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2020-07-09 (Thu)

「特別機動捜査隊」 第788話 『無情の風に散る』

押し詰まった師走の街にまた悲惨な事件がひとつー。

かつては「花形スター」として騒がれたふたり。その後の人生はあまりにも違いすぎていた。

いま、一方は豪華な老人ホームに住みテレビで活躍中の女優であり
男は落ちぶれて生活保護を受ける境遇であった。

二人が再会した時、何かが起きた。同時に二人を執拗に追い回す女が現れた。

そして、みじめなままに一生を終えた老人。
その日から老女の果てしない苦悶が始まった。

(第788話 予告ナレーションより)





■ 「特別機動捜査隊」
第788話  『無情の風に散る』  1976年12月29日
脚本: 西沢治
音楽: ボブ・佐久間
監督: 広田茂穂
出演: 東郷晴子、榊ひろみ、有崎由見子、五藤雅博、大東梁佶、菅沼赫、石黒正男、
内田直哉、川口裕子、梶山公彦、谷口久美子、中山昭二、松尾悦子、結城一郎、
花岡菊子、吉川満子、原泉、長浜藤夫
ナレーター: 島宇志夫
制作: NET、東映



●特捜隊:三船班
三船主任(青木義朗)
松木部長刑事(早川雄三)
畑野刑事(宗方勝巳)
石原刑事(吉田豊明)
戸川刑事(一の瀬玲奈)
佐田刑事(立花直樹)


田中係長(山田禅二)
鑑識員(田川勝雄、西郷隆)


「特別機動捜査隊」 第788話 『無情の風に散る』






年の瀬も押し迫った12月28日夜、練馬区の石神井川で老人の変死体発見の通報を受け
特捜隊三船班が現場へ急行。
第一発見者は近くを通りかかったクラブ歌手の松尾冬子(松尾悦子)で付近で女の人影を見たという。
被害者は僅か十円を所持しているだけで身元を割り出すものは見つからないまま一夜が明けた。



翌朝、被害者の身元割り出しのため現場の周辺を捜査しているうちに
高級老人ホーム「福寿苑」の入居者・浜村月子(原泉)より
被害者がサイレント時代の映画俳優・川上啓吉(長浜藤夫)だという聞き込みを得た。



若い三船は川上啓吉のことを知らなかったが、松木にとっては少年時代のスターであった。


「特別機動捜査隊」 第788話 『無情の風に散る』



福寿苑には啓吉の相手役をしていた野々宮夢子(東郷晴子)が入居しており
啓吉はたまに夢子のところを訪れており昨日は二人の間ですごい騒ぎが起きたらしい。



月子の話では啓吉が夢子に「一万円貸してくれ」と頼み込んだがけんもほろろにされ
激昂した啓吉は夢子の首を絞めようとして週刊サタデーの女記者・楠文枝(榊ひろみ)に止められた。
啓吉はそのままホームを飛び出すと楠が後を追っていったという。




松木と戸川は楠に会うために週刊サタデーへ行くが堂本編集長(中山昭二)からまだ出社してないと言われた。
二人がそのまま編集部で楠が来るのを待っている間に彼女が夢子を取材した時の記事を読んだ。


「特別機動捜査隊」 第788話 『無情の風に散る』




夢子は補償金一千万円、部屋代は月々十五万円という高級老人ホームに入居し
仕事があってもなくても毎日車で所属しているプロダクションへ顔を出す。
孫のような若いタレントからは「おばあちゃん」と慕われいて
その姿はテレビで彼女が演じている世話好きのおばあちゃんそのものだ。


そこにはホームの近くの公園で夢子が冬子と出会い心を通わせていることも伝えられていた。
そうであるならば、冬子は楠とも顔見知りだと考えられる。


一方、石原と佐田は墨田区にある啓吉のアパートを捜索していた。
管理人の話では啓吉はおもちゃ工場で働いていたが今年の夏に人員整理にあうと
体の具合も悪いことから生活保護を受けていたという。


「特別機動捜査隊」 第788話 『無情の風に散る』



そして追い打ちをかけるように昨日、振り込まれたばかりの生活保護費三万八千円をひったくられていた。
啓吉が夢子に一万円借りに行った裏にはこんな切実な事情があった。
アパートの部屋からは貧しすぎる啓吉の暮らしぶりがヒシヒシと伝わってくる。
しかし、夢子はそんな啓吉から一万円貸してくれと言われなぜ断ったのか疑問が残る。



三船は昨夜、楠が飲み屋で「ドッボーン!哀れなお爺さんが川の中へ落ちる音」と言い
悪酔いしていたという話を聞いて、川へ落ちた啓吉を見殺しにしたのではないかと考えた。



「特別機動捜査隊」 第788話 『無情の風に散る』




しかし、楠は夢子に借金を断られた啓吉に同情して金を渡そうとしたが頑固な啓吉は受け取らない。
楠はそのまま一人で飲み屋で飲んでいる時「啓吉は身投げでもするのかもしれない」と思い
もっと親身に話を聞いてやるべきではなかったかと自分を責めていただけだったとわかる。



その楠から昨夜の事を聞いていた冬子は夢子の事が心配になり会いに行く。
夢子は老い先短くもう死ぬのは怖くないが仕事が無くなることがだけが怖いと打ち明ける。
これまで出演したドラマの再放送があるために夢子はいまだに活躍している女優と思われているが
もう新規の仕事はなく仕事をもらうために毎日プロダクションへ顔を出していた。



