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2020-02-03 (Mon)

傑作推理劇場 「死ぬより辛い」 夏樹静子 (1981年)、「ラスト・チャンス」 草野唯雄 (1982年)

ようやく生まれた我が子を過失によって死亡させてしまい人生に絶望した主婦。
夫に告白する勇気もなく心中を試みるが…


●傑作推理劇場 「死ぬより辛い」 
放送日: 1981年8月21日
原作: 夏樹静子
脚本: 池田悦子
音楽: 菊池俊輔
監督: 佐藤肇
制作: テレビ朝日、東映
出演: 秋野暢子、河原崎建三、松尾嘉代、
三谷昇、河原裕昌、平野稔ほか




傑作推理劇場 「死ぬより辛い」




団地に住む君子(秋野暢子)は貧しいながらも工場に勤務する夫・浩一(河原崎建三)との間に
待望の赤ん坊を授かり幸せな日々を過ごしていた。

そんなある日、君子は自分の過失から生まれたばかりの娘を窒息死させてしまう。
自責の念からその場で赤い紐で首吊り自殺をしようとするが失敗したまま途方に暮れる。


傑作推理劇場 「死ぬより辛い」



やがて、浩一が娘への高価な人形を手土産に帰宅した。

何度も娘を死なせてしまった事実を告白しようとする君子だが
結局は言えないまま今度は無理心中を計画。


薬を使って浩一を眠らせるとガス栓を捻り死を決意した。


傑作推理劇場 「死ぬより辛い」 夏樹静子





そんな時、椅子に無造作に掛けてあった浩一の上着が目に付く。
君子は死ぬ前にそれを畳もうとしたとき、手紙が落ちてきた。



それは、浩一の同僚の鳥飼(河原裕昌)に宛てた娘・ひろ子からの手紙だった。
鳥飼は上司と口論になり工場をクビになっていた。
幼い子供がいる鳥飼は家族にこのことを打ち明けられず
長期出張という口実で秘かに関西へ勤め先を探しに出かけている。


相談に乗っていた浩一は鳥飼の家族からの連絡は全て会社にしてもらい
関西にいる鳥飼に転送する役目を引き受けていた。


傑作推理劇場 「死ぬより辛い」




手紙にはひろ子が父の帰宅を待ちわびる内容がしたためられている。
幼き日に自分も同じ経験をしていた君子は他人事とは思えず
死ぬ前に手紙を届けようと出かけていく。


君子は手紙に書かれている住所を頼りに鳥飼の家を探すが
そこは「ありき」という表札がかかっていた。


君子が戸惑い屋敷の前でウロウロしていると
差出人のひろ子が来て手紙を持っていることを気づかれてしまった。
そこへ、ひろ子の母がやってきた。


ありき夫人の話から、ひろ子の実父は海外赴任中に暴漢に殺され
多額の補償金を得ていて、父を亡くしたひろ子は母の愛人を
父と呼んでいるとわかった。

傑作推理劇場 「死ぬより辛い」




夫人はアルバイトで家の門を取り付けに来た鳥飼と肉体関係を持ち
深刻な顔をする君子を相手にこれまでのことを面白そうに話して聞かせる。


家族のために関西に職探しに行った真面目な鳥飼が安易に不倫するとは
君子には信じられなかった。


夫人は毎日同じことの繰り返しで仕事が終わると巣箱のような家へ帰り
家計のやり繰りで疲れる妻がいる日常を送る鳥飼には息抜きが必要だと言い放った。


ところが、君子は夫人が鳥飼との不倫関係を明かすうちに意外なことに気が付いた。


鳥飼はおたふくかぜの影響から精子減少症だったが最近娘が出来たというのだ。
それは、鳥飼ではなく浩一の特徴と一致する。



傑作推理劇場 「死ぬより辛い」



さらに、鳥飼は今日も屋敷にやってきて小遣いをやったら娘に高価な人形を
買っていくと話していたという。
屋敷には浩一が工場に忘れていったという作業着が残されていた。


