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2007/03/17
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

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「松本清張の聞かなかった場所」 (1979年)

category - 土曜ワイド劇場
2007/ 03/ 17
                 
長年見たかった藤田まことの「聞かなかった場所」ですが、
ついにホームドラマチャンネルで放送されましたね。





●「松本清張の聞かなかった場所」  1979年3月17日
原作: 松本清張  『聞かなかった場所
脚本: 猪又憲吾
音楽: 深澤康雄
監督: 渡辺祐介
制作: 東映
出演: 藤田まこと、大谷直子、長谷川明男、森下愛子、
名古屋章、中原早苗、芦屋小雁、仲谷昇ほか



松本清張の聞かなかった場所




神戸へ出張していた農林省の食糧課長補佐・浅井恒雄(藤田まこと)は
新任局長(仲谷昇)を迎えての宴会の席で妻の英子(大谷直子)が
心臓発作で入院したという知らせを受けて東京に戻った。


松本清張の聞かなかった場所




浅井は先妻を亡くして、歳の離れた英子と再婚していた。
趣味で俳句をやっている英子は素材集めに歩いている時に
坂道で発作を起こして近くの美容院で倒れたのだという。


知らせを受けた英子の妹・美弥子(森下愛子)が駆けつけて
入院となったが幸い容態は安定してきている。



松本清張の聞かなかった場所





英子は心臓に持病を抱えていて健康には充分留意していたはずだ。
浅井は英子の行動にひっかかるものを感じていた。




後日、浅井は美弥子の案内でお礼かたがた高橋千代子(中原早苗)が経営する
渋谷区栄町の千代美容室を訪れ詳しい話を聞いた。
美容室の前は急な坂道で、その先にはラブホテルが並んでいる。




松本清張の聞かなかった場所




俳句の素材を集めるために訪れたとは思えないことや
英子から一度も”聞かなかった場所”であることが浅井の疑惑をますます濃くしていく。
しかも、英子が作った俳句には九州の山鹿灯篭について詠まれている。
これまで英子は一度も九州には行ったことがない。




実は英子は俳句の素材を集めて訪れた場所で同じく俳句をやる
久保孝之助(長谷川明夫)と出逢い不倫関係を結ぶようになっていた。




松本清張の聞かなかった場所




あの日、英子は久保の自宅で情事の最中に発作を起こし
慌てた久保が隣家の千代のところへ頼み込み苦しむ英子を運んだ。
久保は英子に坂道を歩いていて急に発作を起こしたので
千代美容室に助けを求めたことにしてほしいと言い含められていたのだ。



しばらくして、浅井が千代美容室のあたりを訪れてみると
美容室はなくなりホテル千代というラブホテルに変わっていた。
隣家の久保の敷地が削られ千代子の敷地が拡大していることに不審を抱いた浅井は
興信所に調査を依頼する。




一方、死にそうな自分を放置して保身から千代子のところに駆けつけ
工作をしたうえで病院に運んだ久保に対して英子は別れを告げた。
この時、偶然近くを通りかかった美弥子は英子が不倫していることを悟る。




松本清張の聞かなかった場所






浅井も興信所の所長(名古屋章)から久保と千代子の調査報告を受けた。
やはり千代子は久保の敷地100坪を手に入れてホテルを建てている。
久保が山鹿灯篭のコレクションをしていると知った浅井は
英子が久保と不倫していたのだと確信。



その通り、千代子は久保の不倫を隠すために協力した見返りとして
久保に土地を譲ってほしいと要求していたのだ。


松本清張の聞かなかった場所





浅井は久保が長野県に入院している病気の妻を見舞いに行く日に
あとをつけていくと、久保を呼び出すと人気のない高原へ行き
英子との関係を自分に土下座して謝罪しろと要求した。




久保はそれを拒否し、たとえ妻に不倫関係が知れたとしても
夫婦の間にひびがはいることがないと言い放った。


逆に、久保は国家公務員の浅井が妻の不倫相手を脅してきたことを
誤らない限り告訴するぞと強気に出てきた。


松本清張の聞かなかった場所





これまでコツコツと積み上げてきた地位が奪われるだけでなく
自尊心を傷つけられた浅井はとっさに持っていた硫酸を久保に浴びせてしまう。



叫び苦しむ久保を浅井は衝動的に近くに会った岩で殴り殺した。
激しく動揺した浅井は、硫酸が入っていた瓶を残したまま
現場から逃げてしまう。





その夜、駅までの道を求めて林を走る浅井の後姿を見た
富士見農協職員の春田次郎(相馬剛三)と木戸明治(須賀良)は
親切心から車で拾い上げ信州富士見駅まで送ってくれた。




松本清張の聞かなかった場所




そして、事件からひと月が経過した。



浅井は現場に硫酸の瓶を忘れてきたことや
春田と木戸に顔を見られたことでいつ逮捕されるかと怯える日々を過ごしていたが
ここまで何事もなく過ごすことが出来た。




美弥子は久保殺害の新聞報道を見て英子が殺したのではないかと疑うが
英子はそれを否定すると浅井がやったのではないかという疑惑が頭をもたげてきた。



松本清張の聞かなかった場所





そんな時、浅井は局長から長野県の食品加工の講師の依頼を受けた。
同じ時期に甲信越地方の農協組合職員がギリシャ旅行に招待されている。
そのメンバーに春田と木戸がいれば、浅井が講師を引き受けても
彼らと顔を合わすことはない。




