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2021-04-22 (Thu)

映画 『がめつい奴』を三度見た コロナ禍の神保町シアターの状況など

久しぶりに神保町シアターへ行ってきました。



3月に「そういえばコロナになってから映画を見に行ってないなぁ」と思い
ふと神保町シアターのホームページをチェックしたところ
私が愛してやまない「がめつい奴」が4月に上映予定であると書かれているではないか!



3月14日~4月23日まで「生誕110年森雅之」という森雅之出演作が上映される企画の中に
しっかりと『がめつい奴』がラインナップされている。


「がめつい奴」は4月3日~4月9日までの一週間しか上映されないので私は4月7日に行くことにした。


緊急事態宣言中は神保町シアターも夜間の営業をやめていたみたいで
7日の「がめつい奴」は14時15分から始まると知っていながらも当日までしっかりとホームページをチェックすることに。
当日行ったら中止になっていたとか悲しいですからね。


神保町シアター「生誕110年森雅之最高のダンディズム」



そして、当日はファン感謝デーということもあり混雑を予測して14時15分の上映予定だが
開館と同時に整理券をもらうことにした。
私が行った時には緊急事態宣言も解除され夜の営業もやっていた頃だが
コロナの影響で座席数の2/3までしか整理券が配られないのだ。


早めについたので近くのドトールで一休みしながら開館を待つ。
おかげで無事に若い整理券番号のチケットを入手できお昼ご飯を食べ別のカフェで休んでから少し早めに映画館へ行く。
やはり14時が近づいてくると整理券の配布も終了し「がめつい奴」は完売しましたと看板に貼られていた。
チケット売り場では買えなくなっていたお客さんもいましたね。


三密を避けるためにロビーからは椅子も撤回されていて長時間中で待つのはご遠慮くださいといった感じ。
あそこは狭いし、観客のほとんどは高齢者ですからね。


神保町シアター 「がめつい奴」 森雅之


そして整理券番号に呼ばれ好きな席に座ります。

席に制限を設けていないため人気がある列(後方)は空席もなく人が密集していて
前の方はかなり空いているといった具合に列によってバラツキがあります。

マスク着用が必須ですが館内は密室ですし、コロナの予防策を徹底したい方は
前の方へ行かれた方がよろしいかと思います。



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「がめつい奴」 森雅之との出会い

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「がめつい奴」のあらすじは最後に書いています。
初回記事から引用しようと思いましたが三度目になるので新しく書き直しました。
いくら自分の書いた文章でもさすがに同じものが三度はまずいかなと。

今回は感想は書いてないので興味がある方は前回記事をご覧ください。
大阪のドヤが舞台の 『がめつい奴』 (1960年) を再び映画館へ見に行った




神保町シアター「生誕110年森雅之最高のダンディズム」




さて、私は2014年の冬に近代フィルムセンター(現・国立映画アーカイブ)のチラシで
はじめて「がめつい奴」という映画の存在を知りました。

単純に「がめつい奴」って面白そうだなというちょっとした興味だけで
2014年11月30日に銀座へ行った帰りに京橋にある近代フィルムセンターへ。


その時に書いた記事⇒  「がめつい奴」

そしてらこの映画がメチャクチャ面白くってすっかりハマってしまった!

もともと舞台でヒットしていたものを映画にしたもので「がめつい奴」という言葉も
この映画から生まれた造語だということも初めて知った。

東宝の1960年作品ですがカラーで見やすい。


それから約一年後に今度は神保町シアターにて行われる『森繫久彌の文芸映画大全』という企画で
「がめつい奴」をやるという情報を得た。


病気ではないんだけど体調が万全ではなかったがどうしても見たくて
2015年12月12日に神保町シアターで二度目の「がめつい奴」を堪能。


その時に書いた記事⇒ 大阪のドヤが舞台の 『がめつい奴』 (1960年) を再び映画館へ見に行った


わずか1年ちょっとの間に2回も見に行った「がめつい奴」だがそれからしばらくは
見たいと思いながらもその機会もなくご無沙汰。


そして、今年ふと思いついて調べてみたら神保町シアターでやると知り
ご縁がある映画だなぁとつくづく実感した。




去年からコロナのこともあり映画を見に行こうなんて思いもしなかったが
本当に思いつくように「何かいい映画がないか調べてみよう」とスマホを見たところ
すぐに上映するという情報を見つけたんだから。


