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2019/10/09
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傑作推理劇場 「魔少年」 (1980年) エラリー・クイーンが選んだ森村誠一の短編小説のドラマ化

category - 昭和のテレビドラマ
2019/ 10/ 09
                 
先日、CSの東映チャンネルで森村誠一の短編小説をドラマ化した
「魔少年」が放送された。

「魔少年」はテレビ朝日で2回映像化されているがどちらにも
松尾嘉代がそれぞれ違う役で出演しているのが興味深い。


今回は「傑作推理劇場」なのでドラマ自体は約45分ほど。
原作が短編という事もありほぼ忠実に描かれていた。
その後に土曜ワイド劇場はこの倍なので原作にない
設定が盛り込んであり見比べてみたい。




●傑作推理劇場 「魔少年」  
放送日: 1980年7月21日
原作: 森村誠一  『魔少年』  「日本傑作推理12選」 エラリー・クイーン編」収録
脚本: 神波史男
音楽: 菊池俊輔
監督: 佐藤肇
制作: テレビ朝日、東映
出演: 松尾嘉代、森本レオ、名古屋章、織本順吉、
久富惟晴、荒谷公之、西沢利明、大川栄子ほか


買い物帰りの主婦・牧子(松尾嘉代)はある光景を見てゾッとした。
小学生の子供たちが車が行きかう信号もない大通りを無理に横断している。
牧子は慌てて彼らに駆け寄って注意した。


驚いたことにそれは息子の同級生で悪評高い宗一(大栗清史)だった。
宗一は大通りを走る自動車のギリギリを抜けて
向こう側の通りまで横断し勇気を試す遊びなので
危険なのは当たり前だと涼しい顔で説明する。


傑作推理劇場 「魔少年」




彼は国語で1番を取ったクラスメートのメダルを奪うと
強引に「横断遊び」をさせ度胸を試したのだ。


そこへ、息子の正男(中越司)が見知らぬ老婆(原ひさこ)を連れてやってきた。
正男は風呂敷と手荷物を持ち道に迷っている老婆を案内している途中だった。
老婆は牧子が正男の母だとわかるとお礼を言う。



正男と宗一は同じクラスで、宗一の父・大野(織本順吉)は
牧子の夫・相良(名古屋章)が経営する会社で守衛をしている。



正男は各科目で1番こそ取れなかったが多くの科目で2位をとり
平均して優秀な成績をあげている牧子の自慢の息子だ。
しかし、エリートコースを歩ませたい相良は1番を目指すよう正男にハッパをかけ
家庭教師の小畑(荒谷公之)をつけていた。



傑作推理劇場 「魔少年」



ある日、団地の主婦が焼却炉でゴミを燃やそうと火を放ったところ
ものすごい悲鳴を聞いて腰を抜かしそうになった。
中に生き物がいると思った時には炎が燃え盛りどうすることも出来ない。


火がおさまって取り出したところ佐川ひとみの愛猫・とんべえが焼き殺されていた。
その主婦が焼却炉の近くから逃げる宗一の姿を目撃していた。
校庭で遊びを邪魔した宗一をひとみがきつくしかったことを根に持ち
嫌がらせにとんべえを縛って焼却炉に放り込んだものと見られた。


騒ぎを知った大野は宗一を問い詰めるが黙ったまま
大野に殴られ続けても泣き声一つ上げない。
異様な親子の様子を見て近所の主婦たちも背筋が寒くなった…。




傑作推理劇場 「魔少年」




小学校では熱帯魚の餌作りの授業が行われていた。
”魚博士”の異名を持つ内藤弘が自作の餌をまくと魚たちが寄ってきてパクついた。
その時、宗一も自作の餌を水槽にまくと同様に魚たちが群がる。


宗一の意外な一面に先生(森本レオ)もクラスメートも驚きの声をあげ
一躍人気者となり弘は得意分野で宗一に出し抜かれたような気分を味わう。


下校する弘に宗一はさっきの餌は近所の大学生が作ったもので
引っ越してしまいもう同じものは作れないという。
魚博士の弘なら同じものが作れるだろうからあげるので
このことは誰にも言わないようにと話すと餌を譲った。



帰宅した弘は飼っている熱帯魚にその餌を与えたが魚は全て死んでしまう。
弘は父(西沢利明)と母(大川栄子)に自分が怪獣の本を宗一に貸さなかったから
その仕返しに嫌がらせをしたのだと説明した。



傑作推理劇場 「魔少年」




弘の母が餌を学校に持って行き調べてみると農薬が混入していることが判明。
だが、宗一は先生の追求に「やったのは自分ではない」と否定し続けた。
教師たちも宗一が怪しいと思いながらもそれ以上どうすることも出来なかった。



そんなある日、正男は偶然牧子が小畑の車に乗り込みホテルに入るところを見てしまう。


二年ほど前から牧子は小畑の若い肉体を楽しみ後腐れがないよう都度小遣いも渡していた。
正男が敏感な年頃になり牧子はそろそろ関係を清算しようと考えていたが
小畑はいつしか本気になってしまい別れ話はこじれていた。



傑作推理劇場 「魔少年」



しかし、帰宅してみると団地住まいのひとみと弘の死んだペットの墓にと
正男は自宅の庭を提供していた。
牧子は困ったもんだと思いながらも正男のクラスメートを思う優しい気持ちに触れ
まだまだ子どもだと思わず顔が緩んだ。



