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2007/10/22
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

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「桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠」 (1988年)

category - 土曜ワイド劇場
2007/ 10/ 22
                 
テレビ朝日開局30周年記念特別企画として
土曜ワイド劇場で放送された「桜子は微笑(わら)う」。

明治の終わりから昭和初期の激動の時代を舞台に
大きな野望を抱いた男と、その男に利用されながらも
いちずに愛した娘のロマンと悲劇を描いた異色の作品。






●「桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠」
1988年10月22日
脚本: 寺内小春
音楽: 小林亜星
監督: 久世光彦
制作: KANOX
出演: 松坂慶子、松田優作、田村高廣、加藤治子、
木内みどり、芦田伸介、佐藤慶ほか




桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠



明治末期、梔子玲三(松田優作)は東京根津で写真館をやっていた。
まだその頃は東京でも写真は珍しく、玲三の写真の技術が高いこともあり評価を受けていた。
玲三は西洋の女性の写真に、塗り絵のように鮮やかに色をつけていく
高度な技術とセンスを持ち合わせている。



ある日、政友会議員の藤堂新介(佐藤慶)が玲三のもとへ
ネガを手にして訪れた。
現像をしてみるとそこに写し出されたのは愛新覚羅溥儀だった。




桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠


同じ日、執事橘圭作(田村高廣)が家の前で捨て子の赤ん坊を拾った。
玲三の愛人で横浜朝日楼という遊郭の女主人お遊(加藤治子)は
赤ん坊の耳たぶにホクロがふたつあるのを見て
この特徴は男の運命を狂わせる女だといった。




橘は赤ん坊を警察へ連れていこうとするが、玲三はその捨て子を自分で育てるという。



桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠


玲三は赤ん坊を”桜子”と名付け、幼い時から男を喜ばせるために
クチナシの花の香水を体に染みこむくらいにつけ、書や芸事を習わせ、
春画に塗り絵までする異様な環境の中で育てていった。



玲三の特殊で厳しい教育を受けた桜子(松坂慶子)は
彼の思惑通りに、美しい女へと成長していった。



ある日玲三は、新藤と一緒に貴族院議員の貴島宗一郎(芦川伸介)の
屋敷を訪れた。
貴島は愛新覚羅溥儀が北京の日本公使館に逃げてきたといい
直接会ってきた話を聞かせた。



実は、梔子(クチナシ)玲三も新堂の家のクチナシの木の下に捨てられていた捨て子だった。




清国外交団の代表として日本に来ていた王朝貴族の一人に
藤堂の父が女をあてがっていて、二人の間に生まれたのが玲三だと藤堂は推察していた。
藤堂は清王朝の血を引く玲三を利用して、
溥儀とともに理想の王道楽土を満州に築こうという野望があった。



藤堂は愛に飢え、敵に囲まれた溥儀の心を鷲掴みにするには、
玲三の中に流れている大陸の血が必要だと思っていたからだ。


こうして、玲三は日本を旅立ち溥儀のもとへ向かった。
その間に、桜子は横浜のお遊のところへ預けられた--。



昭和4年、桜子が18歳になる頃には、すでに成熟した肉体を持ち、
仮面をつけながらも、その心と体は男たちを喜ばせる女になっていた。
桜子の吸い付いてくる技術の虜になった客のうわさから
外からもそれを聞きつけた男たちがわざわざ指名してくるほどだった。



お遊が主人をつとめる朝日楼にはお乱(木内みどり)という若い学生に貢ぐ女郎がいた。
お乱の度重なる借金の申し込みを、お遊が拒否すると、事情を知った桜子は
お乱に金を渡し、その時に初めてお乱にこれまで仮面で隠していた素顔を見せた。





桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠

その年の秋、玲三が溥儀を連れて日本へ帰ってきた。
防雨の中、山陰の漁港に藤堂と貴島も出迎えに来ていた。


玲三が久しぶりに帰宅すると、停電の薄暗い部屋でじっと外を見つめていた。
桜子は音もたてずにすっと部屋に入ってきたが、玲三は桜子が幼い頃と同じように
彼女の匂いで桜子がそこへ来たことがわかった。