2度目に引き続き、神保町シアターで行われたのだが
今回は『生誕110年 森雅之』という森雅之特集の中のひとつだった。

何を隠そう”森雅之”という俳優の存在を知ったのは6年近く前に見た「がめつい奴」であり
その時の印象が強烈で森雅之というのはああいう下品な役ばかりをしている人だと思い込んでいた。

ところが、その後森雅之はダンディな二枚目の役どころが多く、実生活でもモテていたと知り衝撃を受けた。

「がめつい奴」でしか見ていないと、ガサツで荒くれた無骨もののイメージだが
確かに他の作品を見ると彫が深く麗しの貴公子に見える。


俳優 森雅之 神保町シアターのチラシより
(生誕110年 森雅之 神保町シアターのチラシより)


実際に神保町シアターのチラシでも”最高のダンディズム”と表現されていた。

チラシを開くと上映予定の作品の解説がされているが見たい作品がズラリ。
しかし時間の関係もあり今回はやむなくこれ1本に。


「がめつい奴」で森雅之に興味を持った私は2018年5月19日にも
シネマヴェーラ渋谷へ森雅之出演作の「白い悪魔」と「挽歌」を見に行っている。


「白い悪魔」 (1958年) @シネマヴェーラ渋谷 

「挽歌」 (1957年) @シネマヴェーラ渋谷 



また、「女が階段を上る時」という映画でも銀行の支店長役で出演していますね。

「女が階段を上る時」 (1960年 東宝) 高峰秀子の夜の銀座を舞台にしたスタイリッシュな映画



「がめつい奴」では森雅之は薄汚いくたびれた格好で「ポンコツ屋の熊吉」として登場。
金儲けに目がなく、女を色仕掛けで誑し込み金を奪うという悪党を演じています。
しかし、最後には大きな代償を払います。



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がめつい奴 ストーリー

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舞台は大阪のドヤと呼ばれる貧しい地域。


主人公は「釜ケ崎荘」という簡易宿泊所(ホテル)を経営しているお鹿婆さん(三益愛子)。

白髪交じりのパサついた髪を無造作に束ね腰は折れ曲がりながらも
業突張り婆らしく目は鋭くぎらついていて油断がない。
出っ歯気味の前歯にかぶせられた金歯もこの婆をより醜く見せている。


お鹿にはホテルで一緒に働いている健太(高島忠夫)とお咲(原知左子)という二人の子供がいた。


健太はホテルの宿泊客(といってもここの客はみんな長期滞在者ばかり)のひとりである
絹(団令子)と恋仲で将来を近いあっている。
お咲はホテルの宿泊客(藤木悠)と美人局をして生計を立てていた。


お鹿は健太が絹と愛し合っているのが気に入らない。
というのも絹の姉・初江(草笛光子)は「もともとホテルを含むこの一帯は自分の父が所有していたもので
戦後の混乱をいいことに見知らぬものに占拠されてしまった。」と嘆き
土地の権利証を盾に裁判をしてでも取り返すと宣言しているのだ。


初江と絹は一緒にホテルに住みながらホルモン焼きをやっている。
かつて大地主の娘時代を味わっている初江はお鹿をはじめ土地を奪った者たちを憎んでいるが
そんな時代を知らない絹は暢気なもので「土地の事は姉ちゃんに任せる」といいすっかり健太の嫁さん気分。


初江はそんな絹の態度がじれったい。
それに初江はお鹿がもともと初江の家の下女中であった事実を知っていた。
下女中がかつて世話になっていた主人の土地を乗っ取ってホテルを建ててしまったことが許せない。


お鹿は初江の言い分を否定するが、確かに彼女は初江の家の女中であった。
ある寒い日、お鹿は盗みを働いたという容疑を受けて裸で罰を受けさせられ
初江の家族に深い恨みがあった。
いまだにその屈辱が忘れられず健太が絹とイチャつくのが許せない。


お鹿と初江は敵対関係にあり土地の事や健太と絹の結婚話を巡っては頻繁に大喧嘩を繰り広げていた。


お鹿は健太もお咲も自分の子供でありながらも信じていないところがある。
だが、そんなお鹿にも唯一心を許せる存在がいた。


それはテコ(中山千夏)という精薄児で両親がいないことからお鹿が面倒を見ている。
常日頃からお鹿は「テコは両親がいないのをおばあちゃんがちゃんと育てている。
その恩人を裏切るっていうことはしたらあかんよ」と言い聞かせていた。
「うん、わかっとる。」というテコだが、精薄児ゆえちゃんと理解しているのかどうか
言っても言っても言い足りないくらい不安だ。


