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2006/07/30
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横溝正史シリーズ 「獄門島」 (1977年)

category - 昭和のテレビドラマ
2006/ 07/ 30
                 
「横溝正史シリーズ」の第5作目。



■ 横溝正史シリーズ 「獄門島」
放送日: 1977年7月30日~1977年8月20日 (全4話)
原作: 横溝正史  『獄門島
脚本: 石松愛弘
音楽: 中村八大
主題歌: 「まぼろしの人」 (作詞:寺山寿和、作曲、唄:茶木みやこ)
監督: 斎藤光正
出演: 古谷一行、中村翫右衛門、河原崎国太郎、金子信雄、島村佳江、
梶原恵、立枝歩、萩奈穂美、江幡高志、三遊亭若円遊、原康義、
仲谷昇、斎藤美和、野呂圭介、角野卓造、常泉忠通、有島一郎、
葉山葉子、河原崎長一郎、三善英史、滝沢修、浜木綿子ほか
制作: 毎日放送、東宝



横溝正史シリーズ 「獄門島」




昭和十九年夏、獄門島の網元鬼頭家の当主・鬼頭嘉右衛門(滝沢修)の屋敷に
千光寺住職の了然(中村翫右衛門)、村長の荒木真喜平(河原崎国太郎)、
鍼医師の村瀬幸庵(金子信雄)が集まり嘉右衛門から遺言を受けた。


それを本鬼頭の嘉右衛門と対立する分鬼頭の儀兵衛の妻・お志保(浜木綿子)が
立ち聞きしているとわかり嘉右衛門が興奮していると彼が嫌う三人の孫娘、
月代(梶原恵)、雪枝(立枝歩)、花子(萩奈穂美)が入り込んできて病に伏せる
嘉右衛門の周りで遊び始めたため興奮が増した嘉右衛門はそのまま息を引き取る。



横溝正史シリーズ 「獄門島」



それから二年後の夏、探偵の金田一耕助(古谷一行)は獄門島へ向かう船の中で
竹蔵(江幡高志)から分家の鬼頭一の生存を知らされる了然を見て思わず声をかけた。



耕助は復員船で死んだ戦友・鬼頭千万太(角野卓造)から「三人の妹が殺されるから助けてくれ」と頼まれ
千万太の死知らせる事と、三人の妹の無事を確認するため獄門島を訪れようとしていた。
最後に千万太は「いとこが…」と言い残して死んでおりその部分が意味不明だった。
その船には戦争で消失したと思われた釣り鐘も乗っている。


耕助が了然に千万太の死を伝えてまもなく目的地の獄門島が見えてくると
了然は島の歴史を語りはじめる。



横溝正史シリーズ 「獄門島」




江戸時代、中国地方のある大名が流刑場として定め死罪を免れた罪人が住み着き
海賊の子孫と言われる娘と契りを結び、島の住民のほとんどは罪人と海賊の子孫である。
海にポツンとひとつだけ浮かぶ島は、処刑も行われ多くの血を吸った歴史があり
厳しく寒々しい外観は「獄門島」という忌まわしい名にふさわしかった。



了然の案内で耕助は千万太の家を訪れた。
出迎えてくれたのは千万太のいとこで、復員予定の一の妹・早苗(島村佳江)。
千万太の父・与三松(仲谷昇)は生きているものの頭が少しやられていて、
月代、雪枝、花子は気がおかしくて兄が死んだと言っても悲しむ様子もない。




お志保は了然、荒木村長、幸庵の三人が本家へ入り込んでいるのが気に入らなく
鵜飼(三善英史)という若い色男を使って月代たち三姉妹をたぶらかそうとしている。
三姉妹はすっかり鵜飼に夢中になっていた。


横溝正史シリーズ 「獄門島」




千光寺の釣鐘が島に戻ってきた日、千万太の戦死も役場に届き通夜が行われた。
ところが、花子が行方不明となり通夜が終わった後に了然の提案で
駐在所の清水巡査(河原崎長一郎)らが手分けをして花子を探しに行くことになった。
了然は寺へ戻り、耕助は酔った幸庵を家へ送り届けることとなる。


耕助はその帰り道で、分鬼頭へ花子を探しに行った了沢と竹蔵と出会う。
竹蔵は花子たちをたぶらかしていた鵜飼が花子を連れ込んだと睨んでいたが
鵜飼はもう寝てしまったと言われけんもほろろに追い返されてしまったという。


