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2007/04/08
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

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横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」 (1978年)

category - 昭和のテレビドラマ
2007/ 04/ 08
                 
「横溝正史シリーズⅡ」の第1作目。


「たたりじゃ~」で有名な八つ墓村。
岡山で起こった津山殺人事件を題材にしたことでも知られている。


前年に公開された渥美清が金田一耕助を演じた映画版は加藤嘉や田中邦衛が殺されるところが
メチャメチャ怖かったのですが、こちらはそれとはまた違った怖さがあります。



■ 横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」
放送日: 1978年4月8日 - 5月6日 (全5話)
原作: 横溝正史  『八つ墓村
脚本: 廣澤榮
音楽: 真鍋理一郎
主題歌: 「あざみの如く棘あれば」 (作詞:阿久悠、作曲、唄:茶木みやこ)
監督: 池広一夫
出演: 古谷一行、鰐淵晴子、荻島真一、神崎愛、津山登志子、白木万里、
常田富士男、山本清、佐藤和男、横光克彦、木村元、松尾嘉代、永井智雄、草薙幸二郎、
毛利菊枝、三木美和、新海なつ、小笠原町子、南部彰三、梅津栄、北村英三、内田朝雄、
長門勇、中村敦夫ほか
制作: 毎日放送、大映京都、映像京都



横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」




昭和二十四年、神戸に住んでいる寺田辰弥(荻島真一)は飲み屋のオヤジ(梅津栄)から
ラジオの尋ね人で辰弥の消息を探していた人物がいたと知らされ諏訪弁護士事務所を訪問した。


辰弥の母・鶴子(神崎愛)は辰弥を連れて寺田虎造に嫁いだが鶴子は辰弥が七歳の時に死亡し
復員したら義父の虎造も死んでいて天涯孤独の身の上だった。
辰弥は母から実の父について何も聞かされていなかったが、弁護士の諏訪(内田朝雄)の話では
金持ちの身寄りが辰弥を探しているのだという。


辰弥は身分を証明するものとして母から「お前が幸せになるために役立つものだ」と言われ
御守り袋の中にしまっておいた「鬼火の淵」「龍の腭」と書かれた地図と
左わき腹にある大きな傷跡をみせると諏訪は確かに寺田辰弥だと納得しその日は帰った。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」


飲み屋のオヤジは天涯孤独の辰弥に金持ちの身寄りがいると聞き
ようやく良い賽の目が出たと言い祝杯をあげた。


ところが、それ以来辰弥は帽子を目深にかぶった黒ずくめの男に尾行されたり
身辺を根掘り葉掘り聞いて回られたりと異変を感じるようになる。

その矢先、差出人不明の手紙を受け取り読んでみると
「八つ墓村へは帰ってはならぬ。お前が帰ってきたら恐ろしい祟りが起こり
八つ墓村はまた血の海と化すであろう」という警告文が書かれていた。


まもなく、諏訪の事務所を再訪した辰弥は鶴子の父・井川丑松(北村英三)と引き合わせられ
諏訪から辰弥を捜索した経緯を説明される。



横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」




辰弥の父は田治見要蔵(中村敦夫)で腹違いの兄・久弥(中村=二役)と
姉・春代(松尾嘉代)がいるが二人とも体が弱く後継者問題を心配した
双子の大叔母・小竹(毛利菊枝)と小梅(新海なつ)が辰弥を引き取りたがっているというのだ。
丑松は田治見家からその依頼を受けた使者だった。


諏訪が席を外すと辰弥は「僕の生まれたところは八つ墓村というところですか?」と尋ね
丑松はうなづくが、身元調査や手紙を出したのは自分ではないと否定。
その時、丑松は喘息の発作を起こし持参していた粉薬を飲んだところ血を吐いて辰弥の目の前で死亡する。


その薬に毒物が混入していたとわかり、丑松と一緒にいた辰弥が容疑者と見られたが
田治見家の分家の未亡人・森美也子(鰐淵晴子)が辰弥の容疑を晴らしてくれすぐに釈放される。
丑松が殺されたためその代わりに美也子が辰弥を八つ墓村へ案内することになった。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」




