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2005/12/31
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

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「夏樹静子の風の扉」 土曜ワイド劇場 (1983年)  頭部交換ってホラーマンガの世界

category - 土曜ワイド劇場
2005/ 12/ 31
                 
●「風の扉・空想!?現実!?恐怖の頭部交換手術!
恋人失踪の謎を追う美人OL」  1983年12月31日
原作: 夏樹静子   『風の扉
脚本: 新藤兼人
音楽: 甲斐正人
監督: 渡辺祐介
制作: 東映
出演: 市毛良枝、松尾嘉代、広岡瞬、佐藤慶、
高松英郎、藤田弓子、久米明、
河原崎建三、草薙幸二郎ほか

夏樹静子の風の扉

交通事故で死亡した青年の右手が、
なぜか他人の体についていた。
殺されたはずのその男が、同時刻に
事故死したこの青年の右手をつけて生きていたという
怪事件に、青年の婚約者が謎をときにかかる。


染織工芸家百合沢(高松英男)の写真が
雑誌のグラビアに載ったのを見て二人の人間が驚いた。


ひとりは、工芸家島尾(河原崎建三)で、
島尾は師匠の百合沢に破門され
逆恨みから百合沢を小刀でめった突きにして殺したはずだったからだ。


風の扉 松尾嘉代


もう一人は、OLの滝子(市毛良枝)で、
滝子は百合沢の右手が、交通事故で死亡した
婚約者の右手と同じものに思えたからだ。
手の傷跡が同じだったのだ。

滝子は婚約者の弟積(広岡瞬)と事件の解明に乗り出す。






百合沢錬平は以前破門した島尾丈己に逆恨みされ
自宅でナイフでめった刺しにされ指までも千切れんばかりになった。
島尾はその後ビクビクしながら暮らしていたが、
百合沢が殺されたという報道は一切ないまま時は過ぎる。
月日は経ち、島尾が百合沢の様子をさぐると
なんと百合沢は脳血栓で退院したばかりで生きていたということがわかる。

一方杉乃井滝子は恋人の瀬川聡が交通事故で死んだことを知らされた。
瀬川の兄と身元を確認するとそれは瀬川であったが
遺品の中に見慣れない日付とSONOKOと彫られた指輪があった。

ある日滝子は雑誌のグラビアで百合沢錬平という工芸家の写真を目にした。
百合沢の手には瀬川の手に合ったものと同じ傷跡があった。
滝子は百合沢の自宅を調べて会いに行くことにした。


自宅へ行き百合沢に会うことが出来た滝子は
百合沢と話すことが出来疑問をぶつけてみた。
百合沢の手は瀬川と同じ手だった。
そこへ、百合沢の妻の苑子が帰ってきたため例の指輪を渡して引き上げる。


実は、百合沢の頭部と、瀬川の頭部以外はある大学病院で
接続の手術がなされ、百合沢は瀬川の体を付けて生きていたのだ。
脳神経外科の吉開専太郎教授のチームがこの手術に当たった。


百合沢、瀬川の手術が成功すると、数か月後またしても
余命わずかのガン患者と、脳死患者の間で同じ手術が行われた。
これによって死が迫っていたガン患者の会社社長多賀谷徳七が
命を伸ばすことに成功する。


島尾は百合沢が生きていることを知り今度こそ仕留めようとするが
逆に島尾の方が死んでしまう。

しかし、その後百合沢も容態が急変して死亡した。
全てがうやむやに葬り去られそうな可能性が高まって来たとき
百合沢が生前に録音してきたテープを持って苑子が警察へ出頭してきた。

そこには事の一部始終が語られていて
百合沢が主治医の大矢から人間の頭蓋は置き換えできるということを聞いて
自分が万が一病気や事故で肉体を犯され脳には何の損傷もなく死に瀕して
脳死したからだがあればその手術を行ってほしいと言っていた。


島尾からめった刺しにされた時のこと、交通事故にあった青年の体に
自分の頭部を接合し甦ったが、その後の精神的な苦悩などが語られていた。




苑子の証言で、島尾が死んだ日彼を襲ったのは
変装した苑子であったことも明かされた。


もうひとつの頭部接合手術、脳死の小森の娘典代が
父の死に疑問を持ったことで五領田弁護士に相談し
そこから大学病院の堀内教授にこの話が伝わる。
堀内は看護婦からの内報もあり
この人体実験のような手術を詳しく調べ始めていて
吉開教授がリーダーとなって行った二つの手術について
学内の倫理委員会に提訴した。


吉開はこの動きを知って、日本脳神経外科学会で
ふたつの手術について発表することで
世間の騒ぎを鎮めようとする。

そして、吉開の口からふたつの手術について語られる。



原作は夏樹静子の同名小説でかなり異色である。
一応医学ミステリーになるんだろうけど、
私にとってはどうみてもホラーマンガの世界。
特にほとんど記憶にないとはいえ、
ドラマを見てから原作を読んだので
オカルト色が強く見えてしまった。


島尾が百合沢をめった刺しにする事件と

滝子の恋人の交通事故

がんに侵された会社社長多賀谷と

脳死した小森

この4つを独立した形でそれぞれの人間模様を描き出し
これらが人体実験のような移植手術によって結びつく。


吉開の学会での発表など、著者はかなり医学関係の調査
資料集めに苦心したのだろうということが伺われる。
実現可能かどうかは別として。
そもそも中年の百合沢の頭部に若い瀬川の体をくっつけるって
身長差もあるし首周りの違いも顕著だろうに。


土ワイでは吉開教授を佐藤慶だった。
原作では交通事故にあった瀬川の兄は少ししか出てこないが
ドラマではこれを弟として滝子と組んで瀬川の事故死の背景を探り出す。



このドラマは1983年の大みそかに放送された。
”年末スペシャル”となっていて、通常よりも30分遅いスタートだった。
紅白の裏でも休止になることなく土ワイが放送されたということからも
当時の土ワイの勢いが感じられる。

しかもこの年は1月1日も土曜日で江戸川乱歩の美女シリーズ
「天使と悪魔の美女」が放送されているのだ。
シリーズ20作目でレギュラーや監督も変わり
村川透がメガホンをとり、放送枠拡大、エロ満載という豪華さだった。


1月1日に「天使と悪魔の美女」で始まり
大みそかに「風の扉」で終わった1983年の土曜ワイド劇場。


百合沢を演じた高松英郎が不気味だったことを覚えている。
首がすげ替えられて、他人の体をつけて生きているんですからね。
気味が悪いです。
それと、佐藤慶のいかがわしさも加わり
不思議でとても恐いドラマという印象でした。



私が読んだのは<夏樹静子作品集3>で
「風の扉」と「黒白の旅路」2篇が収録されている。


夏樹静子


小冊子のような形で付録がついているが
「含羞のひと」と題して土屋隆夫がかいているのだが
夏樹静子との出会いについて触れていて
それはNHKの「私だけが知っている」という犯人当ての番組だった。

以前、戸板康二の記事でも書いたが、またこの番組についての
情報を得ることになるとは。

新年早々の特番で、1回だけ作家が解答者の席に座って
探偵局員のひとり戸板康二の作品に挑戦するというのがあって
その時解答者の一人として出席したのが夏樹しのぶ(=夏樹静子)だったのだそうだ。



この作品集は全十巻で土ワイでドラマ化されているのが多いので順次読んでいきたいと思う。




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