夫人は最後に、これまでの不倫の話はみんな鳥飼の親友の話だと言った。
浩一は君子を裏切って娘が生まれる前から夫人と浮気していたのだ。


君子は計画を変更し、酔いつぶれた浩一が寝がえりをうった時に
娘を過って死なせてしまったと偽装することにした。


傑作推理劇場 「死ぬより辛い」




娘をかわいがっていた浩一にとって「死ぬより辛い」出来事だろう。



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タイトルの「死ぬより辛い」ってヒロインが娘を死なせてしまったからつけられたのかと思っていましたが
それだけではなかったんですね。
自分が味わった「死ぬより辛い」出来事を、浮気した夫の復讐のために利用というエグ味のある作品。



やはり純粋にいい夫が似合わない河原崎建三は妻を裏切る男だったのか。


傑作推理劇場 「死ぬより辛い」



貧しい妻子ある工場勤務の男を手玉に取る松尾嘉代の存在感。
松尾嘉代と河原崎建三のかけ合わせがエグイ。


傑作推理劇場 「死ぬより辛い」



冒頭、愛娘を自分の落ち度で死なせてしまった妻を演じた秋野暢子だが、
彼女が死んだ娘を何度も抱き上げるところで人形とモロわかりのシーンが
度々出てくるのがウケる。


傑作推理劇場 「死ぬより辛い」




死んだ赤ん坊をなんとか生き返らせようとミルクを飲ませたり
死んだと知って絶望し取り乱す秋野暢子の必死さと
無機質な人形のミスマッチな組み合わせ!



秋野暢子の狼狽っぷりがすごいだけに、相手が人形ってのが興ざめというかなんというか。
狙った演出に見えるくらい、人形っていうのがバレバレなんですよね。


しかし、全体的に異様に暗いドラマでおどろおどろしくてスタッフを見てみたら
脚本が池田悦子、監督が佐藤肇で音楽が菊池俊輔よ!
さすがにドロドロした感じにはなるはなぁ。


また河原さぶが河原裕昌という名前で出演していてまだ若々しい。
酒屋の主人役で三谷昇がちょっとだけ出ている。


傑作推理劇場 「死ぬより辛い」


全体的に出演者は少なく暗いドラマなのに結構楽しめました。





●傑作推理劇場 「ラスト・チャンス」
放送日: 1982年1月28日
原作: 草野唯雄
脚本: 松田寛夫
音楽: 菅野光亮
監督: 小澤啓一
制作: テレビ朝日、東映
出演: 原田芳雄、大谷直子、尾藤イサオ、森本レオ、
山田吾一、佐伯徹、小林千枝ほか



しがないルポライターの山下浩一(原田芳雄)はボロアパートで
妻のミドリ(大谷直子)と二人暮らし。
二十年間書き続けているが経済的には豊かとはいえない日々を送り続けていた。


そんなある夜、山下の家に間違い電話が掛かってきた。


それは先日、東部銀行を襲い七千三百万円を強奪した犯人(尾藤イサオ)が、
支配人の杉山正夫宅と間違えたものだった。


犯人は四千万円しか奪っていないため、残りの金は支店長が着服したと考え
杉山を強請ってきた。


傑作推理劇場 「ラスト・チャンス」



事情を把握した山下は杉山になりすまして特ダネを掴もうと思いつく。
山下は杉山の電話番号を調べると犯人がしてきたと同じ方法で脅し
公表しないかわりに二千万円を頂く約束を取り付けた。



事件を担当している馴染みの刑事(山田吾一)から犯人が杉山の顔を知らないと確かめると
杉山になりすまして犯人との取引に応じようと計画。
友人のカメラマン・タケダ(森本レオ)にその現場を撮影させるが使い物にはならなかった。


傑作推理劇場 「ラスト・チャンス」




山下は特ダネで金を得るよりも、犯人から四千万を奪い貧乏暮らしから脱却しようと計画を変更。
銀行から盗んだ金を確かめてから取引に応じるというと犯人は山下ではなく
ミドリにさせるように要求してきた。


