2006/09/06
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

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「無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女」 (1980年) 小林久三  『走る無人霊柩車』

category - 土曜ワイド劇場
2006/ 09/ 06
                 
●「無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女」  1980年9月6日
原作: 小林久三 『走る無人霊柩車 (双葉文庫)
脚本: 池田雄一
音楽: 津島利章
監督: 長谷和夫
制作: 松竹
出演: 坂上二郎、伊藤孝雄、長内美那子、片桐夕子、
草野大悟、井上昭文、左時枝、江幡高志ほか



無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女




倉森(伊藤孝雄)は妻の征子(長内美那子)、
娘のルミ子と三人暮らしているエリート検事。

朝食をとっている時にカップの中にハエが入っているのを
みつけた征子は不吉な予感を感じた。



倉森はある窃盗事件を担当していたが、
盗まれた店は密輸をやっているのかのらりくらりと逃げ
倉森に羊羹を贈ったことを匂わせた。


慌てた倉森は征子に確かめると羊羹の包みは自宅に届いていた。
ついうっかりして報告しそびれてしまったと
包みを持って征子が検事室までやって来た。




無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女


倉森はそんな征子を強く叱りつけてしまう。
案の定、包装紙を開けると中身は羊羹だけではなかった・・・。





征子は車で帰宅する途中、無人の霊柩車とすれ違い
驚くと犬をひき殺してしまった。



車を降りて商店街を歩いていると鮮魚売り場にある魚のアラに
ハエがとまっていたり、さばかれた魚から出た血を見て
神経の細い征子はカップのハエや子犬の死体が脳裏に浮かび
激しく動揺すると逃げるように近くのスーパーに駆け込んだ。



そして、宝飾売り場から衝動的にネックレスを万引きしてしまう。
その現場を三流バー・シルビアのマダム堀留珠江(片桐夕子)に目撃されてしまった。
征子が家の前まで来ると珠江に呼び止められ
万引きの現場を見たと言われ店のマッチを渡される。




その夜、征子は菓子折りを持って珠江の店へ行くが
中に金が入っていないのを知ると珠江は態度を一変させて
怒り狂い菓子折りを店の外にあるゴミ箱に投げ捨てた。



そこへ珠江の愛人で絵描きの福島(井上昭文)が通りかかり
征子の万引きをキッカケにもめていることを知ってしまう。



帰宅途中の倉森は近所の本屋で本を買っている時に
珠江の店からうなだれて帰ってくる征子の姿を見かけて
急いで本屋へ出ると征子に声をかけた。







帰宅した征子はこれまでのことを正直に倉森に打ち明けた。
倉森は明日、その女に自分が話をつけにいくといい
精神的に追い詰められていた征子を休ませた。



倉森は珠江の住所を調べ、夜マンションを訪れる。

珠江の方も倉森の身辺は調査済みで手帳にそのことを記していた。


無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女


倉森は10万円を渡し、征子の万引きを見逃してほしいと頼むが
男にルーズな珠江は、ルックスの良い倉森を誘惑しようとしてきた。






これまで順調にエリートコースを歩んできた倉森がそんな手に乗るわけがない。
倉森に拒絶された珠江は、過去に盗みの濡れ衣を着せられた経験があり
受け取った金を叩きつけると、倉森を激しくののしり
珠江の万引きを告発しようと受話器に手をかけた。


無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女



慌てた倉森は阻止しようともみ合っているうちに
珠江の首を絞めてしまい殺してしまった。


正気に戻った倉森は指紋を丁寧に拭き取り、バラまかれた札を拾い上げると
珠江のバッグから倉森の経歴がかかれた手帳と
引きちぎられた自分の洋服のボタンを珠江の手から盗み出す。


すると、突然電話が鳴る。



倉森はテーブルの上にあったグラスをうっかり倒してしまったが
自分が部屋にいた証拠はすべてなくし部屋を出た。


誰にも会わないように用心しながらマンションを出ようとした倉森を
停車してあった車の中にいた珠江の愛人の大沢(草野大悟)に見られてしまった。





家へ帰った倉森は征子に万引きのことは金で解決したと嘘をつき
ボタンをつけてくれと征子に渡した。



無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女



倉森はマンション前で顔を見られた大沢のことが気になった・・・。





倉森が夜道を歩いていると、前から霊柩車がゆっくりと向かってきた。
中にいたのは首にロープが巻かれた珠江の死体だった。


無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女

霊柩車は倉森の方へ向かってくる。



無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女

脅えた倉森がよけると、霊柩車はそのまま死体を乗せて去っていった。




翌朝、出勤途中の倉森が道を歩いていると、
事件現場に向かう友人で津川警察署の刑事松田(坂上二郎)と会った。
松田は被害者は女だといい、本部が開かれれば倉森と一緒に
組むかもしれないといい別れた。