浅井は口実を設けて兵庫県食品加工組合のヤギシタ(芦屋小雁)に調べさすが
二人はメンバーに入ってなかった。
浅井は費用を負担することにしてギリシャツアーのメンバーに二人を加える。



松本清張の聞かなかった場所





こうして、浅井は無事に長野県での出張を終えた。





ところが、旅行から帰ってきた春田と木戸はツアーに加えてくれたお礼にと
農林省を訪ねてきた。
焦った浅井は面会を断るが、彼らは建物の前で浅井が出てくるのを待っている。



とうとう、浅井の前に二人が姿を現した。



松本清張の聞かなかった場所




驚いた浅井は思わずその場から立ち去るが、夜道で走り去って行く浅井の姿を見た二人は
あの時、車で拾った男だと気づいてしまう。



浅井は逮捕され、自分のせいで夫を殺人者にしてしまったことを悔いた英子は
美弥子に遺書を残して自殺した。




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まだ、音やんになる前の藤田まことが殺人犯を演じている。


堅物のお役人の浅井は、自分の妻を奪った久保に謝罪させようと強気に出るが
開き直った相手から逆襲にあい社会的地位まで脅かされる。


逃げ場がなくなった浅井は衝動的に殺人を犯してしまうというもの。
守るべきものが多い浅いと、そうでない環境の久保との違いが悲劇を招いた。


殺人現場から戻る際に、地元の農協職員に顔を見られてしまい
それが命取りとなってコツコツ積み上げてきた社会的地位を失ってしまう。



これまで妻から”聞かなかった場所”に不信感を持ち
その後ずーっと調べ続けるというネチッこさと、
久保とのやりとりでの融通のきかなさ、
殺人を犯してからバレるまでの小心者っぷりを演じた藤田まことがいい。



また、色褪せたフィルムの質感は独特の味があってとても雰囲気があり
清張作品にマッチしています。



松本清張の聞かなかった場所


千代美容室と久保の自宅がある坂道なんかかなり急で
持病を抱える英子が倒れてしまったという言い訳もしっくりくる。


美容室の看板もレトロで侘しさみたいなものが漂ってくる。





(2019年11月17日 更新)




若い妻の愛人を殺した公務員の犯罪心理を描く。



●「松本清張の聞かなかった場所」  1979年3月17日
原作: 松本清張  『聞かなかった場所
脚本: 猪又憲吾
音楽: 深澤康雄
監督: 渡辺祐介
制作: 東映
出演: 藤田まこと、大谷直子、長谷川明男、森下愛子、
名古屋章、中原早苗、芦屋小雁、仲谷昇ほか




松本清張の聞かなかった場所



農林省の係長・浅井(藤田まこと)の妻英子(大谷直子)は
十六歳も年下で心臓が悪かった。


そんな英子が浅井の出張中に心臓発作を起こし、
美容院の女主人千代子(中原早苗)に助けられた。


浅井は英子の外出先が今まで聞いたことがない土地だけに
不審に思った。


やがて英子が美容院の隣に住む久保(長谷川明男)と関係していたのがわかる。









※※※ 松本清張作品記事一覧 ※※※


■ 「ガラスの城」

■ 「声・ダイヤルは死の囁き」

■ 「顔・死の断崖」

■ 「犯罪広告」

■ 「聞かなかった場所」

■ 「種族同盟・湖上の偽装殺人」

■ 「紐・恐怖の大回転遊覧車」

■ 「帝銀事件・大量殺人!獄中三十二年の死刑囚」

■ 「地の骨・犯罪大学・入試問題を拾った女」

■ 「駆ける男」

■ 「白い闇・十和田湖偽装心中」

■ 「小さな旅館」

■ 「死んだ馬・殺人設計図」

■ 「山峡の章・みちのく偽装心中」

■ 「地方紙を買う女・昇仙峡囮心中」

■ 「書道教授・消えた死体」

■ 「風の息・事故か!謀略か!もく星号三原山墜落の謎」

■ 「事故・国道20号線殺人トリック」

■ 「駅路・謎の伊勢路殺人旅行」

■ 「危険な斜面・白骨になった女」

■ 「殺人行おくのほそ道」

■ 「寒流・銀行を手玉にとった女」

■ 「溺れ谷・蜂は一度刺して死ぬ!」

■ 「連環・偽装心中をあばく女」

■ 「熱い空気・家政婦は見た!夫婦の秘密」

■ 「断線・新妻を棄て、愛人を殺し年上の女と心中した男」

■ 「葦の浮舟・奥飛騨―東尋坊密会の旅」

■ 「証言」

■ 「高台の家・美しい未亡人の妖しいサロン」

■ 「黒い樹海・京都密会の旅殺人事件」

■ 「黒い空」

■ 「数の風景」

■ 「一年半待て」

■ 「霧の旗・獄死した兄は真犯人じゃない! 女の肉体を賭けた復讐の旅立ち」

■ 「鉢植えを買う女」

■ 「状況曲線・巨大談合組織の黒い殺人!男と女が欲望の罠にはまる…」

■ 「黒革の手帳・綴られた男たちの欲望・元銀行OLが夜の銀座に咲かせる悪の華」

■ 「黒い樹海・姉の金沢不倫旅行が連続殺人を呼ぶ!」






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