その時、前方に了然の提灯が見え耕助たちが後をついていき寺へ着くと、
突然、了沢を呼ぶ了然の叫び声が聞こえた。


行ってみると寺の梅の木に花子が死体となって逆さ吊りになっている。
耕助は手を合わせて念仏を唱える了然が「きがかわっているがしかたがない」と
呟いたことが気にかかった。


横溝正史シリーズ 「獄門島」



了沢の話では出かけるときに鍵をかけたというが、錠前は壊され地面には何者かが
出入りした時の靴跡と煙草の吸殻が残っていた。
花子は首を絞めて殺された後に梅の木に吊るされたと分かり
着物の袂からは月代に宛てた鵜飼からの呼び出しの手紙が入っている。


巡査の清水は関係者のアリバイを確認し名探偵とは知らず耕助にも確かめてきた。


耕助は了然から分鬼頭へ千万太の通夜を行うと知らせるよう頼まれ途中で竹蔵と鵜飼に会った。
その帰り道に通夜に行く了然たちを見つけて一緒に通夜へ行ったと証言するが
本鬼頭の財産を狙う一に頼まれて獄門島に来たと勘違いされ駐在所の牢屋に入れられてしまう。


まもなく、殺人事件の捜査で訪れた磯川警部(有島一郎)によって
耕助は蝶々事件で活躍した名探偵と紹介され容疑が晴れた。


横溝正史シリーズ 「獄門島」




鵜飼の話で月代に出した手紙は愛染かつらと呼んでいた木の幹に入れ
それを花子が持ち出したとわかり、海賊らしい軍服姿の男が出現していたと判明する。


そして、境内に落ちていたタバコは字引を巻紙に使っていたことから
早苗が与三松に作ってやったもので吸殻と残りから九本が行方不明となっていた。
耕助は境内から出ていった足跡よりも入った足跡の方が多いことから犯人はこの寺の中にいるか、
了然が犯人を知っていて逃がしたのではないかと疑うが了然はそれを否定する。



そんな折、今度は雪枝が行方不明となり月代が雪枝の無事を願って祈祷を始め
花子が殺されたことから総動員で探すが見つからないまま夜が明けた。
すると、釣鐘から雪枝が着ていた振袖がはみ出しているのを鵜飼が見つける。



耕助が棒を入れててこの原理で釣鐘を持ち上げると雪枝が死体となって座っている。
この時了然はお経をあげながら、「むざんやな兜の下のきりぎりす」と呟いた。


横溝正史シリーズ 「獄門島」




雪枝は昨日の午後六時から七時に絞殺された後で釣鐘に入れられたと見られたが
竹蔵が八時半頃に釣鐘を見たときには振袖は出ていなかったという。
そこへ、幸庵が昨夜、本鬼頭の方から来た男に襲われて腕を怪我したと知らせに来る。



その男が与三松ではないかと疑われたが昨日は家から一歩も出ていないと言い、
耕助が煙草について尋ねようとすると早苗が嫌がっている素振りを見せた。



耕助は与三松が狂いながら「お小夜」と度々口にしていたことから
床屋・清公(三遊亭若円遊)にそのことを尋ね、お小夜(葉山葉子)が三姉妹の母親だとわかった。



横溝正史シリーズ 「獄門島」



二十年前、芝居好きな嘉右衛門は与三松を連れて浜辺へ芝居を見に行った。


得意の道成寺を踊るお小夜に与三松が惚れてしまい二人は愛し合うようになり
旅役者との恋愛に猛反対する嘉右衛門を押し切って結婚し三姉妹が産まれた。


嘉右衛門は二人の仲を裂こうとして、与三松を折檻しその時の後遺症で気がおかしくなり体が弱くなった。
お小夜は与三松が大病を患った時に、本鬼頭の裏にある祈祷所へこもり回復を願って三日三晩祈り続けていると
了然、荒木村長、幸庵の三人が乗り込んで来て、「三姉妹を産んだ祟りが与三松の病気を招いた」と責め立てたという。


その噂が島中に広がり、まもなくお小夜は崖から身を投げて自殺をした。



横溝正史シリーズ 「獄門島」



そんな時、月代と鵜飼が海賊らしい男を見たと騒ぎ立て、男の後を追った竹蔵が
岩陰にある洞穴から本鬼頭の手拭いが落ちているのを見つけ、耕助は海賊の正体が一ではないかと疑う。
山狩りが行われ銃を持っている海賊を見つけた清水が発砲するが、死んでいたのは一ではなく別人であり
銃で撃たれた跡がなく、死因は花子の時と同じく棒で殴られたものと判明する。