テコはお鹿に言われて毎日のようにお遣いに行き1円でおからを買い必ず
ポリエチレンの袋に入れてもらい帰ってくる。
お鹿はテコに「毎日1円でおからを買うのはおからもそりゃ大事だが袋が大事なんだよ」といい
ポリエチレンの袋の中に札束を入れてしっかりと封をし梅が入っている瓶に隠していたのだ。
梅の瓶の中には梅の下に目が飛び出るような札がぎっしりと詰まっている。


ある日、買い物へ行ったテコは帰り道に自動車の衝突事故に遭遇。
道の真ん中を歌いながら歩くテコを避けようとした二台が正面衝突してしまった。
ホテルに着いたテコが事故の事を口にすると大変。


健太やホテルの客(というか住人)たちがどっと押し寄せ重症でもない運転手を病院へ行かすと
その間に車を解体しホテルに持ち込みセリを初めてあっという間に売りさばいてしまう。
力があって素早く要領がいいものは金になるものを奪い、弱いものは残されたものを金に換える。
警察がホテルへ調べに来た時には自動車の部品は片づけて盗品を売りさばいたという証拠はない。


健太たちが部品を奪いに行きホテルで留守番していたお鹿はテコと二人で
客たちが持っている米袋に穴をあけてそのおこぼれをかき集めていた。
盗みは罪になるがこうして米袋のわずかな穴から床へ零れ落ちた米粒は
ホテルの所有者お鹿の持ち物だという理屈である。


ある日、お鹿の亡夫の弟・彦八(森繁久彌)が訪ねて来た。


急に現れた彦八をお鹿も健太も歓迎してはいなかったが彦八はホテに住み着こうとする。
実は彦八は借金取り(多々良純)に追われる身で、かつてのお鹿の愛人(?)から
お鹿がたんまりと金をため込んでると聞きつけ金を奪うのが目的だ。
のらりくらりとした様子で健太にそれとなく探りを入れてくる。



そんな中、初江は裁判にかけても亡父がもっていた土地を取り返すとお鹿に宣戦布告。
ホテルの客・ポンコツ屋の熊吉(森雅之)は金目当てで初江に近づく。
熊吉はロシア人とのあいの子で占い師のおたか(安西郷子)と内縁関係にあり
おたかから金を巻き上げていた。


おたかにうま味がなくなった熊吉の次のターゲットは初江だ。
お鹿たちから土地を奪い返すために裁判するなら弁護士を紹介するという口実で
初江を居酒屋に呼び出すと強引に押し倒して関係を結ぶ。


これまで女一人気丈に戦ってきた初江だが、熊吉と肉体関係になると頼り切るようになり
言われるままに権利証を熊吉に預けてしまった。


初江は熊吉が裁判のために権利証を預かり弁護士に話をつけてくれるものと信じていたが
熊吉は権利証をお鹿に売りつけようとするがけんもほろろに断られ
升金のところへ行き安い手付を受取り権利書を渡してしまう。



おたかは熊吉が初江に入れ込んでいることを知り嫉妬から初江と大喧嘩になる。
熊吉の方もおたかに三下り半を突きつけて本性を現してきた。




一方、熊吉が自分を裏切って権利証を升金に売りつけてしまったと知った初江は
熊吉に権利証を取り戻すように迫り拒否されると近くでおたかが商売しているのも気にせず
熊吉を刺し殺してしまう。


熊吉と関係した初江に嫉妬から殴り掛かったおたかだが自分も熊吉に騙され金を奪われた身。
自首するという初江に警察なんかへ行く必要はないと諭す。
その間にホテルの客たちがわずかでも金に換えられそうだと衣服を剥がして裸にすると
熊吉の死体を隠してしまった。
通報を受けて到着した警察も血痕はあるものの肝心の熊吉の死体がなくそのまま引き上げていく。



健太と絹はいよいよ結婚の決意を固め健太はお鹿に独立の資金をせびりにいく。
彦八が言っていたお鹿がため込んでいる金を遺産の前払いとしてもらおうというのだ。
その頃、お鹿はテコがもらってきたポリエチレンの袋に穴が開いていて札束に梅汁が染みているのを発見!!


