FC2ブログ
2006/10/27
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

Post

        

「豪華ヨットの花嫁」(1984年) カトリーヌ・アルレー 『わらの女』

category - 土曜ワイド劇場
2006/ 10/ 27
                 
フランスの作家カトリーヌ・アルレーの代表作『わらの女』のドラマ化。
主演はアルレー作品に多く出演している山本陽子です。



●「豪華ヨットの花嫁・500億財産を乗っ取れるか!?
“車椅子に死体をのせて…”」  1984年10月27日
原作: カトリーヌ・アルレー わらの女新版
脚本: 松田寛夫
音楽: 坂田晃一
監督: 池広一夫
制作: 東映
出演:山本陽子、三國連太郎、山形勲、加藤治子、井川比佐志、三谷昇ほか


豪華ヨットの花嫁



看護婦の康子(山本陽子)はある日会計事務所の早川(三国連太郎)に
老齢の大富豪の東山(山形勲)の看護婦になってくれと頼まれた。


人生に絶望していた康子はその後東山の妻になるが、東山は急死してしまう。

東山の死から意外な事件が始まり、康子は巨額の遺産をめぐる策謀に巻き込まれる。








ハンブルクで翻訳の仕事をするヒルデガルデ・マエナーは34歳の独身女性。
月に10日程は支払いに悩まされることなく安心して暮らせるという経済状態で
いつの日か大金持ちとの結婚をと夢をみて何年もの間、
毎週欠かさずに新聞の相手募集の欄を熱心に読み続け幸運が訪れるのを待っていた。



そしてついにお目当ての募集記事と出会った。



相手は莫大な資産を持っていて、ハンブルク出身で
身寄りがない未婚女性を望んでいた。
贅沢な暮らしに適していて旅行好きなことと
自分がその条件にぴったりだった。


さっそく、彼女は応募の手紙を書いた。




ハンブルクの大爆撃で家族も友達もいなく、財産も地位もすべて失っていて
これ以上手放すものがない状態であるが、それだけにロマンティックな夢も
感傷的な気持ちももちあわせてなく、どちらかといえば美人で背が高いこと。


新聞広告でパートナーを探す以上、なにかしらのハンディキャップをもっていても
それを乗り越えるだけの強さを持っていて、出される条件の全てを受け入れる
心づもりがあることを書いた。
ヒルデガルデの要求はただ一つ、贅沢でゆとりのある生活がしたいだけだった。






投函からしばらくたち、あきらめていたころようやく返事が届いた。
相手はカンヌで会いたいと言ってきた。
ヒルデガルデはもし成約しなくてもすべての費用は相手持ちなので
旅行を楽しむ気持ちでこの誘いを受けた。



現地で会った広告主は、六十あまりの上品な紳士だった。
相手はヒルデガルデのことをすっかりと聞きだしたが
結婚相手は自分ではなくて自分が仕えている老人の富豪だという。



ヒルデガルデが会ったのはドイツ系アメリカ人の大富豪カール・リッチモンドの
秘書のアントン・コルフだった。

リッチモンドは気難しくて偏屈で女性嫌いな病人だった。
最近遺書を作成することになったのだが、長年仕えてきたコルフにいく
分け前が少ないことから、リッチモンドを結婚させ夫人が相続する
莫大な財産から多くの分け前をもらおうという計画だったのだ。





ヒルデガルデにとっては予想外の展開だったが
翻訳をしながら生きていくのに精いっぱいな暮らしを続けるつもりはない。


コルフは孤児のヒルデガルデに自分の養女になるようにいい
ヒルデガルデが財産を受け継いだ後に自分に渡す二十万ドルを拒否した時の保険に
二十万ドル小切手を同封し、これで全て清算してもらいたい。

小切手を渡すのは自分の夫が死んだからで何もかも目をつぶってほしいという内容の
手紙を書き、ヒルデガルデ・コルフ=リッチモンドという名でサインをさせられた。
小切手もヒルデガルデの預金が出来次第署名してもらうという。




こうしてヒルデガルデはリッチモンドとの結婚はおろか顔を見る前に
秘書のコルフの養女となり、義父への謎の手紙を書かされた。



ヒルデガルデはリッチモンドのところへ姿を現す前に
美しさに磨きをかけ富豪の妻にふさわしい教育を受けた。



結婚相手のリッチモンドは車いすに座った大の気難しやだが
長年そばにいたコルフはこの老人の扱いを心得ていた。

コルフは1934年にリッチモンドがドイツに滞在中の間に秘書に採用されたが
非凡な才能がリッチモンドのお気に召しそのまま仕え続けている。
リッチモンドはコルフの野心を見抜きながらも、野心をそそのかしながら
献身的な奉仕を手に入れ続けていた。



リッチモンドは若いころ一度だけ結婚していたが、病気で内気な妻は
早くに死亡している。
手に余る金をつかんだリッチモンドは残酷でわがままだったが
そんな彼に唯一逆らったのが妻だった。
老人の長い人生で、身も心も捧げて尽くしたのが妻しかいなかった。