第一発見者は犬の散歩をしていた男で
無縁墓地に自宅で死んでいたはずの珠江の死体があった。
死因は扼殺で手で首を絞めた後に、ロープでも首が絞められている。
前日の18時には遺体はなく、それから朝までに運ばれたものとみられた。



倉森は珠江の死体が部屋ではなく、墓地で発見されたことに驚いた。
松田が予想した通り、倉森がこの事件の担当となった。


珠江には窃盗と恐喝の前科があり身元がすぐにわれた。
犯行時刻はおとといの深夜で、自宅が犯行現場だということもわかる。
部屋には指紋を拭き取ったあとがあり、法律書を買った本屋のレシートだけが
手掛かりだったが、バーに勤める珠江には法曹関係の知り合いは無縁に思われた。



無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女

レシートは本郷駅前の書店のもので、
そこから指紋が出るかもしれないという話に倉森は焦る。



倉森はその足でいったん家へ帰ると、
事件を知っていた征子は倉森の犯行ではないかと疑っていた。
倉森はそれを否定すると、たばこを買いにいかせ
書斎から購入した本を持ち出すと庭で焼き捨てた。




その後、倉森はレシートがグラスからこぼれた酒がかかり
指紋が検出されないことを知り安心する。


だがそれもつかの間、松田たちにマンション前であった大沢の存在が
早くも知られてしまった。





大沢は珠江の部屋に何度も出入りしていて
最近では新しい男が出来たのではないかと思った大沢と
珠江の間では激しい言い争いがあったという。



無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女

犯行時刻頃、珠江の隣に住む沖マユミが
珠江の部屋から出てくる大沢の姿を目撃しており
その証言から大沢が捜査線上に浮かびあがったのだ。



しかし、連行した大沢は珠江の浮気現場をおさえようと
マンション前をはっていたが、部屋に入ったときには
すでに珠江は死んでいて自分の犯行ではないという。


そして、その前にマンションから出てくるグレーの背広を着た
40絡みのやせ形で長身の男を見たと言った。
その特徴は本屋の店員の証言とも一致していた。



松田は大沢を本ボシと見ていて、なんとしても自分で解決すると意気込んでいる。


無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女


だが、大沢が部屋で珠江を殺し、墓地に運んだとなると
その時間大沢はマージャンをしていたというアリバイがある。
5分程度大沢は車に煙草を取りに行った以外は席を外していない。




そこへ松田の部下の斎藤刑事がやってきて
珠江のもう一人の男、福島はくスケッチ旅行いって不在なことと
このところ運転手の乗っていない霊柩車が目撃されていることを報告した。




検事室に大沢が連れられてきた。


顔を覚えているか不安な倉森だったが毅然とした態度で大沢に接する。
大沢は間近で倉森を見てもわからない様子で倉森は安心するが
大沢との距離が離れると、倉森をあの時の男だと思い出し始めた。




無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女

その場は取り繕うが、倉森は大沢が危険な存在であると考えた。



状況は大沢をクロと示しているが、本人は否認し確固たる証拠もない。
倉森は署へ行くと、大沢の釈放を強硬に求める。
松田は猛反発するが、大沢は釈放されることとなった。


松田はなんとしても事件を自分の手で解決しようと決意した。


そして、もう一度本屋の店員に事情を聞くために
斎藤と一緒に行こうとすると、近くを征子が歩いている姿を見かけた。


すると松田は斎藤を連れて自宅へ帰る。
真っ昼間、急に帰宅した松田に小言を言いながらも
妻(左時枝)は言われるまま酒を用意した。


松田は本屋は倉森が利用する駅の近くにあり、
店員の証言にある本を買った男と倉森の特徴が一致し
購入した本も法律関係の本であることから
倉森に容疑の目を向け始めた。



松田は部屋の窓から外でリモコンカー遊びをする息子たちを眺め
あることに気が付いた。


松田は急いで外へ飛び出すと、息子たちにリモコンカーのことを聞きだし
普通の車でも市街地で500m位はリモコンで動かせることを知った。
斎藤が聞きこんできた無人霊柩車に目をつけ周辺の葬儀屋を訪ねて回った。




葬儀屋(江幡高志)に霊柩車のことを聞きに行くと
うちは1台しか霊柩車はなくへんなことはしていないと否定された。
そこへ予備校生の息子が帰ってきた。


息子に接する葬儀屋の態度から松田は息子が無人霊柩車を
動かしていた人物だとわかった。


無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女





息子は勉強がうまくいかずむしゃくしゃしていた。
廃車になった霊柩車をリモコンで動かして遊んでいたところ
誰かが周波数を合わせ霊柩車を操りどこかへ走らせてしまった。





息子の元へ霊柩車が戻って来たときには
車の中には珠江の死体が乗っていた。
慌てた息子は父にこのことを話し、葬儀屋は別の霊柩車で
珠江の死体を墓地に運んだ。




これで大沢のアリバイは崩れた。
しかも、大沢は仕事柄この手の操作は得意だった。
おそらく大沢はマージャンの最中に煙草を車にとりにいくと席を外し
自分の車から珠江の車を霊柩車に移し替えたのだろう。