しばらくして、近所で火事が発生し正男が通う板橋区立城西第五小学校の
女子の家ばかりに小学生が書いたような不気味な火事見舞いのハガキが届き始めた。
筆跡から贈り主が宗一とわかり呼び出され詰問を受けた。



宗一は無記名にしたのは相手が女子で恥ずかしかったからで
火事に気を付けた方がいいというそれだけの思いだけだったという。
先生は宗一が自分がやったと素直に認めたことでこれまでの事は
全て許すので今後変な行動はとらないよう忠告を与えただけで終わった。



傑作推理劇場 「魔少年」



しかし、これまで宗一を陰で操っていたのは優等生の正男だった。
宗一の父が交通事故で会社をクビになったとき正男は相良に
大野を雇ってくれるよう頼んでいた。


事故がもとで片足が不自由になった大野は相良の会社を追い出されれば
もう再就職は難しいと宗一を脅して自分の代わりに悪事を働かせていた。


正男の次のターゲットは母を奪った小畑だった。



もうやめたいと泣く宗一をねじ伏せて火炎瓶を作ると
正男はトランシーバーを使い歩道橋の上で待機していた宗一に指令を送った。



傑作推理劇場 「魔少年」



小畑の車が近づき正男は宗一に投げるよう指示を出したその時
牧子が助手席にいるのを発見。
慌ててやめるよう伝えるがすでに宗一は火炎瓶を小畑の車めがけて放っていた…。



車は転覆し辺りは火の海となりトランシーバーを持っていた
宗一がその場で捕まえられた。



結局、小畑は死に牧子は奇跡的に軽症で済んだ。



傑作推理劇場 「魔少年」



退院した牧子は刑事(久富惟晴)の訪問を受ける。


小畑の遺品からホテルのマッチが見つかり牧子との関係がわかってしまった。
刑事は不倫関係を暴くつもりがないようでホッと胸をなでおろしたのもつかの間、
火炎瓶を投げた宗一が正男の命令で動いたと白状したことを聞かされる。


トランシーバーで指示を送っていた正男を見たという目撃者も出てくるが
牧子には信じられず狂乱した。


刑事の話しでは横断遊びも、猫や熱帯魚を殺したのも自分より成績が上の生徒に
精神的な動揺を与えて成績を下げさせようとする正男の狙いだったという。


子どもとは思えない位の悪質な嫌がらせにもう一人の刑事(河原裕昌)は
横断遊びにはそれ以上の狙いがあったとさえ思えると牧子を睨みつけてくる。



傑作推理劇場 「魔少年」



十歳の子どもに責任能力を問えるはずもなく刑事は事実だけ伝えると
そのまま出て行った。



牧子が放心状態でいると何も知らない正男が学校から帰ってきた。


彼はついに算数で1位を取ったとメダルを誇らしげに牧子に見せる。



傑作推理劇場 「魔少年」



あどけない表情を見せる正男が猫や魚と同じように人も殺す
恐ろしい殺人鬼だと知った牧子は引きつった笑みを浮かべるしか出来なかった。





日本傑作推理12選 (1977年) (カッパ・ブックス)



松尾嘉代は傑作推理では魔少年の母親役を
土ワイでは少年の父の愛人役を演じている。


傑作推理劇場 「魔少年」


良妻賢母のイメージはない嘉代さんだが
模範的な優等生の息子を優しいまなざしで見守る母の顔と


夫の目を盗んで息子の家庭教師と二年も関係を続ける悪女と

息子の正体を知って叫び狂い醜態を晒す女と

カメレオンのように様々な表情をみせる嘉代さんの顔芸と
いい意味でのオーバーアクションが大きな見どころ。


特に若い愛人に別れ話を切り出し本気になられてしまい
小バカにしたようにほくそ笑む表情なんか年季が入っており
得意分野なんだよなぁと思わされる。


そして、何度かある荒谷公之とのベッドシーンでは
またしても乳見せするというサービス(?)精神も旺盛である。


庶民的な名古屋章が社長ってのがピンと来ないが
それ以上にピンとこないのが妻が松尾嘉代ってところ。
絶対に力負けしちゃうでしょ。
圧が違うもの。



東映制作、松尾嘉代、森本レオが出演しており
土ワイの「密会の宿」も再放送してほしいなぁと思いました。



傑作推理劇場はわずかな記憶しかないが、確か夕方に放送されている時に見て
冒頭にエラリー・クイーンが出演していたような覚えがある。
記憶が浅いわりに面白かったという印象は残っていて
ずっと見たいなと思っていたらとうとうやってくれた。



魔少年が収録されている「日本傑作推理12選」 エラリー・クイーン編第1集は持っていて
日本人の推理作家をエドガー・アラン・ポーをもじった江戸川乱歩くらいしか知らなかった
クイーンがスエディット社より依頼されて翻訳された日本人作家の作品を読みまくり
12本の作品を選んだという前書きが書かれている。


各作品ごとにクイーンのコメントがあるのだが魔少年については

「十歳の小学生の犯意と残虐性を描き読者に強いショックと恐怖を味わわせるであろう。
登場する子供の一人は”悪に対する絶対的な天性”を持っている」と紹介されている。







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