汽車の中で、辰弥は例の警告文を見せると美也子は「八つ墓村」の由来について
伝説として語り継がれている物語を話し始めた。



今から三百八十年程前の永禄九年、尼子義久が毛利元就に降伏した時
尼子義正という武将が七人の家来を連れて生き延びた
その一行は馬二頭に三千両の黄金を積んでたどり着いたのが田治見家のある村だった。


村人は毛利側が提示した報奨金に目がくらんだと同時に、何よりも一行が持っている三千両に目を付け
尼子氏らを皆殺しにすると八人の首を毛利側に差し出して死体は川に投げ込んだ。



横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」


その川は何日も真っ赤な血が流れ続け、村人たちは八人の墓を作り「八つ墓明神」として祀ったというのだ。
黄金三千両は未だに見つからないらしく、美也子は「私たちで宝さがししましょ」と冗談めかして言う。


汽車を降りた辰弥は神戸の夜道で遭遇した怪しい男と再会するが
その正体が有名な私立探偵の金田一耕助(古谷一行)だとは気がつかない。
耕助は八つ墓村を見るためやってきた。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」



辰弥が美也子に連れられて田治見家までの道のりを歩いていると
突然、行く手に奇妙な女が現れ

手紙の文面と同じことを言われ驚く辰弥に美也子は「気にしないで」といい
その女は気がおかしいと言われている濃茶の尼・妙蓮(白木万里)だと教えてくれた。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」



こうして、辰弥は自分が産まれた八つ墓村の田治見家へ到着し異母兄姉と対面を果たす。
その後すぐに辰弥は風呂へ入るように言われこの家のしきたりだといい春代が背中を流しに入って来る。
彼女の目的が自分の体の傷を調べることだと察した辰弥はそれを見せて春代を納得させた。



その夜、寝ていた辰弥は何者かが部屋に入って来るのを感じて目を覚ました。
そのまま寝たふりをしていると、その人物は辰弥の首元に手を触れて来たためたまらず悲鳴をあげてしまう。


翌日、辰弥は美也子と春代から二十六年前の惨劇を聞き出した。




横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」


辰弥の父・田治見要蔵は正妻との間に久弥、春代がいながらも
郵便局に勤めていた鶴子を愛し手籠めにして関係を結んだ。
鶴子には小学校の教師をしている亀井陽一という恋人がいたが要蔵は強引に引きはがすと
座敷牢に鶴子を匿いやがて辰弥が産まれた。


それからまもなくして、鶴子が鍵を壊して生まれたばかりの辰弥を連れて田治見家から逃亡すると
アル中で狂った要蔵は銃を携え日本刀を振り回すと村人たちを三十二人も惨殺した。
あれから二十六年経つが山へ逃げ込んだとみられる要蔵の行方は杳として知れない。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」



濃茶の尼は要蔵に夫と子供を殺されて以来あのように気がおかしくなってしまったのだという。


辰弥はなぜ村人が自分を白眼視するのかわかり田治見家の忌まわしい血が
自分にも脈々と流れていることに絶望的な気持ちになる。



一方、耕助も宿を提供してくれているオヤジ(常田富士男)の娘・カズコ(津山登志子)から
八つ墓村の名前の由来と二十六年前の要蔵の惨殺事件のあらましを聞き八つ墓明神が
祀られている場所へと案内してもらっていた。


二か月ほど前の雷の晩にそのうちの二つが壊れ、村人の間ではまた何か起こるのではないかと
噂をしていた矢先に、要蔵の息子辰弥が現れたというわけだった。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」



八つ墓明神のそばには兜菊といわれる毒草が植わっていて、戦争で負った傷を隠すために
兜の下に被る面頬を装着した蓮光寺の寺男・富蔵が終戦後よそからこの村に流れ着いていると知った。



美也子たちから父の事件を明かされ恐ろしくなった辰弥が神戸へ帰ろうとしたところ
小竹、小梅から足止めを喰らい親戚筋を紹介すると座敷に連れていかれた。


そこで、要蔵の弟で久野家へ婿入りした看護兵あがりの恒美(永井智雄)夫婦、
要蔵の甥・里村慎太郎(草薙幸二郎)と引き合わせる。
小竹らは辰弥を病に伏せる久弥と対面させるが、発作を起こし粉薬を飲むと
丑松の時と同じく血を吐いてその場で死亡し辰弥は毒殺だと確信した。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」