遊郭で何人もの男に抱かれながらも、いつ帰ってくるかと待ちわびていた
玲三との再会に、桜子の瞳からは自然と涙があふれ出てきた。
それをみた玲三は、普通の女の感情を見せた桜子をしかりつけた。



桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠

桜子はそのまま部屋を出ると庭へ行き、激しく降り続ける雨に打たれ続け
涙を洗い落とすと玲三を呼んだ。
これからは玲三とお遊が教えてくれた通り、どんな時でも笑うといって笑顔をみせた。


桜子が入浴中、当たり前のように玲三が風呂場へ入ってきた。
玲三の目的がわかった桜子は、女として成熟した女体を玲三に見せた。


桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠



それを知った橘は珍しく玲三を非難したが、玲三は自分がいない間に
お遊が桜子をどんな女につくったのか点検したいだけだった。



桜子の体をみて、お遊は玲三の思った通りにしあがてくれたと満足すると
60も近い橘に、さっきはまるで二十歳の若者のようだったと言い残した。



桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠





溥儀が極秘来日を果たし、藤堂は貴島に玲三の役割が終わったら
好きに処分をしてくれていいといった。
玲三に対する溥儀の信頼はあついものがあり、貴島らを裏切って
玲三と手を組まないという可能性もなくはない。


玲三は藤堂が拾った子供だが、自分の家族でもなく
日本人でもない、玲三が自分の目的のために桜子を利用したように
玲三もまた藤堂に利用されていたのであった。



玲三と溥儀は乗馬をしていて、そこへ馬に乗った桜子もやってきて
溥儀は桜子という女の存在を初めて知った。
桜子にはお遊から教えられた通りに溥儀の相手をしろと言い含めてあった。



溥儀はその後、付き添いもなく一人きりで玲三の写真館へ来た。
写真を撮り終えると、桜子は溥儀と部屋へ行き祖国の歌を奏でて聞かせた。
それを聞いた溥儀は涙を流し、美しい桜子と初めて抱き合った。


桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠


部屋から離れた場所にいた玲三は、気配で二人が愛し合っていることを悟り
複雑な表情を見せる。
そっと入ってきた橘は玲三に「どうぞ、ご無理はなさいませんように。」というと
「どういう意味だ?」と玲三は聞き返したがそれには答えないままだった。


それから、しばしば溥儀は写真館にやってきては桜子と会った。
溥儀は桜子を連れて帰りたいとまで思うようになっていて
桜子も新しくつくる国に玲三と一緒へ行きたいという思いを打ち明けた。


玲三は二人を静かに見守りながらも、酒をあおりある感情を殺しているようにも見えた。



桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠

すべては玲三の思惑通り順調にいっているように見えたが
溥儀の優しい性格を知る玲三は貴島たちの強引さに負けないか
日本人に利用されていると知ってしまいやしないかと
心の中にある不安をお遊にそっと打ち明けた。





玲三が家に帰ると、幼い頃のように桜子が鏡の前に座っていた。
桜子は玲三から朝日楼の匂いをかぎつけ
お遊と会っていたのだと悟ると、クチナシの香水を浴びせかけて
お酒の匂いも、朝日楼の匂いも消すと自分の匂いに染めてしまう。



溥儀は満州に自分の国を作ると玲三に約束して日本を発っていった。
しかし、その後満州事変が起こり溥儀は天津を脱出してしまった。



このところ藤堂は玲三を避けていて、溥儀の居場所が知りたかった玲三は
桜子を使ってそれを探り出そうと藤堂のもとへ差し向けた。
だが、具体的な場所はわからず、次は貴島のところへ探りにいこうかと
積極的に玲三に協力する姿勢をみせる。



その頃、玲三が朝日楼へ行くとお遊のところへ借金を返しに桃子という
女郎がやってきた。
桃子は桜子がいた部屋を使っていて、最近藤堂のお気に入りになっていることがわかった。
玲三は桃子の耳たぶにホクロがひとつあるのを見つけると、桃子を抱いた。



桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠

桜子はふとしたきっかけで朝日楼にいたお乱と再会した。
お乱は例の男タザワと一緒になったものの、男は病に倒れてしまい金が必要だった。


タザワはもうどうにも手が尽くせない体だったが、ひとりの女としてタザワの愛を得た
お乱はそれで幸せなようだった。
桜子は男の野望に利用されるわが身を思うと、複雑な心境になった。
お乱の事情を知った桜子は、それから足しげくお乱の家へ滋養のつく料理を運ぶようになった。



だが、ある日橘に付き添ってもらい桜子がお乱の家へ行くと
中にはタザワが床で死んでいて、そばには自殺を図ったお乱が血まみれで倒れていた。
しかし、お乱はまだ息があり、橘の機転もあり一命をとりとめることができた。



お乱の家から帰った桜子は、血に染まった手で自分の顔を拭いた。
鏡には赤くなった桜子の顔が映っていた。
その様子をみた玲三は、桜子に近づくとバケツの水を浴びせる。




桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠

しばらくして、お乱の借金を返しに桜子がお遊のところへやって来た。
お遊は桜子に惚れた男と一緒に死なせてやればよかったのにというと
そこに桃子が入ってきて、桜子は初めて玲三と桃子の関係を知った。




昭和7年、満州国が生まれ、昭和9年3月には溥儀が満州国皇帝に即位した。




貴島と藤堂は祝杯をあげながらも、溥儀がいつ自分たちを裏切って
心が通っていた玲三と手を組むか気がかりだった。
藤堂も玲三に情が移りつつあるものの、今のうちに消してしまった方がいいと提言した。



桜子は23歳になっていた。
新聞を読んでそれを知った桜子は、こんなことに利用されてきた
自分の人生をわらうしかなかった。
しかも玲三の大きな夢は叶えられず、そのためだけにこれまでの人生をささげてきた
桜子はこれからどう生きていけばいいかわからなかった。


自暴自棄になった桜子は酒を飲んでは、満州国建国の歌を思いっきり
玲三の前でうたい精神的に追い詰めていった。
昭和12年、日中戦争がはじまると、玲三は寝食も忘れて
中国の知り合いに必死に手紙を書き続けていた。



桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠

玲三は桜子を連れて日本を出る決心を固め
いよいよ出発の日、二人はお遊のところへ別れの挨拶へ行った。


だが、お遊は重い病にかかっていて、病床で死の間際だった。
二人をみたお遊はどこか遠くへ行くためにお別れを言いに来たことを察知すると
玲三たちと会い安心したのかその場で息を引き取った。



桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠


桃子の密告により玲三と桜子が朝日楼に来たことを知った
藤堂は二人が日本を出ようとしているのではないかと貴島に相談していた。
玲三は秘密を知りすぎているために、始末しようとする。



桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠

二人は写真館へ戻ると、最後の写真を撮ろうとしていた。


桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠


だが橘が家の周りに貴島たちが刺しむけた不審者がいることを知らせ
早く逃げないと口を封じられてしまうというと、橘は写真館から出てどこかへ行った。



玲三と桜子だけが残り、最後の写真を撮り終わった玲三は
桜子と初めて愛をかわす。



桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠

行為が終わると、玲三は桜子の首を絞めた。




ぐったりした桜子を抱いた玲三が、部屋から庭へ出ていくと
門の間から玲三を狙い銃が乱射された。



桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠

日本を出るという計画は果たせないまま、二人の体は土の上で冷たくなった。


季節は春、さくらの花びらが二人の遺体に舞い落ちていく・・・。



その後、春とはいえまだ冷たい横浜港から藤堂の水死体が引き上げられた。
拓務大臣となったばかりの藤堂の暗殺事件は新聞でも大きく報道された。



橘は思ったよりも早く藤堂の死体が発見されたと思っていた。
藤堂を殺害して横浜港へ棄てたのは橘だった。




あの日に桜子がとうとう玲三と結ばれてしまい、橘の人生は終わってしまった。





桜子は微笑う・ラストエンペラーに仕掛けられた妖しい女の罠

手榴弾を持った橘は、桜子と玲三の写真を眺め自害した。




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映画「ラストエンペラー」でも話題になった溥儀を登場させ
虚実を織り交ぜた歴史サスペンスに仕立てています。



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