コルフはこれを利用し病気のリッチモンドのところへ
看護婦としてヒルデガルデを送り込みリッチモンドに盾を着く。

彼の周りのものは老人の罵声にもじっと我慢をしている。
だけど、リッチモンドが探しているのはそんな人物でないことを
コルフは見抜いており、自分に歯向かうことで老人の関心を買おうという作戦だった。


いよいよ実行に移された。



コルフはごく自然な形で看護婦経験がないヒルデガルデを
看護婦としてリッチモンドがいる船へ送り込むことに成功する。
そして、わがまま放大の老人の健康を気遣う看護婦として
毅然とした態度で理にかなっていないことは撥ね退け
見事にリッチモンドに気にいられ結婚することとなった。




二人はアテネで結婚式を挙げ、コルフは全ての書類の作成を引き受けた。
車いすに乗り病気を抱えている年老いた夫との肉体関係はないが
ヒルデガルデはとうの昔にそんなロマンティックなものとはおさらばしていた。
彼女はただ金の心配のない優雅な暮らしが出来れば満足だった。



ヒルデガルデはコルフから約束の二十万ドルの小切手にサインをしてくれといわれ
コルフ宛ての横線小切手に署名をした。



その後、ヒルデガルデは夫が船室で死体となっているのを発見した。
驚いた彼女は急いでコルフにこのことを伝えた。
コルフは新しい遺書がまだ登録前であることを明かし
これが済むまでリッチモンドが生きているように見せかけろという。



言われた通り一芝居うつヒルデガルデだったが
ついにリッチモンドが死んでしまったことがバレてしまい
そればかりでなく夫殺しの容疑が彼女にかかる。



もう莫大な金どころではなく、死刑から逃れること
命をつなぐことに必死になるヒルデガルデだが
これは初めからコルフにより巧妙に仕掛けられた罠だった。



ヒルデガルデが拘束されはじめこそ味方のふりをするコルフだが
すぐに自分の計画をヒルデガルデに話す。
ヒルデガルデはコルフが財産乗っ取りを狙って出した
新聞広告によりコルフの計画に乗ったことなど全てを刑事に話すが
それさえもコルフの計画のうちでどんどんドツボにハマっていき
自分の容疑を濃くするばかり・・・。




コルフの口車に乗せられて最近養女になったということも
彼の実子だということになり、ヒルデガルデが騒げば騒ぐほど
コルフが悪い娘を持った哀れな父親というように世間の同情を買う始末。
ヒルデガルデの両親は爆死していて死体も見つかっていなく
おまけに戸籍謄本でもアントン・コルフの娘となっていた。




それにヒルデガルデが見た広告はハンブルクで出されたものだが、
コルフは1934年以来ドイツへは帰っていない。



これまでも細かいこと全てが計算しつくされたシナリオであり
ヒルデガルデの反撃さえも自分に有利になるように仕組まれていて
細かなこと一つでも決して偶然に任せないコルフのち密さが見て取れる。




それはヒルデガルデがリッチモンドは他の使用人によって殺されたと思っていたが
実はコルフが殺していて、老人の寿命がくるまで長いこと待つつもりはなかったのだ。

コルフからそれを聞いて自分の無実を訴えるヒルデガルデだが
それももちろんコルフはわかっていて逆手にとって
よりヒルデガルデの立場を悪いものにしてしまう。




コルフは会う前からヒルデガルデのことは調べあげていて
この計画にピッタリな女であることの確信も得ていた。
計画の実行中にコルフにヒルデガルデが肉体を差し出そうとした時も
その誘いには乗らなかった。



自分の練ったプランが成功すれば、とうがたったヒルデガルデなんて目ではない。





絶体絶命のヒルデガルデは、果たしてこのコルフに勝って
真実を明らかにすることが出来るのか--。






//////////////////////////////////////////////////





普通なら、ここからヒルデガルデの反撃が始まりというところだが
さすがアルレー、後味の悪い結末だった。



これ、ドラマではどこまで原作に沿っているかが不明ですが
三国連太郎やりがいのある役だったのではないでしょうか。
ドラマは見たことがありますが、さすがに昔のことで
すっかり忘れています。



小説の方は代表作だけあって次の展開が気になって一気に読んでしまった。


カトリーヌ・アルレーは1953年に「死の匂い」でデビューし
1956年に発表した二作目が「わらの女」でした。


かなりアクの強い内容となっていてコルフがどういう罠を仕掛けたのか
ヒルデガルデがどう堕ちていったのか未読の方は読んでみる価値ありです。


土ワイでは処女作の「死の匂い」を始まった年の終わりにドラマ化しているんですが
「わらの女」はかなり後になって映像化しています。





関連記事
スポンサーサイト



                         
        

スポンサードリンク

                         

コメント

非公開コメント