それを伝え聞いた耕助は八つ墓村の駐在(江幡高志)に本庁から
日和警部(長門勇)を呼び寄せるように手配を依頼した。


数日後、恒美の死亡診断書により病死となった久弥の遺体が埋葬されそうになった時
耕助と日和が解剖に回すと言いその死因に疑惑があると説明する。
二人とも恒美から渡された薬を飲んだ後に死んでいた。


久弥の初七日の法要で辰弥は梅幸尼(東竜子)から
「大事なことで話があるので明日寺へ来て欲しい。このことは私と洪禅様しか知らないことです」と耳打ちされる。
その夜、ふろふき大根を食べた蓮光寺の洪禅が突然苦しみだして即死した。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」




耕助は丑松、久弥、洪禅を殺した毒物はこの村のどこにでもある兜菊と呼ばれている
トリカブトだといいそれを誰でも自由に出入りできるが洪禅の膳にだけ入れることは不可能である。
そのため洪禅の死は無差別殺人だと耕助は断定。


翌日、辰弥が梅幸を訪ねていくと体に槍が撃ち込まれ梁から宙吊りにされて死んでいた。
死因は絞殺でこれまでの三つの事件でトリカブトを使ったと暴かれた犯人が
落ち武者殺しに見立てたものと考えられた。


そばには男の筆跡で書かれたこの村で職業や身分が同じ二人が並列して書かれ
死んだ者には横線で名前が消してあり殺人計画のメモのように見える。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」


要蔵が酒浸りだったこともありその血をひく辰弥は断酒させられていたが
小竹小梅の指示で珍しく酒を振る舞われた。
久しぶりにいい気分になった辰弥はうっかりして屏風に花瓶の水をこぼしてしまう。
すると、屏風から鶴子が恋人の陽一に宛てた恋文が浮き上がってきて「龍の腭」の文字を発見する。


その夜、辰弥が布団の中で母の恋文に思いを巡らせていると小竹、小梅が来て
寝たふりをした辰弥が寝入っていると信じ込み提灯を持ったまま動き出した。
その時、辰弥は部屋に飾ってある面のくり抜いた目に提灯の灯りがちらつくのに気がつく。
辰弥は二人に悟られないように後をつけると抜け道を発見。


耕助は日和に八つ墓村明神の祟りに見せかけて実は違う動機があると伝えた。
カズコの調べで殺人計画のメモは美作銀行が得意先に配った手帳に書かれ切り取られたと判明。
その中で恒美だけが手帳を紛失していて、耕助がメモを書いたのは恒美ではないかと
問い詰めると激しく否定し「おれは潔白だ」と家人に言い残しそのまま失踪してしまう。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」



その夜、辰弥は小竹小梅が通った抜け道を探索しその先にある鍾乳洞にたどり着いた。


散歩の途中で迷い込んだという美也子と会い、小竹、小梅が分家の美也子が
辰弥と親しくしているのが気に入らず遠ざけようとしているが美也子は辰弥を愛しているという。
それは、辰弥も同じで互いに胸の内を告白した二人は口づけを交わす。


物音がして出口の外に目をやると濃茶の尼の家がある周辺を歩く慎太郎の姿を見かけた。
美也子の話では慎太郎は真夜中に徘徊するという噂があるらしい。


辰弥は洞窟の中でミイラ化した死体が入っている鎧兜を発見する。
美也子はそれを要蔵の遺骸だと言い、二十六年前に事件を起こした要蔵を
小竹、小梅が匿ったが世間体も考えて兜菊で毒殺し鎧兜に隠したのではないかと推理する。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」




美也子は要蔵の死は殺された久弥、春代も知っていると思うと話した。
田治見家は自分たちの名誉や財産を守るためにはどんなあくどいやり方でもするのだと
辰弥がその跡取りになるのを承知で美也子は思わず本音を漏らしてしまう。


そしてその翌朝、濃茶の尼が絞殺され体に日本刀が刺された状態で発見された。
またしても犯人は梅幸尼の時と同じく落ち武者殺しを再現したものだった。
耕助は日本刀が太平洋戦争時代に作った軍刀だと言うとそれを持っている人物として
慎太郎の存在が浮上するが部屋はもぬけの殻で鍾乳洞の地図が残されていた。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」