「特別機動捜査隊」 第788話 『無情の風に散る』





今夜は「松尾冬子をはげます会」が行われる。
夢子は見に行くと約束し冬子を見送ると三船と石原がやってきた。
啓吉の事でもう少し話が聞きたいという三船に「啓吉さんを殺したのは私です。」と自首した。



夢子は六年前まだテレビの仕事があるときに借金して一千万円の保証金を入れて入居したが
借金を支払い終えると仕事も無くなっていた。
啓吉から一万円の借金を申し込まれた時にはもう五千円しか残ってはいなく貸すことが出来ない状態だったが
見栄を張って本当のことが言えずにいた。


「特別機動捜査隊」 第788話 『無情の風に散る』





喧嘩別れの後で夢子はまだ啓吉が近くにいるだろうと思い部屋を抜け出した。
そして、再び啓吉が一万円の借金を申し込んできて今度こそ本当のことを言おうとしてもみ合った時に
過って啓吉を川に突き落としてしまった。
夢子はその後自殺しようとしたが死にきれなかったことを打ち明ける。


畑野が押収した夢子名義の貯金通帳には残高が0円となっており夢子に金がなかったことが証明された。


三船は「あなたに殺意がなかったことが法廷で証明されれば情状酌量になる」と安心させようとするが
夢子は「刑事さん私を死刑にしてください。早く啓吉さんのところへ行きたい」と言った。


「特別機動捜査隊」 第788話 『無情の風に散る』






その夜、三船は夢子を「松尾冬子をはげます会」へ連れていき
冬子との約束を果たさせてやった。






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一年の最後に、こんな重くてやりきれない話を放送したんだ。

わずか「一万円」の貸し借りを巡って過失とはいえ一方が死んでしまうとは…。


かつて無声映画でパートナーを組んだ二人の老人、川上啓吉と野々宮夢子。
啓吉はその活躍を知る同世代からも「もうとっくに死んだものだと思ってた」と言われたくらい過去の人で
工場をクビになった後は生活保護に頼って生きている。


夢子は出演したドラマがテレビで放送されていて高級老人ホームに住んでいることからも
老いてもなお優雅な生活をしていると思われていたが、一年ほど前から仕事がパッタリと来なくなり
貯金も「0円」になり所持金も五千円と身を落としていた。


「特別機動捜査隊」 第788話 『無情の風に散る』



そんなことを知らぬ啓吉は年の瀬に虎の子の振り込まれたばかりの生活保護のお金をひったくられ
死ぬしかない状況に陥り夢子に「夢ちゃん、俺に一万円貸してくれ」と頼みに行く。
貸したくても五千円しかない夢子は断るしかなく、金があるのに貸してくれないと思い込んだ啓吉は
絶望と憤りから「クソ婆」と夢子の首に手を掛ける…。



その夜、石神井川から発見された啓吉の遺体からは10円以外所持しているものが何もなく
すぐに身元もわからない状態。
老人が年の瀬に僅か10円しか金がなく寒空の下の川で浮いていたというのが身につまされる。



さて、今回は松尾冬子役の松尾悦子と久保役の吉川満子が「特別出演」となっていた。


実力があるレコード歌手を目指す松尾冬子を演じた松尾悦子なのだが初めて聞く名前で
「特別出演」と書かれていたのも意外に感じた。



「特別機動捜査隊」 第788話 『無情の風に散る』



本業は歌手なのかしら?



もう一方の吉川満子の名前には見覚えがあり「淑女は何を忘れたか」という映画に出演していたとすぐに思い出した。


「特別機動捜査隊」 第788話 『無情の風に散る』



「淑女は何を忘れたか」は1937の映画なのでそこから約40年が経過していることからもちょっと自信はないが
おそらく老人ホームの入居者で噂好きの老婆を演じたこの女優さんが吉川満子なのだろう。



また、私が好きな原泉が出演しているのだが意外なことに奇怪な老婆ではなく
これまた噂好きの老人ホームの入居者・浜村月子だった。


変死した老人の身元が不明で足取りを追って捜査をしているうちに現場近くの
高級老人ホームに事件当日被害者が立ち寄っていたと判明。


被害者はサイレント映画のスター・川上啓吉だったとわかる。


年配の松木は「浜村さんから言われて、被害者は確かに川上啓吉だと思い出した」というが
三船は「川上啓吉?」とその名を聞いてもピンとこない。


そんな三船に月子は「あなたはまだ若いから知らないのよ。」というが
三船役の青木義朗と松木役の早川雄三って実年齢がそんなに離れていないですよね。



「特別機動捜査隊」 第788話 『無情の風に散る』



原泉演じる浜村月子は市原悦子の「家政婦は見た!」の石崎秋子ばりに
野々宮夢子と川上啓吉の会話をドア越しに盗み聞きする。




それだけでなく、浜村月子は戦争中は「軍国の母 浜村月子」と言われていたらしく(本人談)
聞き込みに訪れた石原や佐田に

「若い人たちの間で軍国歌謡ブームがもう一度来ないかしら?
そうすれば私、華々しくカムバックしてみせるわよ」


「特別機動捜査隊」 第788話 『無情の風に散る』

かつて映画スターだったが落ちぶれてしまった川上啓吉のようにはなりたくないのだという。


是非、戦争中に「軍国の母」でならしていた浜村月子が歌うところも回想シーンか何かで見たかったものだ。









************ 特別機動捜査隊 記事一覧 ************


■ 第712話 『七年目の報酬』

■ 第782話 『わたしの父さん』

■ 第784話 『ドキュメント逃亡』

■ 第787話 『ある誘惑の秘密』

■ 第788話 『無情の風に散る』

■ 第789話 『新春危機一髪』

■ 第793話 『季節労働者哀歌』



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