テコにも手伝わせて濡れた札を一枚一枚七輪にかけて乾かそうとしていたが
頭の弱いテコに自分のことを裏切らないよう言い含めているうちに網の上に置いた札を焦がしてしまい大騒ぎ。
そこへ、今日こそ金を出させようと意気込んでいた健太が乗り込んでくる。
だが、お鹿がすんなりと金を渡すはずもなく口論になった健太は勢いでお鹿の首を絞めてしまった。


健太がお鹿を殺したと騒ぎになりホテルの客たちはお鹿の部屋に集まっている間に
升金の手下(西村晃)がホテルを占拠し立ち退きを迫っているとテコが伝えに来た。
お鹿は気絶している場合じゃないとホテルへ向かい健太たちも次々と引き上げていく。


お鹿の部屋から人がいなくなると布団に隠れていた彦八がぬっくりと姿を現し家探しをする。
そしてついにお鹿が隠しておいた札束が入った梅の瓶を見つけ出したものの
ひょっこりと戻ってきたテコに見つかってしまう。



とっさに彦八は梅が好きだから800円で梅の入った瓶を売ってくれとテコに頼む。


テコは「おっちゃんそんなに梅好きなんか?」と聞き返し
彦八は「そうだよ、だから全部おっちゃんに売ってくれ」とお鹿の財産全てを奪おうと企む。
そして彦八がちょっと部屋を出たスキにテコは札束が入った瓶を隠し
くれてやっても差し支えない瓶だけ選んで戻ってきた彦八に渡す。


そんなことも知らない彦八はテコから預かった瓶をリヤカーに乗せて借金取りに渡すが、
中には梅しか入っていなく怒る借金取りからなんとか逃げ出した。
テコは頭が弱いながらも自分を育ててくれているお鹿に恩を感じ裏切らなかったのだ。


もともと仕えていた主人が亡くなりその土地の一部を占拠しホテルを建てたお鹿は
頑として立ち退くつもりはなかったが、結局升金の要求に応じ立ち退き料をもらって引き払うことを決意。
これまで長らく住んでいた客たちも次々とホテルを後にしお鹿たち一家、初江、絹の姉妹とおたかが残された。


「貸してやるんや」と言いつつ健太に独立資金を渡しいよいよ絹と所帯を持つことに。
初江はいくら熊吉が悪人でも一殺しはいけないと自首を決意。
これまで土地のことに無関心だった絹も姉が刑務所に入るとなると寂しくて
引き留めようと泣いて初江に縋りつく。


おたかは亡くなった父親がやっていたパン屋をやるつもりだ。
そして、無事に刑期を務めあげたら一緒にパン屋をやろうと初江を誘う。
絹やおたかが初江を思う気持ちを見せつけられ健太だけでなく
柄にもなくお鹿まで目を潤ませていた。


それから月日は流れ。


あれからドヤを出たと思われていた彦八があるうどん屋に入ると
絹がかいがいしく働いているではないか。
お鹿から借りた資金をもとに健太は絹と一緒にうどん屋を始めたのだ。


金にうるさいお鹿の息子だけあって、健太は客の食べ残したうどんを丼から出すと
こっそりと次の客に提供しようとしている。
彦八は自分の丼にも前の客のうどんが盛られたのを見て注意するが
「嫌だったら食べんでいい。その代わり勘定はもらうで。」とどやされ渋々食べることに。


その後、彦八は健太からお鹿が近くの公園で働いていると聞き800円を取り返そうと出向く。

そこにはムシロの上に座って物乞いをしているお鹿とテコがいる。
そのがめつさに驚く彦八にお鹿は「金持ちが乞食したらいけんっていうのか!?」と逆襲してきた。
彦八はさっそく800円を取り返そうとお鹿に迫るが、瓶と中に入っていた梅は800円じゃ足りない
金が払えないならと衣服をはぎ取られてしまう。


お鹿たちのまえには相変わらず美人局をしているお咲がカモにしている中年男と通りかかり
何も知らない中年男はお咲にせがまれるままにお鹿とテコに金を恵んでやる。


いくら金があっても働けるうちはしっかりと稼いで金をため、そのためには利用できるものはなんでも
利用するというお鹿のしたたかさが光る作品。





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