耕助は事件を解く鍵は二十六年前の三十二人惨殺事件にあると睨み被害者の身辺を調査しているうち
辰弥の出生の秘密を知り辰弥に会いに行った。
耕助は屏風から鶴子と亀井陽一の恋文を持ち出しており要蔵との三角関係を詳細に語りはじめる。


今から二十七年前、郵便局に勤めていた井川鶴子は亀井陽一と将来を誓いあう仲だった。
そこへわがままに育てられた要蔵が横恋慕し鶴子を犯すと田治見家の離れに連れ込んだ。
扉には施錠がされ窓には鉄格子がはめられ逃げることが出来ない。


こうして鶴子は陽一との間を強引に引き裂かれると、陽一への愛を綴る恋文を書き続けたが
それを覗き見して知った要蔵は手紙を引きちぎり鶴子に暴行を加える。
鶴子は隣村の経師屋を呼び寄せ恋文を屏風の中へ閉じ込めたのだ。



横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」



当時は今以上に田治見家の勢力が強く、小学校の教師をしていた陽一は
圧力を掛けられた校長から言われるまま村から出ていかざるを得なかった。


耕助はここで、辰弥にとってある重大な秘密を明かす。


屏風の中には亀井陽一の写真も隠されており、その姿は辰弥に瓜二つだった。
辰弥は出生日からいっても田治見要蔵の子供ではなく亀井陽一の子供なのだ。
耕助は鶴子と陽一が結ばれた場所が「龍の腭」だという。


辰弥が自分の子ではないと疑惑を持った要蔵は生まれたばかりの辰弥の脇腹に焼き鏝を当てる。
諏訪や春代が確認した傷跡がそれだった。
つまり辰弥は田治見家の財産を相続する資格はないが、忌々しい要蔵の血も引いていないということになる。
おそらく犯人はまだこの事実を知らず、辰弥の身に危険が及ぶのではないかと耕助は危惧した。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」




一方、濃茶の尼が殺された頃、辰弥が鍾乳洞にいたらしいと知った小竹小梅は
辰弥が警察に何もかも喋る前に要蔵の遺骸をどこかへ移そうと考えた。
鍾乳洞へ入った二人が要蔵の遺骸が隠されている鎧兜の前まで来た時に、
突然中に入っていた男が動き出し小竹に危害を加えると小梅をさらっていった。


春代から小梅の誘拐を聞いた日和らが数日掛けて鍾乳洞を捜索したところ
地図の「鬼が淵」と書かれている場所にある池の中から小梅の死体を発見。
その頃、馬の仲買人の吉蔵(山本清)たちは八つ墓明神近くの土の中から
失踪していた恒美と慎太郎の死体を見つける。


吉蔵はじめ村人たちは辰弥が殺したと信じ仇討ちしようと押しかけて来たため
辰弥は抜け道を通って鍾乳洞の中に身を隠した。
そこへ辰弥の身を案じた美也子が彼女しか知らない抜け道から鍾乳洞へ入ると
二人は探索しているうちに鶴子と陽一が逢引の場所に使っていた「龍の腭」を探し出した。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」



鶴子が自分を身ごもった場所で、辰弥は美也子と初めて契りを結ぶと
伝説として語り継がれていた三千両の黄金を発見する。
美也子とはこれだけあれば田治見家の財産を継ぐ必要はないといい
村を出るため一旦家へ引き返した。



その頃、耕助は呼び出しておいた諏訪を使者を装って出迎えると
二十六年前に諏訪の両親が要蔵に殺害されていたことを確かめる。
そして、探偵と身分を明かして諏訪が今度の一連の事件の犯人の一人だと突きつけると
日和警部が現れた。


耕助はまだ主犯が誰かというのが確信が持てず主犯としたまま推理を話し始める。



久野恒美は以前、選挙に出馬したが落選し田治見家をはじめ村のものたちが
自分に投票しなかったのが原因だと恨みそれを説明するために例の殺人計画のメモを諏訪に見せた。
その頃、八つ墓村に落雷があり墓の一部が壊れてしまう。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」


諏訪はそれを利用して八つ墓明神の祟りに見せかけてメモの人物の殺害を計画。
田治見家への怨念と見せかけて田治見家の者を根絶やしにして財産を奪おうとする。
諏訪はまず、辰弥を迎えに来た丑松の喘息の薬をトリカブト入りのものとすり替えると
次に、主犯が兄妹の対面を果たした久弥、その後に洪禅を殺す。



