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「運命の旅路・謎の特急出雲1号」 (1980年)  斎藤栄 運命三部作

category - 土曜ワイド劇場
2007/ 11/ 15
                 
もともとドラマを見たいなとは思っていたのですが
小説も面白く、またドラマの脚本、監督、音楽担当も良くて
より一層見たい度がアップしています。




●「運命の旅路・謎の特急出雲1号」  1980年11月15日
原作: 斎藤栄     『運命の旅路』 
脚本: 猪又憲吾
音楽: 横山菁児
監督: 斎藤武市
制作: 東映
出演: 丘みつ子、高峰三枝子、関口宏、河原崎建三、
山本茂、大山のぶ代、青空球児、井上昭文ほか




寿江(丘みつ子)は医大に通う弟の孝一(山本茂)と二人暮らし。

旅行に出かけたはずの孝一が、ある日自室から死体となって発見された。
検視の結果、頭部に打撲傷、腕には注射の跡があった。

山陰地方に旅をすると言って家を出た孝一がなぜ、自分の部屋で殺されたのか。

寿江は旅行評論家綾子(高峰三枝子)とともに、孝一の行動を追うことで
真相を解明をしようとするが---。











雲井寿江は両親を早くに亡くして、演劇部に所属している大学生の弟孝一と二人暮らし。
孝一は旅行雑誌「旅行ファン」の<テーマ旅行記>という企画に応募しようと
母親の出身地に”津”がつくことから山陰・山陽で津のつく土地を
変装しながら旅をしてその紀行文を書こうと旅に出ていた。





寿江は霞が関にある合同行政ビルの五階で
旅行中の孝一が変死体となって発見されたと知らせを受けた。


孝一は総理大臣の椅子に座り頭を殴られていて、
注射で毒物を打たれて殺害されたのだという。





寿江は父親がやっていた画廊を引き継いでいた。
寿江の母は父に死の間際にある重大な秘密を打ち明けていて
父はそれを寿江と孝一に告げて死んでいった。

寿江は父と母の子供だが、孝一は母と洋画家の松山桃白との間にできた子供だった。
以来、孝一は寿江に異性を感じるようになっていた。





しかも寿江は松山桃白の長男茂の恋人であり、
茂はモーターボートで事故死していたが他殺の可能性もあった。

この時ボートにもうひとり同乗しており
その人物が寿江と茂の仲を嫉妬していたことを知っていた。

だが、寿江はその男を警察に告発できない事情があったが
同時にそのまま許すこともできずにいた。





寿江は画廊を経営している関係で旅行評論家で
絵も描いている望月綾子と面識があった。
孝一は旅に出る前に自分の作品が選ばれるように
綾子にアタックしていたこともわかった。





寿江は孝一の死の真相解明のために、
孝一が旅したルートを辿ってみることにした。
寿江は誰かの客観的な意見も欲しいと思い、
綾子に旅の同行をお願いし一緒にそのルートを回ることとなった。





孝一は老人や、女性、外国人の変装を用意していて
”津”のつくところをまわるということだけを明かしていて
正確なルートはわからなく、二人は手探りで孝一の足跡を追っていく。

途中、寿江は塩を投げられ目つぶしにあい、
綾子はパジャマを着るところを手伝ったときに
寿江の二の腕と胸元に紫色の痣があるのを発見したが寿江はそれを隠したがった。
途中で綾子と別れた寿江はしばらくひとりで孝一のルートを探り東京へ帰った。





孝一の遺留品の中には地方の新聞紙で追った白鳥の折り紙があった。
そして孝一が五十万ずつ計百万円という大金を手にしていたことが判明する。
この折り紙が生田美加という少女が折ったものではないかという可能性が出てきた。





生田美加は旅回りの奇術師、生田義助と妙子夫婦の子供だが
実は父親が元衆議院議員の斑目英太郎だった。
夫には言ってはいなかったが美加が斑目の子であることは明らかで
うしろめたい気持ちを抱えながら夫の死まで過ごしてきた。




母子家庭となった妙子と美加は、母子寮に入っていた。
だが、旧知の杉山良太郎という芸人から言い寄られた妙子は美加を里子に出そうとした。
自分は杉山と暮らすことにしたが、杉山はとんでもないヒモ男で暴力も振るわれた。




妙子は娘を捨てて男に走ったことだけでなく、美加に後ろめたさを感じていた。
それは美加を里子に出す先のことである。




美加を里子に欲しがっているのは斑目英夫という
東光医大附属病院に勤める医者である。

美加の実の父親、斑目英太郎の息子であり、
斑目にとって美加は腹違いの妹だった。
それを知っているのは、妙子だけである。




斑目英夫は松宮教授の娘知子という妻がいたが、
結婚した後に妻が妊娠できない体であることを知り里子を探していた。

美加受け入れに熱心なのは斑目だけで、
知子はのり気でないばかりか
どうやら夫婦仲が冷え切っており離婚を考えている状況であった。


美加は幼いながら貧血に悩まされていて、
どうやらその件で斑目は養女にしようとしているらしいことがわかる。

里子に出そうとしていた妙子も、斑目夫婦の異常な様子から
美加を連れ去った斑目の行方を追う途中何者かに襲われた。





孝一殺害事件を担当した万代刑事は、この接点を知り寿江と妙子を同伴して
もう一度孝一の旅のルートを追ってみることにした。



そして、ついに孝一を殴打した意外な人物を突き止めるが
その人間は火災に巻き込まれていた。



最後に孝一殺しの全貌が明らかになり、真犯人のアリバイトリックも見破る--。



と、同時に茂のモーターボート事故も、ある人物が茂を殺したという事実も明らかになった。






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原作は斎藤栄の「運命三部作」の一作目「運命の旅路」(1978年)である。



この後「運命の青春」「運命の死角」と続き、「運命の死角」は
「35年目の亡霊・学童疎開殺人事件」というタイトルで
「運命の旅路・謎の特急出雲1号」の約2か月前に土ワイで放送されている。



三部作と言ってもつながりがあるわけではなく、作者の構想の上で
”運命シリーズ”と名付けられているだけの独立作品である。



複雑な家庭事情を持つ登場人物たち。
それぞれが、世間に明かしたくない後ろめたい過去を抱えている。


ドラマの方は未見なので、小説しか読んでないが結構面白くて
ドラマの再放送がより見たくなった。


ドラマの出演者の顔ぶれを見て、この人が犯人かなというのは
見当がついていたが、そこに行くまでの意外な事実などが
スパイスとなって結果はそうであっても十分に楽しめる内容だった。



ドラマでは被害者は医大に通う大学生となっているが
原作では明正大学の演劇部に所属しており
紀行記を書くための旅行でもタイプの違う人物に変装して
旅をしていてそのあたりもユニークで面白かった。


こういうごちゃごちゃした細かい演出はドラマでは
バサッとカットだとは思ってましたが、どうやらそうなのかな。


物語では最初から死体で発見された被害者の雲井孝一だが
その後に茂の性格が明かされ、そのあたりが小説のプロローグにあたる
松山茂のモーターボート事故に関係してくる。


それと孝一が総理大臣の椅子で死んでいた部分は
真犯人のアリバイトリックに通じるものがあり
この”椅子”というワードには孝一の実の父松山桃白が絡んでくる。



気軽な気持ちで読んだ「運命の旅路」でしたが、結構面白かった。




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