樹(岡江久美子)と再会し驚く。
田川にそれとなく聞いたところ、大登の女だと聞かされ複雑な気持ちになる。


仮面法廷




大登は田川たちも被害者であることを示した方が良いとアドバイスし、
買主の金村に厚木の土地の工事をやめるよう要求するが、
詐欺事件に巻き込まれたと知っているはずなのに金村は姿を現さず、
工事を中断する気配も見せなかった。



裁判で金村に工事をやめる仮処分を求めようという事で話しは進むが、
そんな中、大登が自宅で死体となって発見された。
思いもかけぬ展開に戸惑う玉木だが、その容疑者として
少し前に入籍したばかりの美樹が逮捕され自供したと知りさらに驚く。



大登の財産目当ての犯行だと報道されるが、玉木は大登が殺される
少し前に美樹と会っていて彼女が犯人でないと確信していた。
大登はひとりで婚姻届けを出していて、美樹は自分がまだ結婚したとは知らず、
したがって財産目当てで殺すとは考えられない。



玉木はひょんなキッカケで出逢った女弁護士・児島夏子(岡田茉莉子)に弁護を依頼する。
夏子は大登を殺したのが玉木だと誤解した美樹が庇うために自供したと見るが・・・。


仮面法廷




夏子はさっそく美樹に会いに行き、玉木は殺していなく美樹をとても心配しているというが、
美樹は自分が殺害したという主張を曲げなかった。
しかも、東京駅の発出所には八木孝一と名乗る土木作業員が、
犯行現場を目撃したと事件を知らせに来ていた。
八木は帽子にサングラスで、右手を怪我して左手で書類を記入し、
その後の足取りがわからなくなっている。



詐欺事件を依頼した大登が殺され、玉木は夏子に詐欺事件もお願いすることにした。
金村に対して工事を中止するという仮処分をすることは同じで、
そのための金は社長の田川が用立てることになっていた。




玉木は謎の女が利用していたテレメート秘書センターへ行ってみると、
沢山の電話が置かれていてオペレーターたちが仕事をしている。
担当者(河原さぶ)は依頼者には内緒でかかってきた電話は、
万が一に備えて全て録音しているのだと話した。


仮面法廷




謎の女も一回だけ電話してきたことがあり、彼女の声が録音されているのだという。
玉木がそのテープを欲しいと言うと、大登が30万円で買っていったと聞かされる。
おそらくその声を聞いた大登は声の主が誰だかわかり恐喝したのだろう。





玉木はさっそく、夏子にこのことを報告した。



大登が役所に婚姻届けを出しに行った時、美樹の生活が困らないよう
準備していると職員に話していた。


仮面法廷



大登は財産がありそうに見えたが、土地家屋は抵当に入っていて
財産状態はいいとはいえない。
もう七十歳の大登は、美樹と結婚しても一緒に過ごせる期間は短く、
死んだあとも彼女にある程度の生活をさせるために金が必要だった。




大登は六時に新橋の事務所を出たが、池上の自宅で八時四十分頃に殺されている。
帰宅するまでに二時間四十分もかかるのは不自然で、
大登は事務所を出てから帰るまでの間に恐喝した相手と会いテープと金を交換した可能性が高い。



夏子は僅かな声だけで大登が謎の女の正体を見抜いたという事は、
大登と近しい間柄の女性、つまりは美樹ではないかという。
だが、玉木はもし謎の女が美樹なら彼女と三回も会った、
田川が美樹の変装を見抜けないわけがないとそれを否定した。


仮面法廷





夏子は、田川が嘘をついているとしたらどうかと言ってきた。
考えてみれば会社を一緒に興したにもかかわらず、玉木は田川のことを詳しく知らない。
玉木の中で田川に不信感がわいてきて、敏感な田川もそれに気づいたために
玉木は大登が殺された晩のアリバイを聞き出した。


玉木は田川が証言したアリバイの裏付けをとるために、
犯行時刻にいたというバーへ確かめに出かけていく。



仮面法廷



大登が殺された頃、田川は吉田とバーに20時から21時半頃までいたという
田川の証言は本当だった。


帰り際の21時になって田川に電話がかかり、
三十分位の長電話をしていたということも明らかになる。
相手は謎の女かと思ったが、ママは女ではなく男だったという。
いずれにしても、田川には大登は殺せないことは明らかであった。