続いて梅幸のもとを主犯と訪れた諏訪は背後から首を絞めて殺し二人で梁に吊るすと
祟りに見せかけて体に槍を突き刺した。
あとは、濃茶の尼を落ち武者殺しの見立て殺人にして、慎太郎、恒美、小梅を殺した。



諏訪は富蔵が面頬で顔を隠しているのを利用して面頬で顔を隠して度々八つ墓村に訪れており
その変装に使っていた面頬を見つけて諏訪の前に投げ出した。
諏訪は犯行を認めたが欲得だけではなく殺された両親の怨念が自分にのしかかっていると言い
捕まったことにより仕事が完成しないのが悔しいと涙をこぼす。




鍾乳洞で美也子を待っていた辰弥は女の悲鳴を聞きつけ声の主を探しに行くと
息も絶え絶えの状態で春代が倒れていた。
春代は自分は辰弥の姉ではなく、一人の男性と愛していながらも姉としてしか接してもらえず
辛かったと辰弥への愛を告白した。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」



辰弥が田治見家の血をひいていないことは久弥も知っていて、忌まわしい要蔵の実子でない辰弥が
跡取りになるのを願っていたという。
春代は最後の力を振り絞って自分を殺そうとした犯人の小指を噛んだこと、
そしてその犯人の名前を辰弥に耳打ちすると息を引き取った。


まもなく、支度を終えた美也子が洞窟に戻ると辰弥はその小指を確かめ
美也子が恐ろしい殺人鬼であると暴いた。
美也子の夫は事業が立ち行かなくなり田治見家へ金を借りに行ったが貸してくれず
会社は倒産し家屋敷も人手に渡ると自殺した。


その土地は小竹らが買い戻し自分たちのものにしたと知った美也子は
田治見家への憎しみが沸々と湧いてきた。
美也子は辰弥を殺すつもりで村へ連れてきたが殺せなかったといい
辰弥への愛との狭間で揺れ動いた心境を明かすと涙した。



横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」


変装道具の面頬を見つけた耕助は主犯は美也子だと確信が持て鍾乳洞へ向かう道中で
日和に事件のきっかけになった出来事から話していく。


盗癖のある濃茶の尼は久野恒美の往診鞄を盗み、銀行が配った手帳を眺めている時
それを見た美也子が金で手帳を買った。
美也子と諏訪はそれがバレるのを恐れて落ち武者殺しに見立てて濃茶の尼を殺害。


そして、自分の書いたメモ通りに殺人が進むことに怯えた恒美が
「おれは潔白だ」といい家を飛び出すと待ち受けていた美也子と諏訪が殺す。
これは口封じのためでなく警察の捜査をかく乱させる意味もあった。


ここまでは美也子主導で殺人が行われたが、殺すために呼び寄せた辰弥を愛してしまい
これ以上殺人を犯したくないと消極的になりはじめた。
しかし、里村慎太郎が美也子を犯人だと知ったことで諏訪が嫌がる美也子を説き伏せて殺した。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」

辰弥に犯人と暴かれた美也子は一緒に死んでほしいと言いカミソリを持ち出すと逃げる辰弥を追い回した。
足を挫いた辰弥を追い詰め凶行に及ぼうとした時、富蔵が現れ首を掻き切られながらも
殺人鬼美也子を殺し辰弥を助けた。


まもなく、耕助たちが到着し富蔵が被っていた面頬を取ると正体が亀井陽一であることを告げる。

横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」


陽一は田治見家に愛する鶴子を強奪され村を追われながらも、鶴子と忘れ形見の辰弥のことを
片時も忘れたことがなく戦後になって顔を隠して村へ戻っていた。


田治見家の跡取りとして辰弥が迎えられると知ると、神戸で辰弥の身辺を探ったり
八つ墓村へ来た初日の夜に辰弥の様子を確かめに来た。
陽一は影の存在となってわが子を守ろうとしていたとわかり辰弥は我が身を犠牲にして
自分を救ってくれた父の愛に涙した。



逆に美也子は辰弥が田治見家とはかかわりがなかったと知らず
その手を血で染めてしまい殺さねばならない辰弥との愛で苦しみ悶えた。



数か月後、耕助のところへ新聞を片手に日和が訪ねて来た。


耕助は新聞記事で岡山県で起きた台風の二次災害により川が氾濫を起こし
八つ墓村は村ごと濁流に押し流され辰弥が水死したと知る。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」



