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2018-10-29 (Mon)

牟田刑事官シリーズ第9作 「岸辺に立つ女」 (1988年)

牟田刑事官が、蓼科の湖で発見された死体に端を発した、
殺人事件の謎を追う。



●「岸辺に立つ女・蓼科高原・復讐の女神湖!
牟田刑事官事件ファイル」  1988年10月29日
原作: 石沢英太郎  『博多・中洲・クラブ殺人事件』  博多殺人風景 (広済堂文庫) 収録
脚本: 下飯坂菊馬
音楽: 田辺信一
監督: 小谷承靖
制作: C.A.L
出演: 小林桂樹、寺尾聰、渡辺典子、三浦真弓、
荒井注、津島恵子、丸山秀美ほか



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横浜山下署の牟田一郎(小林桂樹)は、仕事で訪れた蓼科高原の女神湖で
偶然、若い女性の死体を発見する。
それは、蓼科へ来る時の列車の中で知り合った柳純子という作家志望の女だった。


彼女は牟田が娘の君恵(丸山秀美)から勧められて読んでいた藍京子(三浦真弓)の小説を、
「不美人がブランド物のアクセサリーで飾りたてたようだ」と表現したことが印象に残っていた。



彼女は元町にある骨董屋で働いていて、遺品の中には白紙の原稿用紙があった。
死因は溺死で昨夜の20~22時頃と見られた。
純子は21時頃、散歩に出ると言ってホテルを出たのを確認されており、
蓼科署のカミナガ(荒井注)は、自殺と考えていた。



一ヶ月後



蓼科から戻った牟田は、雑誌の企画で藍京子からインタビューを受けることになった。
藍京子の本業は元町にある「クラブ京」という店のママである。
インタビューも店で行われることになり牟田が行ってみると、
驚いたことに五年ほど前に署を辞めた阿部(寺尾聰)がバーテンとして働いていた。
どうやら京子には元刑事だということを隠しているようだった。


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やがて、山下署にカミナガがやって来た。
その後の捜査で、純子の死が自殺ではなく他殺の疑いが出てきたというのだ。
純子は蓼科に着いた時、喫茶店で中年の男と会い口論になっていて
ウェイトレスの協力でその男の似顔絵が書かれた。


21時前には純子宛てに女の声で電話がかかりそのあとホテルを出ている。
似顔絵の男が女を使って純子を呼び出して殺害したとカミナガは考えているようだった。



そこで純子が暮らしていた横浜で身辺調査をすることになったので牟田に協力を求めに来たのだ。



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そんな頃、出版社に勤務する編集者・杉原康史(伊藤敏八)が自宅で服毒死体で発見された。
近くにはグラスが転がっており、毒が混ぜられたブランデーを飲んで死亡したらしい。
牟田は3日前にクラブ京で京子と一緒にカウンターにいた杉原の姿を目撃していた。


杉原前日に麻雀をしていて、夜の12時頃店を出て、死亡したのは深夜1時から2時頃。
雀荘での聞き込みで、杉原は京子の愛人であり、彼女は杉原の他にも
保険会社の社長・カジ(小林勝彦】というパトロンがいるということがわかった。
牟田が店へ行った日、杉原だけでなくカジも飲みに来ていた。
杉原はカジと鉢合わせをしたせいか、あの日とてもイライラしているように見えた。




また午前11時には髪にメッシュを入れた大きなイヤリングの女が、
鍵を開けて杉原の部屋に入る姿を目撃されている。
おそらく女な留守中にブランデーに毒を入れたのだろう。




牟田が京子のアリバイを尋ねると、1時頃まで店にいたという。
メッシュの女が目撃された午前11時には、カジ社長と一緒で午後3時までいたと裏付けとれた。
そういえば、京子の店のホステスのリカは大きなイヤリングとメッシュを入れていた。
牟田がそれを確かめると、リカは杉原に夢中だったと話した。



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リカは自分の部屋で寝ていて杉原の部屋には行っていないと否定するが、
バッグの中から杉原の部屋のカギが見つかった。
しかし、リカは自分を陥れようとするものがカギを入れたのだというばかりだった。


牟田は可能性があるのは、杉原のマンションに出入りをしていた京子とにらむが、
彼女にはアリバイがあり、リカになりすまして部屋に入るのは不可能だった。
牟田はふと純子が会った中年の男の似顔絵と杉原似てることに気がついた。



カミナガの捜査で、純子が勤めていた古美術店の店主・日下部は杉原の麻雀仲間だとわかり、
純子殺しと杉原殺しに接点が出来た。
日下部は順子から杉原を紹介されていて、小説家志望だった純子は何らかの形で
杉原と知り合いだったのだろう。



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その後、京子はこれまでとは作風が違う「小鳩の来る家」という作品で新人賞を受賞し、
クラブ京で祝賀パーティーが開かれた。
京子はスピーチで「山鳩の来る家」に全力投球したため、
しばらくは以前の風俗作家に戻ると宣言した。