四千万円に取りつかれた山下はミドリに全てを話し嫌がるミドリを説得すると
犯人に渡す金を入れるはずのカバンに薬を仕込んだ。


傑作推理劇場 「ラスト・チャンス」





約束の夜、山下とミドリは車で待ち合わせの場所に到着。
ミドリが犯人の車へ行き、東部銀行から奪った金が手つかずであるのを確認すると
例のカバンを犯人に渡す。


てっきり金が入っていると思い込んでいる犯人がカバンを開くと
薬が車内にまき散らされ犯人はその場で意識を失ってしまった。
山下は意識が朦朧とする犯人のそばに置かれている四千万円を奪うと
犯人は「殺してやる…」と憎々しげに呟くしか出来なかった。



帰宅した山下はこれまで手にしたことがない四千万円を目の前にして浮かれた。
すると、一時は危険なことに手を染めようとする山下を止めたミドリが
金を着服した杉山から予定通りに二千万円奪おうと提案してきた。



傑作推理劇場 「ラスト・チャンス」




真面目だけが取り柄の面白みがないミドリの変貌ぶりに山下は驚くが
杉山宅へ電話すると新宿の喫茶店で二千万円を受け取る約束をする。


ところが、山下が喫茶店に着くと刑事が張り込んでいる。
山下は何も知らないふりをして刑事に近づき事の次第を聞いた。


なんと、七千三百万円奪われたという報道は銀行側と警察が仕組んだ罠だった。
犯人は四千万しか盗んでおらず、報道を見て何らかのアクションを取ると読んでいたのだった。



傑作推理劇場 「ラスト・チャンス」




山下は危なくその罠にかかるところだったが命拾いして喫茶店を出ていく。



この日、電話番号から犯人が山下の住居を調べるのを恐れていた山下とミドリは
ミドリが探してきた郊外のアパートに引っ越しする予定だった。
山下は金の件で杉山と会う予定だったことから、ミドリが一人で引っ越しを済ませる約束になっている。


山下は急いでミドリの待つ新居へ向かったが、知らされた部屋に住んでいたのは別人だった。
他の部屋でも引っ越しが行われた気配はないという。


山下が引っ越し前のアパートに戻るともぬけの殻だった。
荷物はもちろんのこと四千万円もミドリによって運び込まれていた。
がらんどうの部屋に残されていた電話が鳴った。


かけてきたのはミドリだった。


傑作推理劇場 「ラスト・チャンス」




これまで日の当たらない道を歩いてきた山下にとって
今回の計画は大金を手に入れるラスト・チャンスだった。
それは、ミドリにとっても同じだったのだ。


ミドリとともに四千万円も山下の前から消えた。


そこへ、ついに山下の居場所を突き止めた犯人が踏み込んできた。


最後の大きな賭けに敗れた山下は「四千万円取られちゃった」と
自虐的に呟くしか出来ない。


傑作推理劇場 「ラスト・チャンス」




犯人は用意していた銃を取り出すと、山下の体を撃ち抜いた…。



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こちらも真面目な妻に大谷直子というところからもラストの裏切りは予想できた。
私はてっきりうだつが上がらないクセに適当に浮気もする夫に嫌気がさした妻が
尾藤イサオと共謀したのかと勘繰ったがハズレました。



傑作推理劇場 「ラスト・チャンス」





女の陰には常に男がいるというわけでもないんですね。

それでも夫は妻と一緒に逃げようとしたのに、妻は現金だけもって
夫を棄てたところはわかりやすくていい。



原田芳雄の気だるさみたいなものが今回の役にピッタリと合っていた。

傑作推理劇場 「ラスト・チャンス」



しがないライターでありながら、野心がなくなったわけではなく、
人生諦めたようでいながらも生々しさも感じられるというか。



しかし、一時間ドラマは見る時間も書く手間も負担が少なくていいですね。


二時間サスペンスでみられることがある、これいらないんじゃないかっていう
余計な演出がなく無駄がない分テンポがあって見やすい。




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