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2020/06/13
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「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』

category - 昭和のテレビドラマ
2020/ 06/ 13
                 
48歳の独身女性、30歳の人妻、22歳の女子大生と短期間に三人もの女性が
背中をナイフで刺されて殺されるという事件が発生。
犯行時刻は夜の十一時から十二時の間で練馬区武蔵新町の駅に近い公園と
その周辺が現場で、凶器は同じナイフとみられることからも同一犯と考えられた。


所轄の武蔵新町署は捜査が行き詰まりをみせたことから特捜隊三船班の出動を要請する。


「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』



■ 「特別機動捜査隊」
第782話  『わたしの父さん』  1976年11月17日
脚本: 西沢治
音楽: ボブ・佐久間
監督: 天野利彦
出演: 高橋昌也、穂積ぺぺ、今井美佐子、平賀百合江、小林テル、峰田智代、
水城蘭子、河合紘司、青木美香、田島義文、外山高士、白石奈緒美、福岡正剛ほか
ナレーター: 島宇志夫
制作: NET、東映


●特捜隊:三船班
三船主任(青木義朗)
松木部長刑事(早川雄三)
畑野刑事(宗方勝巳)
石原刑事(吉田豊明)
戸川刑事(一の瀬玲奈)
佐田刑事(立花直樹)

●特捜隊:日高班
木塚刑事(藤山律子)


田中係長(山田禅二)
鑑識員(田川勝雄、西郷隆)




三船主任は被害者が全員女性であることから女性の視点で捜査に協力してほしいと
日高班から木塚の応援を頼んだ。


「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』


三船は戸川を公園に、木塚を駅から歩かせて四人目の犠牲者がでるのを阻止しようとする。


満月の夜、木塚が駅から歩いていると突然女性の悲鳴が!
木塚と彼女を張っていた畑野、佐田が現場に着いた時には若い女が殺されていた。
その時、白いマフラーを地面に引きずらせて歩く若い女が鼻歌を歌いながら通り過ぎていく-。


被害者は九州出身の北原幸子(大沢千晴)十九歳で
新宿の会社で働く一人暮らしの会社員と判明。


三船が「昨日は犯人に出し抜かれましたよ。なにせ暴行もせず、物もとらず
いきなり背中を刺して逃亡したんですから。」と田中係長に報告していると、
それを聞いた戸川が「持ち物を取られてないというのはどうでしょうか?」と異議を唱える。


「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』




戸川は被害者のハンドバッグにあったのは濃いオレンジの口紅だけだが
被害者が塗っていたのはもっと薄いオレンジの口紅だというのだ。
木塚も「昼間は濃いオレンジで、夜は薄い色にした方がもっと映えるんです。」と同調したことから
夜用の薄いオレンジの口紅が一本盗まれている可能性が高まってきた。



戸川と木塚は前の三人の被害者も口紅が盗まれているかもしれないと所轄を訪れるが
いずれも複数の口紅を所持していてそのうちの1本が無くなっていたかどうかまではわからない。


「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』


三船は口紅が盗まれたとは限らず現場に落ちた可能性も考え石原に現場をよく探せと命ずる。

「探したんですけどね。見当たりませんよ」

「もっとよく探すんだ!」

「わかりました。チェッ。」と言いながらも


「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』



「もっとよく探せって。」と三船の指示を松木に伝える。
「このヤマは二人の女刑事に振り回されそうな予感がするぜ。」と松木もウンザリ顔。


畑野と佐田は幸子の同僚・伊藤めぐみ(三崎純子)を新宿の街で見つけ事情徴収を行い
昨日の土曜日、昼過ぎに幸子と一緒に仕事を終えてから原宿をぶらついたり
食事や映画を見て十一時に新宿駅で別れたと確認した。


畑野が幸子の口紅の色について聞くと昼は濃いオレンジの口紅、夜は薄いオレンジの口紅をしていて
昨夜もレストランの化粧室で薄いオレンジの口紅を塗っていたという。
戸川、木塚の見立て通りやはり夜用の口紅がなくなっていた。


さらに幸子が夜遅くに変な歌を歌う女に後をつけられていて武蔵新町の駅を利用するのを
嫌がっていたという新たな情報を得た。


「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』




それを聞いた三船は戸川と木塚に唄を歌いながら幸子を付け狙う女がいることを伝えた。
畑野はその唄というのが、昨日現状に聞こえたものと同じだと言うと
女を次々に狙うのは男の犯行とばかり思っていたが、もし女だったら盲点だと話す。


