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2019-04-30 (Tue)

「ラファエル前派の軌跡展」@三菱一号館美術館は撮影出来る作品が多数あり充実した内容だった

平成最後の記事となります。



先日は東京にある三菱一号館美術館で行われている
「ラファエル前派の軌跡展」へ行ってきました。



ラファエル前派の軌跡展@三菱一号館美術館


ブログでも散々書いてきましたが、私はこの時代のイギリス絵画がとても好きで
3月から始まったこの展覧会は見に行くのを一番楽しみに待っていたものとなります。
そして、ゴールデンウイークに入りようやく見に行くことが出来ました!


とはいえ、ラファエル前派を支えてきたジョン・ラスキンの生誕200年記念の展覧会ということで
私の見たい作品は少ないかもしれないという予測があったため過度な期待をせずに足を運びました。


まずラスキンが贔屓にしていたイギリス風景画の巨匠・ターナーから始まります。
この章にはラスキンの水彩画なども合わせて展示されていました。


第2章はいよいよラファエル前派となるのですが、
なんと一部の作品が撮影可能となっており
「来た甲斐があった」と会場内で興奮してしまった。


一部といいながらもかなり多くの作品が撮影できたので
その中のいくつかを簡単にご紹介。


はじめに出てきたのはなんとフォード・マドックス・ブラウン。
これには意表をつかれました。




ブラウン トリストラム卿の死

フォード・マドクス・ブラウン ≪トリストラム卿の死≫   1864年


もとはステンドグラスとしてデザインされたもので
ロセッティが壁画として採用しています。



ブラウン 待ちわびて

フォード・マドクス・ブラウン ≪待ちわびて-1854-55年イギリスの冬の炉端≫   1854-55年


テーマこそ違うものの同じくブラウンの同時期の作品
「英国の見納め」に通じる厳しさのようなものをなぜか感じた。






ここからはラファエル前派を代表するミレイ、ハント、ロセッティの作品を。


ミレイ 結婚通知

ジョン・エヴァレット・ミレイ  ≪結婚通知-捨てられて≫ 1854年



結婚した友人からの知らせを受け取った若い女性。
遠くを見つめる彼女の表情からは「祝福」の二文字は感じられず
タイトルから婚約者から捨てられた哀しい過去があるのがわかる。


この時代、女性の地位は低く女性の幸せは結婚によるものとされ
それが出来なかった女性は家庭教師やお針子をしたり
場合によっては身分に甘んじなくてはならないことも。


彼女も勝者となった友人と自分を対比させて
結婚出来なかったわが身を嘆いているのだろうか。




ハント 甘美なる無為

ウィリアム・ホルマン・ハント  ≪甘美なる無為≫ 1866年


こちらは1860年頃に着手されていたようだが
ハントとモデルの女性の破局により制作が中断されていた。
新しいモデルは妻となる女性で指には結婚指輪がはめられている。


こういうエピソードは同じくハントの「良心の目覚め」を思いださせますね。


ラファエル前派は有名なわりにはその活動期間は短かったのですが、
ハントと女性を巡ってその友情に終止符が打たれてしまった恋多き男・ロセッティの作品。




ロセッティ エリザベス・シダル

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ  ≪エリザベス・シダル-ダンテが見たラケルとレアの幻影のための習作≫ 1855年頃


エリザベス・シダル(リジー)はロセッティの妻となった女性で
ミレイの代表作『オフィーリア』のモデルとしても知られている。





ロセッティ 夜が明けて

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ  ≪「夜が明けて」-ファウストの宝石を見つけるグレートヒェン≫ 1867年




ロセッティ 祝福されし乙女

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ  ≪祝福されし乙女≫ 1875-81年


詩人でもあるロセッティだが、本作はロセッティが書いた詩から生まれた対作品。




ロセッティ ムネーモシューネー

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ  ≪ムネーモシューネー(記憶の女神)≫ 1876-81年


ムネーモシューネーはギリシャ神話の中の記憶の女神。

パンジーは記憶を暗示し、右手の容器の中には
飲むと過去を完全に思い出させる水が入っている。


収集家レーランドの旧蔵品で『祝福されし乙女』
ジェーン・モリスがモデルをつとめた『プロセルピナ』とともに並べて掛けられていた。





ロセッティ クリスマス・キャロル

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ  ≪クリスマス・キャロル≫ 1867年




ロセッティ ラ・ドンナ・デッラ・フィネストラ

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ  ≪ラ・ドンナ・デッラ・フィネストラ(窓辺の女性)≫ 1870年






ロセッティ ウェヌス・ウェルティコルディア

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ  ≪ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のヴィーナス)≫ 1863-68年頃




ラスキンが花の描き方が雑だと批判したロセッティの作品。
美と愛の女神ウェヌスは左手に美の象徴であるリンゴを持ち
反対の手には愛を燃やす矢が持たれている。



撮影は不可ですが、この他にはアーサー・ヒューズやジョージ・フレデリック・ワッツ
鳥の巣で有名なウイリアム・ヘンリー・ハントが展示されていました。
ヒューズはミレイの影響が伺われる作品もあり興味深く見させてもらいました。



またエドワード・バーン=ジョーンズ、ウイリアム・モリスはそれぞれ一つの章で作品が展示されています。

バーン=ジョーンズは初期作品がまだくどさが出ておらず
あの独特な作風に至るまでの過程を楽しんだりした。






さて、今回の来館記念撮影コーナーはチラシや看板に使用されている
ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のヴィーナス)です。



ラファエル前派の軌跡展@三菱一号館美術館



冒頭に書いた通り期待を強くせずに行った展覧会でしたが
予想外に充実した内容で非常に良かったです。



欲を言えばヴィクトリア朝の絵画として
ラファエル前派周辺以外のものも取り上げた展覧会が見てみたい。





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