その夜、雪枝の通夜が行われ月代は与三松からお小夜が来ていた着物を受取ると
祈禱所へこもって祈りを始めた。
まもなく、早苗がこれまで部屋から出なかった与三松が抜け出したといい
月代の命が狙われないよう見張りをしていた竹蔵らが与三松を探して歩く。



その甲斐あって与三松は見つかり保護されるが、月代は祈禱所の中で殺されていた。
死体には萩の花が置かれている。


与三松が部屋を抜け出したのは死んだはずの嘉右衛門に呼ばれたからだといい
月代たちは嘉右衛門が殺したと信じているが、耕助は早苗が与三松に刺激を与えて
外に出るよう仕組んだと考えた。


横溝正史シリーズ 「獄門島」





そして、清公から与三松がお小夜に作ってやった祈祷所の別名が「一つ家」だと教えられ
了然が持ってきてくれた枕屏風に貼ってある三つの俳句から事件の真相がわかった。


それらの句は筆跡から死んでも神として君臨する先代の嘉右衛門が書いたもので
「鶯の身を逆さまに初音かな」は花子、「むざんやな兜の下のきりぎりす」は雪枝、
「一つ家に遊女も寝たり萩と月」は月代の見立て殺人だと推理した。


了然は三姉妹が殺される度にその句を詠んだが、今は夏で俳句の季節とは違っている。
「きがかわっているがしかたがない」という言葉は、「季(節)が変わっているが仕方がない」という意味だった。



横溝正史シリーズ 「獄門島」




そんな時、島民から二つの場所で釣鐘を見たという証言を得た耕助は
かつてお小夜が道成寺を演じたときに使っていた張り子の釣鐘が本家に
しまわれていると知り雪枝殺しの謎が解けた。


一方、本家の遺産を手に入れようとするお志保の差し金で三姉妹に言い寄っていた鵜飼も
彼女たちが死んだことで目的がなくなりもとの軍服姿に戻り島を出ていく。



耕助は了然ら関係者を集めると雪枝殺しのトリックを暴いてみせる。
雪枝は殺されてすぐに釣鐘の中に入れられたがその時に振袖がはみ出すが
その上に張り子の釣鐘を被せることにより振袖は隠れた。




横溝正史シリーズ 「獄門島」




これにより、竹蔵が見回った時には釣鐘から雪枝の振袖は出ておらず
その後に犯人が石を使って張り子の釣鐘を海へ落とした。
そして、朝になって鵜飼が雪枝の振袖が釣鐘からはみ出しているのを見て
耕助らが駆け付けて中の死体が発見されたというわけだ。



それから耕助は早苗が犯人に協力したことを確かめるために会いに行った。
千万太の通夜の日、早苗は与三松の部屋に忍び込んだ軍服姿の男が一ではないかと考えた。
そして、花子が殺された時に煙草が残されていたと知りますます確信を深めていく。


早苗は花子、雪枝が殺されて月代も死ねば、財産は全て一のものになると思い
雪枝の通夜が行われた晩に与三松を刺激して部屋から飛び出させると
月代の見張り役をしていた竹蔵に知らせて月代を一人きりにした。


横溝正史シリーズ 「獄門島」




追及を受けた早苗は泣き崩れるが、耕助は早苗が犯人だとは思っていない。
耕助は部屋に入ってきた幸庵に「了然和尚はどこにいるか?」と尋ねると、
寺を継がせる伝法の儀式を行っている最中だという。



了沢に寺を譲り隠居するつもりだと知った耕助は磯川と二人で
了然に会いに行き「花子と海賊を殺したのはあなただ」と言った。
しかし、花子が殺された日、千万太の通夜があり了然は了沢たちとずっと一緒だといい
アリバイがあることから殺す時間はないと耕助の意見を否定する。


そこで、耕助は自分の推理を明かした。


了然は鵜飼の手紙を利用して花子を寺の下にある祠に呼び出し待つようにいうと、
了沢、竹蔵と千万太の通夜へ行こうと寺を出るが経文を忘れたから取りに行ってくれと了沢を
下駄の鼻緒が切れたから先へ行っててくれと竹蔵を追いやった。



横溝正史シリーズ 「獄門島」



祠に戻った了然は花子を殺して用意してあった下駄に履き替え竹蔵と合流し
寺から戻った了沢と通夜へと向かう。
通夜が終わると了沢と竹蔵は姿が見えない花子を探しに出かけ
了然は寺に戻ると言い暗闇の中で花子の死体を背中に担いで寺まで運ぶ。