その夜、幸子をつけていた女が罠にかかるかどうか木塚と戸川を歩かせてみることにした。


すると、戸川の背後を白いマフラーを引きずらせ唄を歌いながら女が近づいてくる。
振り向いた戸川に女は「オマエ、OLだろ?学校出てOLになって男でも引っ張り込もうっていうのか!?」と
言いながら接近してきた。
とっさに戸川を張っていた石原と畑野がやってきて女を署まで連行する。


「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』



その頃、ある会社の経理課長・定岡茂(高橋昌也)は部下がコンピューター計算した資料を
自宅に持ち帰り日曜日だというのに算盤で検算していた。
定岡には妻の道代(水城蘭子)、息子の努(穂積ぺぺ)、娘の麻里(平賀百合江)がいる。


努がいうには定岡が課長になってから家庭の雰囲気がおかしくなったと言い
努は金も持たずにバイクで京都まで勝手に行ったり、麻里もいかがわしい本を読んだりと
家族がバラバラになりはじめていた。


「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』


定岡の前任者・小野寺伸介(福岡正剛)はオールドミスの部長・浜崎冬子(白石奈緒美)からいじめられ
ある日、ストレスが昂じて浜崎部長のお尻を触ったことから休職処分になり神谷病院に入院中。


神谷(河合紘司)は小野寺を精神分裂的症状つまりは強度のノイローゼだと診断していた。
精神分裂症は自覚がないが、強度のノイローゼの場合は自分がおかしいとわかっていて
それだけにますますおかしくなっていくのだという。



小野寺は浜崎の尻を触った時も自覚があり、今でもストレスから浜崎をブスリと
ナイフで刺してやりたいという衝動に襲われるという。
定岡も課長になってから残業、休日でも家で仕事をしているが浜崎からいじめられ
小野寺の気持ちが痛いほどわかる。


「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』




翌朝、戸川、木塚両刑事の説得で、白いマフラーの女がようやく口を開き始めた。
女は井川朱実(今井美佐子)といいローアンヌという喫茶店で働いているという。
ママの話では朱実は高校一年の時に父親を亡くし、その後母は男と蒸発、高校を中退し
三か月前からローアンヌで働きだしたらしい。


朱実の部屋を捜索したところ凶器のナイフが発見されるが、朱実は昨夜公園で拾ったと話す。
取り調べを終えた戸川、木塚は朱実はシロだと断定した。
松木たちは凶器が見つかったことや幸子の証言からも朱実のクロは動かないと反論し意見が割れる。


「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』





戸川も「犯人が女なら人が使った口紅なんて盗まない」と女性の視点からその根拠を述べると
木塚は「犯人は男、それも女性の口紅を盗んで秘かな愉しみに耽る異常な男です。」と犯人像を明確にする。

三船は「今度の犯人は何の根拠もなく人を刺し殺す性格異常者だ。
お前さんたちが言う女性像とは当てはまらないかもしれないぞ。」と朱実の精神鑑定を依頼することにした。



一方、決算が近くなり仕事を抱えて精神的に追い詰められていた定岡は小野寺を見舞いに行った。
浜崎は仕事は部下に任せればいいと言うが、若いものは間違ったデータを入れるため
いくらコンピューターを使っていてもミスは絶えない。
その資料を家へ持って帰って検算する定岡を浜崎は馬鹿にするのだ。

「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』



かつて小野寺も全く同じような経験をしていて同じ心の痛みを持つ者同士
たまに定岡に会いたくなって病院を脱走していたのだという。
だが、武蔵新町の駅を降りた途端に色んな女の姿が目に入って定岡の家が
わからなくなってしまいたどり着けなかったと告白する。


「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』



その夜、帰宅した定岡に道代は努が遊び歩いているとグチをこぼしてきた。


一時間仮眠を取ったら溜まっている仕事を片付けなければいけない定岡は
心身ともに疲れ切っていて家庭の問題まであれこれ言ってくる妻が煩わしくて仕方ない。
それに「あなたは一家の大黒柱なんですから。」というお決まりのセリフも
定岡にプレッシャーを与えてくる。