店の新人ホステス・カオル(渡辺典子)は京子の作品はすべて読んでいて、
「山鳩の来る家」が一番良かったと言う。

素人の牟田から見ても、今までの風俗小説とは違い文学の薫りがしてきて、
とても同じ作家が書いたとは思えないくらいだった。



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牟田は店がひけたあとの阿部を飲み屋に呼び出し、京子がリカに変装し杉原の部屋へ行き、
カギをバッグに忍ばせたのではないかと何か心当たりはないか協力してもらおうとするが、
阿部はもう警察を辞めた身だからといいすぐに帰ってしまった。


飲み屋の女将(ひし美ゆり子)は牟田が阿部に女性関係を聞いた時の様子から、
失恋したのではないかと話した。
牟田も阿部の態度が閉鎖的なのはそのあたりからきているのかもしれないと考えるようになる。


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その翌日、京子が自宅で刺されて死んでいるのを店のホステスが発見した。
コーヒーカップがふたつあったことから、来客があったのは間違いなさそうだ。
正午頃、地下の駐車場からカジが出ていくところを目撃され本人もその事を認めた。


だが、検視の結果は死亡推定時刻はカジが帰った後の2時~3時頃で、
その頃カジは会社から一歩も出ていないことが確認された。
京子の部屋でカジが阿部と鉢合わせたと言ったことから、
牟田たちは阿部から話を聞こうとするが店に出勤していない。



カミナガは純子の部屋から原稿が入ったフロッピーを入手していた。
さっそくそれを読んだ牟田は、「山鳩の来る家」とそっくりなことに気がつき、
純子に去年の三月から何度も20万前後の金が振り込まれている。
振込人は京子の小説「メリケン・ブルース」の主人公と同じで名であることから、
純子が京子のゴーストライターであると断定した。




純子は小説家になろうとして、原稿を渡すのは拒みそのために殺されたのだ。
カミナガが持っているフロッピーの中の小説は未完成のもので、
完成版は京子が純子を殺した時に奪い取っていったとみられた。


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京子は刺された時瀕死の状態で2時50分頃110番通報をしていた。
その頃には、部屋から出てくる若い女性をピザの宅配業者が目撃している。
純子には妹がいるので、姉を殺した京子に復讐するために妹が殺害したのだ。



翌朝早くに、牟田の家を阿部が訪ねてきた。
阿部は恋人の純子を殺した京子への復讐心から殺害したというが、
牟田は阿部の証言の矛盾点をつき、誰かをかばっているのではないかと問い詰めた。



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そして、妹がいる蓼科へ阿部を連れていく。


純子が死んでいた岸辺に女が一人立っていた。
彼女の妹・ヨシコはクラブ京の新人ホステス・カオルだった。





京子と純子は旅行がキッカケで知り合い、京子がストーリーを、
純子が文章を担当していた。
派手なことが苦手な純子は、はじめは作品を京子の名で発表し、
ギャラを折半することで同意していた。



しかし、純子は「山鳩の来る家」のフロッピーを京子に渡さないまま蓼科へ逃げた。
京子から相談を受けた杉原が蓼科の喫茶店で純子の説得に失敗すると、
その夜京子が女神湖に呼び出し直談判をした。


以前から純子の才能に嫉妬していた京子は、かたくなな純子の態度に
そばにいた杉原にも協力を求めてフロッピーを奪った。
揉めているうちに気を失った純子を、二人は湖に投げ入れて殺した。


その共犯者杉原はやはり京子が殺害した。
彼女はリカに容疑を向けるために、リカに変装をして部屋に侵入し、
ブランデーに毒を混ぜ、杉原の部屋のカギをリカのバッグに入れた。



一方、アメリカから帰国したカオルは、純子が死に京子の作品を読んだときに、
文体が純子のものであることから純子の作品を京子が盗作したと考えて、
クラブ京に入り込んだ。



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阿部も同じ理由からクラブ京に入っていたことは偶然であり、
ふたりは互いが同じ目的で京に来たことを京子殺害の当日に知った。



祝賀パーティーの翌日、京子の部屋へ行ったカオルは、
自分が柳純子の妹であると身分を明かした。
京子は純子が死んで小説が書けないと悩んでいて、
カオルを道連れに自殺しようとする。


京子はテーブルにあった果物ナイフでカオルを襲おうとし、
もみ合っているうちに京子の体にナイフが刺さってしまう。
そこへ阿部がやってきて、カオルをその場から逃がす。



ところが、死んだと思っていた京子はまだ生きていて110番通報をしようとしたのを見て、
阿部は受話器をおろさせた。
この時救急車を呼んでおけば京子は助かったはずだが、阿部は見殺しにしてしまった。
京子が絶命した後、阿部は室内の指紋を拭き取り部屋をあとにした。



カオルは自分も死のうと蓼科へやって来たが、牟田は柳純子の名前で、
彼女の作品を発表する使命が残されていると説得する。



それからまもなく、柳純子の名前で「山鳩の来る家」が出版された。




カオルと阿部を心配する娘の君恵(丸山秀美)に、
おそらく情状酌量がついてそうは重くならないだろうと見通しを語った。


安心した君恵たちを見た牟田は、休日だし明子(津島恵子)と三人で、
東京へ食事へ行こうと提案した。


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