酔った幸庵を家に送り届けた耕助が了沢たちと合流すると
寺へ帰って行く了然の提灯の灯りだけで、了然の姿と花子の死体は闇に包まれ見えない。
そして「鶯の身を逆さまに初音かな」の句に見立てるために花子を梅の木に逆さづりにするが
その現場を海賊に見られてしまい山狩りの時に殺した。


しかし、事件の首謀者は亡くなった今でも権力を持ち続ける嘉右衛門だった。
千万太に本鬼頭を継がせたかった嘉右衛門は彼が戦死した場合は一に、
一も戦死した場合は早苗に婿を取らせる肚積もりだった。



横溝正史シリーズ 「獄門島」





気が違っている三姉妹が継げば分鬼頭が勢力を増してくると懸念した嘉右衛門は
なんとしても三姉妹を排除したい。
一でも早苗でも三姉妹がいることによって面倒なことになると考え千万太が死んだ時点で
三姉妹を殺さなくてはならなかった。


そこで、嘉右衛門は了然に「鶯の身を逆さまに初音かな」を、幸庵に「兜の下のきりぎりす」を
荒木村長には「萩と月」の句をそれぞれ遺言として渡し、了然が花子、幸庵が雪枝、
村長が月代を与えられた俳句通りに殺した。


横溝正史シリーズ 「獄門島」



了然が挑戦状代わりに耕助に与えた枕屏風に貼ってあった俳句の色紙から
耕助は事件を解明し了然も最後は犯行を認めた。



そこへ、復員予定の一がビルマで戦死していたという知らせが役場に届いたと清水が伝えに来た。
耕助は慌てて本家へ行き自殺しようとしていた早苗を止めた。
彼女は一が本鬼頭の後継者になれるよう三姉妹が死んでくれれば良いと思い
村長が月代を殺すときに見張りの竹蔵を追いやり手助けをしていたことを懺悔する。
与三松はそんな早苗を許し彼女が本鬼頭を継ぐことを望んだ。



横溝正史シリーズ 「獄門島」




一方、一のためにお経をあげ終わった了然は磯川の目の前で、幸庵、村長もそれぞれ自殺し
耕助は早苗が生き残って本鬼頭を継ぐのは死をもって自らの罪を清算した彼らの行動と
同じではないかと言い残し獄門島を去った。





獄門島 (角川文庫)



殺されて釣鐘の中に押し込まれる三姉妹の次女・雪枝を演じたのは立枝歩。


横溝正史シリーズ 「獄門島」


私の中では「特捜最前線」で荒木しげるが演じた津上刑事の妹役の印象が強い女優さん。
「獄門島」では小さなときに母が自殺してしまいその現場に居合わせたからか
気がおかしくなっている娘を演じている。


そんな三姉妹を本鬼頭と敵対する分鬼頭の儀兵衛の妻・お志保から頼まれて
誘惑する兵隊あがりの色男に三善英史。



横溝正史シリーズ 「獄門島」


同年に公開された映画版では同じ役をピーターがやってましたが
彼も三善英史も中性的で独特な雰囲気がありますよね。




獄門島【リマスター版】 [DVD]



雪枝を殺す鍼医師の幸庵はツルツル頭でない金子信雄。

横溝正史シリーズ 「獄門島」


誰だかわからないくらい印象が違って見えたが、声だけは変わらず。



横溝正史シリーズ 「獄門島」


犯人三人組の中で印象が薄かったのが荒木村長を演じた河原崎国太郎。

彼の場合、一番最後の犯行で特にトリックもなくでさらっとの説明だったこともあり
了然や自分の容疑をそらすために犯人らしき男に襲われたと騒いだ幸庵に比べると
おとなしかったのは仕方がない感じか。



************ 横溝正史シリーズ一覧 ************


1. 「犬神家の一族」

2. 「本陣殺人事件」

3. 「三つ首塔」

4. 「悪魔が来りて笛を吹く」

5. 「獄門島」

6. 「悪魔の手毬唄」



************ 横溝正史シリーズⅡ一覧 ************


1. 「八つ墓村」

2. 「真珠郎」

3. 「仮面舞踏会」

4. 「不死蝶」

5. 「夜歩く」

6. 「女王蜂」

7. 「黒猫亭事件」

8. 「仮面劇場」

9. 「迷路荘の惨劇」





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