日和は「神戸に戻っていた辰弥がなぜあの洞窟へ行ったのかさっぱりわからない」というと
「恋人と実の父親が死んだ洞窟へ見えない糸に手繰られていった。
やっぱり祟りということかなぁ。日和さんそう言いたいんでしょ。」と頭を掻きむしりながら耕助が答える。







金田一耕助ファイル1 八つ墓村 (角川文庫)


ドラマ版「八つ墓村」は何度も見ていてストーリーは知っているのですが
それでも離れにある座敷牢のような部屋にかけられているお面の目玉が光ったり
鍾乳洞の鎧が動き出す場面など見るたびに怖さがありますね。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」

夜になると鉄格子がはめられた離れの部屋に飾ってある面の目が提灯の灯りで光り
小竹、小梅婆さんがヒソヒソ声で話ながら鍾乳洞へ続く抜け道を通り抜けていく。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」

また辰弥が寝たかどうかを確かめる強欲で傲慢な双子の婆さんの絵も気味が悪い。



その離れに拉致される井川鶴子を演じた神崎愛が「清純派」といった感じで
みずみずしくてすごくキレイ。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」


それとは対照的なバタ臭い美しさの鰐淵晴子。



横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」


彼女の共犯者が内田朝雄というのも絵的にギトギト感がある。


八つ墓村を見物しにやってきた金田一耕助に宿を提供してやる
オヤジを演じているのが常田富士男。

横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」

後の「混浴露天風呂シリーズ」で古谷一行演ずる左近警部とコンビを組む
鉢山秀才もやっていてこんなところでも共演していたとは。


そのオヤジの娘のカズコにこの頃いろんなドラマで目にする津山登志子。

横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」

活発な娘で金田一は「かずっぺ」なんて呼んで助手代わりに使っている。


八つ墓村の名前の由来や黄金三千両の伝説などを金田一に教えたのはこのかずっぺだ。

彼女は例の殺人計画のメモが美作銀行が得意先に配った手帳から切り取られたものだと掴み
誰に配って誰がそれを所持していて所持していないかを金田一に教えて調査に協力した。


今回、三十二人を殺して行方不明となった田治見要蔵の息子と勘違いされて
散々な目に合うのが荻島真一。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」


「本陣殺人事件」では実の兄に切りかかられておののいている姿が印象的だったが
ここでも八つ墓村に来た初日に、夜寝ているところを何者(正体は実父の亀井陽一)かが侵入したのに気づき
布団の中で寝たふりをして息をひそめていると、背後から首筋に手を当てられて思わず
「うぎゃあぁぁぁーっ!」と悲鳴を上げてしまうのは思わず笑ってしまった。


二時間サスペンスなんかでは胡散臭い役どころがお得意な彼が
大声で怖がっているっていうのは痛快なものがあります。


そして、この田治見家の跡取りとして連れてこられた辰弥こと荻島真一を愛してしまうのが
当初腹違いの姉とされていた田治見春代こと松尾嘉代だ。


横溝正史シリーズⅡ 「八つ墓村」


この組み合わせどうしても土曜ワイド劇場っぽい。

土曜ワイド劇場ではしたたかな役が多かった印象があるけどここでは耐え忍ぶ
控えめな女性を演じていますね。


さて、冒頭の八つ墓村伝説にあった「あまこよしひさ」って架空の人物らしく
字は適当ですがこの村人が八人を殺す場面、木村元は確認できたんだけど
この中に横光克彦もいたのかな。



時間があれば見直してみようかな。







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************ 横溝正史シリーズ一覧 ************


1. 「犬神家の一族」

2. 「本陣殺人事件」

3. 「三つ首塔」

4. 「悪魔が来りて笛を吹く」

5. 「獄門島」

6. 「悪魔の手毬唄」



************ 横溝正史シリーズⅡ一覧 ************


1. 「八つ墓村」

2. 「真珠郎」

3. 「仮面舞踏会」

4. 「不死蝶」

5. 「夜歩く」

6. 「女王蜂」

7. 「黒猫亭事件」

8. 「仮面劇場」

9. 「迷路荘の惨劇」





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