その後、美樹は不起訴となり釈放され、玉木は美樹と関係するが、
美樹を愛しながらも復縁はしないまま別れてしまう。




その頃、夏子のところに上村親子が金を用意しない田川に対して、
本当に仮処分する気があるのかどうかと怒鳴り込んできた。
玉木は社長の田川が金を用意しないとわかり、自分が代わって費用を工面すると、
米蔵に田川土地住宅を告訴してくれと頼んだ。



玉木は田川を調べるうちに、会社は初めから厚木の土地を売買するだけに
設立されたものだと確信を深めていたのだ。
そばにいた卓は田川にそれを確かめろと珍しく声を荒げた。



仮面法廷


もうすでに夜の十一時近くになっている。
卓の勢いに押されて言われるがまま、夏子は田川に電話するが不在だった。
すると、卓は今から仮処分の申請書つくって欲しいと夏子に頼んだ。


夏子は仕方なく明日の朝に間に合わせるために申請書を作成する。



翌日、玉木が田川のマンションへ行ってみるとまだ帰っていないのか出てこない。
一旦は帰ろうとした玉木だが、管理人を呼び合鍵で中へ入ってみると、
田川が床に倒れて死亡していた。



死亡推定時刻は、昨夜の10時半頃で死因は青酸カリによる服毒死。
押し入れから八木孝一になりました時の、変装道具が出てきて玉木は覚悟の自殺と見た。




刑事(平泉成)がやってきて第一発見者の玉木を容疑者扱いするが、
その頃夏子の事務所に上村、卓と一緒にいたとわかり疑いは晴れた。



刑事の話では田川のそばには彼が飲んだと思われるグラスが転がっていて、
テーブルには水が入ったグラスが残されていたという。
そのことから、自殺ではなく他殺として見ていたのだ。
グラスはふたつともに青酸カリが入っていた。




刑事は黒いサングラスの謎の女を知らないか?と聞いてくるが、
それを探している玉木に心当たりがあるわけがない。
すると、刑事は田川と女がマンションから仲良く出かける姿を目撃していて、
玉木が追っていた謎の女と田川が親しい間柄であることが確定的になった。


仮面法廷


刑事はその女が美樹だと疑っている様子で、元夫の玉木に美樹の居場所を聞いてくる。
美樹は玉木と別れた後から行方がわからなくなっていた。



警察を出た玉木は、この事件にはもう一人謎の男がいると考えた。



大登が殺された時の、田川のアリバイは完璧だ。
九時頃バーにいる田川に男から電話かかり九時半まで店にいたのは
複数人が証言している。


おそらく田川に電話してきた男こそが大登を殺したのだろう。
男は大登が殺された時の様子をこと細かに説明した。
それを聞いた田川はバーを出た後に、変装して東京駅の派出所へ行き、
本当に現場で殺すところを見たように詳しく状況を説明した。



仮面法廷


田川も昔に離婚をして、その後はずっと独身を貫いていた。
しかし、どうも女が出入りしているような部屋の様子だった。
それなのに、葬儀には女は誰一人弔問に訪れない。



吉田たちとそんな話をしていると、氷を作ろうとした卓が手をすべらせて、
床を汚してしまった。
それを見た玉木は、なぜ田川が死んだときにグラスがふたつあったのか謎が解けた。



以前、玉木が田川のマンションへ行った時に酒を出してくれたことを思い出したのだ。
田川はグラスを三つ用意し、そのうちの一つに製氷皿からめいいっぱい氷を入れた。
そこから、残る二つのグラスに氷を移し替えて酒を注いでいた。



仮面法廷



死んだときに残されていたグラスはひとつは氷だけでそれが解けて水になったもの、
もうひとつは酒を飲むためのもので、来客があったわけではなくて
ひとり酒を飲んでいたのではないだろうか。
だとすると、田川が死亡した時犯人が部屋にいる必要はない。
おそらく、毒物は氷に仕込んであったのだ。



玉木は謎の女に会わすために、夏子たちをバーへ連れていった。


やがてユキエというホステスが姿を現した。


長いおかっぱ頭に、大きな黒いサングラス、年のころは二十五、六のスラっとした美人。



これまで必死にその正体を掴もうと追い続けてきた、謎の女に間違いがない。


玉木はゆっくりとユキエに近づいていき、玉木に正体がばれたと悟ったユキエも逃げはしない。
玉木はユキエを謎の女であり、もう一人の男であると夏子たちに紹介した。
その正体は女装したゲイボーイの上村卓だった。