たたき上げの松田の地道な捜査と熱意が実り
本部は大沢の逮捕に踏み切った。



松田たちが大沢のアパートに向かうとすでに大沢はいない。
駐車場へ行ってみると車の中に大沢はいて
松田たちを見ると車は走り出した。


その後を松田たちも追いかける。


しかし、松田たちから逃げたと思われた大沢は
倉森にロープで縛られ身動きがとれなくなっていて
爆弾が仕掛けられた車は倉森によってリモコン操作されていただけだった。



無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女


大沢の車を追う何台もの警察の車。
暴走する大沢の車を止めようと必死に車体をぶつけるが止まらない。



激しい追跡劇のフィナーレは、大沢の車が爆発炎上し
松田が本ボシとみた大沢は車の中で死んでしまう。



新聞では迷宮入り寸前に犯人が自殺したと扱われていた。
事件の記事を読んだ倉森は、これで身にかかる危険は去ったと思い
明日行われるルミ子のピアノの発表会へ行くことを約束した。




捜査本部は珠江を殺した大沢が自殺したものとみて解散となる。




だが、松田はまだ気にかかることがあった。
スケッチ旅行から福島が帰ってきたという知らせを受けた松田は
斎藤とともに福島の家へ向かった。




福島は珠江が殺された日、旅行に誘おうと23時半頃電話をかけたが出なかった。


ところがもう一度1時ちょっと前に電話をすると珠江が出て
馬鹿な男に首を絞めた殺されかかったと話した。
その男は例の万引女の夫だという。



無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女

最後に大沢が来たからまた後でといい電話は切れた。




松田は例の・・・ということは前にもその話題は出たのか聞くと
福島は店の前で珠江と征子がもめていたことを説明した。



松田は万引女の夫は自分が珠江を殺したと思っていた。
大沢にマンションから出てくる姿を見られていたことに気づいて
大沢を口封じに殺そうとしたのではないだろうかと推理した。




松田は倉森に会いに行き、珠江が仮死状態の後に息を吹き返し
その後に絞殺された事実を教えた。



無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女



これまで珠江は自分が殺したものと思っていた倉森は真相を聞き驚いた。
しかも、福島が珠江の店先で見た万引女の似顔絵を明日までに書き上げるのだという。
松田はその似顔絵の女と本を買った男が結びつけば
事件は新たな局面を迎えるのではないかと言い残し帰って行った。



大沢の口を封じて事件は解決したものと思っていた倉森は
これを聞くと征子に珠江に会いに行ったとき福島に顔を見られたか確かめた。





自分の万引から端を発して殺人事件にまで及んでしまった征子は
倉森が持っていた福島の供述書にある住所を知ると
責任を感じて福島のアトリエへ忍び込んだ。



そこには征子の似顔絵があり、自分と珠江の関係を知られるのも
時間の問題と見た征子は珠江を殺したのは自分の犯行だと
遺書を残してその場で死のうとした。


アトリエへは倉森も来ており、征子が自殺しようとすると必死に止めた。



無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女

そこへ、松田たちが踏み込んできた。




征子はすべて自分がやったことで、倉森は関係ないと叫ぶが
敗北を認めた倉森は自分の犯行を自供した。



倉森は大沢を釈放させると、まだ松田が大沢を執念深く疑っていると話して
松田を事故にみせて殺そうと誘い、大沢に自分の車に仕掛けをさせた。


準備が終わると大沢に薬をかがせ意識を失わせた。
そして、ロープで縛り身動きがとれなくすると
松田たちが駐車場へやってきたところで倉森がリモコンで車を操り
追っ手から逃げる最中の事故に見せかけて殺害した。


結局、珠江殺しは大沢の犯行で、倉森はやらなくていい殺人を犯してしまった。


それに福島は征子の顔は覚えておらず、松田が渡した征子の写真をもとに描かれたものだった。
これは松田が大沢殺しの犯人をあげるために仕組まれた罠だったのだ。




これまでエリートの倉森に後れをとる松田だったが
今回は倉森の知恵よりも松田の執念がそれを上回った。




無人霊柩車殺人事件・二度死んだ女


倉森は逮捕され、ピアノの発表会には征子と松田の姿があった。
松田は倉森がいない間しっかりと留守を守るように征子に言った。







”無人霊柩車”が走るというミステリアスな部分と
冒頭のハエや犬の死体や、捌かれる魚の画像がグロくて印象的。



キャスティングは地味だが、激しいカーアクションがあり
静と動の使い分けが良かった。


キンキンとがなりたてる坂上二郎はうざいが
今回の役や、その前に土ワイでやった
「図太いやつ」の坂上二郎はなかなか良い。



また出番は少ないが三流バーのママ片桐夕子も
良いアクセントになっていたと思います。





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