あれから通り魔は鳴りを潜めたように事件を起こさず、朱実も自供しない。
朱実が本ボシだと決めてかかっている所轄署の署長は三船に朱実の身柄を渡すように要求するが
強引に落とそうとする署長に身柄を渡すことを拒否。


「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』



三船は犯人は男の可能性もあり、周辺の怪しい人物は全てシロであり
もしかしたら犯人は一般家庭に潜んでいて夜になると狂暴な殺人鬼に変身する人物かもしれないと言うと
犯人が朱実でないなら五番目の犠牲者を狙って必ず動き出すと断言する。


戸川と木塚らは犯人をおびき出すために武蔵新町の周辺を歩き続けていた。
すると、木塚は背後に近づいてくる足音を聞き緊張が走り様子を伺う。
その足音は間違いなく一歩ずつ自分に近づいてくる。


木塚が意を決して振り返ると、中間管理職っぽい中年の男=定岡が歩いてきた。


「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』



恐怖で身動きが取れない木塚が男を見ると、男は視線をそらして通り過ぎていく。
ホッとした木塚は持っていたバッグを思わず落としそうになった。


その様子を近くの木の陰から見張っていた三船は

「木塚、どうした?」

「今の人、ヘンなんです…」

三船は近くで待機していた畑野に男を尾行するように命令すると

「どうヘンなんだ?」

「口ではうまく言えませんけど、身震いするような嫌な感じなんです。」と木塚は答えた。


「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』



翌朝、三船たちが定岡の家を張っているといつものように道代に見送られて定岡は会社へ。

ところが、学校に行くはずの努と麻里が定岡が出てくるのを待ち伏せていて話があると公園へ連れ出した。


努は夜遅く仕事から帰った定岡が血の付いた手を洗っているのを見てしまった。
その日に女が殺されているとわかり、定岡の机の引き出しから四本の口紅を見つけたという。
定岡は努の手から口紅を奪おうとして公園にバラまいてしまう。


「特別機動捜査隊」 第782話 『わたしの父さん』



力尽きた定岡は「確かに父さんはおかしいよ。会社で仕事を山のように抱え
母さんからも”あなたは一家の大黒柱なんですから”と言われて逃げ場がなかった。
そして、一人殺したら次々と殺してしまい、もう止めようとナイフを公園に捨てた。
だけど、またやりたくなってしまった。」と犯行を認めた。


そこへ三船が署への同行を求め木塚と戸川が落ちていた証拠の口紅を拾い上げる。



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「昼用の濃い色の口紅」と「夜用の薄い色の口紅」


遺体の唇には薄いオレンジの口紅が塗られていたのに
遺留品から見つかったのは濃いオレンジの口紅だけ。

昼用、夜用分けるのが一般的な習慣かどうかは別として
僅かな色の違いに気がついた女刑事の洞察力は面白かった。


また、部下には奢って当たり前ミスを直してもらって当たり前と思われ
そんな労力も上司からは評価されないどころか逆に見下されてしまう
気が弱い経理課長の辛さ。


四番目の被害者が昼間で仕事をしていたということからまだ土曜日が半ドンだった時代の話みたいですね。
この課長もたった一日しかない休日の日曜日まで家で仕事をして
肉体的な疲労と精神的にも追い詰められたことから通り魔殺人を犯してしまう。


そのうえ、家庭でも妻から子供のグチを聞かされ「お父さんはこの家の大黒柱なんですから。」と
プレッシャーを与えられ逃げ場がない。


頑張っている人にさらに頑張れと言っているようで気の毒ではあるが
上にも下にも妻にもピシッと言えないこの人にも責任がある。


ドラマでは前任者の精神病小野寺も病院を脱走するような素振りを見せたりと
定岡とどちらが真犯人であるか曖昧にしながら話が進んでいく。


この小野寺もいかにも気が弱そうで同じ境遇に置かれている定岡と気が合うのもうなづける。




************ 特別機動捜査隊 記事一覧 ************


■ 第712話 『七年目の報酬』

■ 第782話 『わたしの父さん』

■ 第784話 『ドキュメント逃亡』

■ 第787話 『ある誘惑の秘密』

■ 第788話 『無情の風に散る』

■ 第789話 『新春危機一髪』

■ 第793話 『季節労働者哀歌』





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