仮面法廷


これまでいつも姿を現すのは和服姿の女なのに、
電話の声は男だった。
でも男が女装をして女になったと考えれば
謎の人物は一人になる。


田川と卓は恋人同士で、大登と田川を殺した方法も玉木の見立て通りだった。
卓は上村から厚木の土地を譲ってもらったが、自分の自由には出来なかった。
彼は自分の手で素晴らしいゲイバーを開きたかった。


卓は厚木の土地を二度売ることで大きな金を手に入れようと企んだ。
田川はその協力者だ。



卓は謎の女になりすまして、厚木の土地を金村に売却する。
その後、詐欺だと騒ぎ立て、印鑑と権利書偽造で売買した土地は、
金村がどんなに粘ろうとも自分のもとへ戻ってくることはわかっていた。


その後に、また土地を売ることで二重に売却金を手にしようと考えた。


二人のプランは上手くいったが、ある日、買ったテープから
謎の女の声が卓であることに気がついてしまった。
同じく大きな金が欲しかった大登は、卓と田川に五億円を要求してくる。



仮面法廷



田川が鉄壁なアリバイを作っている間に、
小切手を渡すと呼び出した大登を卓が殺害する。
卓はその時の状況を電話で田川に詳しく報告し
目撃者を装って美樹に容疑をなすりつける。


その田川を殺したのは、卓に殺しまでやらせておいて
分け前が少ないと要求してきたからだ。
卓は田川が夜、ひとりで晩酌をする習慣があるのを利用し、
前日に毒入りの氷を作っておいた。



仮面法廷



そして、八木孝一の変装道具を部屋に残し、
田川が美樹を殺人犯に陥れようとした良心の呵責に耐えかねて
自殺をしたように偽装したのだ。


だが、卓は金を手に入れたかっただけで、初めから殺人を犯すつもりはなかった。


田川は以前から、玉木はいずれ何もかも見破ると卓に話していて、
いずれは玉木を始末するつもりでいたが、
結局その玉木に自分たちの犯行を暴かれることになった。



仮面法廷



厚木の土地は正式に金村のものになった。
玉木は夏子にこの土地がここまで高騰しなければ卓も
バカげた計画を思いつくこともなかったのに、
殺人を犯した人間は裁かれるが土地がなんの罰も受けないことを嘆いた。


夏子は美樹から連絡があったことを玉木に告げる。



仮面法廷


玉木は美樹に会いに行く。



妻が死んだ玉木は幼いひとり息子勝憲を抱えていて、美樹はそこへ後妻に入ってきた。
美樹は二人の離婚の原因となった勝憲が実は事故死でなかったことを告白した。
勝憲は美樹とふたりでプールへ行き、溺れ死んでしまったのだ。


勝憲が死んだとき、玉木はさんざん美樹を攻め立てた。
その後、二人の間に入った亀裂が修復されることもないまま離婚の手続きた取られる。


美樹は勝憲に前妻の面影を見ていて、彼がプールで溺れたとき、
周囲に助けを求めることをやめて見殺しにしていた。



美樹はその時の罪の償いのために、大登殺しの容疑を受けたときに、
自分が殺したと発言したのだ。



仮面法廷


玉木は美樹が別れたいと行った時から、勝憲の死が事故死でないことは
わかっていたような気がしていた。
だが、勝憲が死んだ今、美樹を失う事だけは避けたかった。
それは、美樹も同じだった。



玉木は夏子から美樹を救うことが出来ないならとことん憎むことで
美樹を楽にしてやるようにアドバイスを受けたことを話した。
玉木には女の複雑な気持ちは理解できない。
だが、美樹がそれで罪の意識が少しでも薄らぐなら、
玉木は彼女のためにそれをやってみようと思い始めている。







江戸川乱歩賞全集(8)殺意の演奏 仮面法廷 (講談社文庫)




今回、探し続けていた謎の女は、当初事件の被害者だった男の女装だったのだが、
演じた京本政樹の女装が怖い。


なのに妙になまめかしくて、どことなく妖気を漂わせている。
謎の女が実は女装をした男だと見破った玉木に卓は「おみごと、おみごと」というが、
ある意味この女装姿こそ”お見事”というべきか。




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